月が響鳴-カナデ-るカプリッチオ 外伝 ~未来(イマ)に至るためのプレリュード~

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

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~未来(イマ)に至るためのプレリュード~ 17話

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悪神獣と戦って、プリムローズとグラファイトの能力スキルが覚醒してから、

もう数か月たった。

ゼルシェードも大分馴染んだのか、ゼファ以外とも結構打ち解けてきた…

のだが………。

フロスティ「ゼルシェード様!」

ゼルシェード「? どうし…た!?」

フロスティが撃ったのは水鉄砲ー。

…念のため言っておくが、フロスティは大人しい。

決して破天荒でも、お転婆すぎるわけでもない。

それはそれとして、神様相手に水鉄砲を撃てるのはフロスティとゼファぐらいだろう。

ゼルシェード「…フロスティ」

フロスティ「あまりにもゼルシェード様がお堅いからの。

少し、気を緩めようかと思ったのじゃ」

グラファイト「ん? なっ、なななな…姫様! 何してるんですか!?

ゼルシェード様、すみません!!」

さすがに神様相手に…と思っていたのだが…。

ゼルシェード「……ふっ…はははっ!」

………ゼルシェードが、笑った!?

フロスティ「お、笑った!」

グラファイト「え、え?」

ゼルシェード「気にするな。壁を作っているよりはずっといいだろう。」

ぜんっぜん、気にしていない。

ゼファ「ゼルシェード。やっと笑ってくれたね」

ゼルシェード「お前も、共犯か?」

ゼファ「いいや。フロスティの独断だよ。

でも、笑ってるところが見たかったっていうのは僕も思ってたけどね」

やれやれ……でも、まあ…ゼルシェードも怒ってない…?ようだから、いいのか???

グラファイト「はあ……まあ、いいか。

それよりゼファ。最近、暗殺されかける頻度、増えてるって聞いたけど」

ゼファ「ああ、うん、そうなんだよね。このままだといつかオペラにも被害が行きそうで…」

オペラ「ゼファ様!」

そんな話をしていたら、ちょうどオペラが来た。

けど、なにか焦ってる?

フロスティ「オペラ。どうしたのじゃ?」

オペラ「ゼファ様を狙っていた暗殺者の件で…っ、

セピア様とエピナール様、エルブ様が調べに行ってしまったらしくて…!」

…………ええ!?


