花と十字架の想い

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

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旅立ち

花と十字架の想い 10話

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物陰から現れた2人の影。シオンは誰よりも早く剣を抜く。

カイヤ「いきなり抜刀ですか…

別に私たちは、今日はあなたたち次第では傷つけるつもりはないんですよ」

シオン「どういうことだ!」

アイリス「シオン…」

今にも1人で飛びかかって行きそうなシオンをアイリスが落ち着かせる。

カイヤ「その呪剣…譲って頂けないかと…」

ブローディア「な、何言って…!?」

カイヤ「譲って頂ければ、誰も傷つけずに…

ルシファーさんやそのペンダントにも手を付けずに帰りますよ。どうしますか…?」

シュロが傷ついて倒れているワイバーンの側で、持っていた呪剣を握り直し立ち上がる。

シュロ「渡せるものか…ワイバーンはこれを魔族から守り抜いてきたんだ…

それに、お前たちはワイバーンを…!」

幼いころからの話相手…良き理解者…なによりこの谷の守護竜…

瀕死にまで追いやったことに怒り、ブーメランをジェイドとカイヤに投げつけた。

カイヤ「おっと…」

カイヤは一瞬で姿が見えなくなった。ブーメランの刃はジェイドの方へ向かった…が、

ジェイド「交渉決裂みたいだな…カイヤ!」

ブーメランはあっさり弾かれた。

カイヤ「そのようですね…」

声は聞こえるが、カイヤの姿が見えない。シオンがあたりを見回すと…

カイヤ「もう少し…相手の動きを判断してから攻撃をした方がいいですよ…

あなたのように投げる系の武器の方は特に…」

シュロ「……!?」

シュロの背後に、本を開いて魔方陣を張ったカイヤが回りこんでいた。

シオン「させるか!!」

魔法陣とシュロの間にギリギリで入り込み、かろうじて魔法を受け止め続ける。

だが魔法の威力が強く、シオンの剣が押され始める。

アイリス「シオン!」

ブローディア「危ない!」

2人の声が聞こえる。

だが、ここで避けるにしても吹っ飛ばされるにしろ、一歩間違えれば命に関わる。

だったら方法はひとつ…防ぎ切るしかない。

シオン「っ……はあああああああああああ!!!!!」

カイヤ「なっ…」

カイヤが魔法を止めシオンから離れる。シオンは魔法を防ぎ切ってしまったのだ。

シュロ「…シオン…大丈夫か!?」

シオン「ああ…シュロこそ…くっ…」

仲間を護りたい一心から力を使いきってしまったシオンはその場に膝をつく。

アイリス「シオン…!!」

アイリスが駆け寄る。


その頃、ある森では…

クロム「ふふ…これは…思わぬ収穫だったわね」

???「………」

クロム「その天使のことを愛している…でも悪魔と天使の恋は禁忌…

けど、堕天使と悪魔の恋なら許されている…と…」

アメシス「翼を片翼でも折れば、堕天使にその内なると聞いたことがあります…」

クロム「そうなのね……折ればいいじゃない…私たちが許すわよ?」

???「折れ…ば………」

クロム「アメシス…ジェイドとカイヤにこの彼のこと、報告頼めるかしら?」

アメシス「はい…」


渓谷では…

カイヤ「ふっ…これは驚きました…どうしますか、ジェイド…」

ジェイドの元へ転移したカイヤが問う。

ジェイド「ククク…なんだよ…カイヤの魔法を防ぎ切るとか……シオン!!」

急にシオンに斬りかかる。

膝をついていたシオンは慌てて立ち上がり攻撃を受け止める。

シオン「くっ…!!」

アイリス「シオンっ!!」

カイヤ「こうなっては止められませんよ…

ジェイドがシオンさんのことを強いと認めましたか…さすがですね…」

カイヤが少し口角を釣り上げて話す。

シオンはワイバーンとの戦闘とカイヤの魔法を防いだことで疲労がひどく、

押され続けてついに剣を弾かれた。

ジェイドがシオンの首元に剣を突き付ける。

ジェイド「疲れてなければ…まだやれたかもな…?」

シオン「……っ」

ジェイドが剣を振り上げそうになった瞬間…

アメシス「そこまでです…」

カイヤ「アメシスさん…?」

フードをかぶった女性が転移魔法で現れた。

シオン(こいつも…逆刃十架の一人なのか…?)

ジェイド「何の用だ」

アメシス「紹介したい方が居ますので…至急城に…」

カイヤとジェイドが目を合わせる。

カイヤ「呪剣の剣は…?」

アメシス「今はいいです…いずれ、奪取の機会もあるでしょう…」

シオンたちはただただ呆然と聞いているしかなかった。

いや、なんの事か聞いたところで答えてなどくれないだろう。

カイヤ「分かりました…戻りますよ、ジェイド」

ジェイド「なんだとカイヤ! まだこいつの始末が…」

カイヤ「ジェイド…戻りますよ」

ジェイド「チッ…分かったよ」

3人が転移で消える。

紹介したい人…その人が敵の戦力になったら…

そう思うと不安がよぎるが、そのおかげで全員、命拾いすることになった。
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