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旅立ち
花と十字架の想い 12話
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シュロの家で、ブローディアに次の行き先を占ってもらっていた一行。
オーブに映ったシルエットは、人というより何かの建物。
アイリス「…塔…に見えるけど…」
シオンが地図を開く。
シオン「あ、あった。この塔じゃないか? ハデスの塔」
ブローディア「ええ!? そんな場所まで行くの…?」
シオンが指差した場所。ミネルヴァ村から結構距離があった。
シュロ「直行は無理そうだな…この途中にある町に寄って行った方がいいだろうな」
全員が頷く。準備を整えてから村を出た。
ブローディア「そういえば、シュロはカルビを初めて見た時驚かなかったの?」
町に向かう途中なんとなく、ブローディアが疑問を口にする。
シュロ「ああ、最初は驚いた。急にカピバラが入ってきて、その上喋ったからな」
シオン「だろうな。俺とアイリスも驚いたし」
シュロ「ただ、僕の村は精霊信仰が強くてな。
むしろ精霊に会えた感動の方が大きかったかもしれない」
カルビを見ながらシュロが言う。
カルビ「また料理作ってほしいルビ~♪」
アイリス「今度シュロとシオンに作ってもらう…?」
カルビが嬉しそうに跳ねる。
そんな他愛の無い会話をしながら歩を進めていった。
その頃、ハデスの塔…地下牢では…
???「ぅ…っ……」
天使は、翼を折られた。その痛みが宿る。
アスターは、翼を折った後、すぐにヘルクロス城に戻りはせずに、しばらく側に居た。
アスター「………ごめん…フクシア…」
フクシアと呼ばれた天使は、悲壮を宿した瞳を見て微笑んだ。
フクシア「私の名前…知ってるんだ…あなたは…?」
痛みをこらえながら問う。
アスター「……アスター…」
そう呟くなり、手を宙にかざすと時空が歪みピアノが現れた。
アスターが席に着き、弾き出す。
フクシア「……あれ…? 痛みが…無くなって…」
静かで優しい…でもどこか切ない旋律…
それは不思議とフクシアの痛みを無くしていった。
痛がったフクシアを見ていられなかったのだ。
心から翼を折りたかったわけではなかったから…
フクシア「どうして…翼を…?」
アスター「片翼でも折れば…堕天使にいつか変わる……そうなれば…」
ピアノを弾きながら、問いに答えようとする。が…
フクシア「待って! 言わなくていいよ…」
口に出すのを躊躇っている様子と、何を言いたかったのかを理解したため、
フクシアは制止した。
なおも弾かれ続けるピアノの旋律にフクシアは懐かしい想いを抱いた。
フクシア「ねえ…どうしてあなたのピアノに聴き覚え…あるのかな…?」
途端ピアノの音が止む。
アスター「君の歌と…合わせてたことがあった……覚えてないか…?」
フクシア「えっ……」
フクシアの答えは聞かずにアスターはそれだけ告げて転移で城に戻る。
魔王からの帰還命令。
そして何より逆刃十架より受けた洗脳の力で、フクシアを傷つける前に。
シオンたちはその頃町に着いていた。
シオン「此処で少し休んでいこう。ついでにハデスの塔についての情報収集も…」
そうシオンが言った直後、傍に居た帽子をかぶった男の人が声をかけてきた。
「今、ハデスの塔って言いましたか?」
ブローディア「そうっ。なにか知らない?」
シオン(…この人の雰囲気…どこかで………気のせいか…?)
