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決戦
花と十字架の想い 69話
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ブローディアの転移で逃げた先はセイクレイ城だった。
フロックスは先に船長に送り届けてもらったらしい。
激戦でクタクタだったみんなと、
助かっているアイリスを見つけたネメシア将軍とローレル将軍によって、
客室まで通された。
ネメシア「皆さん…ご無事で良かったです」
ローレル「アイリスも無事みたいだしな!」
シオン「そちらこそ…魔獣相手に良くご無事で……さすがです」
だろ? と言わんばかりに偉ぶるローレルにネメシアが小突く。
シスル「……ところで、この城に黒曜石は何個保管してある?」
レオノティス「俺達は魔王城で保管されている3つは回収してきた。」
黒曜石は全部で9個。そのうち3つと旅の最初の頃に手に入れた1つだけしかまだ手元にない。
ネメシア「こちらの城で、2個は保管してあります。
そうですか…その力を引き出すところまで来たのですね…」
ローレル「残り3つなわけだが、今バジルが探しに行ってる。
だから、決戦はもう少し待ってくれねぇか?」
ブローディア「まあ、いいんじゃない? 私達も疲れてるし…」
アスター「そうだ、な…って……」
よほど疲れていたのがずっと黙っているシュロはとっくに寝ていた。
フクシア「気疲れもあるかな…」
ネメシア「明日には帰ると、バジルから連絡が来ています。
今日はゆっくり休んでください。アイリスさんも、ローズさんも。」
ローズ「……はい」
アイリス「……」
その晩…
シュロがやっと起きてくる。
シュロ「ん……あ、あれ? …よ、夜!?」
リナリア「帰って来るなりすぐ寝てたわよ?」
あー…といった具合に頭を抱える。こんなつもりじゃなかったらしい。
レオノティス「ところで、ローズ。名前はどうする?」
ローズ「名前……?」
ローズという名は魔王軍側は知っている。
ローズの名前が町で噂に出ればすぐに始末に動くかもしれない。
ブローディア「せっかくだから、何か名前変えようよ! 可愛い奴!」
・・・・・・・・・・・・
シュロ「………ローズマリー…とかどうだ?」
ローズ「ローズマリー……?」
シュロ「変わらぬ愛って、花言葉があるんだ。君は、本当は優しい子だろう?」
少しぽかんとしていたが、二、三回復唱した後に…
ローズマリー「うんっ! あたし、その名前がいい! シュロのくせにありがとね!!」
シュロ「くせには余計だ!!」
アイリス「ふふっ。あ、シオン。ちょっと話があるの。ベランダまで出てくれる?」
シオン「え、ああ、いいよ」
シュロとレオノティスとブローディアとローズマリーがわちゃわちゃしていた間に
外に出ていたアスターとフクシアは…
フクシア「…はい…はい…私の方は大丈夫です」
アスター「ああ…近いうちに最終決戦になると思う」
・・・・・・・・・・・・
アスター「終わったか? 通信。」
フクシア「うん。アスターもディアスキア様と連絡?」
不本意ながら…と憎まれ口をたたくのも相変わらず。
でも、話すらしなかったあの頃から比べるとよくなったのだろう。
アスター「フクシアも…ついてくるのか? 魔王退治」
フクシア「今さらだよ。私だって、放っておきたくない
……ねえ、アスター。私、アスターのピアノ聞きたい。
決戦前の日に、みんなにも聞いてもらいたい。」
アスター「…はぁ……フクシアが歌うなら?」
フクシア「うん! 約束ね!!」
一方、ローズマリーという名が決まってから部屋を出たシスルとリナリア。
リナリア「シスル…あの、ゴタゴタしてたからうやむやだったけど…
シスルは、ディペアード国の…」
シスル「王子だった。かつての英雄の仲間だった俺の先祖は
プラタナスが魔王の魂を封じる代わりに、魔王の肉体を自らに封じた。
それは血族に受け継がれ、俺の父に宿っていた。
魔王軍は、それを狙って、攻めて来た。そして国は滅んだ。
俺は逃げ延びたが、父は…。そして父の後、宿ったのが生き残った俺にだった。
この事は、いつかシオンにはちゃんと話す。」
ということは、ネメシアの婚約者はシスルである。
リナリア「ねえ、ネメシア様との婚約は…?」
シスル「あの頃の名は捨てた。今はシスルだ。それに…
ネメシアはローレルが好きだ」
リナリア「でも…!」
沈黙が流れる…少ししてシスルが口を開く。
シスル「…お前。…婚約者が嫌だとかあったら、絶対に断れよ?
