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聖武器
花と十字架の想い 48話
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衝突しているセレスタとツァイの攻撃と、ブローディアの魔法。
威力でいえば魔法が圧倒的に有利なのだが、
兄が魔王になっているという事実を改めて突き付けられたブローディアの心は
不安定になって、実際は魔法の方が不利になっていた。
レオノティスが叫んでも、その声はブローディアに聞こえていない。
いや、聞こえていたかもしれないが…
ブローディア(…お兄ちゃ…んっ!!)
ブローディアの目に涙が溜まった。その一瞬の隙に魔法が押される。
アスター「…まずいな。
このままだと魔法が弾かれたとき、ブローディアにチャクラムと銃弾が直撃して…」
アイリス「そんな…っ!?」
シオン「………っ!!」
シオンが庇おうと飛び出そうとしたその時…それより先に飛び出したのは…
シオン「え…っ…レオ!?」
間一髪だった。
魔法が弾かれたのとほぼ同時にブローディア語とレオノティスが地面に倒れ込む。
でも…
レオノティス「…ぐっ…」
レオノティスの肩から流血。
即死に至る場所に直撃こそ免れたもののチャクラムと銃弾が肩を半分ほど貫いていた。
ブローディア「ぅ……あっ!? レオ!? レオ!!!!」
起き上がったブローディアがレオに呼びかける。
シュロ「レオ! 君ってやつは!!」
シュロもレオノティスに駆け寄って回復技を使う。
だけど元より回復特化のタイプではなかったので威力不足。
シオン「アイリス! レオの回復頼む!」
アイリス「えっ、う、うん! シオンは!?」
シオン「俺は……」
シオンが剣を握り直して目を向ける先は、あの二人…
ツァイ「仕留めきれなかったわね」
セレスタ「回復魔法か…やっかいだな。それが無ければ出血多量でそのうち死ぬだろうに」
そんな事を完全他人事で話す二人に向かってシオンが踏み切った。
シオン「…っ! だあああああああああああ!!!」
ツァイとセレスタに斬りかかるも左右に避けられた。
アイリス「シオン!?」
シュロ「アイリス! 手伝ってくれ!」
シュロに声をかけられ迷っていると、アスターがアイリスに声をかけた。
アスター「シオンの方は俺とフクシアに任せろ。
シスルとリナリアは念のためにレオの側に!」
そう言うなりアスターとフクシアはシオンの方へ走っていった。
リナリア「アイリス!」
リナリアに手を引かれてアイリスも移動する。
シオン「…っ!! だあ!」
がむしゃらに怒りに任せて剣を振るう。
ツァイ「どうしてそんなに怒るの? 死んでないんだから良いじゃない。
彼女がいるなら助かるはずよ」
セレスタ「人間って、仲間が傷ついただけでそんなに怒って一人で突っ込んでくるんだろ。
魔族には全く理解できないな」
そう言いながらかわし続ける。攻撃はしてこない。
アスター「シオン! 落ち着け!!」
シオン「こいつ等…仲間を…あと少しで死なせるところだったんだ!!」
怒るシオンにはアスターの声が届いていない。
ただ、仲間が殺されていたかもしれないという想いだけが頭の中を駆け巡っていた。
そんな時、後ろから声。
ブローディア「レオ! 起き上がらないで、まだ!!」
回復がまだ終わっていないのにレオが上体を起こした。そして…
レオノティス「…いい加減にしろ、シオン!!
