花と十字架の想い

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

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聖武器

花と十字架の想い 60話

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クレイドル大陸……

この大陸はそんなに大きくはないが、小さくも穏やかな村。アストレア村と、

神社がある村があった。そこの巫女は今、行方不明となって大慌て。

シオン「やっと着いたな。……シュロ、大丈夫か?」

シュロ「…………ああ………」

船酔いだ。途中までフクシアの魔法で繋いでいたのだが、

もうすぐというところで効果が切れたのだ。

レオノティス「まったく情けない。船上で戦闘になったらどうする気だ」

アイリス「ま、まあまあ」

他愛もない会話をしていた時、後ろの方では……

リナリア「……(パパ……)」

シスル「………おい、早く洞窟とやらに行くぞ。

俺も巫女様もここ出身だから、案内はできる」

アスター「……なにか焦ってないか?」

それには答えずさっさと歩き始めてしまう。

シスル「この大陸には、あまりいたくない」

リナリア「………」

話しながらもシスルはどんどん先に行ってしまうので、慌ててシオンたちも追いかける。


シスル「……お前、神社に顔出さなくていいのか?」

リナリア「……戻ったら出られなくなっちゃうもの。

私は友達を助けられるまで帰らないわ……」

先を歩く二人が小声で何か話している。

すると、横に村が見えるのに気付いた。

フクシア「ねえ、あの村は?」

一瞬シスルが反応する。

シスル「それがアストレア村だ。……孤児を集めて経営している店がある」

寄らないぞ。と一言牽制して、また歩き始めてしまう。

シオン「……シスル、どうしたんだ?」

ブローディア「嫌な思い出でもあるのかな?」


村を一行が過ぎ去った時。村から一人の男性が出て来ていた。

???「……あれ? 今の……「シス」か?」


リナリア「着いたわ。ここが、その洞窟。ホラエの洞窟よ」

シオン「ここにあるんだよな……シスルの聖武器」

アイリス「……魔王の肉体はどうするの? あれがあると……」

シスル「………もしもの時はお前達を信じるさ」

そのまま洞窟へ入っていく。

小声でつぶやかれた言葉はシオンたちには届いていなかった。


シオンたちが洞窟に入った直後。

魔王フロックス「首尾は?」

カイヤ「滞りなく。フロックス様」

ジェイド「善なる暗殺者も、魔族の前ではこんなものか」

魔王フロックス「ふっ……さあ、来るがいい。その肉体、返してもらおう……!」


洞窟内は真っ暗で、ブローディアの火属性魔法で照らしながらでないと足下が危なかった。

所々穴もある。

レオノティス「……ボロボロだな」

リナリア「ここは結構前の洞窟だから、老朽化してるのかしら」

シスル「…………一本道だから、迷う事はない。このまま行けばあるはずだ」

そのシスルの言葉通り、聖武器と思われる短剣は奥の方に見え始めた。

シオン「……シスル」

シスルが手を触れようとすると、案の定。手が何かに阻まれる。

シスル「っ!! 電撃の結界……か? っ…こん、なもの!!!」

リナリア「やめてシスル!?」

無理矢理結界の中に手を突っ込む。

シュロ「こんな強固な結界、無理に通したら大怪我だぞ!?」

シスル「だから、なん、だ…!!!」

ガシャーンと大きな音が鳴り、結界が破壊される。聖武器はシスルが握っていた。

が、その腕からは酷い出血が起きていた。

しかも……

ブローディア「……シスル、何か声は?」

シスル「しない……見つめられてないって事、だな」

やはり魔王の肉体のせいか…そこへ…

クロム「お久しぶりね」

リナリア「クロム!!」

クロム「……貴方の中に魔王様の肉体がある限り、それは認めないわよ?」

シスル「そんなことは、わかって……」

片手に大怪我を負ったまま、

自身の短剣を振ろうとするのでシオンが止めに入る。

クロム「……そうそう。今アストレア村を占拠しているの」

シスル「!?」

クロム「要求は、魔王様の肉体。渡してくれれば、村の人達は一人も殺さないであげる」

じゃあね。と一言言ってクロムは消えた。

リナリア「待っ……!」

シスル「くっ!!」

シオンの腕を振り払っていち早く駆け出して行ってしまう。

シオン「シスル!! その怪我じゃ!!」

アイリス「先に手当て!!」

その声は届いていないのか、振り返りも立ち止まりもせずに立ち去っていく。

アスター「早く行くぞ。でないとまずい事になる!」

フクシア「そうだね! 急ごう!」


シスル「(ふざけるな……また、また……また奪うのか……また!!)」

一足先に洞窟から飛び出して、村へ走り出すシスル。

その物陰に一人の男性が立っていた。

???「シス……何だあの怪我…あれでやる気か?

……ったく、どこまでも世話の焼ける……」

そう呟くなり、シスルの後を追っていった。
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