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聖武器
花と十字架の想い 65話
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アイリスが攫われた後、シオンたちは
このディレオン大陸にある山小屋に一先ず入る事にした。
雨があの後急にふって来て、急遽近くで雨宿りしていたのだ。
ブローディア「……アイリス……」
シオン「……っ」
いきなりシオンが立ち上がりドアに向かう。
シュロ「待て! どこに行く気だ!」
シオン「決まってる……! 魔王城だ!」
アスター「相手がどう出るかもわからないのにか!?」
そう言われても、嫌でもアイリスが持つはずだった弓を見てしまうと、後悔しかわかない。
レオノティス「辛いのは、ブローディアもだ。…それに、
魔王を倒すつもりなら、聖武器が全部必要だ」
フクシア「アイリスのは行った先で渡せばいい。でも、シオンが持ってないから……
手に入れて、万全な状態にしてから行こう? …死んだら、意味ないよ……」
シオン「………っ……ごめん……周りが見えなくなってた……」
ドアノブからシオンが手を放す。
シオン「ブローディア。俺の聖武器の場所、分かるか?」
ブローディア「……アイリスが、攫われてから、占えなくなった……何も映らないの……」
理由は、何となく察した。アイリスを守る事をずっと考えていたのに守れなかった事。
そしてアイリスの存在はブローディアにとってバイタリティだったのだ。
それで先が見えなくなった、という感じだろう。
シスル「……そいつの聖武器なら、ゼロが今見つけてきた」
シュロ「本当か!?」
リナリア「シオンの聖武器は、この大陸のウラノスの崖にあるわ」
目的地は判明した。ブローディアは……
レオノティス「……お前達は明日、ここを発て。ブローディアには俺が付いている。
手に入れたら、ここに戻って来てくれ。」
シオン「ああ、わかった。頼んだよ」
魔王城。
クロム「ねえ、アメシスの様子はどう? あと、魔王様も」
カイヤ「彼女は大丈夫ですよ。魔王様も、もう肉体が馴染みましたので、
フロックスは解放すると。」
ジェイド「あいつら、どうすると思う? ここに来るか?
それとも、聖武器の回収を……」
魔王城では、逆刃十架が会議……いや、アメシスは不在だが。
ローズ「カイヤ様!」
トタトタ走ってきたのはカイヤの部下、ローズ。
カイヤ「ローズ、どうでした? 彼らの様子は」
ローズ「明日、聖武器のあるウラノスの崖へ行くようです!」
どうやらシオンたちの後を付けさせていたようだ。
カイヤ「ローズ。フロックスを連れて明日、ウラノスの崖へ行ってください。
可能ならば、聖武器の回収も」
ローズ「は、はい!」
そう言ってあわただしく走り去るローズを後ろから眺め……
クロム「……カイヤ。貴方、何を企んでいるの?」
ジェイド「……目的は聖武器の回収じゃねえ……それに、お前は……」
カイヤ「……ふっ、何の事でしょう……?」
顔を伏せたカイヤが、最後にボソッとつぶやく。
カイヤ「……貴方次第ですよ、ローズ……」
翌日、天気は晴れ。
シオンたちは荷物を整えて、ウラノスの崖を歩いていた。
その道中……
シスル「……おい、聞かないのか、俺が、ディペアード国の……」
シオン「王子だって話か? アイリスが帰って来てから、話してくれ。
別に、王子だからどうとか、ディペアード国が元々ひどい事をしてたとかどうでもいい」
シュロ「リナリアから聞いたからな、ディペアード国を変えようとしてたって」
ギロッと一瞬、シスルがリナリアをにらむ。
リナリア「は、話したけど、私だってシスルがその王子様なんて思ってなかったよ!