この旅で、お前にも少しくらい意志ってものができただろ。」
リナリア「シスル……?」
シスル「…………」
確かに今すすめられている婚約者はあまり好きではない。
リナリア「…私、王子様でも、アサシンでも構わない。
私は、貴方と一緒に生きて帰りたい。」
シスル「……! ……ふん」
その頃ベランダでは……
シオン「アイリス。話って何?」
アイリス「…まずは、ありがとう。助けに来てくれて」
見上げる空は満天の星空だった。
アイリス「綺麗…魔王が復活してるなんて嘘みたい……」
シオン「アイリス……」
アイリス「ねえ、シオン。これから話す事は、後で皆にも伝えてほしいの。」
うつむいたアイリスが顔を上げてから、言葉を紡ぐ。
アイリス「あの時、私はアメシスに助けを求められた。
意思疎通もできたのよ? …これはアメシスから聞いた話。
ジェイドとカイヤは兄弟よ。そして、ジェイドだけが長く魔族になりすぎている。
もう100年は経ってるわ。」
シオン「ジェイドとカイヤは兄弟だろう? なんで……」
アイリス「ジェイドは、ある科学者に実験体にされていた。魔族にする実験じゃなくて別の。
長く魔族でいたらどうなるのかって実験。
その結果は、どんどん人らしくなくなるという事。それが見た目の事か心の事かは分からない。
そんな化け物が何体もできたら、と危惧した科学者は、
当時一緒に捕らえたカイヤをコールドスリープにして
ここ何十年前になるまで眠らせていたの。
クロムは、リナリアの友達だから知っての通り、100年前の人ではないわ。」
・・・・・・・・・
シオン「アメシスは?」
アイリス「アメシスに至っては…彼女は、1000年ぐらい前に魔王が封じられ、
1年後に魔王の魔力で生まれ落ちた魔王城の守り人。
つまり、彼女だけは科学者が関わらないの。魔王のせい。
彼女には魔王が呪いをかけた。
自分が復活するまでは何をしても死ねない呪い。魔王城を守らせるために。
そして、臣下を集わせるための役割。
アメシスは逆刃十架が揃い、魔王が復活するまでたった一人で999年ほどを生きていたの」
シオン「そんなに!? じゃあ、アメシスは…」
アイリス「科学者に造られたわけじゃないから、自我ない化け物になる事はないわ。
でも、長く独りでいたせいで、彼女の心は苦しんでいる。
魔王は死のうと封印されようと、関係なく、「自分はいずれ復活する」と思うわ。
その限り、アメシスは倒しても、その一年後には生まれ落ちてしまう。
また呪いにかかって孤独になってしまう。
それを止めるには…アメシスの魂を砕くしかないの。輪廻を止める。
それができるのは、聖武器が揃って生まれる剣。
かつての英雄が使った、聖十華剣・ガイアリカーランスだけ。」
・・・・・・・・・・・・
シオン「…わかった、アメシスのことは何とかするよ。
そして、ジェイドも、俺が止める。
…でも、魔王はどうするんだ? 君を、犠牲にして…封印しろとでも?」
アイリス「私ね…それは怖くないの。一時的でも平和が守れるなら。」
シオン「!!!」
何を言っているんだ…無駄死にも良いところだ…なのに…
アイリス「私に、できる事がしたいの。これが私にできる事なら、喜んで…」
シオン「…アイリス……」
・・・・・・・・・
クロッカス「……オン…シオン」
シオン(……!? クロッカス……? ああ、夢か…これは…)
夢の中、聞こえた声に気付けば、クロッカスの声だった。
クロッカス「シオン…お兄ちゃんと仲直りしてくれてありがとう…
私から、一つお願いがあって来たの…」
シオン(お願い……?)
