花と十字架の想い

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

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旅立ち

花と十字架の想い 8話

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ふとシオンの目に留まった写真。恐らくシュロの家族だろう。

シオン「シュロ…これって…」

シュロ「ん…? ああ、これは僕の家族だ。とは言っても、もう居ないけどな」

その言葉に全員が反応した。

アイリス「もう居ない…って…」

シュロ「父さんは、僕が幼いころにアテナの森に一人で行って、死んだ…。

死んだ原因は聞かせてもらってない。

母さんは、病に倒れて死んだ…王都の医者にも見てもらったがお手上げだった…

父さんの死が大きかったんじゃないかって言われたよ…そして…」

シュロの隣に写っていた女の子の方に目をやって言った。



シュロ「そして、これが妹…妹は、昔に…エルフに殺された」

ブローディア「えっ…!?」

シュロ「別に妹はエルフの怒りを買うことは何もしていない。

きっとエルフが魔族と勘違いしたんだ。

…彼奴らは妹の右目を斬りつけた後、心臓を矢で貫いた…」

暗い表情をしながら話し続ける。

シュロ「妹は生まれつき回復魔法が使えた…天性の物だろう。

それがエルフに魔族と勘違いさせたんだ…

死ぬ間際、僕に「もっと生きたい」と言って、息絶えた…

僕は…妹を殺したエルフが嫌いだ…許すことなんてできない…」

アイリス「シュロさん…」

シオン「そうだったのか…なんか、悪いこと聞いたな…」

シュロは顔をあげてシオンに微笑む。

シュロ「気にしないでくれ。君たちはエルフではないし、僕は平気だ。

君たちまで落ち込まないでくれ」

ブローディア「…片目隠してる理由って、もしかして…」

シュロ「ああ、これ…妹を守れなかった戒めに…

妹が斬られた方の目を隠して、見えなくしてるんだ」

だからって、何にもならないけどな…とシュロが苦笑いする。

シュロ「…よし、準備できたしディアナ渓谷に向かおう。案内は僕がする」

シオン「あ、ああ…頼む」


渓谷まではさほど遠くなく、すぐに到着できた。風がかなり強い。

ブローディア「うぅ…なんでこんなに風強いの~…谷なんて嫌~…」

髪を押えてブローディアが嘆く。

シュロ「谷底に落ちないように気を付けてくれ。

かなり深いから、落ちたらよほど運が良くなければ確実に死ぬ」

カルビ「ブローディア、気をつけるルビ?」

ブローディア「わ、分かってるよっ!!」

シオンがあたりを見回す。

シオン「剣は、どこにあるって言われてるんだ?」

シュロ「一番奥だ。誰にも触れられないよう、この谷の主、

ワイバーンに護らせているらしいから本当なら避けたいが、戦うことになるだろうな」

アイリス「ワイバーン…ドラゴン種の魔物だよね。かなり危険だって聞いたことある」

シュロがブーメランを取り出して構える。

シュロ「ただでさえ、ここには魔物もいる。油断はしないでくれ」

全員が頷き、風と魔物と亀裂に気を付けながらディアナ渓谷を越えていく事になった。


その時、シオンたちの近く…物陰に隠れていた、2人の黒い影…

ジェイド「ワイバーンか…どうする?」

カイヤ「ふっ…我々がさっさと倒してもいいですけどね…

仲間も増えたご様子ですし、実力見せてもらいましょうか…」

ジェイド「あいつらがワイバーンを倒した後で俺たちが剣を奪う。

あいつらが倒れたら倒れたで俺たちがワイバーンを倒して剣を手に入れる、か…」

カイヤ「その通りです。私たちはしばらく見ていましょう」


渓谷を進んでいくにつれ、亀裂が目立つようになってきた。

アイリス「谷底って…こうなってるんだ…」

シオン「アイリス…危ないからあまり覗きこまない方が…」

アイリスの腕を軽く引っ張り、亀裂から離す。

アイリス「あ、ありがとう、シオン…」

ブローディア「ほ、ほら、早く行ってワイバーン倒して剣手に入れて早く帰ろう?

ここ風強すぎ~」

髪を押えながら喋るブローディアにシュロが少し心配して声をかける。

シュロ「大丈夫か? 耳が痛いとか…?」

ブローディア「う、ううんっ、全然平気! シュロこそ、足滑らせて落ちたりしないでね?」

シュロ「ぼ、僕はそんなドジじゃない!」

カルビ「それはブローディアルビ~」

少しの休憩。4人の笑い声が響く。

シュロ「さあ、あともう少しのはずだ。行こう」

再びみんなが歩き出した時、何か気配がした気がした。

シュロ「ん…? 気のせい…か?」

シオン「どうしたんだよシュロ? 行くぞ?」

アイリス「どうかしましたか?」

二人の声にはっとして、駆け足で後を追う。

シュロ「いや、なんでもない。何か気配がした気がしたんだが…」

カルビ「ワイバーンの気配ルビ?」

シュロ「はは、そうかもな」

(いや…ドラゴンの気配ではなかった気が…まあいいか…)

少し疑問を持ちながらも、前に進んでいく。

呪剣を魔族の手に渡さないために…
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