名前違うし……あんな優しかった子が、アサシンだなんて……」
シスル「優しくなくなってて悪かったな」
何を言ってもこの様だ。
アスター「はぁ……ほら、もうすぐ一番上だ。
落ちたら一たまりもないから気を付けろよ」
フクシア「私達でも無理だからね?」
天使と悪魔も現世だと飛力が落ちて長時間飛べないらしい。
シオン「よっと……!」
少し段差のあったところを上ると、目の前に剣がつきたてられている。
近付こうとした瞬間ーー
シオン「!!」
ローズ「えっへへー久しぶり!」
シュロ「お前は! カイヤの部下の!!」
いつもドジを踏んでいる子だ。まだ無事だったか……
いや、それよりも……
リナリア「その人……フロックスさん……!?」
シスル「気絶しているのか……?」
ローズの横で眠っているフロックス。
ローズ「怪我はしてないけど、魔王様の力を受け続けたせいで疲弊してる感じ。
いずれ意識は戻るよ。私はこの人をシオン達に帰して来いって言われたの!」
どのみち、しばらく動けないから戦力にはならない。刃向えない。
もう不要だから返してやろう、という事か……余裕かまして……
アスター「余裕なのも当然だな……聖武器に全員適合していないし、
アイリスはあっちに……向こうがどのぐらいの戦力で待ち構えているか分からないしな」
ローズ「えっへへー、情けないなぁ。ちなみに死鎌刃魂は出てこないよ?
出るのは逆刃十架! その中でも戦闘参加は三人だけで魔王様はー……」
そこまで言って、はっと後ろを振り返る。
シオン「あっ!!!」
カイヤ「……ローズ。少々お喋りが過ぎましたね」
それを最後にローズを魔法で貫く。
フクシア「ローズちゃん!!! 貴方、どうしてこの子を!」
カイヤ「無能な部下は、私には必要ありません。余計な情報暴露、数々の失敗。
……人間よりな思考なだけに、あまり期待はしていませんでしたが……
それ以前の問題でしたね」
ローズ「カ、イヤ……さ、ま?」
辛うじて膝をついていたローズがそれだけ言って地に倒れる。
シオン「シュロ! カイヤを頼む!!」
シュロ「わかった!!」
シュロがブーメランをカイヤに向かって投げ飛ばす。
無論、それはあっさりかわされる。
だが、そんなことは想定内で、狙いはシオンが聖武器を手に取る事。
シスル「カイヤ……!! …っ! 流星斬!!!」
飛び上がってからの斬りかかり、それに向かって魔法陣を展開してガードする。
だがその時、カイヤの目線は完全にシスルに向いた。
シオン「はあああああっ!!!」
シオンが剣に向かってとびかかり、その柄を掴む。
『この剣の名を……この剣の名はーーーー』
シオンが立ち上がり、剣を掲げる。
シオン「リメンバー!!!」
そう告げると聖武器である剣は宝玉に変わる。
アスター「さあ、聖武器はシオンを選んだ、どうするんだ!」
カイヤ「……今回は、帰らせていただきますよ」
転移魔法で立ち去られる。
リナリア「……あっ、ローズちゃん!!」
シュロ「ローズは僕が背負う! 大丈夫、まだ息はある!」
シオン「フロックスは俺が背負う! 早く戻ろう!」
ブローディア「ごめんね……心配かけて……
アイリスが攫われた時、頭に何か浮かんできたの……
私は、彼女を守っていたことがある…ずーーーーっと前に……」
レオノティスは黙って話を聞いていた。
ブローディア「だから……攫われた時、自分の使命を果たせなかった気がして……
しっかりしないと……助けにいかないといけないのに……」
レオノティス「あいつらが戻ってきたら、必ず助けよう。きっと、無事さ」
そこへ、山小屋の扉が開く。
レオノティス「……帰った、か……!? そいつは……!」
ブローディア「……? ……………ちゃ……お兄ちゃん!!?」
ブローディアが駆け寄る。
シオン「大丈夫だ。疲弊して意識が無いだけだ。」
ブローディア「……お兄ちゃん……帰って、きた……」
レオノティスはシュロの方へ歩く。
レオノティス「そいつは、カイヤの部下だったな? 酷い怪我だが……」
シュロ「カイヤが部下を!! 見限って!!」