その頃……。エピナールたちは…ある屋敷……ではなく、

人気のない幽霊屋敷に来ていた。

エルブ「あの…兄さん…本当にここなんですか?」

エピナール「ええ。あの時私が話した刺客は分かりませんが、

それ以降に出てきた奴らは、斬りつけると消滅しました。

まず人ではありませんよ」

セピア「転移で斬られる瞬間に…というわけではなく?」

エピナール「ええ。首を目掛けて斬りつけた際も消えましたので、

転移されたわけではないですね。間違いなく命中したので」

首……確実に討つつもりだったな…。

セピア「だからって、ここですの?」

エルブ「幽霊だとでも思ってるんですか?」

まあまあ、ついてきてください、と言われたので、仕方なく付いて行ってみる。


ガタッ。

エルブ「うわああああああああああ!?」

セピア「ちょっ、びっくりしましたわ…エルブ?」

エピナール「ああ、エルブは幽霊苦手でしたからね…」

そんなで幽霊屋敷に来ていいのかどうか…。

エピナール「……安心してください。今の物音は幽霊じゃないですよ。

おそらく、私が衝突した刺客です。」

エルブ「え……?」

すると、物陰から人の姿をして布を深く被った奴らが何人か。

エルブ「うわああああ!? 出たああああああああああ!!!!!!」

セピア「エルブ! 幽霊じゃありませんわ! ……多分」

人ではないだろうから…。

エピナール「貴方方は何ですか? 誰に頼まれているんです?」

無言。喋れないのか、黙秘しているだけか。

セピア「……っ!?」

途端に人の姿が異形の魔物? のような姿に変わった。

エルブ「ま、魔物?」

セピア「見慣れないですわね。悪神獣とも違う……」

とは言っても、魔物ならば容赦する必要はないだろう。

エピナール「氷裂円舞!」

セピア「血の刃…ブラッドナイフ!」

エルブ「氷刃・一刀!」

一体一体はそう強くはない。

けれど、次から次へと湧いてくるため、キリがない感じだ。

セピア「内なる血を爆発させん…ブラッドバーン!」

エルブ「凍り闇へ…ブラックアイス!」

エピナール「氷閣忌・絶!」

……駄目だ。減らない。

それどころか、魔物の速度…とか、防御…とかがどんどん上がっているような。

セピア「……ワタクシ達は、ここへ何をしに来たのか」

エピナール「ゼファ様を狙う奴らの捜索、始末ですね」

エルブ「だったら、ここで退くわけにはいかないですよね。」

…………

セピア「ワタクシはゼッ君に声をかけられなければ、ずっと一人だった…

ゼッ君を傷つける臆病者は、ワタクシが黙らせますわ!」

エピナール「ゼファ様の危機にはすぐに反応できるよう…」

エルブ「何者にも劣らない速度で、あの方のもとへ駆けつける…!」

三人の覚悟は、それが応えるには十分だった。

セピア「血の舞台サングイス・スカイナ!」

セピアがそう告げると、あたりの半分が赤い舞台に。

エピナール・エルブ「消滅する時間テンプス・ラクタック!」

エピナールとエルブがそう告げると、あたりの半分が青い舞台に。

殺風景な幽霊屋敷の内部が、赤と青の世界に分断された。

ゼファ「っ!? これは!!」

ゼルシェード「この三人も、覚醒したか!」

駆けつけたゼファとゼルシェードが驚くのも無理はないだろう。

セピア「この空間では、ワタクシを倒さない限り、貴方方の生命力を奪っていきますわ!

早くしないと、朽ち果てますわよ! 血で染まる地獄へ…ブラッドダスヘル!」

反撃などさせる気も、当たってやるつもりもない。

エピナール「華桜氷閃!」

エルブ「氷刀閃!」

二人の攻撃は、その場から動いていたのかもわからない速度だ。

敵は、いつの間にか斬られている。

エピナール「この空間では、私達より速く動くことなど不可能です」

エルブ「さらに、攻撃を当てることは不可能です!」

何とデタラメな……。

ゼルシェード「…こいつら、光が弱点のようだな」

ゼファ「そっか、わかった! 属性変換エレメント・クロス!」

流変剣の能力を扱う。指定属性は、光。

ゼファ「絶光・魔法剣!!」

残りの魔物を蹴散らす。

エピナール「ゼファ様!」

セピア「ゼッ君!?」

姿に気付いて、魔物もいなくなったので空間を元に戻す。


ゼファ「ありがとう。僕のためにわざわざ…」

エルブ「ゼファ様…心配かけてすみません」

セピア「ワタクシ達…」

ゼルシェード「ああ、見ていた。…能力スキル、使えるようになったんだな」

これで、五人だ。

エピナール「そう言えば、どうしてここに? なぜわかったんですか?」

ゼファ「それは、外に出てみれば分かるよ」

そう言われて外に出てみると…そこにいたのはインフェヌムだった。

ゼファ「彼が魔力を探してくれたんだ。そしたらここから反応がって言われたから。」

インフェヌム「まったく無茶をする…この王子に似たのか?」

ゼルシェード「そうかもしれないな」

インフェヌムも、すっかりこの輪に溶け込んでいる。

数か月経つと、こちらも大分馴染むようだ。

ゼファ「さあ、帰ろう。疲れただろう?」


この後日……。

フロスティ「きゃあ!? な、なんじゃ…水!?」

オペラ「フロスティ様!?」

フロスティの上から水が降ってきた。

ゼルシェード「フッ…以前の事を忘れていないよな?

気にするなとは言ったが…許すとは言っていないし、やり返さないとも言っていないぞ」

本来、姫にこんな事したらただじゃすまないのだが…。

何分、先にやったのはフロスティだし、今仕返したのは神様だし。

そもそもこの城は王子と姫に対する不敬=暗殺ぐらいなので、

この程度、遊びのうちなのだ。

ちなみに水鉄砲を撃ったフロスティへの仕返しは、

規模二倍の上からバケツで水。

グラファイト「あああ…掃除がもう…!!」

ゼファ「あっははは! ゼルシェードも慣れて来たね!」

フロスティ「ふざける時はふざけるんじゃな…;;;;」

ゼルシェード「俺にいたずらを仕掛けたら、規模が二倍になると覚えておくんだな」

むむむ…これは…ゼルシェードにいたずらをした後は周りに気を付けないと…。

ゼファ「みんなー! それ!!」

ゼファが使ったのは、この前の水鉄砲。

グラファイト「あ、こら! ゼファ!!」

ゼファ「あっははは! 逃げるよ、オペラ!」

有無を言わさず、オペラの手を取って駆けだす。

オペラ「えっ…。…フフッ、はい!!」

オペラもノってみることにしたのか、文句を言わずに笑顔で駆けだす。

ゼルシェードもインフェヌムもオペラもこの数か月でかなり緩んだ気がする。

ゼファの人望ゆえだろうか。
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