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5. 行き合いの空に広がる
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「あ、ジェイクだ」
待ち合わせの時間ギリギリに到着し、二人の姿を探す。先にリアムが声を上げ、外の見える窓際を指差した。よく似た体格が背を向けて並んでいる。その距離がどこか近く感じられて、嬉しくなった。
「ジェイク、早かったね」
「リアム。いつものように、時間を忘れているんじゃないかと心配したぞ」
「そこ心配しなくても、恵舞がリアムの手綱をしっかり握っている」
「依澄さん。実は張り切り過ぎて、時間が押したのは私のせいというか……」
会話を交わしあう私たちの間に、少しのわだかまりも感じない。それに自然に笑みが零れた。そんな私にジェイクが顔を向ける。そして私の前に歩み寄った。
「恵舞。改めて謝罪させてくれないか」
私を見下ろすその顔は、もう冷たいものではない。代わりに、緊張の色が浮かんでいた。
「僕は君のことを、ミヤフジの権力だけでルークに取り入ったのだと、思い込もうとしていた。仕事に対する姿勢を間近で見ていたのに。すべて僕に否がある。どんな罰でも受け入れる覚悟はしている。本当にすまなかった。それから……感謝している。ルークとの時間を与えてくれたこと」
ジェイクの誠心誠意が伝わってくる。確かに酷いことをされそうになった。けれどそれは未遂に終わった。私は最初から、罰を与える気など全くなかった。
「謝罪を受け入れます。一つだけ約束して。もう二度と、大切な人を悲しませるようなことはしないって」
ジェイクを見据えて告げると、眼鏡の奥の瞳がくしゃっと歪んだ。
「ありがとう、恵舞。ところで、ルークから聞いたのだが。日本では謝罪の時、ドゲザというものをするらしい。これでいいだろうか」
そう言ったかと思うと、ジェイクは屈もうとする。それに慌てて「ストップ! ストップ!」と声を掛けた。
「それ、依澄さんのジョーク! 真に受けないで!」
キョトンとした様子でジェイクは依澄さんを見ると、彼はニヤリと口角を上げる。
「ばれたか。さすが恵舞」
「もう! わかります!」
そんなやり取りを見ながら、リアムは笑い始めた。
「やっぱり依澄には敵わないや」
笑い声を漏らしながら、リアムは腕時計を確認する。
「そろそろ時間だ。恵舞、通訳のみんなにもお礼を言っておいて。優秀な人材ばかりで、ハワードに欲しいくらいだよ」
「ありがとう。みんな喜ぶよ」
「僕もリアムと同じ気持ちだ。ありがとう、恵舞」
二人とそれぞれ握手を交わす。
去って行く二人の顔は晴れやかで、まもなく訪れる澄み切った夏空を思わせていた。
待ち合わせの時間ギリギリに到着し、二人の姿を探す。先にリアムが声を上げ、外の見える窓際を指差した。よく似た体格が背を向けて並んでいる。その距離がどこか近く感じられて、嬉しくなった。
「ジェイク、早かったね」
「リアム。いつものように、時間を忘れているんじゃないかと心配したぞ」
「そこ心配しなくても、恵舞がリアムの手綱をしっかり握っている」
「依澄さん。実は張り切り過ぎて、時間が押したのは私のせいというか……」
会話を交わしあう私たちの間に、少しのわだかまりも感じない。それに自然に笑みが零れた。そんな私にジェイクが顔を向ける。そして私の前に歩み寄った。
「恵舞。改めて謝罪させてくれないか」
私を見下ろすその顔は、もう冷たいものではない。代わりに、緊張の色が浮かんでいた。
「僕は君のことを、ミヤフジの権力だけでルークに取り入ったのだと、思い込もうとしていた。仕事に対する姿勢を間近で見ていたのに。すべて僕に否がある。どんな罰でも受け入れる覚悟はしている。本当にすまなかった。それから……感謝している。ルークとの時間を与えてくれたこと」
ジェイクの誠心誠意が伝わってくる。確かに酷いことをされそうになった。けれどそれは未遂に終わった。私は最初から、罰を与える気など全くなかった。
「謝罪を受け入れます。一つだけ約束して。もう二度と、大切な人を悲しませるようなことはしないって」
ジェイクを見据えて告げると、眼鏡の奥の瞳がくしゃっと歪んだ。
「ありがとう、恵舞。ところで、ルークから聞いたのだが。日本では謝罪の時、ドゲザというものをするらしい。これでいいだろうか」
そう言ったかと思うと、ジェイクは屈もうとする。それに慌てて「ストップ! ストップ!」と声を掛けた。
「それ、依澄さんのジョーク! 真に受けないで!」
キョトンとした様子でジェイクは依澄さんを見ると、彼はニヤリと口角を上げる。
「ばれたか。さすが恵舞」
「もう! わかります!」
そんなやり取りを見ながら、リアムは笑い始めた。
「やっぱり依澄には敵わないや」
笑い声を漏らしながら、リアムは腕時計を確認する。
「そろそろ時間だ。恵舞、通訳のみんなにもお礼を言っておいて。優秀な人材ばかりで、ハワードに欲しいくらいだよ」
「ありがとう。みんな喜ぶよ」
「僕もリアムと同じ気持ちだ。ありがとう、恵舞」
二人とそれぞれ握手を交わす。
去って行く二人の顔は晴れやかで、まもなく訪れる澄み切った夏空を思わせていた。
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