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聖武器
花と十字架の想い 47話
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パスワードを入力して扉の先に足を踏み入れたシオンたち。
もう、ガーディアンが襲いかかってきてもおかしくは無いはずだった。
けれど、ガーディアンは一切出てこない。それどころか、魔物すらも出てこない。
シオン「…おかしくないか? いや、いなくて全然助かるけど…」
静かすぎる。…と、リナリアの小さい悲鳴が聞こえた。
シュロ「何かあったか?」
リナリア「あ、あそこ……」
リナリアが指差した先を見ると…倒れた魔物やガーディアンの残骸。
アスター「な、なんでこんな!?」
アイリス「シオン、これって…!」
やられ方が普通じゃない。残虐な攻撃をされたとしか思えないほどの姿。
シオン「…ああ、誰かが倒した…そして、そいつらはロクな心の持ち主じゃない…」
考えただけでも背筋が凍った。だが、この時一番寒気がしていたのはシオンだった。
村がジェイドによって滅ぼされた時。無残に殺された村人たち。
その光景が、フラッシュバックされていた。
レオノティス「…オン…シオン!!」
シオン「あっ…!」
レオノティスが声をかけた事でハッと我に帰る。
レオノティス「大丈夫か?」
シオン「あ、ああ。大丈夫だ。行こう!」
一瞬ペンダントを握り締め、みんなの先頭を進んで行った。
真っ直ぐな道をただ歩いて、ようやくたどり着いた最奥と思われる場所。
そこには、先客。男の子と女の子。
フクシア「えっ、子供…? こんなところに!?」
倒れていた魔物達の事があったからだろう。
危ないと思い子供たちにフクシアが近づこうとした。が、それをアスターが引きとめた。
フクシア「アスター?」
アスター「…近づいたらだめだ。いや、近づかなくても…もう遅いかもしれない」
シオン「えっ……」
シオンが再び二人の方へ眼をやると、降ろしていた少女の手が上がっていた。
シオン「…………はっ!? 全員伏せろ!!!」
横をふと見たシオンが気づいた。横から何か飛んでくる。
シオンの一声で全員その場に伏せて避ける。
ブローディア「な、なに!?」
すると、少女と少年が顔を上げて少し近づいてきた。
ツァイ「…初めまして。さすがですね。
私はツァイ。魔王直下の精鋭部隊、死鎌刃魂(ディアブソウル)の者です」
セレスタ「俺はセレスタ。ツァイと同じ、死鎌刃魂に入ってる」
礼儀正しく挨拶をしてきたツァイと、雑に挨拶してきたセレスタ。
二人はどうやら魔族らしい。
シオン「魔族…魔王側!!」
子供といえども油断できない。
さっきの攻撃、倒れていた魔物にガーディアン。相当な手練れだ。シオンは武器を構える。
ツァイ「さっきの攻撃はあいさつ代わりです。
落ち着いてください、シオン…いいえ、プラタナス」
シオン「!?」
プラタナス…というのは、かつて魔王を封じ込めた英雄の名だ。
何故自分がその名前で呼ばれるのか。
セレスタ「ツァイ、何でこいつら待ってたんだ? こいつ等を倒せって命令はくだってない。
聖武器だけ持って帰れば良いものを、こいつ等を待ってたら間違いなく戦闘に…」
ツァイ「挨拶しておきたかっただけよ。
さあ、聖武器持って帰りましょう。さようなら、シオン…」
勝手に話を進めるもんだからスルー仕掛けてしまった。が、
シオン「聖武器…はっ、待て!!」
シオンが大声を上げた。
セレスタ「…ほらな」
ツァイ「無暗に争いたくないの。今は、貴方達を殺せという命令はないんだから」
ブローディア「聖武器、渡すわけないでしょ!」
ブローディアが杖を構えて前に出た。
ツァイ「杖…ああ、貴方とリンクすることになりそうね。
この聖武器は…でも、あなたに触れられるかしら…魔王様の妹さん?」
ブローディアの気持ちが揺らぐ。
そう、魔王をフロックスの体から離れさせなければ、魔王を倒した時、
それはフロックスの死も意味してしまう。
体から離れさせるためには肉体を魔王に渡すべき…
でも、そんな事をしたら世界はどうなってしまうのか…。
完全体の魔王に勝てる者が、いるのかどうか。
アイリス「ブローディア?」
ブローディア「でもっ、とにかくっ、貴方達に渡すわけにはいかないからぁっ!」
