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ー第十六章ー
森悠斗 Ⅱ
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『…悠斗君?待たせてごめんね。これから、ちょっと時間ある?会って話したい事があるの。』
『待ってたよ、歩実。今から、大丈夫だよ。そっちに行けばいいか?』
『うん。ありがとう。…じゃあ、後でね。』
『ああ、後でな!』
やっと来た歩実からの連絡。俺は、父親になる。そんでもって歩実と結婚する。俺の覚悟は、本物だ。誰にも、笑わせない。誰にも、邪魔させない。
『早かったね…。』
『当たり前だろ!?早く真実が知りたいから、走って来ちゃったよ!』
『そう…。』
俺達は、待ち合わせた駅のすぐ向かいにあるファミレスに二人で入った。意気揚々の俺とは逆に、何処と無く、心ここにあらずの歩実。一体どういうつもりなんだ?あの子の父親は、俺なんだろ?俺達、結婚するんだろ?なのに何なんだ?その暗い顔は!
『…あ、ドリンクバーを二つ。』
『あれ?何も食べないのか?』
『うん。そんな気分じゃないから…。』
『そ、そうか…。』
一体、何なんだよ!歩実!もっと素直になれよ!もっと、嬉しそうにしろよ!結婚するんだぞ!
『…歩実、砂糖入れ過ぎじゃね?そんな甘党だった?』
『うん。私、甘くないとコーヒー飲めないから。悠斗君も、メロンソーダなんて、お子ちゃまだね。』
『いいんだよ!俺も甘党だから!メロンソーダは、俺の神!』
『悠斗君、そういうとこ変わんないね。そういう子供っぽさが母性本能をくすぐるのかな。』
『歩実…。何?くすぐられちゃったの?ま、俺達、お互い甘いもの大好き同士だから、食の好みは合うし、結婚しても上手くやっていけると思うんだよね。』
『結婚…?』
『そ。結婚!…するんだろ?俺達。』
『何で?』
『何でって…。何で!?…は!?話があるって、そういう話じゃないの!?』
『何でよ!違うよ!凛太郎の父親は、本当に悠斗君じゃないっていうのを改めて伝えたかっただけよ!』
『は!?マジで!?』
『マジで。』
『じゃ、じゃあ誰なんだよ!?本当の父親は!?』
『悠斗君、ニュース見てないの?』
『ニュース?何の?』
『六年前の世田谷連続強姦魔の逮捕のニュース。』
『あー、アレ!見た!見た!でも、あのニュースが何だってんだ?』
『だから、その逮捕された犯人が凛太郎の本当の父親なの。』
『はぁ!?何言っちゃってんの!?冗談だろ!?』
『冗談じゃないよ。私は、あの六年前の被害者なの。』
『は!?マジ!?』
『マジ。』
『マジかよ…。そんな事あんの…。』
歩実は、六年前の真相を隈なく話してくれた。聞けば聞くほど、冗談にしか聞こえないから、全然、実感が湧かない。とりあえず、突き付けられた揺るぎない事実は、俺は、何の関係も無い部外者だって事。父親になる覚悟。歩実と結婚する覚悟。俺は、一人、バカみたいに踊らされていただけだったんだな…。
『…じゃ、じゃあ、俺は何の為に彼女と別れたんだよ!』
『それは知らないよ。悠斗君が勝手にした事でしょ?私に、その責任は、取れないよ。』
『で、でもさ、本当の父親は、逮捕された訳だろ?だったら、もう、どの道、終わりだろ?そのまま、お別れだろ?だったら、俺が歩実を…。』
『悠斗君、私は、零児さんを待ってるの。出所して来るまで、いつまででも凛太郎と二人で待ってるつもりなの。だから、悠斗君。悠斗君とは、もう、この瞬間でもって終わりにして欲しいの。』
『歩実…。』
『あと、私達は、来月、この街を出て行く。』
『え?』
『単純に、ご近所の好奇の目に晒されて、居続けられる訳がないからね。私は、そこまで強くないもん…。』
『歩実…。出て行くってどこに?』
『そんなの言えないよ。だから、もう終わりなの。』
『そうか…。なんか俺、バカみたいだったな。勝手に一人で勘違いして、勝手に一人で舞い上がって…。』
『悠斗君…。』
『歩実、これだけは分かってくれないか。俺は、本気だった。父親になる覚悟。歩実と結婚する覚悟。本当に本気だったんだ。だから、歩実には、幸せになって欲しい。どこに行くのかは、知らないけど、どこに行っても必ず幸せになって欲しい。』
