One night stand after〜俺様カメラマンと一夜限りの関係のはずが気付けば愛執に捕らわれていました〜

玖羽 望月

文字の大きさ
165 / 247
38 side T

3*.

しおりを挟む
俺の腕の中で、零すつもりじゃない涙を浮かべて、何度も嬌声を上げ身を捩る瑤子に、俺は揺さぶりながら尋ねる。

「またイッた?もう何度目?」
「っ!誰が……そう……してる、の、よっ!」

俺の首に縋りつきながらも、食ってかかるように瑤子は言うのを、俺は息を漏らして笑いながら、わざと強く腰を強く押し付ける。

「あっ!やぁぁっ!」

腕に力を込めて背中を反らす瑤子の唇を塞いで、俺は口の中をぐちゃぐちゃに掻き回してやる。

「ふっぅ、んっっ」

舌を絡めあって、吸いあって、熱を分け合うようにお互いを求める。

「も……ほんと……無理。お願い……」

薄ら開けた瞳をこちらに向け、瑤子は訴えるようにそう口にした。

「そんなにイきたい?」

耳たぶに口付けながら囁くと、瑤子は震えながら頷く。

これだから止められねーよな、なんて思いながらその顔を見る。
もっと啼かせたい、もっとイかせたい、もっと善がる顔を見ていたい。

「……つ…かさ、ぁ、んん!」

強請るように名を呼び縋り付く瑤子の耳に唇を寄せる。

「お望み通り、イかせてやるよ」

俺はそう耳元に囁いた。



もう皺だらけになった襦袢や解けた伊達締めをようやく体から取り去り、ベッドの下に放り出すと、布団の中で瑤子の体を抱きしめる。当の本人は、もう半分意識を飛ばしてされるがままに、うとうとしている。

昼間、だいぶ歩いたし疲れてんだな

腕に収めて、寝息を立て始めた瑤子の背中を撫でた。そして、俺もその温もりに微睡み始める。

あったけぇ。ずっとこうしてられたらいいのに

なんて、遠くで思いながら。


◆◆


正月らしさも無くなり、日常に戻りつつある週末金曜日。
瑤子が事務所に新年の挨拶をしに顔を出すと言うから俺もそれに付き合う。

淳一と茉紀にはもちろんニューヨークの土産は用意しているが、ほぼ自宅に送り付けたからもう届いているはずだ。今日はもっともらしく手土産だけ持つと、何度か顔を出している事務所に訪れた。

「失礼します」

社長室の扉をノックして、中から淳一の返事が聞こえると、瑤子はそう言ってドアを開いた。
奥の机には淳一。ソファには顔を顰めた茉紀。その横からは2人の娘達が飛び出して来た。

「瑤子ちゃん!司おじちゃま!」

あきみなに足元にしがみつかれ、俺は「相変わらず元気だな」とそれぞれの頭を両手で撫でた。
瑤子の方は、淳一と茉紀に挨拶をしてから持って来た手土産を渡している。そして、ヨタヨタと歩く末っ子の前にしゃがんで、向かって来たのを嬉しそうに抱き上げていた。

「司!今年もよろしくね!まぁ座ってよ」

淳一が相変わらずのへらっとした笑顔を見せて俺の元へ寄って来ると、俺は子供達に手を引かれてソファに連れて行かれた。
茉紀の方は面白くなさそうに俺を見ると「おモテになることで」と嫌味を放っている。

「で?言うこと。ないのかしら?」

応接セットの斜め向かいから、茉紀は不機嫌そうに俺に言う。

「ん~?ハッピーニューイヤー。俺の事はいいから瑤子の事頼む」

投げやりに俺が言うと、茉紀は「あんたねぇ!喧嘩売ってんの?それだけじゃないでしょうが!」と容赦なく噛み付いて来た。
オロオロしたように瑤子は俺と茉紀を交互に見ると「ちょっと司!」と小声で嗜められた。

ここに来る前、瑤子は2人に婚約した事を伝えるタイミングを気にしていた。
『お互いの親にもまだ言ってないし、周りに言ってしまってもいいのかな?』なんて車の中で少し弱気になっている瑤子に俺は言う。

