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聖武器
花と十字架の想い 66話
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テミスの森近海。そこで船を止める。
ローズたちの事もあるので、バジルの下へはシオン含む三人で行くことになった。
フクシアとアスター。アスターは特に、復讐者になったものの気持ちが分かる故、だ。
フクシア「この森って、かなり広いけど……どこにいるとかは……?」
シオン「……多分、あの事件が、あった場所……」
魔獣を放たれ、クロッカスを自分が殺した、あの場所。
アスター「……? シオン。お前の聖武器の宝玉、光ってるぞ?」
シオン「あれ、本当だ。」
ポケットから取り出すと、確かに宝玉が光っていた。
シオン「決着に……力を貸してくれるのか?」
そう呟くと宝玉は手にしたときの姿、聖剣リメンバーに変わる。
フクシア「聖剣って、光属性の剣だよね? 呪剣ウロボロスは闇属性……」
アスター「シオン、気付いてないわけ、では……」
それには答えずに奥へと歩いていく。
そして、森の開けた所に出る。中央に見覚えのある姿。
シオン「……バジルさん」
バジル「自ら命を絶つことを拒んだか、シオン」
シオン「死ぬつもりはない」
そう言って聖剣を抜く。
バジル「その剣は……聖剣か? …分かっているのか?
聖剣リメンバーは光属性の剣。呪剣ウロボロスは闇属性の剣だ。
強大な光と闇がぶつかれば、どちらか一方が死…
下手をすれば二人ともこの世から消える事になるぞ」
シオン「覚悟はできてる」
バジル「……いいだろう。その罪、死をもって償え!」
すぐさまフクシアとアスターが割って入る。
フクシア「待って! 二人が戦っても何も解決しません!」
アスター「確かにシオンがしたことは償わなければならないだろう!
だが、今お前がやっている事は、シオンが犯した罪よりも重い!」
そんな言葉、バジルには届かない。
バジル「黙れ……!」
フクシア「たとえシオンを殺しても、クロッカスさんは喜ばない!
お願い、戦いをやめて!」
バジル「罪人は……裁かれなければならない!」
アスター「お前にそんな権限はない!
権限があるのは、ただ一人……クロッカスさんだけだろう!?」
その通りだ。クロッカスはシオンの死を望まない。まして、兄の死も望まない。
生前の彼女を見ていなくても、それだけは分かった。けれど…
バジル「黙れ…黙れ黙れ! 俺の邪魔をするのなら、貴様達も殺す…!」
もはや正気じゃない。呪剣ウロボロスを構えて斬りかかってくる。
シオン「バジルさん! いい加減に目を覚ましてくれ!!」
バジルの今の状態ではフクシアもアスターも敵として映っていたので、
そちらにも攻撃が来る。まして相手は次期将軍有力候補。
シオンだけでも荷が重い。
受け流しては斬りこんで、受け止めては後ろに引いて、の繰り返し。
膝をつかせるだけの一撃が出せない。
フクシア「ホーリーライト!」
アスター「ダークネス!」
バジル「はあ!!」
今、何の技も使っていない。ただ、魔法を斬りつけただけ。なのに、弾かれた。
バジル「呪剣ウロボロスの力だ。この剣に魔法を当てた所で、弾かれる」
シオン「っ! 地龍閃!!」
シオンの剣を受け止めてすぐに反撃。
バジル「風刃牙!」
シオン「ぐっ…!」
フクシア「シオン!!!」
シオンの足を風が切りつけた。
殺さないようにすることの何と難しい事か。
相手はこちらを殺そうとしているのに、こちらはあちらを殺せない。
殺すわけにはいかない…
けれど、相手が呪剣ウロボロスを持っている時に
下手に威力の高い技を使えば、両者が死にかねない。
シオン(死ぬわけにはいかない…まだ、アイリスが…)
「バジルさん! クロッカスは……!」
バジル「妹を、語るなぁァァァ!!!」
フクシアの回復を受けて立ち上がる。と…
アスター「バジルさん!」
その声にバジルがアスターの方を向く。
その時にはもうバジルの眼前にアスターがいた。
バジル「なっ!?」
アスター「……霊気…漆黒……!」
霊気・漆黒。アスターの闇属性の剣技だ。
それがバジルの持っている呪剣ウロボロスを手から叩き落す。
アスター「シオン! 早く! それは聖剣だぞ! 罪なき人相手に、殺すほどの威力は出さないはずだ!」
フクシア「……信じてあげて! 貴方を認めた、聖剣を!」
剣は落とされた。今ならーー
シオン(…この聖剣は……そんな無情な事はしない……!)
