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旅立ち
花と十字架の想い 26話
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シュロと別行動をとっているレオノティス。捜索対象は魔獣ではなく魔族。
テイル「レオしゃん? なんで魔獣じゃなくて魔族を探すルイ? 魔族の情報なんて…」
レオノティス「魔獣は人を襲わない。
魔獣が人を襲っているなら、それは黒曜石での洗脳以外にありえない。
そして黒曜石を洗脳のために使うのは魔族だけだ」
テイルにそう説明している途中、レオノティスが足を止めた。
テイル「どうしたルイ?」
レオノティス「………奥の方…何かが風を切った」
エルフのレオノティスにとっては、風の僅かな動きも判断できる。
人1人、風を切って通り抜けたらしい。
レオノティス「左に向かったな…行くぞ、テイル!」
テイル「は、はいルビ~!!」
一方…ブローディアとシュロとカルビはミーミル湖の近くまで来ていた。
シュロ「カエルみたいな魔獣…か…どんな奴なんだ…」
ブローディア「でも、魔獣なんでしょ? 普通は人を襲わないはずじゃ…」
シュロ「…洗脳…?」
シュロがボソッと呟いたが、声が小さくてブローディアには聞こえていなかった。
ブローディア「ん…? あっ、湖! 見えてきた~!!」
カルビ「綺麗な湖ルビ~!」
魔獣のことも忘れて、ブローディアとカルビが湖のほうへ走って行ってしまった。
シュロ「ち、ちょっと待て! 魔獣が居たらどうするんだ…!」
慌てて駆け寄る。ブローディアたちは悠長に湖を覗きこんでいる。
ブローディア「きれいな水…魔獣なんていそうにないけど…」
シュロ「そ、そうか………ん…?」
湖の奥のほうで泡が立っている。しかもどんどん近づいてくる。
ブローディア「なに、あれ?」
シュロ「危ないっ!!」
ブローディアをシュロが突き飛ばした。先ほどまでブローディアがいた場所に…魔獣…。
カルビ「ほ、本当にいたルビ!!」
ブローディア「シュロ…ありがとう…」
シュロ「気にしなくていい。それより、来る!」
こちらへ魔獣が飛びかかってきたので、体勢を立て直してかわす。
ブローディア「水属性みたいだし、私は雷の魔法使うね!」
シュロ「ああ、頼んだ!」
シュロ達が魔獣と戦闘を始めたころ、レオノティスは…
レオノティス「…確か、こっちの方に……っ…誰だ!」
レオノティスが気配を感じて振り向くと…
カイヤ「ふふっ…さすがエルフ…些細な風の動きも読んでしまうようで…」
黒いマントに青い髪…シオンたちとは何度か面識のあるカイヤが立っていた。
レオノティス「魔族…恐らくは魔王の精鋭…だな…」
カイヤ「ご名答…私は逆刃十架の1人、カイヤと申します。お見知りおきを…」
微笑みを一切崩さずに礼儀正しく挨拶してくる。しかも…
カイヤ「魔獣がいるというだけで、魔族の存在を察するとは…
さすがですね…レオノティスさん」
レオノティス「なっ…何故俺の名を…」
何故か名前を知っていた。まだ1度も会ったことはなかったのに。
カイヤ「ふふ、何故でしょうね。いずれわかると思いますよ…それよりも…」
答えるつもりはないらしい。それどころか本を開いてきて…
カイヤ「シュロさんとブローディアさんが魔獣と戦闘を始めたようですが…
放っておいて良いんですか?」
レオノティス「くっ…!」
カイヤ「まあ…援護に向かわせる気はありませんが……クロスウェイブ!」
魔法陣が現れレオに向かって放たれる。間一髪でかわすが、魔法の範囲が広く頬を掠めた。
レオノティス「っ……!」
まけじとレオノティスも銃を発砲したが、あっけなくかわされる。
テイル「レオしゃん!」
レオノティス「さすがは…魔族の精鋭…か…」
カイヤ「私に攻撃を当てることは不可能ですよ。それにしても…」
カイヤが少し黙り込む。
カイヤ「シュロさん…私が貴方のエルフ兵を操り、
シュロさんの妹さんを殺させたことも気づかずにエルフを憎むとは…」
レオノティス「…やはり…魔族の…仕業か…あの黒曜石で洗脳して…」
レオノティスの予感は的中してしまった。カイヤが踵を返す。
カイヤ「シュロさんに真実を伝えて参ります。
その後で…あの二人は殺させていただきます。
まあ…魔獣相手に死んでいなければ…ですが」
レオノティス「待て!」
レオノティスが叫んだときには転移され姿が見えなくなっていた。
