花と十字架の想い

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

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旅立ち

花と十字架の想い 15話

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シオンたちが地下から上の階へ上がり、姿が見えなくなってから、

アスターが一言つぶやいた。

アスター「…フクシア…逃げてくれ…悪魔の輝石のことなんて…今はいいから…っ」

だがその声は、本人には聞こえていない。


シオン「フクシア、この塔、何階まであるか知ってるか?」

フクシア「えっと…7階が最上階だよ」

なら一気に駆け上がるか…と、シオンが言うと

シュロとブローディアが急に疲れきったような顔になる。

シュロ「なんか、かなり骨が折れそうなんだが…」

ブローディア「上るだけならまだしも、魔族もいるだろうし…」

と、言ってる2人をよそに既に歩き出してしまったシオンとアイリスとフクシア。

+カルビ。

ブローディア「ま、待ってよ~!?」

慌てて追いかける。するとさっそく人影。

アイリス「こ、こんなところに人…?」

見た目はどう見ても人間の王国の兵士。だが、次の瞬間、魔物に姿を変えた。

シオン「っ…魔族…化け物の姿に……!?」

フクシア「もともと魔族は人化の術が使えるって聞いたことがある…

きっと化け物の姿が本来のっ」

本来の…姿だというのか…? いや、今はどうでもいい!

シオン「魔族といえど、ジェイド達と違って一般兵士だ。速攻でけりをつけるぞ!」

シオンの号令を合図に全員が構える。通路が狭いせいで身動きがとりづらい。

フクシア「私の魔法剣だけど、接近戦も少しならできるからっ」

そういうなり、素早く敵の背後に回りこんだ。

敵は動きが鈍いのか背後を取るのは容易だった。

フクシア「敵さん、こっちだよ!」

敵がフクシアに気を取られた。その隙にシオンたちで畳み掛ける。

ブローディア「冷気に包まれ…凍てつけ…」

アイリス「ムーンアロー!」

シュロ「クロスラッシュ!」

ブローディア「フリーズゼロ!」

3人の攻撃が終わったタイミングでシオンが敵に向かって走り出す。

さすがの敵も振り返りそうになった。

フクシア「レイシャリオン!」

フクシアの魔法剣から光の魔法が撃ち出された。まともに食らい敵が怯む。

アイリス「シオン!」

シオン「分かってる…! 煌翼斬!!」

シオンが斬りつける。その一撃で敵もさすがに倒れた。


シオン「…時間かかったな…」

アイリス「魔族の一般兵士の中でも上級兵の恰好だったし……」

ブローディア「アイリス、魔族の兵士の恰好知ってるの?」

アイリス「え、あ、えっと…上級兵みたいな、恰好だったし…

だから強かったのかな…って…」

少し慌てて言い直しているように聞こえるのは気のせいだろうか。

シュロ「びっくりした…知ってるのかと思ったぞ」

シオン「アイリスは、理由はわからないけど魔族に追われてたからな。

見覚えがあったんだろ。アテナの森やディアナ渓谷でもアイリスの名前を出してきて…

いや、ルシファー…ってあいつらからは呼ばれてるけど」

理由もわからないのに追うなんてひっどい! とフクシアが頬を膨らます。

それだけでその場が少し和んだ気がした。

フクシア「じゃあ、先に進もう?」

再び歩きはじめる。アイリスが若干俯いていたからシオンが声をかける。

シオン「きっと、追われている時にあの鎧の兵士に追われたんだ。
それで見覚えがあっただけだ。あんまり気にするな」

アイリス「シオン……うん、ありがとう」

シオンはなんとなく気づいた。

本当に、アイリスはあの鎧が上級兵のだと知っていたんじゃないか、と。

でも、深く追求はしたくなかった。


幸いその先の魔族は下級兵レベルなのか、

たいして強くもなくどんどん進んでいくことができた。

だが、もう5階。戦いながら来たので結構バテてきた。

シュロ「す、少し休んでいかないか?」

カルビ「休むルビ~…」

ブローディア「私も…」

続いてアイリスもフクシアも座り込んでしまった。

シオン「そうだな…少し休むか………ん?」

何か物音がした。足音ではないので魔物…?

シオン「何か来る…!」

耳をすませていると、目の前に妙な魔物が現れた。

ピエロのような、ペンギンのような、サンタのような…

こっちに攻撃してくる様子はないのだが…気味が悪い。

シオン「…………」

アイリスたちは立ち上がってくれる気配ないし、しばらくにらめっこ状態が続いた。

すると…

ブローディア「あ、逃げた!!」

シュロ「に、逃げ足早いな…ああいうの、レアな魔物…って言うのか?」

シュロがそう言うとシオンが確かに反応した。

シオン「レアな魔物って、倒したらなにか珍しいものでも落としたりするのか!?」

シオンの目の色が変わる。

アイリス「そ、そうじゃない…かな?」

シオン「そうかっ。なら今度見つけたら絶対に倒す! 命にかえてもだ!」

フクシア「ええ!?」

そのときシオンを除く全員が笑いだした。おかげで疲れも吹っ飛んだが…同時に思った。

シオンはかなりのレアもの好きだ、と…
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