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ー第二章ー
沢木零児
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大学生活は、つまらなかった。エリート?有望な将来?だから、何なんだ?下らない。下らない。下らない。
俺の取り柄は、何をやっても人より、ある程度、出来てしまう事。勉強も運動も人より吐出していた。友達も多くて、女にもモテた。小学校、中学校、高校、ずっと人より上を歩いていた。それは大学に入っても変わらず。でも俺は、そんなチヤホヤされる生活に正直、嫌気がさしていた。俺は本当は、そんな人間じゃないのに。そんな褒められる様な人間じゃないのに。誰も何も知らないくせに…。
『聞いた?まただって!』
『聞いたわよ!これで三人目でしょ!?警察は何をやってるのかしらね!早く捕まえて欲しいわ!』
『本当にね。連続強姦魔なんて、怖くて外歩けないわ。』
大学二年の時、俺は、自分の奥底に潜む欲望を実行に移した。見ず知らずの女が、泣き叫びながら犯されて行くビデオに異常なまでに興奮した。いつか俺の目の前で、その場面を。相手は誰でも良い。大学生でも、おばさんでも。タイミング良く目に飛び込んで来た奴、それがそいつの運命。
『ははは!ははは!』
『イヤーッ!』
『ははは!たまんねぇや!』
一人目は、女子大生だった。嫌がってたなぁ。心から泣き叫んでた。お陰で興奮したよ。こんな興奮がこの世にあるんだって思うくらい。もう止まらなかった。二人目は、その一週間後。三十代の主婦だった。さすがの抵抗力だった。思わず一発引っ叩いてしまった。ただ諦めも早かった。それはそれで興奮はしたが、一人目の女子大生ほどではなかった。
『やっぱり若い方が良いな…。』
三人目は、若い子に絞った。
『はは!アレでいいや。』
その三日後だった。何か良い事でもあったのか、凄く楽しそうに笑顔を浮かべて歩いてたな。だからこそ、余計にやり甲斐があったのかもしれない。その幸せそうな空気をボロクソにしてやる。
『お嬢さん、楽しそうだね。』
『え?ウッ…!』
女子高生だった。散々、抵抗して来たけど、あまり痛がってなかった。むしろ感じている様に思えた。コイツ処女じゃねぇな!高校生のくせに!何かムカついた。楽しい高校生活送ってんじゃねぇよ!三人目にして初めて思いっきり中出ししてやった。
『ははは!困れ!困れ!』
いよいよ全国ニュースになった。突如現れた連続強姦魔は、瞬く間に全国の話題をさらった。でも俺は、捕まらない自信があった。それは三人共、全くの見ず知らずの他人だという事と、俺は遠く離れた京都から、わざわざ東京にやって来て犯していたという事。目撃者が誰もいない中で、どうやって前科も無い俺を割り出すって言うんだ?捕まえられるもんなら捕まえてみろよ!