レオノティス「くっ…テイル…あの二人の元へ行くぞ…このままだと…危険だ…」
頬から出る血を拭って、走り出す。一刻も早くたどり着かないと…シュロ達が…死ぬ。
テイル「レオしゃん? なんで魔獣じゃなくて魔族を探すルイ? 魔族の情報なんて…」
レオノティス「魔獣は人を襲わない。
魔獣が人を襲っているなら、それは黒曜石での洗脳以外にありえない。
そして黒曜石を洗脳のために使うのは魔族だけだ」
テイルにそう説明している途中、レオノティスが足を止めた。
テイル「どうしたルイ?」
レオノティス「………奥の方…何かが風を切った」
エルフのレオノティスにとっては、風の僅かな動きも判断できる。
人1人、風を切って通り抜けたらしい。
レオノティス「左に向かったな…行くぞ、テイル!」
テイル「は、はいルビ~!!」
一方…ブローディアとシュロとカルビはミーミル湖の近くまで来ていた。
シュロ「カエルみたいな魔獣…か…どんな奴なんだ…」
ブローディア「でも、魔獣なんでしょ? 普通は人を襲わないはずじゃ…」
シュロ「…洗脳…?」
シュロがボソッと呟いたが、声が小さくてブローディアには聞こえていなかった。
ブローディア「ん…? あっ、湖! 見えてきた~!!」
カルビ「綺麗な湖ルビ~!」
魔獣のことも忘れて、ブローディアとカルビが湖のほうへ走って行ってしまった。
シュロ「ち、ちょっと待て! 魔獣が居たらどうするんだ…!」
慌てて駆け寄る。ブローディアたちは悠長に湖を覗きこんでいる。
ブローディア「きれいな水…魔獣なんていそうにないけど…」
シュロ「そ、そうか………ん…?」
湖の奥のほうで泡が立っている。しかもどんどん近づいてくる。
ブローディア「なに、あれ?」
シュロ「危ないっ!!」
ブローディアをシュロが突き飛ばした。先ほどまでブローディアがいた場所に…魔獣…。
カルビ「ほ、本当にいたルビ!!」
ブローディア「シュロ…ありがとう…」
シュロ「気にしなくていい。それより、来る!」
こちらへ魔獣が飛びかかってきたので、体勢を立て直してかわす。
ブローディア「水属性みたいだし、私は雷の魔法使うね!」
シュロ「ああ、頼んだ!」
シュロ達が魔獣と戦闘を始めたころ、レオノティスは…
レオノティス「…確か、こっちの方に……っ…誰だ!」
レオノティスが気配を感じて振り向くと…
カイヤ「ふふっ…さすがエルフ…些細な風の動きも読んでしまうようで…」
黒いマントに青い髪…シオンたちとは何度か面識のあるカイヤが立っていた。
レオノティス「魔族…恐らくは魔王の精鋭…だな…」
カイヤ「ご名答…私は逆刃十架の1人、カイヤと申します。お見知りおきを…」
微笑みを一切崩さずに礼儀正しく挨拶してくる。しかも…
カイヤ「魔獣がいるというだけで、魔族の存在を察するとは…
さすがですね…レオノティスさん」
レオノティス「なっ…何故俺の名を…」
何故か名前を知っていた。まだ1度も会ったことはなかったのに。
カイヤ「ふふ、何故でしょうね。いずれわかると思いますよ…それよりも…」
答えるつもりはないらしい。それどころか本を開いてきて…
カイヤ「シュロさんとブローディアさんが魔獣と戦闘を始めたようですが…
放っておいて良いんですか?」
レオノティス「くっ…!」
カイヤ「まあ…援護に向かわせる気はありませんが……クロスウェイブ!」
魔法陣が現れレオに向かって放たれる。間一髪でかわすが、魔法の範囲が広く頬を掠めた。
レオノティス「っ……!」
まけじとレオノティスも銃を発砲したが、あっけなくかわされる。
テイル「レオしゃん!」
レオノティス「さすがは…魔族の精鋭…か…」
カイヤ「私に攻撃を当てることは不可能ですよ。それにしても…」
カイヤが少し黙り込む。
カイヤ「シュロさん…私が貴方のエルフ兵を操り、
シュロさんの妹さんを殺させたことも気づかずにエルフを憎むとは…」
レオノティス「…やはり…魔族の…仕業か…あの黒曜石で洗脳して…」
レオノティスの予感は的中してしまった。カイヤが踵を返す。
カイヤ「シュロさんに真実を伝えて参ります。
その後で…あの二人は殺させていただきます。
まあ…魔獣相手に死んでいなければ…ですが」
レオノティス「待て!」
レオノティスが叫んだときには転移され姿が見えなくなっていた。
レオノティス「くっ…テイル…あの二人の元へ行くぞ…このままだと…危険だ…」
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