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聖武器
花と十字架の想い 42話
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シオン達が戦っていたころ、王様とネメシア将軍を追っていたアイリスたち。
王様たちは城から少し離れたあたりで
クロムとアメシス、その他数名の魔族兵に囲まれていた。
ネメシア「はあっ!」
ネメシアも王女とはいえ将軍の地位まで駆け上がった者。並の魔族兵では相手にならない。
クロム「王女なら王女らしく、眺めていればいいのに…」
ネメシア「もう、ただ見ているだけしかできずに、誰かを失うなんて嫌ですから」
そう言うなりレイピアを構える。
魔族兵が一気にクロムの指示でネメシアに向かっていった。
ネメシア「どんなに大勢で向かってきても、無駄です…! 聖月翼!」
その場で回転すると、薄ピンクの光の翼が残った魔族兵を一掃した。
ガイルディア「…ネメシア…」
アメシス「…この方は将軍様ですものね…全力でかからないと、こちらがやられます」
クロム「いっそ、洗脳したっていいのだけれど…!」
クロムが持ってきていた黒曜石を翳そうととしたとき。
シスル「……」
クロム「…!?」
背後から無言でシスルがクロムの首元に短剣を突き付けた。
ネメシア「え…? あ、あなたは…?」
シスル「…………シスル」
一言だけそう告げて、すぐに目線はクロムに戻る。
シスル「こいつを洗脳しようとするな。
まっとうに戦うならいいけどな、洗脳だけは気にくわない…」
後から遅れてアイリスたちが駆けてくる。
どうやらシスルだけ先行してきてしまっていたらしい。
アイリス「ネメシア将軍、ガイラルディア王…!」
リナリア「シスル!!」
ブローディア「ご無事ですね!?」
ネメシア「…皆さん!」
増援が来て喜んだのも束の間。動けないクロムの代わりにアメシスが魔法を撃ち出した。
アメシス「ダークソウル…」
紫色の弾がシスルと、アイリスたち目がけて飛んできた。
ブローディア「危な…ってきゃあ!?」
避けようとしてドジ発動してこけた。
が、そのおかげでアイリスとリナリアまで突き飛ばしてしまい、全員回避できた。
シスル「……っ!!」
シスルも、暗殺者持ち前の素早さで回避したが、
そのせいで短剣をクロムから離すことになってしまった。
クロム「ありがと、アメシス」
アメシス「いえ…それよりもどうしますか? 人数的には、こちらの方が不利ですが」
ガイラルディア王を守るように、全員がその前に出る。
クロム「んー…あなたはルシファーと話したらどう? 言いたいことあるんじゃない?」
アイリス「え…?」
アメシス「……いいえ、そんなことはありません。話したくなどないですから…」
ルシファー…その言葉が意味するのはアイリスのことだ。
だが、今になってもその名で呼ぶことをブローディアが許せずに…
ブローディア「いい加減にしてよ! アイリスはアイリス! ルシファーじゃない!」
クロム「…まあいいわ。わかった。
とりあえず、人間と魔族との圧倒的な実力の差だけでも、見せつけておきましょうか」
ブローディアの言い分など完全に無視で、クロムが鎌を構える。
その構えで何が起こるのか、シスルは察せたのか…
シスル「…全員伏せろ!」
その言葉で全員が伏せた。その次の瞬間、クロムが真横に鎌を振った。
もちろん、誰にも、何にも当たってはいない。
リナリア「な、なに…?」
みんなが顔を上げた時、真後ろで物音…振り向くと。
アイリス「え…嘘!?」
ブローディア「木が……斬り倒されてる…!?」
クロム「わかったかしら」
クロムが振るった鎌を下すと告げた。
クロム「私の鎌は、直接目標に触れなくても、斬る事が出来る。死神の鎌のように、ね?」
アメシス「…ルシファーと…聖刀の宝玉、そして魔王様の肉体…
それらを渡してくれれば、今は見逃します…
どうしますか? もちろん、勝てないことはわかったとは思いますが…」
目の前で力の差を見せつけられた。
でも、渡すわけにはいかない…ましてアイリスを渡すことなんて…
そう思っていたとき…