憎しみを叩きつけるだけの戦い方は…身を、滅ぼすっ!!!」
痛む肩を押えながら叫ぶ。
その言葉はセイクレイ城で怒りに身を任せて戦っていたシオンに
ローレルがかけた言葉だった。
ブローディア「ダメだって! 話さないで、傷が開く!」
シオン「…はっ……。レオ!?」
我に返ったシオンがレオノティスの方を振り返ると
肩を押えて片膝をついているレオノティスが目に入った。
シオン「……俺は…」
立ち尽くしたシオンに攻撃をすることもなく
ツァイ「退くわよ、セレスタ」
セレスタ「えっ…けど聖武器は?」
ツァイ「………シオン。どのみち貴方達にこの聖武器は触れない。
心に穢れか迷いなどがある限り。くれぐれも死なないようにね? 世界を、救いたいなら…」
そう言ってセレスタと共に転移して行った。
シオン「……」
取りあえずシオンが聖武器の入っているであろう箱に近づいて開ける。
シオン「……杖か。ここの聖武器は」
触れようにしたが、弾かれる。
シオン「うわっ!? …星氷山の時と同じか?
あの時は刀で…刀使いのリナリアが持てたから…ブローディアか?」
ブローディア「えっ、あ、うん、わかった、今行く!!」
ブローディアが駆け寄る。
ブローディア「………」
ブローディアが触れようとした…が…
弾かれた。
ブローディア「なんっ…!? なんで!?」
フクシア「…心に穢れか…迷い……」
ツァイ『杖…ああ、貴方とリンクすることになりそうね。
この聖武器は…でも、あなたに触れられるかしら…魔王様の妹さん?』
フクシア「…ブローディア…もしかして、お兄さんの事で迷って…」
ブローディア「…!!」
今まで耐えたものが爆発して涙がこぼれた。
フローディア「そうだよ!
だって、このままお兄ちゃんを取り戻せないで魔王を倒したら、お兄ちゃんは死んじゃう!!私は…そんなの嫌!」
泣きながら声を上げるブローディアになんて声をかけようか迷っていたら、
一番言葉を選ばない人が口を開いてしまった。
シスル「あんたは、世界と兄1人の命…どっちが大事なんだよ」
ブローディア「……!?」
リナリア「し、シスル!!」
シスルとしては発破をかけたつもりだったのだろうが…今は、言ってはいけなかった。
ブローディアがシスルに近づいて、思いっきり肩を掴んだ。
シスル「……なんだよ。事実だろ」
ブローディア「バカっ! シスルが魔王の肉体持ってるくせに!
魔王に肉体渡してよ! お兄ちゃんを取り戻してよ!!!」
そう言って1人で森の中を駆けて行ってしまった。
シュロ「あっ…ブローディア!?」
カルビ「ルビ~!!」
方向音痴のブローディアがこんな森の中をでたらめに走っていたら…出られなくなる。
アスター「シオン、俺とフクシアで上から探してみる」
シオン「ああ…頼む」
二人が飛び去る。
リナリア「シスル!! あんな事言うなんて!」
シスル「…世界全ての命と引き換えに1人の命を助けろと?
精鋭にすらまともに勝てねえくせに完全復活した魔王にあんたらが勝てるのかよ。
命賭けないと勝てねえぐらいの相手に」
シスルの言うことはもっともだった。だけど…
シスル「俺なら勝てる。自分の命を捨てる覚悟は出来てるからな。
俺1人で魔王城に乗り込んでいいんなら、肉体は返してくる」
そんな事、出来る訳がない。
シスルの言い分は、良い方に考えればシオン達を犠牲にしないように
1人で乗り込むと言ってるようにも聴こえるが…。
すると、シスルが歩き出してしまった。
アイリス「…シスル、どこへ?」
シスル「先に町に戻る。お前等はあの占い師が見つかってから戻るんだろ」
シオン「シスル!!」
シオンが腕を掴んでも振りほどかれてしまったので、諦めてしまった。
リナリア「…シスル…」
パスワードを入力したあたりまでもどってきたシスルの元へ、カラスが一匹。
シスル「ゼロ…いたか、あの占い師」
カァー、カァーと、返事をするように鳴いた後、東の方へ飛んでいく。
シスル「あっちか。………ゼロのあの様子だと、魔獣がいるな…」
暗殺者としても自慢のスピードで森を駆けて行く。
目指しているのはブローディアがいるであろう方向。
ゼロと呼ばれたカラスの後を追っていった。
威力でいえば魔法が圧倒的に有利なのだが、
兄が魔王になっているという事実を改めて突き付けられたブローディアの心は
不安定になって、実際は魔法の方が不利になっていた。
レオノティスが叫んでも、その声はブローディアに聞こえていない。
いや、聞こえていたかもしれないが…
ブローディア(…お兄ちゃ…んっ!!)
