花と十字架の想い

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

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旅立ち

花と十字架の想い 4話

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たった一人で危険なアテナの森に向かってしまった少女を追って

街の外に出たシオンとアイリス。だが、もう少女の姿がない。

アイリス「もう、森の中に行ったのかな…?」

シオン「あの子が酒場を飛び出してから割と時間かかったからな」

(…にしても、危険なのに…アイリス、平気なのか…?)

ふと、武器を持っているのか、戦えるのか気になった。

いや、もしもとなれば自分が護ればいいのだが。

シオン「アイリス?」

アイリス「はい?」

シオン「アイリスって、戦ったことは…?」

アイリス「あ、弓なら使えるよ」

そう言って弓を取り出した。だけど矢が見当たらない。

アイリス「矢はないけど、弓を引いて撃つと、目に見えない矢が貫くの。

なんでこんな特殊な弓を持ってるとかは、私も憶えてないんだけど…」

シオン「わかった。無理はするなよ」

一応戦えるなら安心だ。そう思いながら森の中へ入った。


森の中はかなり神秘的で、綺麗なところだった。

何も知らずに入れば、魔物や魔族がいるなんて思えないだろう。

シオン「あのマスターが話してたことだと、広いみたいだし迷わない様にしないとな」

アイリス「あの子…迷ってないかな?」

シオン「それが一番心配だ」

少女が危険な目に遭う前に見つけ出さないとまずい。

2人は少し急いで捜索を始めた。


恐らく森の中間まで来た辺りでがさがさと物音。

シオン「敵か!?」

慌てて後ろを振り向く、と…

???「痛っ」

 草むらからさっきの少女が転んで出てきた。

アイリス「あ、見つかったね」

シオン「お、おい…大丈夫か?」

手を差し伸べる。

???「いたたたた…あっ、大丈夫ですっ。

私怪我運だけは良くて転んでも怪我しませんから~」

とか言いながらも手は取って立ち上がる。

???「ところで…なんでこんなところに…ここは危険なんですよ?」

シオン「じゃあなんでそんな危険なところにひとりで行ったんだ?」

???「一人じゃないです…ほら、ここに」

少女が下を向く。そっちに目をやると

アイリス「…カピバラ…?」

シオン「あ、あのな…これで危険が減ると…」

シオンが言い掛けると

???「僕は土の精霊ルビ~」

カピバラが喋った。

シオン「わあ!?」

アイリス「喋った!?」

少女がカピバラを抱きかかえて言う。

???「ごめんなさい、驚かせて。この子は土の精霊のカルビ。

あなたたちに危害は加えないので、大丈夫ですよ~」

シオン「精霊……あ…君の名前は?」

ブローディア「私の名前は、ブローディア。放浪占い師、です」

シオン「俺はシオン、こっちはアイリス。

占い師ってことは…君自身でこの場所が危険だって占ったわけか」

いやだからなんでこんな危険なところにわざわざ…

アイリス「ブローディアさ…「ブローディアでいいよ」

ブローディアが口を挟む。

アイリス「あ、うん…ブローディア…どうしてここに来たの?」

少し俯いた後、ブローディアが口を開いた。

ブローディア「…2年前に居なくなったお兄ちゃんの手がかりを探しに来たの」

2年前…シオンの脳裏には、あの日の光景が流れていた。

幼なじみを亡くした、あの日のことが…

アイリス「お兄さん…?」

ブローディア「フロックスお兄ちゃん。私の占いでも視えなかったお兄ちゃんの現状。

きっと何かあったんだと思う…でもね、ひとつだけ手がかりはあるの」

シオン「手がかりって…?」

シオンが問う。

ブローディア「お兄ちゃんが居なくなったのは、村に…魔族が来た時だった…

私の村には、魔王の魂を封じてある箱があった。それを狙って2年前、魔族が村に来たの」


2年前…雨の日…

フロックス『くっ…』



???『大人しく、箱を渡した方が身のためですよ』

フロックス『ブローディア…箱をあの場所に隠せ! ここは引き受けるから、早くっ!』

ブローディア『……う、うんっ』


若干涙声になりながら、ブローディアは自分が知ってる限りで話した。

ブローディア「私が箱を隠した後戻ると、もうあの魔族の姿も、

お兄ちゃんの姿もなかった…それからお兄ちゃんは戻って来ない…

きっと、魔族が絡んでると思うの…」

 魔族が出ると示されたこの森に来たのは、本気で魔族と会うためだったらしい。

シオン「隠した…って言ったよな? ただ隠すだけじゃ、すぐ見つかるんじゃ…」

ブローディア「それは平気。

隠し場所には私の村でも一部の人しか知らない暗号があったから、

見つからない……はずだった…」

少し落ち込んで話す。

ブローディア「…次の日、念のために隠し場所を調べに行ったの。

その時には…もう箱が無かった…」

アイリス「じゃあ…魔王の魂は復活してる…ってこと?」

シオン「そうなるな。あとは身体だけか……」

シオンはどこか焦りを感じながらも、冷静にブローディアに問う。

シオン「一緒に行かないか? このまま放っても置けないから…」

ブローディア「いいの?」

シオン「良いに決まってる。俺も、ちょっと手がかりを探しに来てたから」

少し気になったが、問い詰めずにフローディアは微笑んだ。

ブローディア「ありがとう、シオン、アイリスっ。よろしくね」

ふと、アイリスの方を見る。

ブローディア(なんだろう…この子のこと、私…護らないといけない気が…)

アイリス「どうかした?」

ブローディア「ううん、何でもないっ、行こう♪」

カルビ「ルビ~~♪」

そうして、3人と1匹は森の奥の方へ進んでいった。


ブローディアの花言葉…「守護」
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