花と十字架の想い

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

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決戦

花と十字架の想い 70話

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出発前、アイリスに話された事をみんなにも話したシオン。

これから世界樹へと出発するところだった。

シオン「えーと…これを…太陽光に当てる、と……」

シオンがネメシアから受け取った石を太陽光に当てると、

目の前に魔法陣が現れた。

アスター「ここに入れって事か?」

フクシア「神様……」

シスル「いるのか? これで何も無かったらローレル斬るぞ…」

神の話をしてきたのはネメシアの方なのに、ローレルにキレるあたり……

ブローディア「駄目だって! そんなことしたら!」

レオノティス「…行ってみた方が早いだろう。早くするぞ」

一人ずつ魔法陣の中に入っていく。

すると…


アイリス「…ここは…」

シュロ「…この世のものじゃないみたいだ…」

目を開けると、光の粒が降り注ぐ森にいた。目の前には大きな木。

リナリア「これが…世界樹……?」

シスル「神は??」

シスルがそう投げかけると、シオンが世界樹の前まで出て、ペンダントをかざす。

シオン「いるなら応えてくれ! 俺は、英雄プラタナスの子孫!

魔王を倒すために、力が必要なんだ!」

そういうと、一瞬眩しすぎる光に包まれる。

リナリア「…う、今、何が……?」

アイリス「…貴方は……!!」


目の前にいたのは、銀髪の長い髪の人。

七色すべて使われた結晶の翼をつけて、空に浮いている。



???「プラタナスの子孫…魔王退治ですか…

これも因果、なのでしょうか…」

目を閉じていたその女性がゆっくりと目を開ける。

その瞳は青と緑のオッドアイ。アイリスとシオンの眼の色だった。

ブローディア「貴方が、神様…?」

???「貴方は…そう…アリウムの守護者の子孫ね…」

え…となるが、

その言葉で、ブローディアがアイリスを守らないといけないという

使命感に駆られていた理由がはっきりした。

???「シオン、アイリス、ブローディア、シュロ、

フクシア、レオノティス、アスター、シスル、リナリアね。

私は…エレジェフィア。この世界樹を守る神。…人の子に、託す事しかできない無力な神…」

ここから動けないのだろう。だから、外で何が起きても、自らは…

エレジェフィア「そうね…貴方達に教えましょう。

魔王を倒す術と、かつての英雄はどんな末路を辿ったか…」


かつての英雄は、1000年前が直近です。

彼らは魔王を封じた。そこまでは恐らく書物に載っているのでしょう。

ですが、皆さん疑問に思った事はありませんか?

なぜ命を英雄とその恋人は失ったのか…

1000年前と此度。いえ、魔王が復活する度に封じた人は…

必ず、アイリス。貴方のような魔族の半身が一緒でした。

そして、その者が魔王封印の糧となるのです。

アメシスが毎回生まれ落ち、

そのせいで苦しみ、その苦しみが、

アイリスのように魔王を止めようとする自分を生み出してしまう。

その自覚はアメシスには無いのでしょう。けれど、もう独りになりたくない。

もう繰り返したくないという彼女の無意識が、魔王を止めようと働く…

…皆さんは、もうアイリスに聞いていますね?