リナリア「とりあえず寝かせて治療を……フクシアお願い!」
フクシア「うん!」
かなりの大怪我なので急いで回復に取り掛かる。
アスター「……あいつ、ひどいな」
シュロ「ああ、仲間を何とも思っちゃいない。僕も苦手なタイプだよ」
シュロもそのそばに座る。
レオノティス「……聖武器は手に入れたんだな?」
シオン「ああ、明日には発とうと思う。
もしローズが回復していなかったら、フクシア。任せて良いか?」
フクシア「うん、任せて。」
その晩……呪剣ウロボロスを持って、
シオン一人で夜風に当たっていると、物陰から音が……
現れたのは……
シオン「……! バジル、さん……?」
無言でバジルがシオンに近付くと、シオンの手から呪剣ウロボロスを奪い取る。
シオン「!!」
バジル「シオン。明日、テミスの森へ来い」
シオン「……えっ……」
バジル「俺が妹が死んだテミスの森で、妹を殺したこの剣で貴様を殺す」
シオン「それで何かを斬ったら!!」
呪いが掛かってしまう……はずだ。
バジル「平気だ。俺は呪いを防ぐ腕輪を持っているからな」
シオン「……行かなかったら?」
バジル「来た方がいいと思うがな。俺は黒曜石を四つ持っている。」
黒曜石は集めるべきものだ。欲しければ来いと、そういう。
バジル「テミスの森に来て、俺に殺される。それが嫌なら自害しろ。」
シオン「バジルさん……」
バジルがその場を立ち去る。
完全に姿が見えなくなった時、シオンが手にした聖武器の宝玉が光った。
そしてーー
シオン「あっ……剣に戻った……?」
聖武器を手にした瞬間の剣の姿に変わる。
シオン「……力を……貸してくれるのか? バジルさんとの決着に……」
こんな非常時、余計な事には構っていられない。だけど……
アイリス「シオン、行ってあげて。バジルさんを解放してあげて」
シオン(アイリスなら……こう言うと思う……)
シオンは山小屋に戻り、まだ起きている皆に事情を説明した。
そして翌日、まだ意識のないローズとフロックスを連れて、船に乗り、
テミスの森へ向かった。全ては数年前から続く因縁を断つために。
バジルを憎しみという呪縛から解放するために。
このディレオン大陸にある山小屋に一先ず入る事にした。
雨があの後急にふって来て、急遽近くで雨宿りしていたのだ。
ブローディア「……アイリス……」
シオン「……っ」
いきなりシオンが立ち上がりドアに向かう。
シュロ「待て! どこに行く気だ!」
シオン「決まってる……! 魔王城だ!」
アスター「相手がどう出るかもわからないのにか!?」
そう言われても、嫌でもアイリスが持つはずだった弓を見てしまうと、後悔しかわかない。
レオノティス「辛いのは、ブローディアもだ。…それに、
魔王を倒すつもりなら、聖武器が全部必要だ」
フクシア「アイリスのは行った先で渡せばいい。でも、シオンが持ってないから……
手に入れて、万全な状態にしてから行こう? …死んだら、意味ないよ……」
シオン「………っ……ごめん……周りが見えなくなってた……」
ドアノブからシオンが手を放す。
シオン「ブローディア。俺の聖武器の場所、分かるか?」
ブローディア「……アイリスが、攫われてから、占えなくなった……何も映らないの……」
理由は、何となく察した。アイリスを守る事をずっと考えていたのに守れなかった事。
そしてアイリスの存在はブローディアにとってバイタリティだったのだ。
それで先が見えなくなった、という感じだろう。
シスル「……そいつの聖武器なら、ゼロが今見つけてきた」
シュロ「本当か!?」
リナリア「シオンの聖武器は、この大陸のウラノスの崖にあるわ」
目的地は判明した。ブローディアは……
レオノティス「……お前達は明日、ここを発て。ブローディアには俺が付いている。
手に入れたら、ここに戻って来てくれ。」
シオン「ああ、わかった。頼んだよ」
魔王城。
クロム「ねえ、アメシスの様子はどう? あと、魔王様も」
カイヤ「彼女は大丈夫ですよ。魔王様も、もう肉体が馴染みましたので、
フロックスは解放すると。」
ジェイド「あいつら、どうすると思う? ここに来るか?
