花と十字架の想い

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

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旅立ち

花と十字架の想い 22話

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船が沈みそうになり、皆海に飛び込んだ。

その先、流れ着いたのは…

シオン「ぅ…ん…? ここは…?」

シオンが目を覚ますと、そこには砂漠にある村が広がっていた。

どうやら砂漠のある島に流れ着いてしまったらしい。

シオン「……あ、みんなは…!?」

アイリス「う…シオン…?」

アイリスが側に居た。気がついたようなので安心した。

フクシア「シオン…私も、平気…」

フクシアも見つかった。けど…

シオン「…2人が無事でよかった。だけど、ブローディアとシュロとレオは…?」

傍にはもう誰も居ない。生きているとすれば他の場所に流れ着いたのか…

アイリス「大丈夫だよ…あの3人は、そう簡単に死ぬような人じゃないよ…」

シオン「ああ、そうだな。信じるか…ただ…もしも3人とも同じ場所に居たら…」

フクシア「シュロとレオが心配だね…」

もはや苦笑いするしかない。

とにかくここで立ち往生しているわけにもいかないので港の場所を探すことに。


生きているのが幸いとはいえ、ここは砂漠。暑さがしんどい。

フクシア「うーん…港の場所知ってる人なかなかいないね…」

シオン「ああ…みんなこの村の住人みたいだしな。

この島以外から来た人でもいればいいんだが…」

そう言いながら村を歩き回っていると、子供が何か話しているのが聞こえた。

「私ね、その占い師さんに1回会ってみたいの!」

「でも、何処にいるんだろう。この村に居るって聞くのに…」

……占い師なら、どこに港があるのかも知っているかもしれない。

今のところ手がかりはそれだけ。もう1度村を探すことにした。

さっき周った少し高めの丘に来ると…

アイリス「…あ、シオン、あの人じゃない?」

シオン「え? あ……」

確かに占い師っぽい服装の人がいる。ほんのちょっと前までいなかったはずなのに…

シオン「あの…貴方がこの村で噂になっている占い師ですか?」

「そうです。でも…私に何か探しものとか場所を占えというのは無理ですよ」

アイリス「どうして…?」

アイリスの問いに、少し黙り込んでから占い師が答えた。

「私は、人の死期を占うだけです」

そう言うと少し離れた宿屋の前に居る老人に手を向けた。

「あそこに居る方、もうすぐ亡くなります。傍で死神様が待っています」

フクシア「そんな…!」

シオンたちがそっちを見ていると、本当にその老人が倒れた。

周りの村人が慌てふためいている。

シオン「まさか……!」

シオンが占い師の方を振り返る。

シオン「お前が占い師の名を被った死神じゃないのか!?」

そう言ったときにはもう姿が無かった。

アイリス「あれ…占い師さん居ないよ? どこに…」

シオン「……未来か…俺たちの未来は…どうなんだろうな」

フクシア「シオン…?」

シオンがハッと顔を上げた。

シオン「あ、なんでもない! ちょっとな…。ほらっ、港の場所探さないと!」

シオンが歩き出してしまったので慌てて後を追う。

シオン(…何を不安に思ってるんだ…でも…本当に俺たちの未来はどうなるんだろう…。

魔族に敵対視されていて、魔族の狙うものを持っていて、

最終的に魔王を討てればと思って旅をしている。

命の保証は…まったくない…)


聞き込みを開始してかなり経つ。

シオンたちはまだ聞き込みをしていない宿に居る人に話を聞きに行った。

そこで…

「港ですか。ありますよ。私は考古学者でしてデメテルの町から船に乗ってきました」

シオン「デメテルの町…ハデスの塔が近くにあるあの港町!」

アイリス「港の場所、教えてもらえないですか?」

少し悩んでから交換条件を出してきた。

「では…黒曜石を見つけてもらえたら教えます」

黒曜石。魔族の使い方としては洗脳するため。

だが、化学者や考古学者の類なら、重要な実験材料。

欲しがるのを不思議がるようなことでもない。

「実は、サンドバードという鳥の魔物が砂漠に居まして…

それが持っているのですが私では勝てないもので…」

フクシア「黒曜石を持ってくれば、港の場所教えてくれるんだね?」

「ええ。サンドバードはこの村を出て砂漠を東に進むとある、

崩れた祠のような場所の前をウロウロしています」

それを聞いて宿を出た。


一応準備のためにお店に寄っていく。

アイリス「サンドバードってどんなのかな…?」

シオン「魔獣…とは違うな。…いや、違っていてほしい…」

そんな会話をしていると…

???「みんな、サンドバード、倒しに行くの?」

子供の女の子…

長いストレートの銀髪に水色の目をした背の低い女の子が声をかけてきた。



フクシア「うん、そうだけど…」

???「私も連れてって?」

シオン「は!? 危ないぞ! 戦えないような子供が…」

そうシオンが咎めると、女の子の手から氷の魔法が出た。

???「私、戦えるよ? 高等魔法は全部使える!

1人でも多い方が戦いやすいだろうし、私黒曜石が欲しいの! 良いでしょ?」

少し迷ったが、高等魔法が使えるとなるとかなり頼りになる。

だが…どうしてこんな幼い子が高等魔法を…そして黒曜石を…。

シオン「…分かった。じゃあ、行こうか…」

???「ありがとう! えっと…私の名前は…。

……どうしようかな……」

少し小声で何か言った気がしたが、よく聞こえなかった。

レクイエム「私の名前はレクイエム! よろしくね!」

シオン「あ、ああ…俺はシオン」

アイリス「私はアイリスで、こっちが…」

フクシア「フクシアだよ。よろしくね」

自己紹介も済ませて砂漠に出る。

アイリスとフクシアはあまり気にしていないようだが…なんだか違和感。

シオン自身、レクイエムの言葉は心が無く聞こえた。

なによりずっと笑顔…会ったときからずっと表情の変わることなく笑顔でいる…

明るい子と思えばそれで済むが…不気味なものをシオンは感じていた。
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