月が響鳴-カナデ-るカプリッチオ 外伝 ~未来(イマ)に至るためのプレリュード~

瑠璃✧*̣̩⋆̩☽⋆゜

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悲壮は音無く近付く

~未来(イマ)に至るためのプレリュード~ 20話

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フェズとサラテリが衝突して、

こんな形だが能力スキルを習得した。

その日からまた大分経ち、ゼファ達は別大陸での任務を終わらせて帰るところ。

フロスティ「他の大陸も見た感じは普通なんじゃがなぁ…」

ゼファ「そうだね。でも、裏はどうか分かった物じゃないよ」

何せフェズの事がある。

サラテリ「ディレオン大陸のイテールナ城」

フェズ「俺みたいなのを作らせるほどだ。各国に対して相当怒りがあるのは確かだ」

勝ちたいがため。自分達の国が一番上に立つためだけに。

グラファイト「あとは、クレイドル大陸のディペアード国」

プリムローズ「悪政治だっけ? 支配国家とかなんとか」

エルブとエピナールの件で色々あったな。

エルブ「……」

エピナール「国のせいか、私達の親の権力が強すぎたせいかは知りませんが、

国民が私達を見殺しにしようとしたのは間違いないですから」

セピア「腐ってますわ、本当に。」

ゼルシェード「ああいうのは根本が変わらないとどうにもならん。」

オペラ「…根本ですか…」

王が変わったとしても、その王の息子では考え方が同じになる可能性もある、という事だ。

真に素晴らしい人がならない限りは…。


ゼルシェード「ところで、お前達に話がある。」

ゼファ「話?」

ゼルシェード「ああ。お前達が能力スキルを覚えたら、

その武器を改良してやろうと思ってな」

武器の改良??

ゼルシェード「能力スキルが無ければ不可能な事なんだが、

今のお前達になら、授けられるしな。俺の力を使えば造作ないだろう」

フロスティ「なっ! 兄は流変剣があるからいいが、我は!?」

ゼファ「君も覚え次第、創ってもらえば良いじゃないか」

むぅ…と明らかにふてくされているが…そう言われても;;;

ゼファ「じゃあ、城に戻ったら頼むよ」

ゼルシェード「ああ、わかった。」

フェズ「………サラテリ、お前何やってんだよ」

髪をいじりながらうんうん唸っていたので声をかけたところ…。

サラテリ「うーん、髪伸ばそうかなーって思ってさー」

プリムローズ「何か、見慣れなくて違和感ありそう」

セピア「あら、試してみてもいいんじゃなくて?」

こういう時、絶対に地雷を踏むのがフェズなんだが………

フェズ「絶対似合わねぇ」

サラテリ「なんですって!!」

ドンッ。……え? ここは手すりの無い橋の上だぞ。しかも高い。

フェズをサラテリが突き飛ばして……

フェズ「なっ!?」

……フェズが落ちた。

フロスティ「ちょ、どうするのじゃ!?」

その時、何かの羽ばたく音が。

インフェヌム「まったく、何をしているんだ、お前達は」

フェズ「おい! サラテリ!!」

インフェヌム…いつの間に。

ゼファ「助かったよ…」

サラテリ「ごっめーーん!! でも、悪いのアンタだからね!?」

…まあ、うん、そうなんだけどさ。

オペラ「仲いいんですね」

フェズ・サラテリ「誰が」「だ!」「よ!」
息ぴったりだ。


「ゼファ様!! やっとみつけました……!」

ゼファ「君は、僕の城の……どうかしたのかい?」

何やら焦って追いかけて来たのか、息を切らしている。

「……王が! ゼファ様とフロスティ様の…っ。

…あの時、エピナール様たちが制圧した化け物に、攻撃されて…瀕死の状態です!!」

…今、何て??