それとも、聖武器の回収を……」
魔王城では、逆刃十架が会議……いや、アメシスは不在だが。
ローズ「カイヤ様!」
トタトタ走ってきたのはカイヤの部下、ローズ。
カイヤ「ローズ、どうでした? 彼らの様子は」
ローズ「明日、聖武器のあるウラノスの崖へ行くようです!」
どうやらシオンたちの後を付けさせていたようだ。
カイヤ「ローズ。フロックスを連れて明日、ウラノスの崖へ行ってください。
可能ならば、聖武器の回収も」
ローズ「は、はい!」
そう言ってあわただしく走り去るローズを後ろから眺め……
クロム「……カイヤ。貴方、何を企んでいるの?」
ジェイド「……目的は聖武器の回収じゃねえ……それに、お前は……」
カイヤ「……ふっ、何の事でしょう……?」
顔を伏せたカイヤが、最後にボソッとつぶやく。
カイヤ「……貴方次第ですよ、ローズ……」
翌日、天気は晴れ。
シオンたちは荷物を整えて、ウラノスの崖を歩いていた。
その道中……
シスル「……おい、聞かないのか、俺が、ディペアード国の……」
シオン「王子だって話か? アイリスが帰って来てから、話してくれ。
別に、王子だからどうとか、ディペアード国が元々ひどい事をしてたとかどうでもいい」
シュロ「リナリアから聞いたからな、ディペアード国を変えようとしてたって」
ギロッと一瞬、シスルがリナリアをにらむ。
リナリア「は、話したけど、私だってシスルがその王子様なんて思ってなかったよ!
名前違うし……あんな優しかった子が、アサシンだなんて……」
シスル「優しくなくなってて悪かったな」
何を言ってもこの様だ。
アスター「はぁ……ほら、もうすぐ一番上だ。
落ちたら一たまりもないから気を付けろよ」
フクシア「私達でも無理だからね?」
天使と悪魔も現世だと飛力が落ちて長時間飛べないらしい。
シオン「よっと……!」
少し段差のあったところを上ると、目の前に剣がつきたてられている。
近付こうとした瞬間ーー
シオン「!!」
ローズ「えっへへー久しぶり!」
シュロ「お前は! カイヤの部下の!!」
いつもドジを踏んでいる子だ。まだ無事だったか……
いや、それよりも……
リナリア「その人……フロックスさん……!?」
シスル「気絶しているのか……?」
ローズの横で眠っているフロックス。
ローズ「怪我はしてないけど、魔王様の力を受け続けたせいで疲弊してる感じ。
いずれ意識は戻るよ。私はこの人をシオン達に帰して来いって言われたの!」
どのみち、しばらく動けないから戦力にはならない。刃向えない。
もう不要だから返してやろう、という事か……余裕かまして……
アスター「余裕なのも当然だな……聖武器に全員適合していないし、
アイリスはあっちに……向こうがどのぐらいの戦力で待ち構えているか分からないしな」
ローズ「えっへへー、情けないなぁ。ちなみに死鎌刃魂は出てこないよ?