ブローディアが詠唱を始める。
それをフォローするためにシオン、リナリア、シスル、アスターは前線に出て斬りかかる。
それをさらっとかわすと
ツァイ「…肉塊になっても…」
セレスタ「知らないけど?」
冷めた口調でツァイとセレスタも武器を構える。
ツァイはチャクラム。セレスタは短銃剣のようだ。
チャクラムも短銃剣も遠方にいるアイリスたちに当たらない保証はない。
シオン「……っ! シスル、頼みがある!」
シスル「…?」
シオン「お前の身軽さは急に飛んできた攻撃に対しても対応できる。
後方でアイリスたちの守りに専念してくれないかっ」
一瞬、明らかに不機嫌な顔をされた。
シスル「なんで俺が…大体俺は守る側じゃない。殺す側だ…」
シオン「頼む!!」
シスル「…っ!」
シオンが叫ぶ。
シスル「…わかった。今回だけだからな」
そう言うとシスルは後方へ素早く移動した。
アイリス「シオン! 援護は任せて!」
アイリスの声に軽く頷いて、すぐに体制を整える。
そうじゃないと、この二人の攻撃にはすぐにやられてしまう。
残虐なやり方…相手が苦しんで死のうが関係ない、という事だ…子供故、恐ろしい。
ブローディア「大海の螺旋渦…! すべて飲み込め! シオンたち、どいて!」
ブローディアの詠唱が終わり、前に立つシオンたちに声をかける。
慌ててシオンとリナリアとアスターは左右によける。
ブローディア「シュトゥルーデル!!」
ブローディアの杖から大きな渦が放たれた。
ツァイ「…ふっ!」
セレスタ「はっ!!」
それに向かって、チャクラムと銃弾がぶつけられた。
不利なのはどう考えても高等魔法を受け止めている側だが、
弾かれてもツァイ達は回避が可能。
だが、万が一魔法の方が弾かれた場合、ブローディアは、かわせない…
まともにチャクラムと銃弾を食らうことになっしまう。
一瞬の気のゆるみが命取りとなってしまう。が、この時のブローディアの心の中は…
ブローディア(…お兄ちゃん…お兄ちゃん…! いやっ、お兄ちゃんが死ぬなんて…!)
思い切りグラついていて、手も震えていた。
レオノティス「ブローディア! 気を確かに持てぇぇ!」
普段からは考えられなかった。
手の震え、今のブローディアの心の揺れ、それに気づいたレオノティスが叫んだ。
もう、ガーディアンが襲いかかってきてもおかしくは無いはずだった。
けれど、ガーディアンは一切出てこない。それどころか、魔物すらも出てこない。
シオン「…おかしくないか? いや、いなくて全然助かるけど…」
静かすぎる。…と、リナリアの小さい悲鳴が聞こえた。
シュロ「何かあったか?」
リナリア「あ、あそこ……」
リナリアが指差した先を見ると…倒れた魔物やガーディアンの残骸。
アスター「な、なんでこんな!?」
アイリス「シオン、これって…!」
やられ方が普通じゃない。残虐な攻撃をされたとしか思えないほどの姿。
シオン「…ああ、誰かが倒した…そして、そいつらはロクな心の持ち主じゃない…」
考えただけでも背筋が凍った。だが、この時一番寒気がしていたのはシオンだった。
村がジェイドによって滅ぼされた時。無残に殺された村人たち。
その光景が、フラッシュバックされていた。
レオノティス「…オン…シオン!!」
シオン「あっ…!」
レオノティスが声をかけた事でハッと我に帰る。
レオノティス「大丈夫か?」
シオン「あ、ああ。大丈夫だ。行こう!」
一瞬ペンダントを握り締め、みんなの先頭を進んで行った。
真っ直ぐな道をただ歩いて、ようやくたどり着いた最奥と思われる場所。
そこには、先客。男の子と女の子。
フクシア「えっ、子供…? こんなところに!?」
倒れていた魔物達の事があったからだろう。
危ないと思い子供たちにフクシアが近づこうとした。が、それをアスターが引きとめた。
フクシア「アスター?」
アスター「…近づいたらだめだ。いや、近づかなくても…もう遅いかもしれない」
シオン「えっ……」
シオンが再び二人の方へ眼をやると、降ろしていた少女の手が上がっていた。
シオン「…………はっ!? 全員伏せろ!!!」
横をふと見たシオンが気づいた。横から何か飛んでくる。
シオンの一声で全員その場に伏せて避ける。
ブローディア「な、なに!?」
すると、少女と少年が顔を上げて少し近づいてきた。
ツァイ「…初めまして。さすがですね。