シスル「………」
シスルが一歩前に出た。
シスル「誰が、魔族の言うことなんか聞くか」
アメシス「…私たちと戦うつもりですか?」
クロム「言っておくけど、手加減なんてできないわよ?」
心配そうにリナリアがシスルに近づこうとした…
が、シスルが振り返って短剣を突き付けたので、寄ることが出来なかった。
シスル「手加減か…俺が魔王の肉体を持っていることを知ってて言うのか、それを…。
相手の実力が見抜けていないのは、どっちだ!」
アイリス「シスル…何をしようとして…?」
その問いには答えなかった。そして…急に腕を押え出したかと思えば…
シスル「…っ…ぐっ…ああああああああああ!」
クロム「なに!?」
アメシス「まさかっ…」
強すぎる力の波動…アイリスたちは立っているのが精いっぱいだった。
そして、次に目を開けた時には…
ブローディア「…シスル…?」
セミロングの髪。見覚えのない頬の模様。一瞬シスルとは思えなかった。
アメシス「魔族に、姿を……これが魔王様の力…」
クロム「っ…アメシス、合流場所に行くわよ。これを相手にはできないわ!」
そう言うなり、転移していってしまった。
シスル「…これには黒曜石の力も意味をなさないことを知ってたか。
この力は呪いのようなもの…呪いに呪いは効かない……くっ…」
その場にシスルが膝をつき、元の姿に戻った。
ネメシアを含む、仲間たちが慌てて駆け寄る。
ネメシア「大丈夫ですか…?」
アイリス「怪我はないみたい…少し、疲弊しているけど…」
シスル「……行くぞ、城に…戻る…」
フラフラしながら、疲れきった体を起こして、
走るのも辛いはずなのに駆けて行ってしまう。
リナリア「シスル!」
慌ててリナリアが後を追っていった。
ガイラルディア「…あの姿……は…魔王の肉体を…あの時に……まさか……。
皆、あの力はあまり使わせてはならない。そうでないと、あの者の命が危ない」
アイリス「そんな…!」
ガイラルディア「魔王の力はそれだけ大きい…人間が御せはしない。
過ぎた力は、器を崩壊させる」
ガイラルディア王の言葉に息をのむ。
ブローディア「早く追おう! で、早く城に戻ろう!」
そうだ、それなら尚更シスルから離れるわけにはいかない。
そして、まだ城は戦っているかもしれないのだ。早く、戻らなければ…
王様たちは城から少し離れたあたりで
クロムとアメシス、その他数名の魔族兵に囲まれていた。
ネメシア「はあっ!」
ネメシアも王女とはいえ将軍の地位まで駆け上がった者。並の魔族兵では相手にならない。
クロム「王女なら王女らしく、眺めていればいいのに…」
ネメシア「もう、ただ見ているだけしかできずに、誰かを失うなんて嫌ですから」
そう言うなりレイピアを構える。
魔族兵が一気にクロムの指示でネメシアに向かっていった。
ネメシア「どんなに大勢で向かってきても、無駄です…! 聖月翼!」
その場で回転すると、薄ピンクの光の翼が残った魔族兵を一掃した。
ガイルディア「…ネメシア…」
アメシス「…この方は将軍様ですものね…全力でかからないと、こちらがやられます」
クロム「いっそ、洗脳したっていいのだけれど…!」
クロムが持ってきていた黒曜石を翳そうととしたとき。
シスル「……」
クロム「…!?」
背後から無言でシスルがクロムの首元に短剣を突き付けた。
ネメシア「え…? あ、あなたは…?」
シスル「…………シスル」
一言だけそう告げて、すぐに目線はクロムに戻る。
シスル「こいつを洗脳しようとするな。
まっとうに戦うならいいけどな、洗脳だけは気にくわない…」
後から遅れてアイリスたちが駆けてくる。
どうやらシスルだけ先行してきてしまっていたらしい。
アイリス「ネメシア将軍、ガイラルディア王…!」
リナリア「シスル!!」
ブローディア「ご無事ですね!?」
ネメシア「…皆さん!」
増援が来て喜んだのも束の間。動けないクロムの代わりにアメシスが魔法を撃ち出した。
アメシス「ダークソウル…」
紫色の弾がシスルと、アイリスたち目がけて飛んできた。
ブローディア「危な…ってきゃあ!?」
避けようとしてドジ発動してこけた。
が、そのおかげでアイリスとリナリアまで突き飛ばしてしまい、全員回避できた。