出るのは逆刃十架! その中でも戦闘参加は三人だけで魔王様はー……」
そこまで言って、はっと後ろを振り返る。
シオン「あっ!!!」
カイヤ「……ローズ。少々お喋りが過ぎましたね」
それを最後にローズを魔法で貫く。
フクシア「ローズちゃん!!! 貴方、どうしてこの子を!」
カイヤ「無能な部下は、私には必要ありません。余計な情報暴露、数々の失敗。
……人間よりな思考なだけに、あまり期待はしていませんでしたが……
それ以前の問題でしたね」
ローズ「カ、イヤ……さ、ま?」
辛うじて膝をついていたローズがそれだけ言って地に倒れる。
シオン「シュロ! カイヤを頼む!!」
シュロ「わかった!!」
シュロがブーメランをカイヤに向かって投げ飛ばす。
無論、それはあっさりかわされる。
だが、そんなことは想定内で、狙いはシオンが聖武器を手に取る事。
シスル「カイヤ……!! …っ! 流星斬!!!」
飛び上がってからの斬りかかり、それに向かって魔法陣を展開してガードする。
だがその時、カイヤの目線は完全にシスルに向いた。
シオン「はあああああっ!!!」
シオンが剣に向かってとびかかり、その柄を掴む。
『この剣の名を……この剣の名はーーーー』
シオンが立ち上がり、剣を掲げる。
シオン「リメンバー!!!」
そう告げると聖武器である剣は宝玉に変わる。
アスター「さあ、聖武器はシオンを選んだ、どうするんだ!」
カイヤ「……今回は、帰らせていただきますよ」
転移魔法で立ち去られる。
リナリア「……あっ、ローズちゃん!!」
シュロ「ローズは僕が背負う! 大丈夫、まだ息はある!」
シオン「フロックスは俺が背負う! 早く戻ろう!」
ブローディア「ごめんね……心配かけて……
アイリスが攫われた時、頭に何か浮かんできたの……
私は、彼女を守っていたことがある…ずーーーーっと前に……」
レオノティスは黙って話を聞いていた。
ブローディア「だから……攫われた時、自分の使命を果たせなかった気がして……
しっかりしないと……助けにいかないといけないのに……」
レオノティス「あいつらが戻ってきたら、必ず助けよう。きっと、無事さ」
そこへ、山小屋の扉が開く。
レオノティス「……帰った、か……!? そいつは……!」
ブローディア「……? ……………ちゃ……お兄ちゃん!!?」
ブローディアが駆け寄る。
シオン「大丈夫だ。疲弊して意識が無いだけだ。」
ブローディア「……お兄ちゃん……帰って、きた……」
レオノティスはシュロの方へ歩く。
レオノティス「そいつは、カイヤの部下だったな? 酷い怪我だが……」
シュロ「カイヤが部下を!! 見限って!!」
リナリア「とりあえず寝かせて治療を……フクシアお願い!」
フクシア「うん!」
かなりの大怪我なので急いで回復に取り掛かる。
アスター「……あいつ、ひどいな」
シュロ「ああ、仲間を何とも思っちゃいない。僕も苦手なタイプだよ」
シュロもそのそばに座る。
レオノティス「……聖武器は手に入れたんだな?」
シオン「ああ、明日には発とうと思う。
もしローズが回復していなかったら、フクシア。任せて良いか?」
フクシア「うん、任せて。」
その晩……呪剣ウロボロスを持って、
シオン一人で夜風に当たっていると、物陰から音が……
現れたのは……
シオン「……! バジル、さん……?」
無言でバジルがシオンに近付くと、シオンの手から呪剣ウロボロスを奪い取る。
シオン「!!」
バジル「シオン。明日、テミスの森へ来い」
シオン「……えっ……」
バジル「俺が妹が死んだテミスの森で、妹を殺したこの剣で貴様を殺す」
シオン「それで何かを斬ったら!!」
呪いが掛かってしまう……はずだ。
バジル「平気だ。俺は呪いを防ぐ腕輪を持っているからな」
シオン「……行かなかったら?」
バジル「来た方がいいと思うがな。俺は黒曜石を四つ持っている。」
黒曜石は集めるべきものだ。欲しければ来いと、そういう。
バジル「テミスの森に来て、俺に殺される。それが嫌なら自害しろ。」
シオン「バジルさん……」
バジルがその場を立ち去る。
完全に姿が見えなくなった時、シオンが手にした聖武器の宝玉が光った。
そしてーー
シオン「あっ……剣に戻った……?」
聖武器を手にした瞬間の剣の姿に変わる。
シオン「……力を……貸してくれるのか? バジルさんとの決着に……」
こんな非常時、余計な事には構っていられない。だけど……
アイリス「シオン、行ってあげて。バジルさんを解放してあげて」
シオン(アイリスなら……こう言うと思う……)
シオンは山小屋に戻り、まだ起きている皆に事情を説明した。
そして翌日、まだ意識のないローズとフロックスを連れて、船に乗り、
テミスの森へ向かった。全ては数年前から続く因縁を断つために。
バジルを憎しみという呪縛から解放するために。
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