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聖武器
花と十字架の想い 59話
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ゼルク大陸。魔王城ヘルクロス。
玉座の間には逆刃十架と死鎌刃魂が揃っていた。
ツァイ「……魔王様。ここに私達を集めた理由は?」
魔王フロックス「わざわざ呼び戻したのは、我が肉体の事だ」
カイヤ「貴方様の肉体は、今もシスルさんが持っています。
……なにか策が?」
ジェイド「もう力尽くで良くないか?」
やれやれとクロムがため息をつく。それをジェイドがにらみつけるが……
クロム「殺さないように手加減……貴方はできないでしょう?
シスルが死んだら、肉体ごと、よ」
あっさりと論破。
セレスタ「……つまり、手加減して気を失わせるしかない。けどそれは難易度が高い。
……魔王、あんたは向こうから、肉体を差し出してくるようにしたいわけだな」
魔王がそれにうなずき、アメシスの方を向く。
アメシス「彼が聖武器を手に入れるには、魔王様の肉体を持っていては叶いません。
なので、彼らに残された選択肢は一つしかないと思いますが……念には念を。」
ジェイド「どうすんだ?」
アメシス「彼は今、暗殺者として活動しています。そのアジトの場所は、
クレイドル大陸、アストレア村。……そこを攻めます」
その村の人達を人質に、魔王の肉体を要求する、という作戦だった。
クレイドル大陸はシオンたちの今いる大陸とは別の場所だ。
レサイト「……ふわぁーあ……ねー、その大陸に用なしであいつら来るのー?」
魔王フロックス「奴の聖武器はその大陸の、アストレア付近の洞窟にある」
ツァイ「……貴方も悪ね。本当に……」
本当に趣味が悪い。取りに来たところで、
村の人達を人質にして、向こうから肉体を渡し、魔王の強化をさせると言う……
魔王フロックス「肉体を取り返してもらうのだ。今回は私も出る」
アメシス「ジェイドとカイヤも付いて行ってください」
ジェイド「肉体を取り戻した後は、殺してもいいんだよな?」
アメシスが首を横に振る。
カイヤ「ですよね……奪うならばまとめて。それにジェイド。
絶望させて絶望させて絶望させた上で殺した方が、彼らの歪んだ顔が見れますよ?」
ジェイド「ははっ、そうだな。全て奪った後で、そいつらをなぶり殺せばいいか!」
クロム「本当、趣味が悪い」
クロムがあきれ果てる。
エルフの村では……
レオノティス「父上!!」
長の家の中に慌てて飛び込んでくるレオノティス。
フクシア「……レオ! ……傷が、塞がらないの……天使の術を使っても!」
レオノティス「……父上……」
すぐそばに座り込む。
少し遅れてシオンたちも飛び込んできた。
ブローディア「……お父さんは!?」
レオノティス「回復魔法が効かない……」
その言葉でアイリスが近くに来る。
アイリス「……傷口が光ってる……多分、呪いを纏った銃弾を受けたわ……」
「……レオノティスか……?」
レオノティス「!!!」
辛うじて意識があったようだ。回復魔法をかけ続けていたからだろう。
「……すまないな……病に倒れてからお前に任せきりで……」
レオノティス「いい、いいんだそんな事は!」
「いい仲間を持ったようで良かったよ……
友を亡くし、心を閉ざしていたのが嘘のようだ」
喋らないでほしい、と。何度言っても話し続けてしまう。
「どのみちもう無理だ……っ、く……レオノティス…皆さんも…頼みがあります」
シオン「……な、何ですか?」
シオンも傍に来る。
「クレイドル大陸のアストレア村にある飲食店のマスターが私の知り合いでな……
そこの傍に、聖武器があると聞いた事がある……」
シスル「……!!!」
リナリア「シスル?」
少しシスルが反応した気がするが、気のせいだろうか?
