花と十字架の想い

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

文字の大きさ
45 / 80
聖武器

花と十字架の想い 45話

しおりを挟む
ローレルから魔族の話を聞いて、一晩が経過。

朝になり、シオン達は玉座の間に集まっていた。その理由は聖武器の在り処の件だった。

ガイラルディア「朝早くから集まってもらってすまない。

聖武器の在り処、ひとつだが突きとめる事が出来た」

シオン「本当ですか!?」

ガイラルディア「ああ。その場所はここから東…エオスの森という場所にある。

森のどこにあるかまではわからないが、

どうも奥に行かせないようにしている仕掛けがあるようでな。

普通の森にそんなものはない」

行かせない仕掛け。奥に何かあると考えた方が良いだろう。

アイリス「私達は、そちらに向かえばいいのですね…?」

ネメシア「ええ。何があるかはわからないから、お気をつけて」

シスル「…場所がわかったんならここに用はないだろ。早く行くぞ」

そう言ってシスルが早々に立ち去ろうとしたとき…

ローレル「おい、お前~!」

ローレルが前に出てきて呼び止めた。

ローレル「…お前のその、ディスペアの力。

解かってるかもしれねえが、使いすぎるな。というか、マジで使うな!」

魔王の力の危険さを知っているからこその、ローレルの忠告だった。

アイリスたちも王様に言われてはいたが

シスルは聞いていなかったため、ローレルが今伝えたのだ。

シスル「…わかってる。この力は、人間には大きすぎる。

酷使すれば、人間の姿には戻れなくなる…」

分かってくれたかと安心したのも束の間…次に紡がれた言葉は…

シスル「でもな、悔いはない! 魔王の首さえ、取れればそれで!

………魔王を殺せないなら生きている意味もない。魔王を殺せるなら、死んでもいい」

最後の方は小声だった。そのまま黙って退出して行ってしまった。

リナリア「…シスル……」

シオン「…シスルの事は俺達でなんとか止めます。それでは、失礼します」

ローレル「…はぁ…頼むぜ。お前等も気をつけろよ~?」

全員が頷いて城を後に知る。


ローレル「…ガイラルディア王、あいつ、シスルの事なにか知ってますよね?」

ガイラルディア「…だが、今ここでは…」

ふ、とネメシアの方に目をやる。

ローレル「俺が調べとく。あいつの身になにがあったのか、あいつが誰なのか、な」

ネメシア「ローレル? 何の話??」

ローレル「こっちの話だっ。お姫様は気にすんなよっ」

話から省かれたことでローレルの足をネメシアが踏みつけた。

ローレル「いってえええ!?」


そのころ、外に出たシオンたち一行。

シオン「おい、シスル。早いって、待てって!!」

早足で行ってしまうシスルをシオンが必死に呼び止める。

シスル「お前等が遅いだけだろ」

相変わらず態度がそっけない。シオンもため息をつく。

思い出されるレオノティスとシュロの仲裁。ある意味それよりも難しい…。

レオノティス「…チームワークも何もあったものじゃないな…」

シュロ「君も、最初の頃は一人で行動したりしてただろ」

レオノティス「お前が俺を避けるから、いない方が良いだろうと思ってな」

シュロ「煩いなっ、それはもう忘れてくれ!