私はツァイ。魔王直下の精鋭部隊、死鎌刃魂(ディアブソウル)の者です」
セレスタ「俺はセレスタ。ツァイと同じ、死鎌刃魂に入ってる」
礼儀正しく挨拶をしてきたツァイと、雑に挨拶してきたセレスタ。
二人はどうやら魔族らしい。
シオン「魔族…魔王側!!」
子供といえども油断できない。
さっきの攻撃、倒れていた魔物にガーディアン。相当な手練れだ。シオンは武器を構える。
ツァイ「さっきの攻撃はあいさつ代わりです。
落ち着いてください、シオン…いいえ、プラタナス」
シオン「!?」
プラタナス…というのは、かつて魔王を封じ込めた英雄の名だ。
何故自分がその名前で呼ばれるのか。
セレスタ「ツァイ、何でこいつら待ってたんだ? こいつ等を倒せって命令はくだってない。
聖武器だけ持って帰れば良いものを、こいつ等を待ってたら間違いなく戦闘に…」
ツァイ「挨拶しておきたかっただけよ。
さあ、聖武器持って帰りましょう。さようなら、シオン…」
勝手に話を進めるもんだからスルー仕掛けてしまった。が、
シオン「聖武器…はっ、待て!!」
シオンが大声を上げた。
セレスタ「…ほらな」
ツァイ「無暗に争いたくないの。今は、貴方達を殺せという命令はないんだから」
ブローディア「聖武器、渡すわけないでしょ!」
ブローディアが杖を構えて前に出た。
ツァイ「杖…ああ、貴方とリンクすることになりそうね。
この聖武器は…でも、あなたに触れられるかしら…魔王様の妹さん?」
ブローディアの気持ちが揺らぐ。
そう、魔王をフロックスの体から離れさせなければ、魔王を倒した時、
それはフロックスの死も意味してしまう。
体から離れさせるためには肉体を魔王に渡すべき…
でも、そんな事をしたら世界はどうなってしまうのか…。
完全体の魔王に勝てる者が、いるのかどうか。
アイリス「ブローディア?」
ブローディア「でもっ、とにかくっ、貴方達に渡すわけにはいかないからぁっ!」
ブローディアが詠唱を始める。
それをフォローするためにシオン、リナリア、シスル、アスターは前線に出て斬りかかる。
それをさらっとかわすと
ツァイ「…肉塊になっても…」
セレスタ「知らないけど?」
冷めた口調でツァイとセレスタも武器を構える。
ツァイはチャクラム。セレスタは短銃剣のようだ。
チャクラムも短銃剣も遠方にいるアイリスたちに当たらない保証はない。
シオン「……っ! シスル、頼みがある!」
シスル「…?」
シオン「お前の身軽さは急に飛んできた攻撃に対しても対応できる。
後方でアイリスたちの守りに専念してくれないかっ」
一瞬、明らかに不機嫌な顔をされた。
シスル「なんで俺が…大体俺は守る側じゃない。殺す側だ…」
シオン「頼む!!」
シスル「…っ!」
シオンが叫ぶ。
シスル「…わかった。今回だけだからな」
そう言うとシスルは後方へ素早く移動した。
アイリス「シオン! 援護は任せて!」
アイリスの声に軽く頷いて、すぐに体制を整える。
そうじゃないと、この二人の攻撃にはすぐにやられてしまう。
残虐なやり方…相手が苦しんで死のうが関係ない、という事だ…子供故、恐ろしい。
ブローディア「大海の螺旋渦…! すべて飲み込め! シオンたち、どいて!」
ブローディアの詠唱が終わり、前に立つシオンたちに声をかける。
慌ててシオンとリナリアとアスターは左右によける。
ブローディア「シュトゥルーデル!!」
ブローディアの杖から大きな渦が放たれた。
ツァイ「…ふっ!」
セレスタ「はっ!!」
それに向かって、チャクラムと銃弾がぶつけられた。
不利なのはどう考えても高等魔法を受け止めている側だが、
弾かれてもツァイ達は回避が可能。
だが、万が一魔法の方が弾かれた場合、ブローディアは、かわせない…
まともにチャクラムと銃弾を食らうことになっしまう。
一瞬の気のゆるみが命取りとなってしまう。が、この時のブローディアの心の中は…
ブローディア(…お兄ちゃん…お兄ちゃん…! いやっ、お兄ちゃんが死ぬなんて…!)
思い切りグラついていて、手も震えていた。
レオノティス「ブローディア! 気を確かに持てぇぇ!」
普段からは考えられなかった。
手の震え、今のブローディアの心の揺れ、それに気づいたレオノティスが叫んだ。
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