「虹華! 祈翼斬!!」
バジル「!?」
見事にシオンの剣技はバジルに命中。
だが、バジルに膝をつかせただけで致命傷にはならなかった。
バジル「……今の、技…虹華……」
シオン「バジルさん。見てください、これ……」
ポケットから一凛のしおれたアイリスの花を出す。
バジル「アイリスの花……虹の用にいろいろな花を咲かせるから、
虹の花…とも呼ばれていたな……今の技の由来か…?」
シオン「これは…クロッカスがくれた花です。
大事にしてと言われたので、今も持っています」
その言葉にはっとする。
バジル「…クロッカスはその花が好きだった…
兄にも触らせてくれなかったその花を…お前に渡したというのか……」
シオン「はい…とても、とても大切な花です」
バジル(…お前は…それほどまでにこいつが好きだったのだな…)
パチパチパチ…
ゆっくりとした拍手が響く…
???「いやはや、感動的な話です」
アスター「その声は!?」
???「俺には向かない話だな」
フクシア「まさか!!」
森の奥から歩いてくる二人の影。
カイヤ「いい戦いでしたよ。虹華祈翼斬。いい技ですね」
シオン「カイヤ! ジェイド!!」
バジル「…魔族がここに何をしに来た?」
少しの間の後、ジェイドが口を開く。
ジェイド「まあ、冥土の土産だ教えてやる。
まずだ。ここに魔獣を放ったのは俺だ」
バジル「なっ!!」
シオンは気付いていたが、バジルは今知ったようだ。
そんなに魔族と会う事もなかったから仕方はないが…
ジェイド「で、そいつが呪われたのを見て、一つ案を思い付いたのさ」
カイヤ「提案したのは私ですけどね。
そのシオンさんにかけられた呪いは、一度何かを斬ったら、手を放すか
その場にいる人全員を殺さない限り解ける事がない呪い。
そこで私はシオンさんを気絶させ、クロッカスさんを殺しました。
シオンさんが目覚めた時には血の付いた呪われた剣と、惨殺されたクロッカスさんの姿。
どう考えても、誰が見ても、シオンさんがクロッカスさんを殺した事は明白。
完璧なシナリオです」
ジェイド「あの女、かなり苦痛に顔をゆがめたからなぁ…俺は楽しかった…!」
さすがにそこまでは聞いてないぞと、声も出せないシオン。
バジル「…貴様が…クロッカスを! 貴様が来なければ…クロッカスは…死ななかった!
殺す! 貴様だけは、絶対に!! ぐっ…」
シオンたちとの戦いで疲れた体に魔族との戦闘はきつい。
ジェイド「殺す? 笑わせるな! 兵士風情が、その体力で勝てるとでも!?」
カイヤ「我々も忙しくてですね…お相手できないのですよ。
なので…」
そう言うとジェイドが魔獣を召喚する。
その魔獣はあの時シオンとクロッカスの前に現れた奴だ。
カイヤ「では、私達はこれで。シオンさん」
ジェイド「早く来い。こいつ相手に生き延びられたらの話だがなぁ」
転移で消える二人。
アスター「どうする…」
シオン「アイリスがまだ捕まって……」
フクシア「……後ろから誰か来る!!」
森を駆けてくる足音が聞こえる。そこにいたのは…
ローレル「無事かお前ら!!」
ネメシア「ここは私達にお任せを。シオンさんたちは早くアイリスさんの救出へ!」
シオン「将軍!!」
ローレル将軍とネメシア将軍の救援。どうやってここを探り当てたのか…
アスター「…早く行くぞ、シオン!」
シオン「だけど、バジルさんは!?」
心配をよそに抜刀する。
バジル「お前は、早く行け。魔獣ぐらいならどうとでもなる!