エピナール「あいつらの残党ですか!?」

「いいえ、それよりもはるかに大きいです」

セピア「しつこいですわね。先に王を殺す事を優先したんですの!?」

エルブ「ゼファ様がいない隙に…っ」

…………

グラファイト「ゼファ、フロスティ、しっかりしろ!」

言葉を失い固まっている二人を怒鳴りつける。

ゼファ「あ、ああ、すまない」

フロスティ「父上…」

今から走っていては間に合わない。

ゼルシェード「インフェヌム、俺達を乗せて行けるか?」

インフェヌム「問題ない。全員乗れ。クレセディアまで飛ばす」

全員インフェヌムに乗り込んで、クレセディアへ急遽帰還することに。

ゼファ「まだ、そいつはいるのかい!?」

「はい! 今、城に残っているもので抑えていますが…

正直劣勢です…!」

……? 王に致命傷を与えたんだよな?

何で、まだ城に残っている?


フィレイド城の目の前で降ろしてもらって、

急いで城の中へ入る。どうやら、城下町では騒ぎは起きていないようだ。

グラファイト「ゼファ! 僕は国王のもとへ行く! そっちは任せたよ!」

ゼファ「分かった…あっ! オペラの事も連れて行ってくれ!」

グラファイト「わかったよ、僕に任せて」

オペラ「ゼファ様!?」

…理由は、当然ながら…。

ゼファ「確かに君は回復ができる。でも、ここで君まで失う可能性は作りたくない」

フロスティ「オペラ。兄なら大丈夫じゃ。待っていてくれ」

オペラ「……どうか、ご武運を…っ」

オペラとグラファイトと別れ、ゼファ達は玉座の間へ直行。

ゼファ「みんな!」

「ゼファ…様…」

サラテリ「…ちょっと、戦ってた人、ほとんど限界じゃん!?」

セピア「エルブ。彼らをグラファイトの所へ頼めます?」

エルブ「は、はい! 消滅する時間テンプス・ラクタック!」

エルブが能力スキルを使って、彼らを連れだす。

エピナール「さて、陛下を狙ったのはそいつですか。

確かに、私達が戦った奴の大きいタイプですね」

フェズ「こいつ…なんだ?」

ゼルシェード「……神の力を感じる。神の中の誰かの差し金か?」

神様がそんな事を…?

フロスティ「知るか! こいつだけは許さぬ!」

プリムローズ「絶対に倒さないと! この城が落とされちゃう!」


ゼファ達が戦闘を開始した頃…グラファイトたちの方は…

グラファイト「…くっ、これは…」

オペラ「……厳しいんですか?」

グラファイト「……いや、でも…っ」

そこへエルブが負傷者を連れてここへ飛び込んできた。

グラファイト「彼らは!」

エルブ「ずっと戦っていた人達です! 見てあげてください!」

グラファイト「わかった!」

全員限界で戦い続けていたようだ。

グラファイト「……こっちも傷が酷い…でも、心臓を貫かれていない分、まだ…」

オペラ「私の回復で何とか…っ。グラファイトさんは陛下の事を!」

グラファイト「わかったよ!」

オペラに兵士の回復は任せ、グラファイトは国王の診察を続けるが…

エルブ「……酷い…」

グラファイト「……陛下…くそっ!」

(頼むから…何とかなってくれ!)


一方、戦闘を続けているゼファ達はと言うと…

大苦戦中だった。

ゼファ「ぐっ!」

セピア「こいつ…ワタクシ達が戦った奴よりもずっと…っ」

セピアとエピナールとプリムローズの能力スキルはもちろん、

サラテリとフェズの能力スキルも使ったが、その回復力で、

戦闘不能になってもすぐに立ち上がってしまい、

持久戦ではこちらが不利だった。

プリムローズ「も、無理だって…っ」

エピナール「ですが、ここで倒さないと…っ」

サラテリ「どーすんの…って…」

攻撃がサラテリの方へ向かう。

サラテリ「っ!」

フェズ「悪命絶!!」

間一髪でフェズが防いでくれた。

サラテリ「ご、ごめ…」

フェズ「ぼさっとしてんなよ! ゼファ、ゼルシェード! 討ち破れる術はねぇのか!?」

ゼルシェード「……いっそ、あいつの身体を壊し続けられれば…」

ゼファ「…そんな事、どうやって……」

それを聞いたフロスティが一歩前に出た。

フロスティ「……この城は落とさせぬ。そして、兄も、皆も死なせはせぬ!」

プリムローズ「姫様…!?」

フロスティ「…貴様の身体を蝕み続けてやろう! 