クロッカス「情けを…魔族に情けをかけないで…
生きれば、彼らはもっと苦しむ…永遠に、魔族から人間には戻れない…
だから、人間に転生できるように…化け物になってしまう前に……」
シオン(なんでクロッカスがそこまで知って……)
「……クロッカスの、願いは?」
クロッカス「逆刃十架と死鎌刃魂のみんなを……止めて。
彼らは……もう……!!」
【殺す事でしか救えない】
【どうか、化け物になる前に…彼らのままで……逝かせてあげて……】
シオン「はっ!!!」
アイリス「あ……おはよう、シオン。どうしたの?」
気が付けば、朝になっていたらしい。
シオン「あ、ああ…いや、ちょっと夢を……」
シュロ「ガイラルディア様が呼んでるぞ。バジルさんが戻って来たらしい。」
シオン「あ、ああ。黒曜石の事かな? 今行くよ。」
玉座の間…
ガイラルディア「朝からすまない。
例の黒曜石の事だが、バジルが残りを全て見つけて来てくれた。」
バジル「これで全員分の聖武器にはめ込むことができるはずだ。
シオンに剣を向けた事を考えれば、償いきれないが、役立ててくれ」
バジルからシオンに黒曜石が渡される。
ローレル「それと、シオン以外の奴はまだ宝玉のままだろ?
武器の形状にするには、本来世界樹のもとへ行く必要があるんだ」
アスター「シオンのは、シオンの決着をつけたいっていう意志に反応したから、異例なのか」
ネメシアがシオンに一つの石を手渡す。
ネメシア「これで行けます。場所は、ユグドラシルの森。
そこに神がいます。その神に頼めば、聖武器に…
そして、聖十華剣・ガイアリカーランスも生み出してくれるでしょう。」
シオン「神…会えるんですか?」
ガイラルディアがうなずく。
ローレル「これを終えればいよいよ、最終決戦だ!
…あ! そうだ。決戦時、俺達は付いていけない。
ここが狙われないとも限らないからな。」
ブローディア「あ、あの! レサイトの事はどうするんですか!?」
ローレル「……俺じゃあ、殺せねぇ…だから、あらかじめ頼んでおくな。
…シスル。レサイトの始末、頼む。俺の代わりに、あいつの罪を終わらせてくれ」
シスル「…わかった」
・・・・・・・・・
ネメシア「終わったら、一晩休んでから魔王城へ向かってください
疲れた状態で勝てる相手では、ありませんから。」
シオン「……はい。行こう、みんな。」
ユグドラシルの森へ……
フロックスは先に船長に送り届けてもらったらしい。
激戦でクタクタだったみんなと、
助かっているアイリスを見つけたネメシア将軍とローレル将軍によって、
客室まで通された。
ネメシア「皆さん…ご無事で良かったです」
ローレル「アイリスも無事みたいだしな!」
シオン「そちらこそ…魔獣相手に良くご無事で……さすがです」
だろ? と言わんばかりに偉ぶるローレルにネメシアが小突く。
シスル「……ところで、この城に黒曜石は何個保管してある?」
レオノティス「俺達は魔王城で保管されている3つは回収してきた。」
黒曜石は全部で9個。そのうち3つと旅の最初の頃に手に入れた1つだけしかまだ手元にない。
ネメシア「こちらの城で、2個は保管してあります。
そうですか…その力を引き出すところまで来たのですね…」
ローレル「残り3つなわけだが、今バジルが探しに行ってる。
だから、決戦はもう少し待ってくれねぇか?」
ブローディア「まあ、いいんじゃない? 私達も疲れてるし…」
アスター「そうだ、な…って……」
よほど疲れていたのがずっと黙っているシュロはとっくに寝ていた。
フクシア「気疲れもあるかな…」
ネメシア「明日には帰ると、バジルから連絡が来ています。
今日はゆっくり休んでください。アイリスさんも、ローズさんも。」
ローズ「……はい」
アイリス「……」
その晩…
シュロがやっと起きてくる。
シュロ「ん……あ、あれ? …よ、夜!?」
リナリア「帰って来るなりすぐ寝てたわよ?」
あー…といった具合に頭を抱える。こんなつもりじゃなかったらしい。
レオノティス「ところで、ローズ。名前はどうする?」
ローズ「名前……?」
ローズという名は魔王軍側は知っている。
ローズの名前が町で噂に出ればすぐに始末に動くかもしれない。
ブローディア「せっかくだから、何か名前変えようよ! 可愛い奴!」