「あの塔にもしも行くのなら、やめておいた方がいいですよ。
今は魔族が占拠してるって噂です」
全員の目の色が変わる。
シュロ「そうですか…何故、魔族が?」
「何でも天使を捕えたから…って話ですが…
まあ、どうしても行くって言うなら止めません。ただ気を付けてください」
そう言って立ち去る。
アイリス「……危険なのは間違いなさそうだけど、
もしも天使が捕えられてるって話が本当なら…」
シオン「ああ、危険かも知れないな…天使救出…
それがブローディアの占いで示された事なのかもしれない」
ハデスの塔に何かあるとしたら、その天使のこと…それ以外思い当たらない。
シュロ「て、天使が居るのか…? 本当に…」
苦笑いしているシュロを納得させつつ、塔に向かって歩き出した。
???「ふ…あとは頼みますよ、アスターさん」
さきほどシオンたちに忠告をした男性が、
さっきと声色が変わり物陰でポツリとつぶやいた。
オーブに映ったシルエットは、人というより何かの建物。
アイリス「…塔…に見えるけど…」
シオンが地図を開く。
シオン「あ、あった。この塔じゃないか? ハデスの塔」
ブローディア「ええ!? そんな場所まで行くの…?」
シオンが指差した場所。ミネルヴァ村から結構距離があった。
シュロ「直行は無理そうだな…この途中にある町に寄って行った方がいいだろうな」
全員が頷く。準備を整えてから村を出た。
ブローディア「そういえば、シュロはカルビを初めて見た時驚かなかったの?」
町に向かう途中なんとなく、ブローディアが疑問を口にする。
シュロ「ああ、最初は驚いた。急にカピバラが入ってきて、その上喋ったからな」
シオン「だろうな。俺とアイリスも驚いたし」
シュロ「ただ、僕の村は精霊信仰が強くてな。
むしろ精霊に会えた感動の方が大きかったかもしれない」
カルビを見ながらシュロが言う。
カルビ「また料理作ってほしいルビ~♪」
アイリス「今度シュロとシオンに作ってもらう…?」
カルビが嬉しそうに跳ねる。
そんな他愛の無い会話をしながら歩を進めていった。
その頃、ハデスの塔…地下牢では…
???「ぅ…っ……」
天使は、翼を折られた。その痛みが宿る。
アスターは、翼を折った後、すぐにヘルクロス城に戻りはせずに、しばらく側に居た。
アスター「………ごめん…フクシア…」
フクシアと呼ばれた天使は、悲壮を宿した瞳を見て微笑んだ。
フクシア「私の名前…知ってるんだ…あなたは…?」
痛みをこらえながら問う。
アスター「……アスター…」
そう呟くなり、手を宙にかざすと時空が歪みピアノが現れた。
アスターが席に着き、弾き出す。
フクシア「……あれ…? 痛みが…無くなって…」
静かで優しい…でもどこか切ない旋律…
それは不思議とフクシアの痛みを無くしていった。
痛がったフクシアを見ていられなかったのだ。
心から翼を折りたかったわけではなかったから…
フクシア「どうして…翼を…?」
アスター「片翼でも折れば…堕天使にいつか変わる……そうなれば…」
ピアノを弾きながら、問いに答えようとする。が…
フクシア「待って! 言わなくていいよ…」
口に出すのを躊躇っている様子と、何を言いたかったのかを理解したため、
フクシアは制止した。
なおも弾かれ続けるピアノの旋律にフクシアは懐かしい想いを抱いた。
フクシア「ねえ…どうしてあなたのピアノに聴き覚え…あるのかな…?」
途端ピアノの音が止む。
アスター「君の歌と…合わせてたことがあった……覚えてないか…?」
フクシア「えっ……」
フクシアの答えは聞かずにアスターはそれだけ告げて転移で城に戻る。
魔王からの帰還命令。
そして何より逆刃十架より受けた洗脳の力で、フクシアを傷つける前に。
シオンたちはその頃町に着いていた。
シオン「此処で少し休んでいこう。ついでにハデスの塔についての情報収集も…」
そうシオンが言った直後、傍に居た帽子をかぶった男の人が声をかけてきた。
「今、ハデスの塔って言いましたか?」
ブローディア「そうっ。なにか知らない?」
シオン(…この人の雰囲気…どこかで………気のせいか…?)
「あの塔にもしも行くのなら、やめておいた方がいいですよ。
今は魔族が占拠してるって噂です」
全員の目の色が変わる。
シュロ「そうですか…何故、魔族が?」
「何でも天使を捕えたから…って話ですが…
まあ、どうしても行くって言うなら止めません。ただ気を付けてください」
そう言って立ち去る。
アイリス「……危険なのは間違いなさそうだけど、
もしも天使が捕えられてるって話が本当なら…」
シオン「ああ、危険かも知れないな…天使救出…
それがブローディアの占いで示された事なのかもしれない」
ハデスの塔に何かあるとしたら、その天使のこと…それ以外思い当たらない。
シュロ「て、天使が居るのか…? 本当に…」
苦笑いしているシュロを納得させつつ、塔に向かって歩き出した。
???「ふ…あとは頼みますよ、アスターさん」
さきほどシオンたちに忠告をした男性が、
さっきと声色が変わり物陰でポツリとつぶやいた。
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