それで仲間を守れるなら、我の力は呪われていると言われても構わぬ!」

その覚悟は、それを覚醒させた。

フロスティ「呪いの詠歌カディレ・セプルクラム!」

そう叫んだ時、フロスティの歌が響き渡った。

相手の動きが止まり、苦しみ出した。

ゼルシェード「……相手を呪う歌か…。どんどん相手の魂を蝕んでいる」

ゼファ「フロスティ……」

ここで動かなければ……動いて、何とか…。

とどめを…っ。

ゼファ「いくよ、みんな!」

ゼファの声で立ち上がる。

プリムローズ「稲妻よ切り裂け…ヴォルテックソード!」

サラテリ「審判の光子…ジャッジフォトン!」

フェズ「死狼断鎧!!」

セピア「血で染まる地獄へ…ブラッドダスヘル!」

エピナール「残虐なる氷世界…アトロシャスグラシア!」

ゼファ以外が一撃ずつかました。

これならば…

ゼファ「よし…世を救う…栄華の剣…栄華救世剣!!」

ゼファの奥義が相手にとどめを刺した。


ゼファ「…フロスティ! ありがとう、君のおかげで…」

でも、その能力スキルは…。

フロスティは歌が好きだった。その歌声が、相手を呪う力に使われる事になるなんて。

フロスティ「我は、嫌ではないぞ。

この力で皆を守れるなら、それでいいのじゃ」

屈託のない笑顔でそう言いきられては、何も言えなくなってしまう。

セピア「ゼッ君…」

エピナール「医務室に向かいましょう。グラファイトに報告に」

ゼファ「うん、そうだね」

玉座を後にし、走り去る。

その後の玉座に、一人の影。

???「………ちっ」

その影は、すぐに消え去った。


みんなで医務室に向かってみると…

グラファイト「ゼファ! 陛下が、今、目を開けたんだけど…っ」

そういうけど、顔が浮かない。ゼファとフロスティが近くに行くと、

「二人とも…あの、化け物は…?」

ゼファ「倒してきたよ…だからさ…っ」

「……ゼファ…この国を頼む」

フロスティ「父上! 何を言ってるんじゃ!」

そんな言い方、まるで…。

「もう長く持たない。これは、神力だ…。

神の力を心臓に撃ち込まれては、無理だ」

そんな……。

ゼファ「でも、だけど…父上…っ」

「その優しさを、無くすなよ。それがお前の取り柄だ。

…フロスティ、ゼファと仲良くな…」

フロスティ「そんなのは、当たり前じゃ…っ」

「……グラファイト、ゼファをこれからも任せる。

…オペラ様…ゼファと幸せになってくれ…。」

グラファイト「…わかりました、陛下…っ」

オペラ「陛下…はいっ」

「…お前達も、ずっと…ゼファの友としていてやってくれ…」

フェズ「…ああ」

サラテリ「当たり前、ですよっ」

セピア「もちろんですわ…」

エピナール「ゼファ様に救われましたから」

エルブ「これからも共に…」

そこまで聞いて、ゼルシェードが一歩近づいた。

ゼルシェード「…すまない。神が何かやらかすとは、盲点だった…」

「ゼルシェード様…どうかこれからもゼファを頼みます。

…間違った道を行かないように……」

それを聞いて、黙ってうなずく。

ゼファ「父上…」

「もう一度言う、この国を頼む。そして、お前の信じる道を行け…

………生きろ、ゼファ…フロスティ…」

…………

ゼファ「父上?……父上!!!」

フロスティ「っ……どうし…わああああああああっ!!!」

そのあと、まだ色々混乱があったので、正式にはまだだったが、

ゼファが国王の座に着いた。

国民からは、「自ら動く王」と応援されていた。

ゼファ自身、まだ自覚が持てていなかったが、

少しでも形を…と思い、一人称を「我」に変えた。

父を失ったショックが無いわけではない。けれど、

そこで足踏みをしている暇などないのだ。

父を襲った存在を送り付けた奴。悪神獣のこと。

色々やる事は山積みなのだから…。
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