花と十字架の想い

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

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聖武器

花と十字架の想い 46話

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エオスの森へ向かおうと、

城下を出ようとしたときにカイヤの部下らしいローズという少女と出会った一行。

彼女が口を滑らせたおかげで、聖武器に辿り着くためのパスワードを知る事が出来た。

エオスの森は、ここから東の方面。

道中の敵はたいして強くなかったので、のんびりと雑談しながら歩いていた。


そのころ、エオスの森へ先回りしていた魔族二人…セレスタとツァイは…。

セレスタ「…こんなところに本当に聖武器があるのか?」

ツァイ「あるって情報を信じるしかないでしょ。

…それにしてもセレスタ。もう少し礼儀を…」

それに対して返事はなく、ふいっと顔を背けてしまう。

セレスタ「俺より、レサイトの方が問題だろ。

命令されたにもかかわらず「めんどくさい」って…」

ツァイ「本当ね…あの人、いざ戦うと恐ろしいほど強いのに」

話をしながらパスワードを入力して先に進む。

セレスタ「…魔人、か。あんな無気力な奴にその強さが宿っちゃ、カイムも報われねえな」

ツァイ「セレスタ! ……無駄話はここまでにして、先に進むわよ」

ツァイにピシャっと言われ、黙り歩いていく。


同じころ、シオン達も森に辿り着いていた。

シオン「ここがエオスの森かぁ…」

ブローディア「広そう…」

ブローディアが上を見上げながら歩いていたら、

前を歩いていたシュロにぶつかってシュロがこける。

シュロ「き、君なあ!?」

ブローディア「あっ、ごめんっ!!」

アイリス「大丈夫??」

相変わらず静かな森に来ると賑やかさが際立つメンバーだ。

レオノティス「はしゃぐのは良いが、はぐれるなよ。魔物にも気を付けろ」

アスター「あ、シオン、ひとつ伝えることがある」

シオン「なんだ???」

シオンの隣にアスターが歩いてくる。

アスター「この森、エオスの森は「守護」の力が強いらしい。

だから、森の中…パスワードを超えた先には魔物とは別に、ガーディアンもいるって聞く。

冗談抜きで気を付けた方が良い」

シオン「そうか、わかった。…アスター、それどこで知ったんだ?」

素朴な疑問をアスターに投げかける。アスターは少し黙り込んだ後…

アスター「俺の…兄さん」

少しアスターの表情が曇ったのは、気のせいだろうか?

そんなことを思いながら歩いていると、ひとつ石板が見えた。


リナリア「何かしら、これ…」

シスル「石版だろ」

フクシア「でも、何も書いてないよ?」

どうやら文字が無いように見えるらしい…ただ一人を除いては。

シオン「…いや、書いてあるけど?」

アイリス「え!?」

シオンにだけは石板の文字が見えた。他の人から見たら、ただの石。

ブローディア「何て書いてあるの!?」

シオン「えーっと…「強い意志」を示せ。さすれば扉は開かれん…だって」

テイル「強い意志ルイ??」

少し考え込む。

シュロ「…ぜ、絶対に魔王を討伐するぞー…とかか???」

レオノティス「バカか」

ぎゃんぎゃん、また喧嘩が始まった。

アイリス「…うーん…あっ、もしかして、これがパスワードのヒントじゃないかな?」

アスター「…ああ、それはあるかもしれないな」

アイリス「ローズちゃんが言ってたのは、確か…「シュタルカーヴィレ」だったよね」

シュタルカーヴィレという言葉と強い意志というのはどう結び付くのだろうか。

シスル「…シュタルカーヴィレ。「強い意志」の意味を持ってる」

シスルがぼそりと呟いた。

シオン「へぇ…詳しいんだな、シスル!」

シスル「お前等が馬鹿なだけだろ」

相変わらずそっけない。リナリアがその態度にまた慌てふためく。

その様子をやれやれと想いながら、少し遠くを見ると、鉄の扉。

カルビ「…あっ、あの扉怪しいルビ!!」

ブローディア「ほんとだ! パスワード入力装置もあの扉にあるかも!」

ブローディアとカルビが駆けて行ってしまう。

シュロ「ちょっ、君達! 勝手な行動はするなっ!!」

いつも通り苦労人のシュロが後を追う。シオン達も苦笑いしながらついて行く。


鉄の扉の隣には確かに何かの入力装置があった。

シオン「これかな…えーっと…「シュタルカーヴィレ」…っと」

ローズから聞いたパスワードを打ち込む。すると、鍵が外れた音がした。

アイリス「当たりみたいだね」

安心したと同時にふと思った。

ローズは本気で正解を口を滑らせて言ってしまっていたのだと…。

シュロ「あんな子が部下じゃ…カイヤも苦労するだろうな…」

レオノティス「お前みたいな奴が部下でも苦労しそうだがな」

シスル「同感だ」

シュロ弄りの役が増えた。

シュロ「二人してなんだ!? 僕に恨みでもあるのか!?」

フクシア「あはは…」

まあ、なにはともれ扉は開いた。

ここからはガーディアンもいるだろう。気を引き締めないといけない。

アスター「シオン。この先、魔族のローズがここのパスワードを知っていたこともあるし、

逆刃十架がいる可能性もある」

シオン「わかってる。魔物と魔族とガーディアンに気を付けないとな。…アイリス」

アイリス「なあに?」

シオンがアイリスに声をかける。

シオン「無理するなよ?」

アイリス「うん、ありがとう」

アイリスが少しだけ微笑む。

シオン「…よしっ、みんな、行こう!」

シオンの呼びかけで、みんな扉の先へ足を踏み入れていった。


扉の先…最深奥では…

セレスタ「ツァイ」

ツァイ「ええ…わかるわ、この気配…」


……英雄
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