月が響鳴-カナデ-るカプリッチオ 外伝 ~未来(イマ)に至るためのプレリュード~

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

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~未来(イマ)に至るためのプレリュード~ 15話

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ある日の深夜。

王族と言う立場だけあって、暗殺されそうにることはよくあるのだが…。

今回は、ちょっと異質だった…。

???「……ゼファ…セイル…クレセディア…」

部屋の窓の外にいる存在。

ゼファはたまたま起きていたのだが、窓からは背を向けていて気付いていない。

それだけ呟いて外から魔法を放とうとした。

その時…

エピナール「悪で凍らせ…ディストフローズ!」

急に部屋に飛び込んできたエピナールの魔法に反応して、

窓の外にいた何者かは姿を消した。

ゼファ「え、何、何!?」

エピナール「逃がしましたか。すみません。

ゼファ様を暗殺しようとした何者かがいましたので…」

エピナールが気付かなかったら、殺されていた???

ゼファ「ありがとう。どこから…」

エピナール「窓の外です。ですが、そこに人が立てる場所なんて無いですよね?」

そう、無いのだ。

梯子か何かで登って来てたとしても、そんな見つかりそうな真似、するだろうか。

エピナール「ゼファ様の護衛に、今日は私が付きましょう。

どうか、休んでください」

ゼファ「いいのかい?」

エピナール「ええ、どのみち、夜型なので」

そう笑顔で応えて、その日はずっと見張りをしていた。


この日の襲撃者の事は、みんなにも翌日伝えることになったが、

やはりその窓の外に立てるわけはない、と言うので、

犯人の予測もつかなかった。

フロスティ「ゼルシェードは何か知らぬか?」

プリムローズ「例えば、神様は空を飛べるーとか」

ゼルシェード「………」

しばらく黙ってから、ゼルシェードはその翼を見せてくれた。

ゼルシェード「この通り、神は翼を持っている。が、

夜にこんな翼、目立つ事この上ない。

髪は全体的に白っぽい姿をしているし、暗殺には向かない。」

サラテリ「んー、じゃあその類は違うね」

エルブ「どんな感じだったんですか?」

エピナールが言うには、黒衣に近かったとの事だ。

セピア「余計ありえませんわね」

ゼルシェード「それに、仮に神だったとして、

人に攻撃、殺し、は神の中ではタブーだ。誰もしない、さ…」

何か歯切れが悪いような…。

ゼルシェード(………まさかな…)

オペラ「ゼファ様…どうか、私よりも先に死んだりしないでくださいね…?」

ゼファ「もちろん、そのつもりはないけど、君こそ…どうか、僕より先に死なないでくれ」

オペラ「はい、わかりました。ありがとうございます」


一度この話は切り上げて、ゼルシェードがゼファに聞きたい事があるらしい。

ゼルシェード「ゼファ、インフェヌムと出会ってから、お前の戦いを見ていたが、

お前は、無属性か?」

ゼファ「ああ、うん、そうだよ。」

ゼルシェード「無属性か…なら、真価は出せないってところだな。

俺が加護を与えればできるだろうが、

もう少し流変剣を使いこなせるようになってからの方がいいな」

神の加護は、人の身には過ぎたる力。

短時間ならともかく、長時間与えられている状態を作るとなると、

神の力の宿った流変剣を使いこなせる状態でないと厳しいのだ。

まだゼファは持って間もない。だから…

ゼルシェード「代わりに、一つ属性を増やしてやろう。

万等属性。本来奥義として使うのが限界だが、

俺の力を少し宿せば一般的な技としても使えるだろう」

グラファイト「万等属性って…特殊属性の一つ。」

万等属性は全ての武器に宿っているが、

使うには才能が必要なのだ。その才能を、ゼルシェードの力で支えようという話だ。

セピア「やってもらったらいかがです?」

ゼファ「そうだね。頼めるかい、ゼルシェード」

ゼルシェード「ああ。……少し痛むぞ」

ゼルシェードがそう言って手をかざすと、一瞬光が放たれて…

ゼファ「いっ!?」

オペラ「ゼファ様!?」

ゼルシェード「……平気か? これで恐らく使えるはずだ。今度試してみろ」

ゼファ「あ、う、うん。分かった…いたた…」

割と頭に強い痛みが走った。

何が「少し痛む」だ…。「かなり痛む」の間違いだ。

「ゼファ様!!」

城の兵士だ。

ゼファ「どうしたの? 何か…」

「南の方に…! 悪神獣が現れました!」

!!!


ゼファ「じゃあ、僕達はこれからそこに向かう。

まず確認するよ。討伐対象は悪神獣。

その見た目は、二角獣みたいな見た目だって」

プリムローズ「……間違いないよ。私と弟を襲撃した奴!」

セピア「その悪神獣、剣と矢が刺さっているって話でしたわね?」

そう、なぜか知らないが、武器が刺さっているらしい。

グラファイト「元からついている見た目? それとも…」

そこへ、バロックが走ってきた。

バロック「そいつ! 両親の仇だ!」

サラテリ「ええ!? プリムローズの仇と君の仇って同じ奴だったの!?」

バロック「父さんと母さんは、剣と弓を使ってた。

相手に突き刺したり放ったりした直後、反撃を喰らって倒れたんだ!」

ならば…尚更…。

オペラ「ゼファ様。私も一緒に行きます。

家族を、引き裂いた魔物…私も皆さんの手助けしたい…!」

フロスティ「兄、こうなると、断っても付いて来るぞ」

ゼファ「そうだね…うん、じゃあ、サポートを頼んだよ。

君には、死んでほしくないからね」

オペラ「はい!」

オペラもいつの間にか、当たり前のようにメンバーの一員だ。

エピナール「実力が無かったとはいえ、人を三人は殺した奴です。」

エルブ「気を付けて行きましょう」

バロック「……そいつが周りを歩いた付近に住んでいた奴は、

みんな、謎の病に伏した。…気を付けて」

グラファイト「……病に…? ……分かった」

病か…殺されずとも、その病で亡くなった人もいるんだろう…。


一通り確認して、街を出ようとした時。

バロック「プリムローズ!!」

プリムローズ「っ!!」

呼び止められて振り返る。

バロック「……父さんと母さんの仇、取って来て!

…絶対プリムローズも、弟の仇とって、帰って来い!!」

プリムローズ「………うん! 約束するよ、バロック君!!」

そう言ってゼファ達の後を追う。

そして、一行は南の方へ向かった。
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