せめてもの罪滅ぼしだ…すまなかった…
あと、呪剣ウロボロスはセイクレイ城に、俺が責任もって持って行く。」
シオン「…死なないでください」
フクシア「ご武運を!」
そう言って三人は船へ戻る。
ローレル「疲れは平気か!? 無理そーなら休んでいいんだぜ?」
バジル「平気です…!」
ネメシア「貴方が無事で良かった…ガイラルディア王のお叱りは覚悟してくださいね?」
バジル「分かっています…!」
ローズたちの事もあるので、バジルの下へはシオン含む三人で行くことになった。
フクシアとアスター。アスターは特に、復讐者になったものの気持ちが分かる故、だ。
フクシア「この森って、かなり広いけど……どこにいるとかは……?」
シオン「……多分、あの事件が、あった場所……」
魔獣を放たれ、クロッカスを自分が殺した、あの場所。
アスター「……? シオン。お前の聖武器の宝玉、光ってるぞ?」
シオン「あれ、本当だ。」
ポケットから取り出すと、確かに宝玉が光っていた。
シオン「決着に……力を貸してくれるのか?」
そう呟くと宝玉は手にしたときの姿、聖剣リメンバーに変わる。
フクシア「聖剣って、光属性の剣だよね? 呪剣ウロボロスは闇属性……」
アスター「シオン、気付いてないわけ、では……」
それには答えずに奥へと歩いていく。
そして、森の開けた所に出る。中央に見覚えのある姿。
シオン「……バジルさん」
バジル「自ら命を絶つことを拒んだか、シオン」
シオン「死ぬつもりはない」
そう言って聖剣を抜く。
バジル「その剣は……聖剣か? …分かっているのか?
聖剣リメンバーは光属性の剣。呪剣ウロボロスは闇属性の剣だ。
強大な光と闇がぶつかれば、どちらか一方が死…
下手をすれば二人ともこの世から消える事になるぞ」
シオン「覚悟はできてる」
バジル「……いいだろう。その罪、死をもって償え!」
すぐさまフクシアとアスターが割って入る。
フクシア「待って! 二人が戦っても何も解決しません!」
アスター「確かにシオンがしたことは償わなければならないだろう!
だが、今お前がやっている事は、シオンが犯した罪よりも重い!」
そんな言葉、バジルには届かない。
バジル「黙れ……!」
フクシア「たとえシオンを殺しても、クロッカスさんは喜ばない!
お願い、戦いをやめて!」
バジル「罪人は……裁かれなければならない!」
アスター「お前にそんな権限はない!
権限があるのは、ただ一人……クロッカスさんだけだろう!?」
その通りだ。クロッカスはシオンの死を望まない。まして、兄の死も望まない。
生前の彼女を見ていなくても、それだけは分かった。けれど…
バジル「黙れ…黙れ黙れ! 俺の邪魔をするのなら、貴様達も殺す…!」
もはや正気じゃない。呪剣ウロボロスを構えて斬りかかってくる。
シオン「バジルさん! いい加減に目を覚ましてくれ!!」
バジルの今の状態ではフクシアもアスターも敵として映っていたので、
そちらにも攻撃が来る。まして相手は次期将軍有力候補。
シオンだけでも荷が重い。
受け流しては斬りこんで、受け止めては後ろに引いて、の繰り返し。
膝をつかせるだけの一撃が出せない。
フクシア「ホーリーライト!」
アスター「ダークネス!」
バジル「はあ!!」
今、何の技も使っていない。ただ、魔法を斬りつけただけ。なのに、弾かれた。
バジル「呪剣ウロボロスの力だ。この剣に魔法を当てた所で、弾かれる」
シオン「っ! 地龍閃!!」
シオンの剣を受け止めてすぐに反撃。
バジル「風刃牙!」
シオン「ぐっ…!」
フクシア「シオン!!!」
シオンの足を風が切りつけた。
殺さないようにすることの何と難しい事か。
相手はこちらを殺そうとしているのに、こちらはあちらを殺せない。
殺すわけにはいかない…
けれど、相手が呪剣ウロボロスを持っている時に
下手に威力の高い技を使えば、両者が死にかねない。
シオン(死ぬわけにはいかない…まだ、アイリスが…)
「バジルさん! クロッカスは……!」
バジル「妹を、語るなぁァァァ!!!」
フクシアの回復を受けて立ち上がる。と…
アスター「バジルさん!」
その声にバジルがアスターの方を向く。
その時にはもうバジルの眼前にアスターがいた。
バジル「なっ!?」
アスター「……霊気…漆黒……!」
霊気・漆黒。アスターの闇属性の剣技だ。
それがバジルの持っている呪剣ウロボロスを手から叩き落す。
アスター「シオン! 早く! それは聖剣だぞ! 罪なき人相手に、殺すほどの威力は出さないはずだ!」
フクシア「……信じてあげて! 貴方を認めた、聖剣を!」
剣は落とされた。今ならーー
シオン(…この聖剣は……そんな無情な事はしない……!)