ブローディアの目に涙が溜まった。その一瞬の隙に魔法が押される。
アスター「…まずいな。
このままだと魔法が弾かれたとき、ブローディアにチャクラムと銃弾が直撃して…」
アイリス「そんな…っ!?」
シオン「………っ!!」
シオンが庇おうと飛び出そうとしたその時…それより先に飛び出したのは…
シオン「え…っ…レオ!?」
間一髪だった。
魔法が弾かれたのとほぼ同時にブローディア語とレオノティスが地面に倒れ込む。
でも…
レオノティス「…ぐっ…」
レオノティスの肩から流血。
即死に至る場所に直撃こそ免れたもののチャクラムと銃弾が肩を半分ほど貫いていた。
ブローディア「ぅ……あっ!? レオ!? レオ!!!!」
起き上がったブローディアがレオに呼びかける。
シュロ「レオ! 君ってやつは!!」
シュロもレオノティスに駆け寄って回復技を使う。
だけど元より回復特化のタイプではなかったので威力不足。
シオン「アイリス! レオの回復頼む!」
アイリス「えっ、う、うん! シオンは!?」
シオン「俺は……」
シオンが剣を握り直して目を向ける先は、あの二人…
ツァイ「仕留めきれなかったわね」
セレスタ「回復魔法か…やっかいだな。それが無ければ出血多量でそのうち死ぬだろうに」
そんな事を完全他人事で話す二人に向かってシオンが踏み切った。
シオン「…っ! だあああああああああああ!!!」
ツァイとセレスタに斬りかかるも左右に避けられた。
アイリス「シオン!?」
シュロ「アイリス! 手伝ってくれ!」
シュロに声をかけられ迷っていると、アスターがアイリスに声をかけた。
アスター「シオンの方は俺とフクシアに任せろ。
シスルとリナリアは念のためにレオの側に!」
そう言うなりアスターとフクシアはシオンの方へ走っていった。
リナリア「アイリス!」
リナリアに手を引かれてアイリスも移動する。
シオン「…っ!! だあ!」
がむしゃらに怒りに任せて剣を振るう。
ツァイ「どうしてそんなに怒るの? 死んでないんだから良いじゃない。
彼女がいるなら助かるはずよ」
セレスタ「人間って、仲間が傷ついただけでそんなに怒って一人で突っ込んでくるんだろ。
魔族には全く理解できないな」
そう言いながらかわし続ける。攻撃はしてこない。
アスター「シオン! 落ち着け!!」
シオン「こいつ等…仲間を…あと少しで死なせるところだったんだ!!」
怒るシオンにはアスターの声が届いていない。
ただ、仲間が殺されていたかもしれないという想いだけが頭の中を駆け巡っていた。
そんな時、後ろから声。
ブローディア「レオ! 起き上がらないで、まだ!!」
回復がまだ終わっていないのにレオが上体を起こした。そして…
レオノティス「…いい加減にしろ、シオン!!
