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奪われた時・救われた今
~未来(イマ)に至るためのプレリュード~ 29話
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兵士の報告から、雪崩のように次々崩壊報告が入って来た。
とてもじゃないが、ゼファ達で対応しきれる量などではなく、
ゼファ達は、かつてサクラのあった…みんなでよく話をしていた場所まで逃げてきた。
ゼファ「…っ、く…どうして、こんな事に…」
サラテリ「お父さんもお母さんも死んじゃった…」
プリムローズ「私の村も…全壊…」
各村、町、いやそれ以外の大地さえ滅んだんだ。
プリムローズとサラテリの故郷も例外じゃない。
セピア「ベレイザ…やってくれましたわね…」
フェズ「ゼルシェードまで喰いやがって…!」
ゼルシェードは恐らく力を喰われたのだ。
だから、消滅した。
エルブ「……ゼファ様?」
エピナール「…何か考え事ですか?」
フロスティ「………兄?」
黙り込んでいたので、みんなに気を遣わせてしまった。
だけど、確かに考えこんでいたのは事実だ。
ゼファ「……すまない、みんな、我の甘さが原因だ。
………そこで、一つ提案があるんだ。
かつての文献で読んだことがあってさ……。
魂と負を利用して造り出す律刻剣。
それは、大きな代償と引き換えに何かを蘇らせる物らしい。
そこで、君達に提案する。
……君達の魂を負が溜まる時期まで預からせてほしい。
そして我の魂は君達が復活後、記憶をなくし、魔力を変化させ、その時代に放ってほしい」
この提案は…ゼファなりの責任故だった。
自分のせいで、自分の甘さで、この大陸を、民を滅びに導いた。
フェズ達にも迷惑をかける。
一度死してしか、救う手段が無いと言っているのだ。
フロスティ「兄!?」
……だからこそ、一度死んだ後は……みんなだけは生きれるよう…
ゼファ「……このクレセディアを必ず取り戻すと誓おう。
この平和を取り戻すために…我は全てを懸けよう。
君達に…もう一度平穏を…民に…もう一度笑顔を…
代償は…我の命と、ベレイザに騙された三大陸の命だ」
その場にいた全員が言葉を失う。
当然だ。
三大陸と、ゼファ自身を代償とし、彼らの居場所を取り戻すと言ってしまったのだから。
フェズ「ふざけるなよ!? お前は…死ぬ気か!?」
サラテリ「陛下だけ…いない世界になるの!?」
ゼファ「人間いつかは死ぬものだ。我は、戦死したようなものと考えてくれればいい」
エピナール「陛下……」
………
ゼファ「君達には迷惑をかける。今、死ぬ以外に方法はないんだからさ」
エルブ「そんなこと!!」
プリムローズ「私達の事はいいんだよ!!」
フロスティ「兄……嫌…そんなの駄目じゃ…っ」
抗議の嵐がある中、グラファイトは…
グラファイト「わかったよ」
セピア「グラファイト!?」
グラファイトだけが肯定した。
グラファイト「最期まで戦い…死ぬ。
そして、何年後となるか分からぬ未来にて蘇り、
貴方様を復活させ、クレセディアを取り戻す助けを…。
それが最後の命。という事でよろしいのですね、陛下」
久しぶりに聞いた、グラファイトの敬語。
ゼファ「ああ……そうだよ。
……クレセディア国、現国王。ゼファ・セイル・クレセディアが命ずる。
…………生きろ、未来で」
しばらく黙ったみんなだったが、最後には…
「「「「「「「………はい!!!」」」」」」」
ゼファ「彼らの魂、クレセディアに。
負が溜まる時まで、眠らせん。
次に目覚めた時には戦いは終わっているさ」
そして…彼らはあちこちに散らばらり、この時代での最期の戦闘をする事に。
サラテリ「ほんっとさぁ…ベレイザの言葉に簡単に騙されて馬鹿みたい!!
あんた達相手なら、人間だとしても、零術使って問題ないよね!!」
プリムローズ「全て奪った…許さない。
挙句の果てには陛下まで追い込んで…! 能力の真価、見せてあげる」
グラファイト「あいつはさ、いつも自分の事なんて後回しなんだよ。
その優しさを利用したんだ。…楽に死ねると思うなよ」
フェズ「あいつが覚悟したのに、俺達がお前らに慈悲をかける必要もねぇよな!