・・・・・・・・・・・・
シュロ「………ローズマリー…とかどうだ?」
ローズ「ローズマリー……?」
シュロ「変わらぬ愛って、花言葉があるんだ。君は、本当は優しい子だろう?」
少しぽかんとしていたが、二、三回復唱した後に…
ローズマリー「うんっ! あたし、その名前がいい! シュロのくせにありがとね!!」
シュロ「くせには余計だ!!」
アイリス「ふふっ。あ、シオン。ちょっと話があるの。ベランダまで出てくれる?」
シオン「え、ああ、いいよ」
シュロとレオノティスとブローディアとローズマリーがわちゃわちゃしていた間に
外に出ていたアスターとフクシアは…
フクシア「…はい…はい…私の方は大丈夫です」
アスター「ああ…近いうちに最終決戦になると思う」
・・・・・・・・・・・・
アスター「終わったか? 通信。」
フクシア「うん。アスターもディアスキア様と連絡?」
不本意ながら…と憎まれ口をたたくのも相変わらず。
でも、話すらしなかったあの頃から比べるとよくなったのだろう。
アスター「フクシアも…ついてくるのか? 魔王退治」
フクシア「今さらだよ。私だって、放っておきたくない
……ねえ、アスター。私、アスターのピアノ聞きたい。
決戦前の日に、みんなにも聞いてもらいたい。」
アスター「…はぁ……フクシアが歌うなら?」
フクシア「うん! 約束ね!!」
一方、ローズマリーという名が決まってから部屋を出たシスルとリナリア。
リナリア「シスル…あの、ゴタゴタしてたからうやむやだったけど…
シスルは、ディペアード国の…」
シスル「王子だった。かつての英雄の仲間だった俺の先祖は
プラタナスが魔王の魂を封じる代わりに、魔王の肉体を自らに封じた。
それは血族に受け継がれ、俺の父に宿っていた。
魔王軍は、それを狙って、攻めて来た。そして国は滅んだ。
俺は逃げ延びたが、父は…。そして父の後、宿ったのが生き残った俺にだった。
この事は、いつかシオンにはちゃんと話す。」
ということは、ネメシアの婚約者はシスルである。
リナリア「ねえ、ネメシア様との婚約は…?」
シスル「あの頃の名は捨てた。今はシスルだ。それに…
ネメシアはローレルが好きだ」
リナリア「でも…!」
沈黙が流れる…少ししてシスルが口を開く。
シスル「…お前。…婚約者が嫌だとかあったら、絶対に断れよ?
この旅で、お前にも少しくらい意志ってものができただろ。」
リナリア「シスル……?」
シスル「…………」
確かに今すすめられている婚約者はあまり好きではない。
リナリア「…私、王子様でも、アサシンでも構わない。
私は、貴方と一緒に生きて帰りたい。」
シスル「……! ……ふん」
その頃ベランダでは……
シオン「アイリス。話って何?」
アイリス「…まずは、ありがとう。助けに来てくれて」
見上げる空は満天の星空だった。
アイリス「綺麗…魔王が復活してるなんて嘘みたい……」
シオン「アイリス……」
アイリス「ねえ、シオン。これから話す事は、後で皆にも伝えてほしいの。」
うつむいたアイリスが顔を上げてから、言葉を紡ぐ。
アイリス「あの時、私はアメシスに助けを求められた。
意思疎通もできたのよ? …これはアメシスから聞いた話。
ジェイドとカイヤは兄弟よ。そして、ジェイドだけが長く魔族になりすぎている。
もう100年は経ってるわ。」
シオン「ジェイドとカイヤは兄弟だろう? なんで……」
アイリス「ジェイドは、ある科学者に実験体にされていた。魔族にする実験じゃなくて別の。
長く魔族でいたらどうなるのかって実験。
その結果は、どんどん人らしくなくなるという事。それが見た目の事か心の事かは分からない。
そんな化け物が何体もできたら、と危惧した科学者は、
当時一緒に捕らえたカイヤをコールドスリープにして
ここ何十年前になるまで眠らせていたの。
クロムは、リナリアの友達だから知っての通り、100年前の人ではないわ。」
・・・・・・・・・
シオン「アメシスは?」
アイリス「アメシスに至っては…彼女は、1000年ぐらい前に魔王が封じられ、
1年後に魔王の魔力で生まれ落ちた魔王城の守り人。
つまり、彼女だけは科学者が関わらないの。魔王のせい。
彼女には魔王が呪いをかけた。