『ははは!警察の威信も、あったもんじゃねぇな!』
地元、京都に帰れば真面目で優秀な京大生。今、世間を騒がすニュースのトップを飾る東京の連続強姦魔事件の犯人が俺だなんて誰が思う?俺は、何事も無かった様に生活していた。
四人目は、少し間を空けた。三人目の女子高生から一カ月後だった。一カ月ぶりの東京は明らかにパトカーの数が多くなっていた。
『さすがに、やりずらいな…。』
でも、その中で犯すスリルにも興奮を覚えていた事もまた事実だった。
『おっ!あの子でいい。』
こんな夜遅くに女子高生が何やってんだ?バカだね。こんな時間にこんな所をうろついていた事を一生後悔するんだな。
『お嬢さん、こっちおいで!』
『え?…ウッ!』
いつも通り後ろから近づいて口を塞いで乗って来た車の中に押し込む。
『イヤー!イヤー!』
『はははは!嫌がれ!嫌がれ!』
激しく抵抗すればするほど俺のボルテージが上がるだけだ。制服のワイシャツを無理矢理、破る瞬間が何よりの快感。
『はははは!オラーッ!』
『イヤー…!』
ところが、ここで思いもよらない事態が起こった。抵抗する女子高生の手が俺の被っていた目出し帽を剥ぎ取ったのだ。
『え!?』
女子高生に、ハッキリ顔を見られてしまった。一気にパニックになった俺は、破りかけたワイシャツから手を放し、女子高生の首に手を回した。
『おい!この事を誰にも言うなよ!言ったらマジでお前を殺しに来るからな!』
無意識に手にも力が入る。
『ンー!ンー!』
『分かったか!?分かったか!?』
『ンー!ンー…!』
危うく殺しかけた。ふと冷静さを取り戻した俺は、その手を放し、女子高生を車から蹴り落とした。そして、追い討ちをかける様に髪を掴んで問い詰めた。
『分かったか!?マジで誰にも言うなよ!?マジで殺しに来るからな!?』
『い、言わないです!言わないです!』
俺は、泣きながら物乞いする女子高生をその場に残し逃走した。京都までの長い帰り道、正直ずっと震えが止まらなかった。顔さえ見られなきゃバレない。そう思って余裕綽々でいた。その余裕が一瞬で崩れ去った瞬間、顔を見られた瞬間から、毎秒毎秒に緊張が走り始めた。
いつ捕まっても可笑しくない。いつ捕まっても可笑しくない。あの偉そうなくらいの余裕な日々が嘘みたいに毎日毎日が怖くて怖くて仕方なくなった。
あの女子高生が本当に誰にも何も言わなかったのか、幸いにも俺は、これまで捕まる事はなかった。恐怖から来る張り詰めた、それからの日々は、それまでの俺のナメた精神を変えた。将来を見据え、必死に就活して一流商社の内定を勝ち取り、遊ぶ事も忘れ真面目に大学生活に取り組み、何一つ単位を落とす事なく卒業した。
就職してからも、それは変わらず、必死に仕事を覚えた。
『なぁ、沢木ってさ、何でそんなに真面目なんだ?そんなに力入れて毎日生きるのしんどくないか?』
『先輩…。いや、そんな事ないです。俺には、これが普通なんで。』
『…沢木って彼女いんのか?』
『いや、いないです。』
『いつから?』
『…大学二年の夏前からなんで、もう四、五年は経ちますね。』
『は!?マジで!?京大卒で、そのルックスで、四、五年彼女なし!?マジ!?お前、そらアカンわ!勿体無い!お前、男が出世する為には女が必要だぞ!』
『そ、そうですか…。』
『よし!俺が今度、合コン開いてやるから来い!』
『は、はい。』
『お前なら、簡単にお持ち帰りくらい出来るから、俺に任せとけ!な!』
お世話になっている会社の先輩に、言われるがままに参加した合コン。これが俺に運命の出会いを齎した。
『初めまして。水野歩実です。』
『歩実ぃ、堅いよ!』
『だって、緊張するんだもん!』
『歩実は、こう見えて子供いるんだよ!』