シスル「……っ!!」
シスルも、暗殺者持ち前の素早さで回避したが、
そのせいで短剣をクロムから離すことになってしまった。
クロム「ありがと、アメシス」
アメシス「いえ…それよりもどうしますか? 人数的には、こちらの方が不利ですが」
ガイラルディア王を守るように、全員がその前に出る。
クロム「んー…あなたはルシファーと話したらどう? 言いたいことあるんじゃない?」
アイリス「え…?」
アメシス「……いいえ、そんなことはありません。話したくなどないですから…」
ルシファー…その言葉が意味するのはアイリスのことだ。
だが、今になってもその名で呼ぶことをブローディアが許せずに…
ブローディア「いい加減にしてよ! アイリスはアイリス! ルシファーじゃない!」
クロム「…まあいいわ。わかった。
とりあえず、人間と魔族との圧倒的な実力の差だけでも、見せつけておきましょうか」
ブローディアの言い分など完全に無視で、クロムが鎌を構える。
その構えで何が起こるのか、シスルは察せたのか…
シスル「…全員伏せろ!」
その言葉で全員が伏せた。その次の瞬間、クロムが真横に鎌を振った。
もちろん、誰にも、何にも当たってはいない。
リナリア「な、なに…?」
みんなが顔を上げた時、真後ろで物音…振り向くと。
アイリス「え…嘘!?」
ブローディア「木が……斬り倒されてる…!?」
クロム「わかったかしら」
クロムが振るった鎌を下すと告げた。
クロム「私の鎌は、直接目標に触れなくても、斬る事が出来る。死神の鎌のように、ね?」
アメシス「…ルシファーと…聖刀の宝玉、そして魔王様の肉体…
それらを渡してくれれば、今は見逃します…
どうしますか? もちろん、勝てないことはわかったとは思いますが…」
目の前で力の差を見せつけられた。
でも、渡すわけにはいかない…ましてアイリスを渡すことなんて…
そう思っていたとき…
シスル「………」
シスルが一歩前に出た。
シスル「誰が、魔族の言うことなんか聞くか」
アメシス「…私たちと戦うつもりですか?」
クロム「言っておくけど、手加減なんてできないわよ?」
心配そうにリナリアがシスルに近づこうとした…
が、シスルが振り返って短剣を突き付けたので、寄ることが出来なかった。
シスル「手加減か…俺が魔王の肉体を持っていることを知ってて言うのか、それを…。
相手の実力が見抜けていないのは、どっちだ!」
アイリス「シスル…何をしようとして…?」
その問いには答えなかった。そして…急に腕を押え出したかと思えば…
シスル「…っ…ぐっ…ああああああああああ!」
クロム「なに!?」
アメシス「まさかっ…」
強すぎる力の波動…アイリスたちは立っているのが精いっぱいだった。
そして、次に目を開けた時には…
ブローディア「…シスル…?」
セミロングの髪。見覚えのない頬の模様。一瞬シスルとは思えなかった。
アメシス「魔族に、姿を……これが魔王様の力…」
クロム「っ…アメシス、合流場所に行くわよ。これを相手にはできないわ!」
そう言うなり、転移していってしまった。
シスル「…これには黒曜石の力も意味をなさないことを知ってたか。
この力は呪いのようなもの…呪いに呪いは効かない……くっ…」
その場にシスルが膝をつき、元の姿に戻った。
ネメシアを含む、仲間たちが慌てて駆け寄る。
ネメシア「大丈夫ですか…?」
アイリス「怪我はないみたい…少し、疲弊しているけど…」
シスル「……行くぞ、城に…戻る…」
フラフラしながら、疲れきった体を起こして、
走るのも辛いはずなのに駆けて行ってしまう。
リナリア「シスル!」
慌ててリナリアが後を追っていった。
ガイラルディア「…あの姿……は…魔王の肉体を…あの時に……まさか……。
皆、あの力はあまり使わせてはならない。そうでないと、あの者の命が危ない」
アイリス「そんな…!」
ガイラルディア「魔王の力はそれだけ大きい…人間が御せはしない。
過ぎた力は、器を崩壊させる」
ガイラルディア王の言葉に息をのむ。
ブローディア「早く追おう! で、早く城に戻ろう!」
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