自分が復活するまでは何をしても死ねない呪い。魔王城を守らせるために。
そして、臣下を集わせるための役割。
アメシスは逆刃十架が揃い、魔王が復活するまでたった一人で999年ほどを生きていたの」
シオン「そんなに!? じゃあ、アメシスは…」
アイリス「科学者に造られたわけじゃないから、自我ない化け物になる事はないわ。
でも、長く独りでいたせいで、彼女の心は苦しんでいる。
魔王は死のうと封印されようと、関係なく、「自分はいずれ復活する」と思うわ。
その限り、アメシスは倒しても、その一年後には生まれ落ちてしまう。
また呪いにかかって孤独になってしまう。
それを止めるには…アメシスの魂を砕くしかないの。輪廻を止める。
それができるのは、聖武器が揃って生まれる剣。
かつての英雄が使った、聖十華剣・ガイアリカーランスだけ。」
・・・・・・・・・・・・
シオン「…わかった、アメシスのことは何とかするよ。
そして、ジェイドも、俺が止める。
…でも、魔王はどうするんだ? 君を、犠牲にして…封印しろとでも?」
アイリス「私ね…それは怖くないの。一時的でも平和が守れるなら。」
シオン「!!!」
何を言っているんだ…無駄死にも良いところだ…なのに…
アイリス「私に、できる事がしたいの。これが私にできる事なら、喜んで…」
シオン「…アイリス……」
・・・・・・・・・
クロッカス「……オン…シオン」
シオン(……!? クロッカス……? ああ、夢か…これは…)
夢の中、聞こえた声に気付けば、クロッカスの声だった。
クロッカス「シオン…お兄ちゃんと仲直りしてくれてありがとう…
私から、一つお願いがあって来たの…」
シオン(お願い……?)
クロッカス「情けを…魔族に情けをかけないで…
生きれば、彼らはもっと苦しむ…永遠に、魔族から人間には戻れない…
だから、人間に転生できるように…化け物になってしまう前に……」
シオン(なんでクロッカスがそこまで知って……)
「……クロッカスの、願いは?」
クロッカス「逆刃十架と死鎌刃魂のみんなを……止めて。
彼らは……もう……!!」
【殺す事でしか救えない】
【どうか、化け物になる前に…彼らのままで……逝かせてあげて……】
シオン「はっ!!!」
アイリス「あ……おはよう、シオン。どうしたの?」
気が付けば、朝になっていたらしい。
シオン「あ、ああ…いや、ちょっと夢を……」
シュロ「ガイラルディア様が呼んでるぞ。バジルさんが戻って来たらしい。」
シオン「あ、ああ。黒曜石の事かな? 今行くよ。」
玉座の間…
ガイラルディア「朝からすまない。
例の黒曜石の事だが、バジルが残りを全て見つけて来てくれた。」
バジル「これで全員分の聖武器にはめ込むことができるはずだ。
シオンに剣を向けた事を考えれば、償いきれないが、役立ててくれ」
バジルからシオンに黒曜石が渡される。
ローレル「それと、シオン以外の奴はまだ宝玉のままだろ?
武器の形状にするには、本来世界樹のもとへ行く必要があるんだ」
アスター「シオンのは、シオンの決着をつけたいっていう意志に反応したから、異例なのか」
ネメシアがシオンに一つの石を手渡す。
ネメシア「これで行けます。場所は、ユグドラシルの森。
そこに神がいます。その神に頼めば、聖武器に…
そして、聖十華剣・ガイアリカーランスも生み出してくれるでしょう。」
シオン「神…会えるんですか?」
ガイラルディアがうなずく。
ローレル「これを終えればいよいよ、最終決戦だ!
…あ! そうだ。決戦時、俺達は付いていけない。
ここが狙われないとも限らないからな。」
ブローディア「あ、あの! レサイトの事はどうするんですか!?」
ローレル「……俺じゃあ、殺せねぇ…だから、あらかじめ頼んでおくな。
…シスル。レサイトの始末、頼む。俺の代わりに、あいつの罪を終わらせてくれ」
シスル「…わかった」
・・・・・・・・・
ネメシア「終わったら、一晩休んでから魔王城へ向かってください
疲れた状態で勝てる相手では、ありませんから。」
シオン「……はい。行こう、みんな。」
ユグドラシルの森へ……
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