「洞窟だ……そこに……頼みます……聖武器を、奴らの手に渡さないように……」
レオノティス「父上!! 分かった、必ず、果たす!」
「そちらの方は、かつての英雄の肖像画にそっくりだ……」
シオン「……え?」
「そちらの、お嬢さんも、かつて英雄と旅をし魔王を封じた少女にそっくりだ……」
アイリス「…そ、そうなんですか?」
しばらくの間が空いて、また長が口を開いた。
「……この呪いは、トドメを刺されなければ消えない…苦しいまま生き続ける事になる」
シュロ「待ってくれ…まさか、それは……」
「……誰か、トドメを刺してくれぬか? 辛い事を頼んで申し訳ないが……」
シスル「どうする? 罪悪感を持ちたくないなら俺がやるぞ」
シスルは暗殺者だ。他の人よりは慣れているが……そんな理由で仲間に殺してくれと頼むのは……
レオノティス「俺がやる」
シュロ「レオ!?」
レオノティス「……いいんですね、父上……」
「ああ……最期まで苦労をかけるな」
レオノティスが銃を構えて自分の父に向ける。
レオノティス「民は俺が守ります。仲間とも仲良くします。
……貴方は俺の憧れです、父上……。ありがとうございました。安らかに……!」
「……幸せにな、レオノティス……」
銃声が鳴り響く。静かな森に。
避難した村の人を迎え、この村の復興を頼む。
そして、長の、レオノティスの父親の墓を建て終わり、
その後で聖武器を取りに戻ってきた。
レオノティス「……これか」
レオノティスが銃型の聖武器を手に取る。
『この銃の名を……この銃の名はーー』
レオノティス「セブライム! メスィブ!」
レオのティの武器通り、二丁ある銃は、レオノティスを認め、宝玉になった。
その後、
シオンたちはクレイドル大陸へ向かう船に乗っていた。
ブローディア「……レオ、大丈夫……じゃないよね?」
レオノティス「フッ……最期まで立派な人だ。俺の父は。
ああしか方法はなかった。でないと父上はずっと苦しんだ……」
ブローディア「殺す事で、救ったんだよ、レオは……だから、思いつめないでね?」
海を見て黄昏ていたのがバレたか慰めてくれる。
レオノティス「俺はそんなに軟じゃないさ。村の奴らも父上の遺志を継いでくれるだろう」
その様子を見ていたシオンとシュロ。
シュロ「本当に最低だな、あいつらは……」
シオン「最初から助けられる可能性なんて残しやしなかったんだ……
何が急げば間に合うだ……」
足音が近づく。
レオノティス「勝手にへこんでいるな。俺は立ち直っているぞ」
シオン「レオ!? す、すまない。お前が一番……」
レオノティス「リーダーがそんなではチーム全体が狂う。
シュロ、貴様は能天気でいろ。いつもそうだろう」
シュロ「き、君なあ!?」
いつも通り、なのか、空元気かは分からないが、
幸せになってほしいという父の願いをくんだのだろう。
ブローディア「クレイドル大陸まで、休んどかないと。
連続で聖武器集めてて、疲れてるんだし、さ。」
一方、船の最後尾では、シスルが一人。
シスル「……………アストレア村…………」
玉座の間には逆刃十架と死鎌刃魂が揃っていた。
ツァイ「……魔王様。ここに私達を集めた理由は?」
魔王フロックス「わざわざ呼び戻したのは、我が肉体の事だ」
カイヤ「貴方様の肉体は、今もシスルさんが持っています。
……なにか策が?」
ジェイド「もう力尽くで良くないか?」
やれやれとクロムがため息をつく。それをジェイドがにらみつけるが……
クロム「殺さないように手加減……貴方はできないでしょう?
シスルが死んだら、肉体ごと、よ」
あっさりと論破。
セレスタ「……つまり、手加減して気を失わせるしかない。けどそれは難易度が高い。
……魔王、あんたは向こうから、肉体を差し出してくるようにしたいわけだな」
魔王がそれにうなずき、アメシスの方を向く。
アメシス「彼が聖武器を手に入れるには、魔王様の肉体を持っていては叶いません。
なので、彼らに残された選択肢は一つしかないと思いますが……念には念を。」
ジェイド「どうすんだ?」
アメシス「彼は今、暗殺者として活動しています。そのアジトの場所は、
クレイドル大陸、アストレア村。……そこを攻めます」
その村の人達を人質に、魔王の肉体を要求する、という作戦だった。
クレイドル大陸はシオンたちの今いる大陸とは別の場所だ。
レサイト「……ふわぁーあ……ねー、その大陸に用なしであいつら来るのー?」
魔王フロックス「奴の聖武器はその大陸の、アストレア付近の洞窟にある」
ツァイ「……貴方も悪ね。本当に……」
本当に趣味が悪い。取りに来たところで、
村の人達を人質にして、向こうから肉体を渡し、魔王の強化をさせると言う……
魔王フロックス「肉体を取り返してもらうのだ。今回は私も出る」
アメシス「ジェイドとカイヤも付いて行ってください」
ジェイド「肉体を取り戻した後は、殺してもいいんだよな?」