「神に近き邪悪」の力…お前らになら…使ってもいいよな!?」
セピア「ゼッ君の国を滅ぼして…全て奪った貴方方を許しませんわ。
その血、全て、ワタクシが奪って差し上げますわ!!」
エピナール「陛下に私達は救われた。この数では分が悪いですが…
命尽きるその時まで…一人でも多く!!」
エルブ「貴方達こそ、ベレイザに騙された被害者なんでしょう。
でも、僕らは…何もかも奪われてしまったんです!!」
そして、約一日が経った頃。
フロスティ「………兄」
ゼファ「………ああ、気配が、消えた…」
彼らの命の気配が消えた。
ゼファ「頃合いか……フロスティごめんね」
フロスティ「まったくじゃ…何で兄が犠牲にならなければならんのじゃ…」
ゼファ「君は未来で幸せになってくれ。頼むから」
そう言われて、嫌だと言える者がどこにいるだろうか。
だから、ずるいのだ。
ゼファ「………ゼルシェード、君なら分かってくれるかな。
…いや。そんな事はないだろうね。このやり方は間違っているんだろう。
だけど……我は……。
すまない。我は、その名の通り、世界を零にし律する。
クレセディアという国しか残らない…真に争いのない世界に」
自身の持っている流変剣に対し、今は傍にいない友に宛ててそう話す。
フロスティ「兄」
ゼファ「みんな……頼んだよ」
フロスティ(どうか、未来の者よ…兄を止めてくれ。
全てを背負って、罪と罰に溺れて、
壊れていく兄を…誰か……救い出してくれ)
ゼファが魔方陣を展開する。
ゼファ「もうすぐベレイザがここに来る。
ベレイザに殺されるのだけはごめんだからね。
……全てに等しく制裁を…アエクアリスインペリウム!!」
ゼファとフロスティはゼファの魔法で自害という形をとった。
魂はそれぞれ、肉体を抜け宝玉と指輪に。
ゼファの魂はクレセディアの地に隠れることに。
この後の事はよく分からないが、
流変剣がコンフィージェの塔にあった事、
魂を封じていた宝玉が各遺跡に散らばっていた事を考えると、
ベレイザが持って行き、配置したと考えるのが妥当だろう。
フロスティに関しては、フロスティの指に指輪が嵌まっていたので気付かなかったのだろう。
そして、彼らが蘇る一万年後、
遺跡に配置された宝玉から彼らの魂は飛び出し、クレセディアに戻って来た。
それが、事の真相。
全てが狂った、一万年前の出来事。
とてもじゃないが、ゼファ達で対応しきれる量などではなく、
ゼファ達は、かつてサクラのあった…みんなでよく話をしていた場所まで逃げてきた。
ゼファ「…っ、く…どうして、こんな事に…」
サラテリ「お父さんもお母さんも死んじゃった…」
プリムローズ「私の村も…全壊…」
各村、町、いやそれ以外の大地さえ滅んだんだ。
プリムローズとサラテリの故郷も例外じゃない。
セピア「ベレイザ…やってくれましたわね…」
フェズ「ゼルシェードまで喰いやがって…!」
ゼルシェードは恐らく力を喰われたのだ。
だから、消滅した。
エルブ「……ゼファ様?」
エピナール「…何か考え事ですか?」
フロスティ「………兄?」
黙り込んでいたので、みんなに気を遣わせてしまった。
だけど、確かに考えこんでいたのは事実だ。
ゼファ「……すまない、みんな、我の甘さが原因だ。
………そこで、一つ提案があるんだ。
かつての文献で読んだことがあってさ……。
魂と負を利用して造り出す律刻剣。
それは、大きな代償と引き換えに何かを蘇らせる物らしい。
そこで、君達に提案する。
……君達の魂を負が溜まる時期まで預からせてほしい。
そして我の魂は君達が復活後、記憶をなくし、魔力を変化させ、その時代に放ってほしい」
この提案は…ゼファなりの責任故だった。
自分のせいで、自分の甘さで、この大陸を、民を滅びに導いた。
フェズ達にも迷惑をかける。
一度死してしか、救う手段が無いと言っているのだ。
フロスティ「兄!?」
……だからこそ、一度死んだ後は……みんなだけは生きれるよう…
ゼファ「……このクレセディアを必ず取り戻すと誓おう。
この平和を取り戻すために…我は全てを懸けよう。
君達に…もう一度平穏を…民に…もう一度笑顔を…
代償は…我の命と、ベレイザに騙された三大陸の命だ」
その場にいた全員が言葉を失う。
当然だ。
三大陸と、ゼファ自身を代償とし、彼らの居場所を取り戻すと言ってしまったのだから。