「俺は誰に反対されようが結婚するつもりなんだけど?お前がそうじゃないならまだ言わねーし」

慌てたように瑤子は顔を上げると、運転する俺の横顔を見た。

「そんな事ないよ!もしかしたらうちの親だって反対するかも知れないけど、でも、反対されても……司といたい……です」

最後は今更また実感が湧いたのか、恥ずかしそうに口にして瑤子は前に向き直した。

「じゃあ決まり。手当たり次第に触れ回るつもりもねーけど、言っときたい奴には言うからな。ま、まずはあの2人か」
「そうだね。何て言うかなぁ……2人」

心配そうに瑤子が言うのに「どうせ茉紀には茶化されるだけだろ?」何て答えたが、その反応は俺の予想を超えていた。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

禁断溺愛

流月るる
恋愛
親同士の結婚により、中学三年生の時に湯浅製薬の御曹司・巧と義兄妹になった真尋。新しい家族と一緒に暮らし始めた彼女は、義兄から独占欲を滲ませた態度を取られるようになる。そんな義兄の様子に、真尋の心は揺れ続けて月日は流れ――真尋は、就職を区切りに彼への想いを断ち切るため、義父との養子縁組を解消し、ひっそりと実家を出た。しかし、ほどなくして海外赴任から戻った巧に、その事実を知られてしまう。当然のごとく義兄は大激怒で真尋のマンションに押しかけ、「赤の他人になったのなら、もう遠慮する必要はないな」と、甘く淫らに懐柔してきて……? 切なくて心が甘く疼く大人のエターナル・ラブ。

4番目の許婚候補

富樫 聖夜
恋愛
愛美は家出をした従姉妹の舞の代わりに結婚することになるかも、と突然告げられた。どうも昔からの約束で従姉妹の中から誰かが嫁に行かないといけないらしい。順番からいえば4番目の許婚候補なので、よもや自分に回ってくることはないと安堵した愛美だったが、偶然にも就職先は例の許婚がいる会社。所属部署も同じになってしまい、何だかいろいろバレないようにヒヤヒヤする日々を送るハメになる。おまけに関わらないように距離を置いて接していたのに例の許婚――佐伯彰人――がどういうわけか愛美に大接近。4番目の許婚候補だってバレた!? それとも――? ラブコメです。――――アルファポリス様より書籍化されました。本編削除済みです。

ドSな彼からの溺愛は蜜の味

鳴宮鶉子
恋愛
ドSな彼からの溺愛は蜜の味

秘密の二足の草鞋

鳴宮鶉子
恋愛
秘密の二足の草鞋

デキナイ私たちの秘密な関係

美並ナナ
恋愛
可愛い容姿と大きな胸ゆえに 近寄ってくる男性は多いものの、 あるトラウマから恋愛をするのが億劫で 彼氏を作りたくない志穂。 一方で、恋愛への憧れはあり、 仲の良い同期カップルを見るたびに 「私もイチャイチャしたい……!」 という欲求を募らせる日々。 そんなある日、ひょんなことから 志穂はイケメン上司・速水課長の ヒミツを知ってしまう。 それをキッカケに2人は イチャイチャするだけの関係になってーー⁉︎ ※性描写がありますので苦手な方はご注意ください。 ※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。 ※この作品はエブリスタ様にも掲載しています。

ハメられ婚〜最低な元彼とでき婚しますか?〜

鳴宮鶉子
恋愛
久しぶりに会った元彼のアイツと一夜の過ちで赤ちゃんができてしまった。どうしよう……。

Can't Stop Fall in Love

桧垣森輪
恋愛
社会人1年生の美月には憧れの先輩がいる。兄の親友であり、会社の上司で御曹司の輝翔先輩。自分とは住む世界の違う人だから。これは恋愛感情なんかじゃない。そう思いながらも、心はずっと彼を追いかけていた─── 優しくて紳士的でずっと憧れていた人が、実は意地悪で嫉妬深くて独占欲も強い腹黒王子だったというお話をコメディタッチでお送りしています。【2016年2/18本編完結】 ※アルファポリス エタニティブックスにて書籍化されました。

処理中です...