花と十字架の想い

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

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聖武器

花と十字架の想い 29話

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兵士に案内されるまま、王都へ向かう。

シオン「…懐かしいな…アイリスと2人で初めて寄った街はここだったよな」

アイリス「そうだね」

王都を歩いている最中、思い出話ばかり。他のメンバー、蚊帳の外。

まあ、邪魔するわけにもいかないので、そっとしておく。

そうこうするうちに、セイクレイ城の中まで案内され、玉座の間まできた。


???「来たか…」

シオン「あ…貴方が、王様…」

結構まだ若い。でも、優しそうな人だった。



???「こちらは、セイクレイ城の王…ガイラルディア様です」

女性の将軍が前に出て口を開いた。



シュロ「あっ…将軍2人…! 前に本で見たことあるから…名前は知ってます!」

レオノティス「この辺りでは、有名だからな…

だが、ヘリオスの森にもその名は届いている」

???「他の場所にも…しかもエルフのところにまで名を轟かす存在! なんか最高!」

もう1人、男性の将軍が笑顔で楽しそうに話してる。



シュロ「そちらの女性がネメシア将軍で…えっと……」

???「うんうん!」

シュロ「えーっと…その……」

???「う、うん…」

シュロが言葉を詰まらせている。おそらくうろ覚えなのだろう。

シュロ「ル…ルーレン将軍…ですよね?」

???「……今すぐ泣いて帰って遊びに行って良いですか?」

あきらかに落ち込んだ。

レオノティス「ルーレン将軍ではなく、ローレス将軍だろ。

人の名前を間違えるとは、最低だな」

シュロ「き、君は黙っていてくれ!」

いや、いや、シュロもレオノティスも間違っているのだが…。

???「ルーレンでもローレスでもなくて、俺の名前はだなぁ!」

ネメシア「それで、あなたがたをここにお呼びした件ですが…」

???「か…華麗なスルー!? ちょっ、ネメシア!?」

漫才…。楽しそうで何よりだが、ここまで名前を間違えても

兵士が怒ってこないという事は、これが彼のキャラで日常茶飯事なのだろう。

ネメシア「ふふっ。冗談よ、紹介するわ。彼は、ローレルです。

敬語は苦手なので、勘弁してあげてください」

ローレル「お前ら2人、名前、覚えろよな!? ったく~…」

怒ってると言うよりは、拗ねている感じ。


アイリス「…そ、それで…私たちを呼んだわけは…?」

ガイラルディア「ああ、実は…少しばかりキミたちを調べさせてもらってね…

魔族を追う者、だったから」

フクシア「魔族と、何か関係あることなんですか?」

ネメシアが少しだけ前に歩み出る。

ネメシア「私たちとしても、魔族…特に魔王は倒さなければならない存在。

魔族と何度も対峙し、生き残っている貴方達に、協力してほしいことが…」

シオン「俺たちに、協力?」

ネメシア「かつて魔王と戦った英雄プラタナスとその仲間…

つまり、英雄たちが使った聖武器…それを集めてきて欲しいのです。魔族の手に渡る前に」

聖武器…その話は誰もが聞いたことぐらいはある。

レオノティスも言っていたことがあったが、黒曜石を埋め込むことで

本来の力を発揮できる武器。だが…在り処は誰も知らない。

ブローディア「で、でも…もし見つけられたとしても、

武器に選ばれなければ誰にも触れることは…」

ネメシア「魔族は特殊な力で触れ、魔武器に変えてしまいかねないのです。

そしてなにより…貴方達なら、もしかしたら触れることが可能かもしれないのです…」

全員が「え?」というような顔をする。慌ててネメシスが気にしないでほしいという。

ガイラルディア「申し訳ないが、在り処は全くわからないから

探し出してもらうことになるが…頼めるか?」

ローレル「お前たち、魔王倒したいんだろ?」

シオンたちが顔を見合わせる。シオンが迷う理由はないとばかりに、前に歩み出る。

シオン「お引き受けします。魔王を倒すために必要なら、なんでも。…ただ…」

シオンがフクシアの方に目をやる。

シオン「ただ…仲間の時間が、少なくて…

天使の輝石を見つけないと、フクシアが…堕天使に…」

フクシア「シオン……」

ガイラルディア「……天使の輝石か…それなら在り処はわかる」

シオンたちの目が王様に向く。まったく手がかりのなかったことだったから、驚いた。

ガイラルディア「太古…英雄たちが活躍した時代…

その時の王が英雄たち一行の1人だった天使から預かったものらしく…

その時からずっと、ある洞窟に保管してある…ローレル!」

ローレル「よっと!!」

ローレルが勢いよく王の座っている場所からシオンの目の前に跳んだ。

シオン「…え、えっと!?」

ローレル「これが地図だ!

石には封印がかけられてるけど、天使であるその子なら触れれば封印が解けると思うぜ」

アイリスもその地図を覗きこむ。場所は「ユノの洞窟」

ローレル「聖武器はその後でいいから、早く行ってやれよ!」

シオン「あ、ありがとうございます!」

ローレル「いいってことよ!」

ガイラルディア「あの洞窟に配備させているガーディアンは全て停止させておく。

気を付けてな」

全員頭を下げ、城を出る。次の目的地はユノの洞窟。


その頃、王様たちは…

ガイラルディア「さて…そろそろこちらも構えた方がいいか」

ネメシア「そうですね…魔族がここを攻めに来るかもしれません。

ここにある黒曜石を狙って…」

少しの沈黙…。

ガイラルディア「あれは、魔王に渡すわけにはいかない…魔王を討つ為、必要なものだ」

ローレル「へっ、逆刃十架が何人来ようと、俺がぶっ倒してやる!」

ネメシス「楽観視しないでね…?」

ローレルが微笑んで不安そうなネメシアの肩を叩く。

ローレル「あははっ、そんな不安そうな顔すんなって! ネメシアはお父さ…いてっ!?」

ネメシアが軽くローレルの頬をつねった。

ネメシア「ローレルは王様って呼ばないと駄目でしょ!?」

ガイラルディア「はは…相変わらず仲が良いな」

ネメシア「いっ、いえ……。お父様…お父様の事は、何が何でもお守りいたしますから」

王は少し心配だったが、微笑みかける。

実力はあり将軍となっていても…もとは姫…自分の娘だから。
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