『ええ!?』
『ちょ、ちょっと、みなみ!』
『…へぇ、シングルマザーなんだぁ。大変でしょう。でも、可愛いよね。』
『沢木さん、子供好きなんですか?』
『うん。子供は好き。だって子供には、未来しか感じないからね。早く自分の子供がどう成長して行くのか見てみたいよ。歩実ちゃんもそうじゃない?どんなに自分が大変でも、子供の顔みたら吹き飛ぶでしょ?自分が動いた分、全部、子供に反映されるからね。まさに、生き甲斐その物だよ。だから早く欲しいんだ。』
『沢木さん…。』
歩実との仲が深まるまでに時間はかからなかった。お互いが求めるものが同じだったからかな。
『歩実。俺達、付き合ってまだ半年だけど、もう充分だと思うんだ。まだ二十五歳で会社の中でも全然ぺーぺーだけど俺、頑張るから。歩実と凛太郎の為に俺、頑張るから。俺に二人を一生守らせて欲しい。結婚しよう。』
『零児さん…。ありがとう。こちらこそ宜しくお願いします。』
『凛太郎は、許してくれるかな。』
『…大丈夫。ほら!こんなに笑ってる。』
俺は、歩実と結婚した。でも、俺が、あの連続強姦魔だなんて永遠の秘密。そんな事誰にも言わない。言える訳がない。知らない方が幸せなんだ…。
俺の取り柄は、何をやっても人より、ある程度、出来てしまう事。勉強も運動も人より吐出していた。友達も多くて、女にもモテた。小学校、中学校、高校、ずっと人より上を歩いていた。それは大学に入っても変わらず。でも俺は、そんなチヤホヤされる生活に正直、嫌気がさしていた。俺は本当は、そんな人間じゃないのに。そんな褒められる様な人間じゃないのに。誰も何も知らないくせに…。
『聞いた?まただって!』
『聞いたわよ!これで三人目でしょ!?警察は何をやってるのかしらね!早く捕まえて欲しいわ!』
『本当にね。連続強姦魔なんて、怖くて外歩けないわ。』
大学二年の時、俺は、自分の奥底に潜む欲望を実行に移した。見ず知らずの女が、泣き叫びながら犯されて行くビデオに異常なまでに興奮した。いつか俺の目の前で、その場面を。相手は誰でも良い。大学生でも、おばさんでも。タイミング良く目に飛び込んで来た奴、それがそいつの運命。
『ははは!ははは!』
『イヤーッ!』
『ははは!たまんねぇや!』
一人目は、女子大生だった。嫌がってたなぁ。心から泣き叫んでた。お陰で興奮したよ。こんな興奮がこの世にあるんだって思うくらい。もう止まらなかった。二人目は、その一週間後。三十代の主婦だった。さすがの抵抗力だった。思わず一発引っ叩いてしまった。ただ諦めも早かった。それはそれで興奮はしたが、一人目の女子大生ほどではなかった。
『やっぱり若い方が良いな…。』
三人目は、若い子に絞った。
『はは!アレでいいや。』
その三日後だった。何か良い事でもあったのか、凄く楽しそうに笑顔を浮かべて歩いてたな。だからこそ、余計にやり甲斐があったのかもしれない。その幸せそうな空気をボロクソにしてやる。
『お嬢さん、楽しそうだね。』
『え?ウッ…!』
女子高生だった。散々、抵抗して来たけど、あまり痛がってなかった。むしろ感じている様に思えた。コイツ処女じゃねぇな!高校生のくせに!何かムカついた。楽しい高校生活送ってんじゃねぇよ!三人目にして初めて思いっきり中出ししてやった。
『ははは!困れ!困れ!』
いよいよ全国ニュースになった。突如現れた連続強姦魔は、瞬く間に全国の話題をさらった。でも俺は、捕まらない自信があった。それは三人共、全くの見ず知らずの他人だという事と、俺は遠く離れた京都から、わざわざ東京にやって来て犯していたという事。目撃者が誰もいない中で、どうやって前科も無い俺を割り出すって言うんだ?捕まえられるもんなら捕まえてみろよ!