『悠斗君、ありがとう…。』
歩実から突き付けられた真実。それは、俺の人生にとって、どういう意味を持つのか。もし、俺が本当の父親だったら、夢だったミュージシャンを諦め、安定した収入を得る為の就職を選んだだろう。それは、本当に正しい選択になったのだろうか。覚悟を決めたと、言い放ったのは、ただの自己陶酔だったのか。勘違いだったのか。
正直に言う。俺は、ミュージシャンになる夢。諦めたくない。
つまりは、歩実から放たれた真実は、俺の未来に夢を残したのだ。伴侶を得る。家族を築く事は、今の俺には、幸せとは呼ばないんだ。どんなに傷付けられても夢を追いかける事が、その毎秒、毎秒が俺にとっての幸せなんだろうな…。
『…よく言ったよ、悠斗。お前は、まだ家族を持つには早いんだよ。だから、お前は、夢を全力で追っかけろ!』
『真司さん…。』
『俺達は、まだ、それでいいんだよ。自分一人の生活も、ままならない奴が家族を求めるなんて可笑しな話だ。俺達は、まだ、その前に、やらなきゃいけない事があるんだよ。今は、まだ、それだけに真っ直ぐ挑む時間なんだよ。』
『真司さん、俺、今回の事で、分かった事があります。』
『何だ?』
『俺、売れたいっす…。』
『悠斗…。』
『ミュージシャンとして成功したいっす!改めて、それに気付きました。』
『バカ野郎…。突き刺さるじゃねぇか!悠斗!俺も、ぜってぇ諦めねぇから!一緒に頑張ろうぜ!な!』
『真司さん、ありがとうございます…。』
『…ちょっと、二人だけで熱い夢を語り合わないで下さいよ。俺も居るんすから。忘れないで下さい!』
『おー、哲也。悪りぃ!悪りぃ!完全に忘れてたわ。』
『んー、そこまで、ハッキリ言われると気持ちいいすね。あははは!』
『相変わらずだな、哲也は。俺達の置かれてた状況なんて何も知らないもんな。』
『え?何かあったんすか?』
『ま、何にも話してないんだから知らなくて当然か。哲也は、いいんだよ、それで。何も知らない方が幸せだよ。』
『何か良く分かんないけど、俺、そんな気がします。あははは!』
真司さんの言葉。哲也は、笑ってたけど、俺には、深く突き刺さった。何事も無かった日常から、突然の歩実の子供の目撃情報。平穏を百八十度ひっくり返し、訪れた不穏な日々。結果的には、あの子は、俺の子ではなかった。でも、だから良かった訳じゃない。六年も経ってから歩実が強姦されていた事実、その犯人の子供を身籠もり、学校に来なくなった真実を知った。この六年の間、俺は、何も知らずに笑って暮らしていた。それを払拭する様に掲げた覚悟。でも、それが、実は、歩実の人生を更に追い詰める事になっていた事実。それを、この間、歩実に突き付けられた時、俺は、自分を憂いた…。
『…悠斗君、あと、最後に一つだけ、言っていい?』
『ああ、いいよ。何?』
『あの日、突然、悠斗君が、私達、親子の目の前に現れなかったら、零児さんは、逮捕される事はなかったの。』
『え?』
『ハッキリ言うね。悠斗君は、私達、家族の幸せを奪った。悠斗君の無駄な正義感が、知らなくて良かった事実を知らなくては、いけなくなったの。』
『歩実…。』
『悠斗君、私は、あなたを恨んでる。』
『そんな…。』
『私は、何も知らなくて良かった…。』
俺は、あの時の歩実の凍りつく様に冷たい目を忘れない。俺は、歩実の幸せを壊した張本人。だったら、俺だって、歩実に子供がいるなんて情報を知りたくなかったよ。それさえ知らなけりゃ、俺だって今頃、彼女と幸せにやってたんだ。
歩実、俺だって何も知らなくて良かったんだよ…。
『待ってたよ、歩実。今から、大丈夫だよ。そっちに行けばいいか?』
『うん。ありがとう。…じゃあ、後でね。』
『ああ、後でな!』
やっと来た歩実からの連絡。俺は、父親になる。そんでもって歩実と結婚する。俺の覚悟は、本物だ。誰にも、笑わせない。誰にも、邪魔させない。
『早かったね…。』
『当たり前だろ!?早く真実が知りたいから、走って来ちゃったよ!』
『そう…。』
俺達は、待ち合わせた駅のすぐ向かいにあるファミレスに二人で入った。意気揚々の俺とは逆に、何処と無く、心ここにあらずの歩実。一体どういうつもりなんだ?あの子の父親は、俺なんだろ?俺達、結婚するんだろ?なのに何なんだ?その暗い顔は!