フェズ「ふざけるなよ!? お前は…死ぬ気か!?」
サラテリ「陛下だけ…いない世界になるの!?」
ゼファ「人間いつかは死ぬものだ。我は、戦死したようなものと考えてくれればいい」
エピナール「陛下……」
………
ゼファ「君達には迷惑をかける。今、死ぬ以外に方法はないんだからさ」
エルブ「そんなこと!!」
プリムローズ「私達の事はいいんだよ!!」
フロスティ「兄……嫌…そんなの駄目じゃ…っ」
抗議の嵐がある中、グラファイトは…
グラファイト「わかったよ」
セピア「グラファイト!?」
グラファイトだけが肯定した。
グラファイト「最期まで戦い…死ぬ。
そして、何年後となるか分からぬ未来にて蘇り、
貴方様を復活させ、クレセディアを取り戻す助けを…。
それが最後の命。という事でよろしいのですね、陛下」
久しぶりに聞いた、グラファイトの敬語。
ゼファ「ああ……そうだよ。
……クレセディア国、現国王。ゼファ・セイル・クレセディアが命ずる。
…………生きろ、未来で」
しばらく黙ったみんなだったが、最後には…
「「「「「「「………はい!!!」」」」」」」
ゼファ「彼らの魂、クレセディアに。
負が溜まる時まで、眠らせん。
次に目覚めた時には戦いは終わっているさ」
そして…彼らはあちこちに散らばらり、この時代での最期の戦闘をする事に。
サラテリ「ほんっとさぁ…ベレイザの言葉に簡単に騙されて馬鹿みたい!!
あんた達相手なら、人間だとしても、零術使って問題ないよね!!」
プリムローズ「全て奪った…許さない。
挙句の果てには陛下まで追い込んで…! 能力の真価、見せてあげる」
グラファイト「あいつはさ、いつも自分の事なんて後回しなんだよ。
その優しさを利用したんだ。…楽に死ねると思うなよ」
フェズ「あいつが覚悟したのに、俺達がお前らに慈悲をかける必要もねぇよな!
「神に近き邪悪」の力…お前らになら…使ってもいいよな!?」
セピア「ゼッ君の国を滅ぼして…全て奪った貴方方を許しませんわ。
その血、全て、ワタクシが奪って差し上げますわ!!」
エピナール「陛下に私達は救われた。この数では分が悪いですが…
命尽きるその時まで…一人でも多く!!」
エルブ「貴方達こそ、ベレイザに騙された被害者なんでしょう。
でも、僕らは…何もかも奪われてしまったんです!!」
そして、約一日が経った頃。
フロスティ「………兄」
ゼファ「………ああ、気配が、消えた…」
彼らの命の気配が消えた。
ゼファ「頃合いか……フロスティごめんね」
フロスティ「まったくじゃ…何で兄が犠牲にならなければならんのじゃ…」
ゼファ「君は未来で幸せになってくれ。頼むから」
そう言われて、嫌だと言える者がどこにいるだろうか。
だから、ずるいのだ。
ゼファ「………ゼルシェード、君なら分かってくれるかな。
…いや。そんな事はないだろうね。このやり方は間違っているんだろう。
だけど……我は……。
すまない。我は、その名の通り、世界を零にし律する。
クレセディアという国しか残らない…真に争いのない世界に」
自身の持っている流変剣に対し、今は傍にいない友に宛ててそう話す。
フロスティ「兄」
ゼファ「みんな……頼んだよ」
フロスティ(どうか、未来の者よ…兄を止めてくれ。
全てを背負って、罪と罰に溺れて、
壊れていく兄を…誰か……救い出してくれ)
ゼファが魔方陣を展開する。
ゼファ「もうすぐベレイザがここに来る。
ベレイザに殺されるのだけはごめんだからね。
……全てに等しく制裁を…アエクアリスインペリウム!!」
ゼファとフロスティはゼファの魔法で自害という形をとった。
魂はそれぞれ、肉体を抜け宝玉と指輪に。
ゼファの魂はクレセディアの地に隠れることに。
この後の事はよく分からないが、
流変剣がコンフィージェの塔にあった事、
魂を封じていた宝玉が各遺跡に散らばっていた事を考えると、
ベレイザが持って行き、配置したと考えるのが妥当だろう。
フロスティに関しては、フロスティの指に指輪が嵌まっていたので気付かなかったのだろう。
そして、彼らが蘇る一万年後、
遺跡に配置された宝玉から彼らの魂は飛び出し、クレセディアに戻って来た。
それが、事の真相。
全てが狂った、一万年前の出来事。
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