月が響鳴-カナデ-るカプリッチオ 外伝 ~未来(イマ)に至るためのプレリュード~

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

文字の大きさ
6 / 30
出会い

~未来(イマ)に至るためのプレリュード~ 6話

しおりを挟む
ギルド内は結構人でにぎわっていた。

依頼人とか、このギルドに所属してる人や、

ハンターとか呼ばれる職業で、各地のギルドで依頼を受けていく人もいるだろう。

ゼファ達の話は受付にも通っているようで、

ハンターにもギルド員にも太刀打ちが難しいので、こちらが請け負う事になった。

「こちらが例の依頼です。」

渡された紙を見てみると、その内容は…

ゼファ「……奴隷市場…」

グラファイト「許せないな。…でも、相手は人間だよね?

ハンターやギルド員なら、何とかなりそうだけど」

「それが…」

言うには、何人かが挑んだようなのだが、

確かにいたのは人間だけらしいのだが、攫ってきた人を盾にしたり、

飼いならしている魔物を使ったりしてくるので、下手に動けなかったとか。

セピア「魔物なんて、飼いならせるものなんですの?」

サラテリ「無理無理! 飼いならそうとしてる間に殺されるって!」

フロスティ「何か、してるのかもしれんの」


カウンターから離れ、席について依頼についてまとめる。

ゼファ「さてと、じゃあ次はその奴隷市場を押さえる。

中にいる人の避難と…」

グラファイト「あのさ…それ、王子がやる事じゃないよね…」

フロスティ「諦めた方がいいのじゃ。今に始まった事ではないのはグラファイトも知ってるじゃろ」

いや、まあそれはそうなんだけど…危険な事ばっかり、本当に…。

???「……ねえ、それ、手伝ってあげようか?」

そこに一人女の子が声をかけてきた。





ゼファ「君は…?」

プリムローズ「私はプリムローズ。

一応ハンターって職をやってるから戦力になると思うけど」

ここに来ていい戦力! ハンターやってるならそれなりに実力もある。

グラファイト「いいわけ?」

プリムローズ「うん、私もその依頼受けてるし」

なるほど…受けたものの、危険だから一人ではいくな、とかなんとか言われて、

たまたま自分達が受けたのを聞いていて声をかけて来たのか。

ゼファ「そうか、じゃあよろしく頼むよ、プリムローズ

我はゼファ。よろしく」

魔物は何とかできるとして、攫った人を盾にされるのをどうするべきか。

プリムローズ「……私に任せて。

私なら、見つかっても武器を持たない雑魚って思われるだろうから」

…そう言えば、プリムローズの武器って…?

見当たらないが。

プリムローズ「私の武器はこの指輪。ちなみに属性は雷」

確かにこれなら、獲物の方から転がり込んできたと思われるかもしれない。

けど……

ゼファ「君は女の子じゃないか。危ないよ」

プリムローズ「指輪から魔力を纏わせて、手刀で切り裂く戦法。

不意を突けるし、犯人数人ぐらいならすぐ蹴散らせる。」

グラファイト「そうすれば、人質に使われたりはしないかもね」

セピア「ワタクシ達はそれに乗じて乗り込む。」

サラテリ「魔物だけなら問題ないしね!」

作戦はそれで行こう。魔物の強さは分からないが、

手懐けられるぐらいなら、そこまででもないかもしれない。

フロスティ「決まりじゃな。あ、まだ兄しか名乗っていなかったな」


一通り自己紹介を終えて外へ出る。

いつの間にか雨はやんでいた。

奴隷市場に着くまで雑談しながら歩いていく。

プリムローズ「ねえ、フロスティはゼファの妹なんだよね?」

フロスティ「うむ。プリムローズはひとりっ子なのか?」

少し黙り込んだ後、静かに口を開いた。

プリムローズ「居たんだけど…ね。…もう死んじゃってるの」

死んだ?

ゼファ「どうして…」

プリムローズ「最近、あちこちでおかしなことがあるのは知ってる?

正体不明の魔物が現れたり」

セピア「知ってますわ。そのうち二体はワタクシ達が討伐しました」

やっぱり何か関係があるのか…。

プリムローズ「弟は、そいつらの類の奴に殺された。

……私を、庇って…。

魔物はそのあと、私を殺さずに満足したように退散していった。」

サラテリ「もしかして、ハンターやってるのって…」

プリムローズ「元からやってはいたけど、今ハンターをやっている理由は、

その魔物と出会うため。依頼に来ればすぐにでも受けるつもり。

弟の仇を、とりたい」

プリムローズの仇か…城で頼まれた任務が二個ともその魔物関連だった。

城に来てくれる方が情報は入りやすいかもしれない。

ゼファ(この一件が終わったら、聞いてみようかな)

グラファイト(ゼファ様…また呼ぶつもりだ、これ…)

表情の変化で何を考えてるか何となく分かる。

まあ、プリムローズはこの異変の魔物の事も何か知っていそうだし、

提案して来ても反対する気は無いけれど。


奴隷市場の現場付近に着き、森の陰に身を隠す。

プリムローズ「じゃあ、私が先行するね。

みんなは裏口から、気付かれないように入って」

グラファイト「あいつらがプリムローズに気をとられている間を狙った方がいいし、

少し時間を空けてから突入しよう。」

ゼファ「そうだね…プリムローズ、気を付けて」

力強くうなづいて、一足先に建物内に入っていくのを見届ける。

数分経ったら、こちらの番だ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

はじめまして、私の知らない婚約者様

有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。 見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。 けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。 ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。 けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。 この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。 悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに? ※他サイトにも掲載しています。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

処理中です...