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メインストーリー
4.学びなさい!
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「どもー魔王、最近どうですか」
「魔法使い様! なんで魔界に」
「ナノでいいですよ」
今日は月が綺麗な満月の夜。
こういう日は、どうしても身体が疼いて仕方ない。
私は魔界に一人でこっそり行った。
勇者様たちは今日のボス討伐で疲れてきっていた。
私の名前は、勇者様にもパーティーのみんなにも言っていない。
でも、魔王には言ってもいいことだ。
「ナノ様…確かその名前は、先代魔王の娘の名前…いや偶然ですよね」
「偶然なわけないでしょ。カルロさん」
そう、私は先代魔王の娘。
魔物に殺された、人との和解を望んだ魔王の娘だ。
「あなたはお父さんと同じ思想なんでしょ? カルロ」
「ナノ様がまさか生きていたなんて、城の襲撃時に殺されたと聞いていたので」
魔界で起きた謀反、真っ赤に燃える城、血だらけになりながら戦うお父さん。
目が回った、世界が死んだ、私の心が壊れた。
お父さんに言われたから私は逃げた、ただひたすら。
その後のことは正直全くと言っていいほど覚えていない。
命からがら生き延びた私に、手を差し伸べてくれたのが勇者様だった。
気付いたら私は、魔界近くの小さな村のベットで寝ていた。
目覚めた後に彼が勇者だと聞いて、私はチャンスだと思った。
お父さんの夢を叶えるために、この人の仲間になろうと思った。
「お父さんが叶えられなかった夢は、私が絶対に、絶対に!」
「ナノ様! 身体が」
気付いたら、私の頭からツノが生え、下半身からは尻尾が生えていた。
満月の夜は、闇の魔力の力が増す。
私には大きすぎる力に耐えられなくなってしまう。
「ケルベロス! 水を持ってこい」
ケルベロスさんは、大急ぎで水を持ってきて、私に渡してくれた。
「ケルベロスさんって確か、殺したはずじゃ」
「これは私が生み出した合成獣です」
この魔王、やはりかなり素質がある。
合成獣などを生み出す魔族は、私の聞く限り存在しない。
これならもしかしたら。
「だいぶ落ち着いたよ、ありがとね魔王とケロちゃん。また来るかもしれないからよろしくね兄弟!」
「はい、ナノ様必ずや平和な世界を」
「勇者様~! おはようございまーす」
私は次の日、いつも通りに勇者様を起こしに行く。
全てを仕組んで、必ずや平和な世界を手に入れる。
「今日は勉強会です!」
「魔法使いのくせに何仕切ってんだ」
「とうっ!」
騎士さんは、昨日と同じように吹っ飛んだ。
今回は調節できたので三十メートルで収まった。
「問題です! 昨日戦った傀儡師パラペットですが、倒し方を答えてください」
勇者様から、武闘家さん、騎士さんと言う順番に答えてもらおう。
「みんなで協力する」
「殴る」
「斬る」
馬鹿が一人と、脳筋が二人ということがわかった。
とりあえず、誰一人としてまともな奴がいないのがわかった。
「正解は、パラペットの左右の人形の色は赤と青でしたよね? パラペット本体の目の色と同じ方に攻撃をするとダメージを与えられます」
これは、冒険者組合が発行している、初心者でも簡単! 魔物の攻略法という本に書いてあることだ。
まあ、わたしなら魔法で一撃なのですが。
「皆さんは倒し方を知らなすぎるのです」
これから一つ一つ指導するとなると頭が痛くなってくる。
武闘家さんは飲み込みがいいからすぐに覚えると思うが、問題は勇者様と騎士さんにある。
あの二人、極度の馬鹿だからなー。
「魔法使い様! なんで魔界に」
「ナノでいいですよ」
今日は月が綺麗な満月の夜。
こういう日は、どうしても身体が疼いて仕方ない。
私は魔界に一人でこっそり行った。
勇者様たちは今日のボス討伐で疲れてきっていた。
私の名前は、勇者様にもパーティーのみんなにも言っていない。
でも、魔王には言ってもいいことだ。
「ナノ様…確かその名前は、先代魔王の娘の名前…いや偶然ですよね」
「偶然なわけないでしょ。カルロさん」
そう、私は先代魔王の娘。
魔物に殺された、人との和解を望んだ魔王の娘だ。
「あなたはお父さんと同じ思想なんでしょ? カルロ」
「ナノ様がまさか生きていたなんて、城の襲撃時に殺されたと聞いていたので」
魔界で起きた謀反、真っ赤に燃える城、血だらけになりながら戦うお父さん。
目が回った、世界が死んだ、私の心が壊れた。
お父さんに言われたから私は逃げた、ただひたすら。
その後のことは正直全くと言っていいほど覚えていない。
命からがら生き延びた私に、手を差し伸べてくれたのが勇者様だった。
気付いたら私は、魔界近くの小さな村のベットで寝ていた。
目覚めた後に彼が勇者だと聞いて、私はチャンスだと思った。
お父さんの夢を叶えるために、この人の仲間になろうと思った。
「お父さんが叶えられなかった夢は、私が絶対に、絶対に!」
「ナノ様! 身体が」
気付いたら、私の頭からツノが生え、下半身からは尻尾が生えていた。
満月の夜は、闇の魔力の力が増す。
私には大きすぎる力に耐えられなくなってしまう。
「ケルベロス! 水を持ってこい」
ケルベロスさんは、大急ぎで水を持ってきて、私に渡してくれた。
「ケルベロスさんって確か、殺したはずじゃ」
「これは私が生み出した合成獣です」
この魔王、やはりかなり素質がある。
合成獣などを生み出す魔族は、私の聞く限り存在しない。
これならもしかしたら。
「だいぶ落ち着いたよ、ありがとね魔王とケロちゃん。また来るかもしれないからよろしくね兄弟!」
「はい、ナノ様必ずや平和な世界を」
「勇者様~! おはようございまーす」
私は次の日、いつも通りに勇者様を起こしに行く。
全てを仕組んで、必ずや平和な世界を手に入れる。
「今日は勉強会です!」
「魔法使いのくせに何仕切ってんだ」
「とうっ!」
騎士さんは、昨日と同じように吹っ飛んだ。
今回は調節できたので三十メートルで収まった。
「問題です! 昨日戦った傀儡師パラペットですが、倒し方を答えてください」
勇者様から、武闘家さん、騎士さんと言う順番に答えてもらおう。
「みんなで協力する」
「殴る」
「斬る」
馬鹿が一人と、脳筋が二人ということがわかった。
とりあえず、誰一人としてまともな奴がいないのがわかった。
「正解は、パラペットの左右の人形の色は赤と青でしたよね? パラペット本体の目の色と同じ方に攻撃をするとダメージを与えられます」
これは、冒険者組合が発行している、初心者でも簡単! 魔物の攻略法という本に書いてあることだ。
まあ、わたしなら魔法で一撃なのですが。
「皆さんは倒し方を知らなすぎるのです」
これから一つ一つ指導するとなると頭が痛くなってくる。
武闘家さんは飲み込みがいいからすぐに覚えると思うが、問題は勇者様と騎士さんにある。
あの二人、極度の馬鹿だからなー。
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