勇者様より私ががんばってます

空沙樹

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メインストーリー

3.プロローグ2

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「魔王、貴方確か記憶を操作する魔法を使えますよね?」

「可能ですが…いったい誰に?」

「勇者のパーティーに決まってるじゃないですか」

 あまり人道的とは言えないが、あの人たちをやり直させるためには仕方ないです。
 嗚呼、異世界に凡人をトリップさせて面倒を見る神様の気分です。

 願わくば…勇者様の力で魔王を倒せる未来を。



 羊たちを追いかける農民、清々しいとは言いづらい鶏たちの合唱。
 うるさい世界だが今から行く世界、つまり魔界よりはまだマシだと私は思っていた。

「勇者様~! 起きてください」

「んっ…ああ」

 私は勇者様のパーティーメンバーの魔法使いです。
 もうそんな自己紹介聞いた、なんて言わず、2度目の世界だと思って楽しんで行ってください。

 因みに、私が今起こしているのが、この世界の主人公 勇者様です。
 私はこの方に返しきれない位の恩があるので、このパーティーに入り、この私の馬鹿げた力で勇者様を守ると誓った。

 本人にはいっていませんが。

「おーい、出来たぞ」

 この声の主は武闘家さん。
 顔に似合わず、裁縫、料理、洗濯などと割となんでもこなします。
 因みにパーティーで最年長です。

「魔法使い…まだ生きてたのか」

「とうっ!」

 私が今、飛び蹴りをした相手が騎士さんです。
 勇者様にはとても懐くのに、私のことはとても嫌悪しています。

「騎士さん倒れちゃいましたよ。騎士としての自覚あるのかな~壁職が聞いて呆れるよ」

 そう、私が今したいのはメンバー紹介などではない。
 このパーティーの育成だ。

 とりあえずこの、生意気なガキ、もとい騎士さんを育てる。

「なんだと、このクソ魔法使い! 表出ろよ」

「いいですよ~」

 挑発に乗りやすい単細胞、もとい騎士さんはとても扱いやすくて楽だ。

「また始まったか」

 武闘家さんはため息をつきながら、私たちについてきた。

 ここで一つ補足説明、この世界にはジョブがあって、騎士さんの場合には騎士、私なら魔法使いといった感じである。
 そしてサブ職というものもある。
 ここが問題なのだ、騎士さんはサブ職を剣士にしている。
 これに特に意味はない。
 強いて言うとするなら、攻撃力が10だけ上がる。
 メインに壁職を選んだ場合、サブ職には重騎兵などで守備力を上げるのがテンプレだ。

 脳筋プレイのこの騎士に武闘家に勇者、三人前衛で私だけ後衛という状況。
 三人の回復は全て私が担当です。

 サブ職も僧侶にしてます。

 

そんな説明をしている間に、草原に着きました。

「今まで許してきたが今回だけは許せねえ!」

「御託はいいからかかってきなさい」

 十秒で勝ってあげるから。
 騎士さんは何も考えずに突っ込んできた。
 私はため息をしながら、箒に意識を集中させた。

「我流棒術 纏 風雷裂波」

 騎士さんは五十メートル先まで吹っ飛んでいった。
 騎士さんは、体がピクピクするだけで全く起き上がらなかった。

 あれ、死んでないよな。
 調節はかなりしたと思ったけど。

「あれ~やり過ぎちゃいましたか」

「魔法使いちゃんってこんな強かったのか!」

 武闘家さんは、私の技を見て驚いていた。
 後から来た勇者様も、言葉を出さずただ騎士さんを見ていた。

「正直言って皆さんは、魔界に行くほどの力を持っていません。私があなた方を鍛えます」

 騎士さんがやっと意識を取り戻した。
 騎士さんにも言葉が聞こえたらしく、猛反発していた。

 仕方がないので、私は一つの条件を出した。

「じゃあ、三人でカランダ山のボス、傀儡師 パラペットを倒してきてください。一時間帰ってこなかったら、回収に行きます」

「面倒くせえが、一回負けたからな。仕方無え、行ってやるよ」

「1時間ですよ~、武闘家さん、勇者様、申し訳ありません」

「いいよ、魔法使いちゃん。力がないのは薄々気付いてたし」

「俺もそう思ってたとこだ」

 勇者様、武闘家さん、泣かせてくれますね。

 
~1時間後~



 回収に行ってきました。

 
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