『ははは!警察の威信も、あったもんじゃねぇな!』
地元、京都に帰れば真面目で優秀な京大生。今、世間を騒がすニュースのトップを飾る東京の連続強姦魔事件の犯人が俺だなんて誰が思う?俺は、何事も無かった様に生活していた。
四人目は、少し間を空けた。三人目の女子高生から一カ月後だった。一カ月ぶりの東京は明らかにパトカーの数が多くなっていた。
『さすがに、やりずらいな…。』
でも、その中で犯すスリルにも興奮を覚えていた事もまた事実だった。
『おっ!あの子でいい。』
こんな夜遅くに女子高生が何やってんだ?バカだね。こんな時間にこんな所をうろついていた事を一生後悔するんだな。
『お嬢さん、こっちおいで!』
『え?…ウッ!』
いつも通り後ろから近づいて口を塞いで乗って来た車の中に押し込む。
『イヤー!イヤー!』
『はははは!嫌がれ!嫌がれ!』
激しく抵抗すればするほど俺のボルテージが上がるだけだ。制服のワイシャツを無理矢理、破る瞬間が何よりの快感。
『はははは!オラーッ!』
『イヤー…!』
ところが、ここで思いもよらない事態が起こった。抵抗する女子高生の手が俺の被っていた目出し帽を剥ぎ取ったのだ。
『え!?』
女子高生に、ハッキリ顔を見られてしまった。一気にパニックになった俺は、破りかけたワイシャツから手を放し、女子高生の首に手を回した。
『おい!この事を誰にも言うなよ!言ったらマジでお前を殺しに来るからな!』
無意識に手にも力が入る。
『ンー!ンー!』
『分かったか!?分かったか!?』
『ンー!ンー…!』
危うく殺しかけた。ふと冷静さを取り戻した俺は、その手を放し、女子高生を車から蹴り落とした。そして、追い討ちをかける様に髪を掴んで問い詰めた。
『分かったか!?マジで誰にも言うなよ!?マジで殺しに来るからな!?』
『い、言わないです!言わないです!』
俺は、泣きながら物乞いする女子高生をその場に残し逃走した。京都までの長い帰り道、正直ずっと震えが止まらなかった。顔さえ見られなきゃバレない。そう思って余裕綽々でいた。その余裕が一瞬で崩れ去った瞬間、顔を見られた瞬間から、毎秒毎秒に緊張が走り始めた。
いつ捕まっても可笑しくない。いつ捕まっても可笑しくない。あの偉そうなくらいの余裕な日々が嘘みたいに毎日毎日が怖くて怖くて仕方なくなった。
あの女子高生が本当に誰にも何も言わなかったのか、幸いにも俺は、これまで捕まる事はなかった。恐怖から来る張り詰めた、それからの日々は、それまでの俺のナメた精神を変えた。将来を見据え、必死に就活して一流商社の内定を勝ち取り、遊ぶ事も忘れ真面目に大学生活に取り組み、何一つ単位を落とす事なく卒業した。
就職してからも、それは変わらず、必死に仕事を覚えた。
『なぁ、沢木ってさ、何でそんなに真面目なんだ?そんなに力入れて毎日生きるのしんどくないか?』
『先輩…。いや、そんな事ないです。俺には、これが普通なんで。』
『…沢木って彼女いんのか?』
『いや、いないです。』
『いつから?』
『…大学二年の夏前からなんで、もう四、五年は経ちますね。』
『は!?マジで!?京大卒で、そのルックスで、四、五年彼女なし!?マジ!?お前、そらアカンわ!勿体無い!お前、男が出世する為には女が必要だぞ!』
『そ、そうですか…。』
『よし!俺が今度、合コン開いてやるから来い!』
『は、はい。』
『お前なら、簡単にお持ち帰りくらい出来るから、俺に任せとけ!な!』
お世話になっている会社の先輩に、言われるがままに参加した合コン。これが俺に運命の出会いを齎した。
『初めまして。水野歩実です。』
『歩実ぃ、堅いよ!』
『だって、緊張するんだもん!』
『歩実は、こう見えて子供いるんだよ!』
『ええ!?』
『ちょ、ちょっと、みなみ!』
『…へぇ、シングルマザーなんだぁ。大変でしょう。でも、可愛いよね。』
『沢木さん、子供好きなんですか?』
『うん。子供は好き。だって子供には、未来しか感じないからね。早く自分の子供がどう成長して行くのか見てみたいよ。歩実ちゃんもそうじゃない?どんなに自分が大変でも、子供の顔みたら吹き飛ぶでしょ?自分が動いた分、全部、子供に反映されるからね。まさに、生き甲斐その物だよ。だから早く欲しいんだ。』
『沢木さん…。』
歩実との仲が深まるまでに時間はかからなかった。お互いが求めるものが同じだったからかな。
『歩実。俺達、付き合ってまだ半年だけど、もう充分だと思うんだ。まだ二十五歳で会社の中でも全然ぺーぺーだけど俺、頑張るから。歩実と凛太郎の為に俺、頑張るから。俺に二人を一生守らせて欲しい。結婚しよう。』
『零児さん…。ありがとう。こちらこそ宜しくお願いします。』
『凛太郎は、許してくれるかな。』
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