アメシスが苦しんでいる事…魔王封印のためにアイリスが犠牲にならなければならない事…

残酷な事に、アイリスは人と同じようにしなくても死ねない身体。

魔王を封じるまで死ねないようになっているのです。


シオン「……だから、か……」

心当たりはあった。いや、今思い返せば、だが。

アイリスは、お腹空いたとも、眠いとも、言った事がない。

そして何より、アイリスは怪我をしたことがない……してもすぐに治っていた。

それは死ねないからだったのだ。

ブローディア「私の先祖。守護者の役割なんでしょ? 1000年前はーー」

エレジェフィア「…彼女が人柱になるその時まで彼女を守る。

皮肉ですよね…」

シュロ「そんな事……」

重い空気が流れる。

エレジェフィア「プラタナスは、本来一人で背負うアリウムの死を、

自らも背負いました。ともに人柱となったのです。

でも、そこまでしてもその場しのぎで、此度再び復活してしまった。

こんな事が何度も繰り返されているのです。」

そんな事は認められない。だが、言い出せない。

昨日のアイリスの迷いのない言葉があるせいで…

アイリス「エレジェフィア様! 私は、人柱になる覚悟ならあります。

一時でも私にできる事があるのなら、みんなが生きているうちだけでも守れるなら!」

フクシア「アイリス……」

ごめんなさい…とエレジェフィアが呟く。

エレジェフィア「貴方達は魔王を弱らせる役目があります。

聖武器は全て揃っていますね。黒曜石も。

聖武器の宝玉を貸してください。」

それに応えてそれぞれ宝玉を取り出すと、

エレジェフィアが宝玉に光を与えた。

すると宝玉はすぐに手に取った時の聖武器の姿に変わる。

エレジェフィア「これに黒曜石をはめてください。そうすれば、真価が発揮できるでしょう。」

シオンはすでに黒曜石をはめていたので、その他全員がそれをはめる。

リナリア「なにか、不思議な感じ…」

レオノティス「新しい技が…使えるような…」

それも道理です。とエレジェフィアが話す。

エレジェフィア「これは魔王に決定打を与える技を使えるようになる…

シオン、アイリス、貴方達もです。魔王を弱らせ、あとは…」

・・・・・・・・・

シオン「そうだ! エレジェフィア! 聖十華剣・ガイアリカーランスはどうやって!!」

エレジェフィア「…全員、聖武器を中央に掲げて」

言われたとおりに武器を掲げる。その瞬間、シオンの聖武器が見た目を変える。

シスル「それが、聖十華剣…」

エレジェフィア「プラタナスも使っていた剣…

この武器ならば、魔王が何かしてきても討ち破れるでしょう。

魂を砕く事も可能です。」

シオン「……ありがとう。…なあ…アイリス。」

アイリス「……みんな、お願い。そんな顔しないで。

最期なら…大騒ぎして、最終決戦に行きたいな…」

無理に全員笑顔になったり気にしてないそぶりを作る。シオンだけを除いて…

リナリア「ネメシア将軍たちに掛け合って、ご馳走でも用意してもらいましょ!」

シスル「バカ騒ぎならお前達だけで…」

フクシア「まあまあそう言わずに! アスターのピアノ演奏もあるよ!」

アスター「かっ…てに…まったく…」

ブローディア「カルビ! アイリスの分食べすぎないでよ!?」

カルビ「分かってるルビ! テイルもゼロも食べすぎだめルビよ!」

テイル「大丈夫ルイ」

ゼロ「私達精霊はあまり出しゃばらないようにしましょう」

レオノティス「シュロ、料理をぶちまけるなよ」

シュロ「そんなことしない!」

口々に言いながら魔法陣で戻っていく。

・・・・・・・・・

エレジェフィア「シオン。貴方にお話があります。

少し残っていただけますか?」

シオン「……」


シオン「話、とは……」

エレジェフィア「彼女の事です。……助けたいですか?

犠牲にしたくないですか?」

シオン「!! 当たり前だ!!」

シオンの声が空気を切り裂く。

エレジェフィア「三択あります…

彼女を犠牲にして自分はこの先を歩むか…

共に犠牲になり、彼女だけに背負わせないか…

自分が犠牲になり、彼女にこの先を歩ませてあげるか…」

アイリスを犠牲にするのは絶対却下だ。

かつての英雄がとった行動は、アイリスが生きられないからどのみち意味がない。

ならば…

シオン「…できるのか?」

エレジェフィア「その覚悟があるのなら…これを…」

エレジェフィアが差し出したのは一つのブローチ。

シオン「これは……?」

エレジェフィア「それは魔王を封じる力…彼女が持っている力です。

アイリスが胸に付けているブローチですね…あれがその効果を持っています。

それと同じものを生成したのです。

これを、貴方が使えばきっと……」

これなら、アイリスは助かる…未来を歩める…人として!!

シオン「ありがとう…必ず…アイリスを!」

そう言い残して魔法陣で元の場所へ戻る。


エレジェフィア「…どうか…どうか…この運命を…

貴方がそれを使うなら…魔王はきっと……

ごめんなさい…こんな事しかできなくて…

こんな事に巻き込んで……この運命を、終わらせてください……っ」
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