アメシスが首を横に振る。
カイヤ「ですよね……奪うならばまとめて。それにジェイド。
絶望させて絶望させて絶望させた上で殺した方が、彼らの歪んだ顔が見れますよ?」
ジェイド「ははっ、そうだな。全て奪った後で、そいつらをなぶり殺せばいいか!」
クロム「本当、趣味が悪い」
クロムがあきれ果てる。
エルフの村では……
レオノティス「父上!!」
長の家の中に慌てて飛び込んでくるレオノティス。
フクシア「……レオ! ……傷が、塞がらないの……天使の術を使っても!」
レオノティス「……父上……」
すぐそばに座り込む。
少し遅れてシオンたちも飛び込んできた。
ブローディア「……お父さんは!?」
レオノティス「回復魔法が効かない……」
その言葉でアイリスが近くに来る。
アイリス「……傷口が光ってる……多分、呪いを纏った銃弾を受けたわ……」
「……レオノティスか……?」
レオノティス「!!!」
辛うじて意識があったようだ。回復魔法をかけ続けていたからだろう。
「……すまないな……病に倒れてからお前に任せきりで……」
レオノティス「いい、いいんだそんな事は!」
「いい仲間を持ったようで良かったよ……
友を亡くし、心を閉ざしていたのが嘘のようだ」
喋らないでほしい、と。何度言っても話し続けてしまう。
「どのみちもう無理だ……っ、く……レオノティス…皆さんも…頼みがあります」
シオン「……な、何ですか?」
シオンも傍に来る。
「クレイドル大陸のアストレア村にある飲食店のマスターが私の知り合いでな……
そこの傍に、聖武器があると聞いた事がある……」
シスル「……!!!」
リナリア「シスル?」
少しシスルが反応した気がするが、気のせいだろうか?
「洞窟だ……そこに……頼みます……聖武器を、奴らの手に渡さないように……」
レオノティス「父上!! 分かった、必ず、果たす!」
「そちらの方は、かつての英雄の肖像画にそっくりだ……」
シオン「……え?」
「そちらの、お嬢さんも、かつて英雄と旅をし魔王を封じた少女にそっくりだ……」
アイリス「…そ、そうなんですか?」
しばらくの間が空いて、また長が口を開いた。
「……この呪いは、トドメを刺されなければ消えない…苦しいまま生き続ける事になる」
シュロ「待ってくれ…まさか、それは……」
「……誰か、トドメを刺してくれぬか? 辛い事を頼んで申し訳ないが……」
シスル「どうする? 罪悪感を持ちたくないなら俺がやるぞ」
シスルは暗殺者だ。他の人よりは慣れているが……そんな理由で仲間に殺してくれと頼むのは……
レオノティス「俺がやる」
シュロ「レオ!?」
レオノティス「……いいんですね、父上……」
「ああ……最期まで苦労をかけるな」
レオノティスが銃を構えて自分の父に向ける。
レオノティス「民は俺が守ります。仲間とも仲良くします。
……貴方は俺の憧れです、父上……。ありがとうございました。安らかに……!」
「……幸せにな、レオノティス……」
銃声が鳴り響く。静かな森に。
避難した村の人を迎え、この村の復興を頼む。
そして、長の、レオノティスの父親の墓を建て終わり、
その後で聖武器を取りに戻ってきた。
レオノティス「……これか」
レオノティスが銃型の聖武器を手に取る。
『この銃の名を……この銃の名はーー』
レオノティス「セブライム! メスィブ!」
レオのティの武器通り、二丁ある銃は、レオノティスを認め、宝玉になった。
その後、
シオンたちはクレイドル大陸へ向かう船に乗っていた。
ブローディア「……レオ、大丈夫……じゃないよね?」
レオノティス「フッ……最期まで立派な人だ。俺の父は。
ああしか方法はなかった。でないと父上はずっと苦しんだ……」
ブローディア「殺す事で、救ったんだよ、レオは……だから、思いつめないでね?」
海を見て黄昏ていたのがバレたか慰めてくれる。
レオノティス「俺はそんなに軟じゃないさ。村の奴らも父上の遺志を継いでくれるだろう」
その様子を見ていたシオンとシュロ。
シュロ「本当に最低だな、あいつらは……」
シオン「最初から助けられる可能性なんて残しやしなかったんだ……
何が急げば間に合うだ……」
足音が近づく。
レオノティス「勝手にへこんでいるな。俺は立ち直っているぞ」
シオン「レオ!? す、すまない。お前が一番……」
レオノティス「リーダーがそんなではチーム全体が狂う。
シュロ、貴様は能天気でいろ。いつもそうだろう」
シュロ「き、君なあ!?」
いつも通り、なのか、空元気かは分からないが、
幸せになってほしいという父の願いをくんだのだろう。
ブローディア「クレイドル大陸まで、休んどかないと。
連続で聖武器集めてて、疲れてるんだし、さ。」
一方、船の最後尾では、シスルが一人。
シスル「……………アストレア村…………」
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