僕のせいでチームワークが乱れてたみたいじゃないか!」

間違いではないだろう、と、レオノティスが呟く。

後ろのそのやりとりを聞いていた他も苦笑い。

ブローディア「次、何の聖武器だろうね?」

アスター「…杖? とかか?」

フクシア「王道武器~だね。でも、森だし確かに杖みたいな魔術系かもしれないね」


そんな話をしながら城下ので口まで来ると、出口の辺りに女の子が立っていた。

アイリス「…あなたは?」

長い金髪をなびかせてシオン達の前に立って顔を上げる。

ローズ「私はローズ! シオン、アイリス、ブローディア、フクシア、アスター、

レオノティス、リナリア、シスル、バカ、貴方達の事は知ってるわ」

この中に名前が挙がってない者…。

シュロ「…まさかとは思うが、馬鹿とは僕の事か?」

ローズ「あなた以外に誰がいるのよ、

馬鹿でアホでマヌケで尻に敷かれてて噛ませ犬だって、カイヤ様が言ってたの!」

酷い言われよう。で、なぜか上がったカイヤの名。

シオン「カイヤ!? 逆刃十架のカイヤの事か!?」

アイリス「ええっ!? 逆刃十架の部下!?」

 早速口を滑らせた。ローズは口を滑らせることが多い。

ローズ「あ、ヤバ…ばれちゃった…

こっほん!! それはともかく、森に行っても聖武器を探し出すのは難しいよ!」

レオノティス「仕掛けの事か? そんなに難しいのか?」

ローズ「だって、聖武器のあるエリアの入口にはパスワード入力装置があるもん。

パスワード「シュタルカーヴィレ」って入力しないと開かないんだから!」

・・・・・・・・・・・・・・・

長めの沈黙。

シオン「…こほん。君は、どうやってそれを知ったんだ?」

ローズ「それはカイヤ様からの情報……

あっ、しまった! 言っちゃった! バレたらカイヤ様に怒られる…!」

シュロ「バカは君の方だろ…;;;;」

慌てふためくローズにシュロが呆れて話す。

ローズ「ちょっとシュロ! カイヤ様に会っても自分たちで解いたって事にしてよね!

どうせパスワードのヒントは森の中にあったんだから!」

シュロ「なんで僕に頼むんだ!?」

ローズ「じゃね!!」

シュロの言い分も無視して転移で立ち去ってしまった。


シオン「……ま、まあ、仕掛けの解き方は解かったし、良かった、のか?」

リナリア「よ、良かったんじゃないかしら…」

戸惑う一行。その中で明らかにへこんでいるシュロが。

レオノティス「カイヤも的を射た事を言うな」

シュロ「僕のどこが馬鹿でアホでマヌケで尻に敷かれてて噛ませ犬だって言うんだ!?」

ブローディアが「まあまあ」と間に割って入る。

アイリス「逆刃十架の部下なんて…」

シオン「ああ、これまで以上に気をつけたほうがいいかもしれない」

改めて気を引き締めて、城下を後にした。次の目的地は「エオスの森」だ。


そのころ、ローレルはセイクレイ城が関わっていた国を調べて書庫にこもっていた。

ローレル(…これは、ネメシアの婚約者がいた城だったよな。

…国王は確か、かつての英雄の誰かの血を引き継いでいたはず)

ページをめくり続けていると今はなきネメシアの婚約者や国王の事も書いてあった。

ローレル(似てるけど違うな。でも、似すぎじゃ……。!??)

気になるページに目が留まった。そのページを見たとたん、手が止まった。

ローレル(…あの時確かこいつも城には…まさか、魔王の肉体は元々…

魔王の目的は力慣らしと、魔王の肉体をあいつに移すため…!? じゃあ、あいつは……)

ありったけの思考を巡らせて辿り着いた真実。

それに気づいて喜びと、かつての英雄たちの判断を恨んだ。

もっと別の、封印の方法はなかったのか…と。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

公爵令嬢は結婚式当日に死んだ

白雲八鈴
恋愛
 今日はとある公爵令嬢の結婚式だ。幸せいっぱいの公爵令嬢の前に婚約者のレイモンドが現れる。 「今日の結婚式は俺と番であるナタリーの結婚式に変更だ!そのドレスをナタリーに渡せ!」  突然のことに公爵令嬢は何を言われたのか理解できなかった。いや、したくなかった。 婚約者のレイモンドは番という運命に出逢ってしまったという。  そして、真っ白な花嫁衣装を脱がされ、そのドレスは番だという女性に着させられる。周りの者達はめでたいと大喜びだ。  その場所に居ることが出来ず公爵令嬢は外に飛び出し……  生まれ変わった令嬢は復讐を誓ったのだった。  婚約者とその番という女性に 『一発ぐらい思いっきり殴ってもいいですわね?』 そして、つがいという者に囚われた者の存在が現れる。 *タグ注意 *不快であれば閉じてください。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない

くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、 軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。 言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。 ――そして初めて、夫は気づく。 自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。 一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、 「必要とされる存在」として歩き始めていた。 去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。 これは、失ってから愛に気づいた男と、 二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。 ――今さら、遅いのです。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

処理中です...