憎しみを叩きつけるだけの戦い方は…身を、滅ぼすっ!!!」
痛む肩を押えながら叫ぶ。
その言葉はセイクレイ城で怒りに身を任せて戦っていたシオンに
ローレルがかけた言葉だった。
ブローディア「ダメだって! 話さないで、傷が開く!」
シオン「…はっ……。レオ!?」
我に返ったシオンがレオノティスの方を振り返ると
肩を押えて片膝をついているレオノティスが目に入った。
シオン「……俺は…」
立ち尽くしたシオンに攻撃をすることもなく
ツァイ「退くわよ、セレスタ」
セレスタ「えっ…けど聖武器は?」
ツァイ「………シオン。どのみち貴方達にこの聖武器は触れない。
心に穢れか迷いなどがある限り。くれぐれも死なないようにね? 世界を、救いたいなら…」
そう言ってセレスタと共に転移して行った。
シオン「……」
取りあえずシオンが聖武器の入っているであろう箱に近づいて開ける。
シオン「……杖か。ここの聖武器は」
触れようにしたが、弾かれる。
シオン「うわっ!? …星氷山の時と同じか?
あの時は刀で…刀使いのリナリアが持てたから…ブローディアか?」
ブローディア「えっ、あ、うん、わかった、今行く!!」
ブローディアが駆け寄る。
ブローディア「………」
ブローディアが触れようとした…が…
弾かれた。
ブローディア「なんっ…!? なんで!?」
フクシア「…心に穢れか…迷い……」
ツァイ『杖…ああ、貴方とリンクすることになりそうね。
この聖武器は…でも、あなたに触れられるかしら…魔王様の妹さん?』
フクシア「…ブローディア…もしかして、お兄さんの事で迷って…」
ブローディア「…!!」
今まで耐えたものが爆発して涙がこぼれた。
フローディア「そうだよ!
だって、このままお兄ちゃんを取り戻せないで魔王を倒したら、お兄ちゃんは死んじゃう!!私は…そんなの嫌!」
泣きながら声を上げるブローディアになんて声をかけようか迷っていたら、
一番言葉を選ばない人が口を開いてしまった。
シスル「あんたは、世界と兄1人の命…どっちが大事なんだよ」
ブローディア「……!?」
リナリア「し、シスル!!」
シスルとしては発破をかけたつもりだったのだろうが…今は、言ってはいけなかった。
ブローディアがシスルに近づいて、思いっきり肩を掴んだ。
シスル「……なんだよ。事実だろ」
ブローディア「バカっ! シスルが魔王の肉体持ってるくせに!
魔王に肉体渡してよ! お兄ちゃんを取り戻してよ!!!」
そう言って1人で森の中を駆けて行ってしまった。
シュロ「あっ…ブローディア!?」
カルビ「ルビ~!!」
方向音痴のブローディアがこんな森の中をでたらめに走っていたら…出られなくなる。
アスター「シオン、俺とフクシアで上から探してみる」
シオン「ああ…頼む」
二人が飛び去る。
リナリア「シスル!! あんな事言うなんて!」
シスル「…世界全ての命と引き換えに1人の命を助けろと?
精鋭にすらまともに勝てねえくせに完全復活した魔王にあんたらが勝てるのかよ。
命賭けないと勝てねえぐらいの相手に」
シスルの言うことはもっともだった。だけど…
シスル「俺なら勝てる。自分の命を捨てる覚悟は出来てるからな。
俺1人で魔王城に乗り込んでいいんなら、肉体は返してくる」
そんな事、出来る訳がない。
シスルの言い分は、良い方に考えればシオン達を犠牲にしないように
1人で乗り込むと言ってるようにも聴こえるが…。
すると、シスルが歩き出してしまった。
アイリス「…シスル、どこへ?」
シスル「先に町に戻る。お前等はあの占い師が見つかってから戻るんだろ」
シオン「シスル!!」
シオンが腕を掴んでも振りほどかれてしまったので、諦めてしまった。
リナリア「…シスル…」
パスワードを入力したあたりまでもどってきたシスルの元へ、カラスが一匹。
シスル「ゼロ…いたか、あの占い師」
カァー、カァーと、返事をするように鳴いた後、東の方へ飛んでいく。
シスル「あっちか。………ゼロのあの様子だと、魔獣がいるな…」
暗殺者としても自慢のスピードで森を駆けて行く。
目指しているのはブローディアがいるであろう方向。
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