花と十字架の想い

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

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聖武器

花と十字架の想い 30話

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ローレルからもらった地図を頼りに、王都近くにあるユノの洞窟まで来たシオンたち。

天使の輝石を守るため、ガーディアンがあちこちにいたが、

ガイラルディア王のおかげでそれらはすべて止まっていた。

シオン「これが全部動いてたら…石に近づくことも難しいな。これなら石も無事だろう」

フクシア「王様には感謝しないとね」

歩きながら、ふと将軍のことを思い出す。

ブローディア「でも、将軍たちかっこよかったね!

っていうか、レオもシュロも失礼すぎ~名前間違えて!」

シュロ「うっ……」

レオノティス「………」

言い返せなくて黙り込む。

アイリス「後、ネメシア将軍だよね…

将軍にしては鎧がローレル将軍より豪華だったような…」

シュロ「あ、ああ…あくまでウワサだけど、ネメシア将軍は

セイクレイ城の姫だって聞いたが…」

シオン「ひ、姫!? …た、確かに気品は感じた…

もしそうなら、すごいな…姫なのに将軍なんて…」

気が付いたら、ネメシアの話で持ちきり。ローレルの話が出てこない。

その流れが変わることないまま、天使の輝石のある洞窟の最新奥まで来てしまった。


フクシア「……あれが……天使の輝石…」

目線の先、白く光が放たれていた。間違いなく天使の輝石…。

フクシア「…やっと……!」

フクシアが駆けだした。石の目の前まで来たところで…

フクシア「きゃっ!?」

シオン「フクシア!?」

フクシアが何かに…いや、誰かに弾かれた。

シュロ「…き、君は…」

フクシア「……あ…アス…」

その場に現れたのは、アスターだった。

フクシア「アスター…!!」

アスター「……お前たちに、この石を渡すわけにはいかない…」

シオンが咄嗟に前に出た。

シオン「アスター! いいのか!? お前は、フクシアが堕天使になっても!!」

アスター「…うるさい…」

アスターが剣を抜いた。

アイリス「ダメ…アスターの目に光がない…洗脳の力が、強すぎる…」

シオン「くっ…!」

シオンも抜刀する。が、それをフクシアが制した。

シオン「フクシア…?」

フクシア「みんなは…下がってて…これは、私がやらなきゃいけないことなの……」

シオン「だけどっ、君の魔法剣は魔法主体で近接攻撃は得意じゃない!

アスターのセイバーに勝てるわけが…!」

シオンの言う事には耳を貸さずに、アスターのほうへフクシアが歩み寄る。

フクシア「……アスター! あなたが私を堕天使にしようとした理由、なんとなくわかる…! 

…私…貴方のことまだ思い出せないけど、これだけは言える…」

少し沈黙した後…

フクシア「私は貴方のこと、大好き! ずっと前から…大好きだった…きっと…!」

アスター「……!! ぅ…ぐっ…ああああああ!!」

洗脳が一瞬解けかけたのか頭痛を起こした。

が、すぐに剣を構えてフクシアのほうへ向かってきた。

フクシア「…好きだから、私がやらないといけない…目を覚まして…!」

フクシアはそれに怯むことなく、自分の剣をアスターの剣にぶつけた。

シオンたちには立ち入れないような空気…

いや、これはこの2人が決着をつけなければならないのだろう。

どうしても……


2人の剣がぶつかる。その頃、悪魔界ヘルグランの聖堂では…

ディアスキア「なー、フリージア…」

フリージア「なんだ」

ディアスキア「………彼奴らの記憶、戻してやんねえ?」

フリージアが黙り込む。

ディアスキア「あいつらは愛し合ってた。そんなのダメなことは分かってる。

だからあいつ等のお互いの記憶を消すことでケリ付けた」

フリージア「……」

ディアスキア「けど、賭けてみねーか? フクシアの、掟を変えるって想いに…」

フリージア「…もしかしたら、変えてくれるかもしれない…そう、言うのか?」

ディアスキアがやれやれといったように笑う。

ディアスキア「だから、やってみよーぜ?

今でも持ち続けてる掟を変えたいっていうフクシアの想いを。

それに、記憶を消したせいでいろいろあいつらを苦しませちまった」

フリージア「……そうだな。

……私たちは、掟を守るあまり冷酷になり過ぎていたかもしれない…」

しばしの沈黙。そして…

フリージア「ディアスキア、記憶を戻すぞ…!」

ディアスキア「よしきた!」


ユノの洞窟最新奥でぶつかる剣。

どちらも譲る気はないが、明らかに力の弱いフクシアの方が押されている。

その瞬間…光が2人を包んだ。

アイリス「な、何…?」

フクシア「…えっ!?」

アスター「……っ!!」

2人の頭に、記憶を無くす前の光景が、会話が…フラッシュバックされた。


アスター『なんで、こんな掟があるんだろう…こんなの、あまりにも…』

フクシア『ねえ、アスター…約束しよう? いつか絶対に私たちで掟を変えるって!』

アスター『変えるって…それは、君が大天使になる…ってこと!?』

フクシア『うん、アスターは大悪魔ディアスキア様の弟だから、

継ぐことになるだろうけど、私はフリージア様の妹でも何でもないから、

私がフリージア様にいつか勝って、次期大天使に認めてもらう!』

アスター『フクシア……そうだね。

俺も、いくらフクシアと一緒にいたいからって、君を堕天使にはしたくないし……

分かった、約束! そのかわり…』

フクシア『なに?』

アスター『一緒に掟変えるのに、君だけ戦って傷つくなんて嫌だから、

その時は俺も一緒にフリージア様に挑む』

フクシア『アスター…ありがとう! 大好き! あ、ねえ今日もピアノ弾いて!』

アスター『ははっ、うん、構わないよ』


フクシア「……お、思い出した…わ、私たち…は…」

シュロ「お、思い出したって…君も記憶無くしてたのか…?」

フクシア「うん…アスターの記憶だけ……」

すると剣が地に落ちる音がした。アスターの手から、剣が落ちていた。

アスター「う…うっ…ぅ…うわああああああああああ!!!」

フクシア「アスター!?」

シオン「…アスターも何かの記憶が欠如していたんじゃ…!」

フクシアがアスターに駆け寄る。

アスター「フク…シア…頼む…逃げっ…違っ…う…俺は逆刃十架の…

俺はフクシアを堕天使に…しない…と…! だめだ! 俺はフクシアと掟を変える…って…!」

頭痛がひどいよう…混乱が収まる様子も無く、苦しんでいる。

レオノティス「まずい! このまま続けば、本当に心が壊れる!」

ブローディア「そんな……」

アスターが耐え切れずにその場に崩れ落ちる。

それを見てフクシアが座ってアスターの手を握った。

そして……

フクシア「心の壊れた~貴方の記憶だけが無くて~

どこかで会ったことあるの? 問う勇気は無~くて…♪」

フクシアの歌声が、その場に響きだした。
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