「虹華! 祈翼斬!!」
バジル「!?」
見事にシオンの剣技はバジルに命中。
だが、バジルに膝をつかせただけで致命傷にはならなかった。
バジル「……今の、技…虹華……」
シオン「バジルさん。見てください、これ……」
ポケットから一凛のしおれたアイリスの花を出す。
バジル「アイリスの花……虹の用にいろいろな花を咲かせるから、
虹の花…とも呼ばれていたな……今の技の由来か…?」
シオン「これは…クロッカスがくれた花です。
大事にしてと言われたので、今も持っています」
その言葉にはっとする。
バジル「…クロッカスはその花が好きだった…
兄にも触らせてくれなかったその花を…お前に渡したというのか……」
シオン「はい…とても、とても大切な花です」
バジル(…お前は…それほどまでにこいつが好きだったのだな…)
パチパチパチ…
ゆっくりとした拍手が響く…
???「いやはや、感動的な話です」
アスター「その声は!?」
???「俺には向かない話だな」
フクシア「まさか!!」
森の奥から歩いてくる二人の影。
カイヤ「いい戦いでしたよ。虹華祈翼斬。いい技ですね」
シオン「カイヤ! ジェイド!!」
バジル「…魔族がここに何をしに来た?」
少しの間の後、ジェイドが口を開く。
ジェイド「まあ、冥土の土産だ教えてやる。
まずだ。ここに魔獣を放ったのは俺だ」
バジル「なっ!!」
シオンは気付いていたが、バジルは今知ったようだ。
そんなに魔族と会う事もなかったから仕方はないが…
ジェイド「で、そいつが呪われたのを見て、一つ案を思い付いたのさ」
カイヤ「提案したのは私ですけどね。
そのシオンさんにかけられた呪いは、一度何かを斬ったら、手を放すか
その場にいる人全員を殺さない限り解ける事がない呪い。
そこで私はシオンさんを気絶させ、クロッカスさんを殺しました。
シオンさんが目覚めた時には血の付いた呪われた剣と、惨殺されたクロッカスさんの姿。
どう考えても、誰が見ても、シオンさんがクロッカスさんを殺した事は明白。
完璧なシナリオです」
ジェイド「あの女、かなり苦痛に顔をゆがめたからなぁ…俺は楽しかった…!」
さすがにそこまでは聞いてないぞと、声も出せないシオン。
バジル「…貴様が…クロッカスを! 貴様が来なければ…クロッカスは…死ななかった!
殺す! 貴様だけは、絶対に!! ぐっ…」
シオンたちとの戦いで疲れた体に魔族との戦闘はきつい。
ジェイド「殺す? 笑わせるな! 兵士風情が、その体力で勝てるとでも!?」
カイヤ「我々も忙しくてですね…お相手できないのですよ。
なので…」
そう言うとジェイドが魔獣を召喚する。
その魔獣はあの時シオンとクロッカスの前に現れた奴だ。
カイヤ「では、私達はこれで。シオンさん」
ジェイド「早く来い。こいつ相手に生き延びられたらの話だがなぁ」
転移で消える二人。
アスター「どうする…」
シオン「アイリスがまだ捕まって……」
フクシア「……後ろから誰か来る!!」
森を駆けてくる足音が聞こえる。そこにいたのは…
ローレル「無事かお前ら!!」
ネメシア「ここは私達にお任せを。シオンさんたちは早くアイリスさんの救出へ!」
シオン「将軍!!」
ローレル将軍とネメシア将軍の救援。どうやってここを探り当てたのか…
アスター「…早く行くぞ、シオン!」
シオン「だけど、バジルさんは!?」
心配をよそに抜刀する。
バジル「お前は、早く行け。魔獣ぐらいならどうとでもなる!
せめてもの罪滅ぼしだ…すまなかった…
あと、呪剣ウロボロスはセイクレイ城に、俺が責任もって持って行く。」
シオン「…死なないでください」
フクシア「ご武運を!」
そう言って三人は船へ戻る。
ローレル「疲れは平気か!? 無理そーなら休んでいいんだぜ?」
バジル「平気です…!」
ネメシア「貴方が無事で良かった…ガイラルディア王のお叱りは覚悟してくださいね?」
バジル「分かっています…!」
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