『…あ、ドリンクバーを二つ。』
『あれ?何も食べないのか?』
『うん。そんな気分じゃないから…。』
『そ、そうか…。』
一体、何なんだよ!歩実!もっと素直になれよ!もっと、嬉しそうにしろよ!結婚するんだぞ!
『…歩実、砂糖入れ過ぎじゃね?そんな甘党だった?』
『うん。私、甘くないとコーヒー飲めないから。悠斗君も、メロンソーダなんて、お子ちゃまだね。』
『いいんだよ!俺も甘党だから!メロンソーダは、俺の神!』
『悠斗君、そういうとこ変わんないね。そういう子供っぽさが母性本能をくすぐるのかな。』
『歩実…。何?くすぐられちゃったの?ま、俺達、お互い甘いもの大好き同士だから、食の好みは合うし、結婚しても上手くやっていけると思うんだよね。』
『結婚…?』
『そ。結婚!…するんだろ?俺達。』
『何で?』
『何でって…。何で!?…は!?話があるって、そういう話じゃないの!?』
『何でよ!違うよ!凛太郎の父親は、本当に悠斗君じゃないっていうのを改めて伝えたかっただけよ!』
『は!?マジで!?』
『マジで。』
『じゃ、じゃあ誰なんだよ!?本当の父親は!?』
『悠斗君、ニュース見てないの?』
『ニュース?何の?』
『六年前の世田谷連続強姦魔の逮捕のニュース。』
『あー、アレ!見た!見た!でも、あのニュースが何だってんだ?』
『だから、その逮捕された犯人が凛太郎の本当の父親なの。』
『はぁ!?何言っちゃってんの!?冗談だろ!?』
『冗談じゃないよ。私は、あの六年前の被害者なの。』
『は!?マジ!?』
『マジ。』
『マジかよ…。そんな事あんの…。』
歩実は、六年前の真相を隈なく話してくれた。聞けば聞くほど、冗談にしか聞こえないから、全然、実感が湧かない。とりあえず、突き付けられた揺るぎない事実は、俺は、何の関係も無い部外者だって事。父親になる覚悟。歩実と結婚する覚悟。俺は、一人、バカみたいに踊らされていただけだったんだな…。
『…じゃ、じゃあ、俺は何の為に彼女と別れたんだよ!』
『それは知らないよ。悠斗君が勝手にした事でしょ?私に、その責任は、取れないよ。』
『で、でもさ、本当の父親は、逮捕された訳だろ?だったら、もう、どの道、終わりだろ?そのまま、お別れだろ?だったら、俺が歩実を…。』
『悠斗君、私は、零児さんを待ってるの。出所して来るまで、いつまででも凛太郎と二人で待ってるつもりなの。だから、悠斗君。悠斗君とは、もう、この瞬間でもって終わりにして欲しいの。』
『歩実…。』
『あと、私達は、来月、この街を出て行く。』
『え?』
『単純に、ご近所の好奇の目に晒されて、居続けられる訳がないからね。私は、そこまで強くないもん…。』
『歩実…。出て行くってどこに?』
『そんなの言えないよ。だから、もう終わりなの。』
『そうか…。なんか俺、バカみたいだったな。勝手に一人で勘違いして、勝手に一人で舞い上がって…。』
『悠斗君…。』
『歩実、これだけは分かってくれないか。俺は、本気だった。父親になる覚悟。歩実と結婚する覚悟。本当に本気だったんだ。だから、歩実には、幸せになって欲しい。どこに行くのかは、知らないけど、どこに行っても必ず幸せになって欲しい。』
『悠斗君、ありがとう…。』
歩実から突き付けられた真実。それは、俺の人生にとって、どういう意味を持つのか。もし、俺が本当の父親だったら、夢だったミュージシャンを諦め、安定した収入を得る為の就職を選んだだろう。それは、本当に正しい選択になったのだろうか。覚悟を決めたと、言い放ったのは、ただの自己陶酔だったのか。勘違いだったのか。
正直に言う。俺は、ミュージシャンになる夢。諦めたくない。
つまりは、歩実から放たれた真実は、俺の未来に夢を残したのだ。伴侶を得る。家族を築く事は、今の俺には、幸せとは呼ばないんだ。どんなに傷付けられても夢を追いかける事が、その毎秒、毎秒が俺にとっての幸せなんだろうな…。
『…よく言ったよ、悠斗。お前は、まだ家族を持つには早いんだよ。だから、お前は、夢を全力で追っかけろ!』
『真司さん…。』
『俺達は、まだ、それでいいんだよ。自分一人の生活も、ままならない奴が家族を求めるなんて可笑しな話だ。俺達は、まだ、その前に、やらなきゃいけない事があるんだよ。今は、まだ、それだけに真っ直ぐ挑む時間なんだよ。』
『真司さん、俺、今回の事で、分かった事があります。』
『何だ?』
『俺、売れたいっす…。』
『悠斗…。』
『ミュージシャンとして成功したいっす!改めて、それに気付きました。』
『バカ野郎…。突き刺さるじゃねぇか!悠斗!俺も、ぜってぇ諦めねぇから!一緒に頑張ろうぜ!な!』
『真司さん、ありがとうございます…。』
『…ちょっと、二人だけで熱い夢を語り合わないで下さいよ。俺も居るんすから。忘れないで下さい!』
『おー、哲也。悪りぃ!悪りぃ!完全に忘れてたわ。』
『んー、そこまで、ハッキリ言われると気持ちいいすね。あははは!』
『相変わらずだな、哲也は。俺達の置かれてた状況なんて何も知らないもんな。』
『え?何かあったんすか?』
『ま、何にも話してないんだから知らなくて当然か。哲也は、いいんだよ、それで。何も知らない方が幸せだよ。』
『何か良く分かんないけど、俺、そんな気がします。あははは!』
真司さんの言葉。哲也は、笑ってたけど、俺には、深く突き刺さった。何事も無かった日常から、突然の歩実の子供の目撃情報。平穏を百八十度ひっくり返し、訪れた不穏な日々。結果的には、あの子は、俺の子ではなかった。でも、だから良かった訳じゃない。六年も経ってから歩実が強姦されていた事実、その犯人の子供を身籠もり、学校に来なくなった真実を知った。この六年の間、俺は、何も知らずに笑って暮らしていた。それを払拭する様に掲げた覚悟。でも、それが、実は、歩実の人生を更に追い詰める事になっていた事実。それを、この間、歩実に突き付けられた時、俺は、自分を憂いた…。
『…悠斗君、あと、最後に一つだけ、言っていい?』
『ああ、いいよ。何?』
『あの日、突然、悠斗君が、私達、親子の目の前に現れなかったら、零児さんは、逮捕される事はなかったの。』
『え?』
『ハッキリ言うね。悠斗君は、私達、家族の幸せを奪った。悠斗君の無駄な正義感が、知らなくて良かった事実を知らなくては、いけなくなったの。』
『歩実…。』
『悠斗君、私は、あなたを恨んでる。』
『そんな…。』
『私は、何も知らなくて良かった…。』
俺は、あの時の歩実の凍りつく様に冷たい目を忘れない。俺は、歩実の幸せを壊した張本人。だったら、俺だって、歩実に子供がいるなんて情報を知りたくなかったよ。それさえ知らなけりゃ、俺だって今頃、彼女と幸せにやってたんだ。
歩実、俺だって何も知らなくて良かったんだよ…。
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