勇者様より私ががんばってます

空沙樹

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番外編

1.魔界について

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「え?今後の展開が考えられないから時間を稼げですか」

 ナノ様は魔力消費の激しい、テレパシー系の魔法をよく使う。
 最近だと酒を飲みに来る時はほぼ毎回使っていると思う。

「メタいこと言うなよ! あと考えられないんじゃない、思いつきまくって困っているところだ」

 多分嘘なんだろうな、なんて思っていると直ぐにテレパシーを切られてしまった。
 そんな感じで今回は私、魔王が魔界について色々一人語りしていきたいと思います。
 
 そもそも、ナノ様は全く説明していませんでしたが魔界が何処にあるかなど、魔界と人間界には境界があることなど重要なことがたくさんあるのです。
 まず、なぜ魔物と人間が争っているかという話になるのですが、それを説明するには歴史があるので大まかにしかできません。
 簡単に言ってしまうとするなら、同族の争いを終わらせるために新しい敵をつくった、と言うのが正しいでしょうか。
 必要悪という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
 つまりはそういうことです。

 続いて魔界と人間界についてですね。
 この二つには大きな大森林に境界線というか、ゲートがあります。
 これは、人間界の大神官が争いに嘆いてつくったものと言われています。

「おい、カルロ! 駄目じゃん、もっと面白くしていこうよ」

 相変わらず無茶ぶりをしてきますね。
 私もあまり、話すことは得意ではないのですが、仕方ないです。
 次は魔王とは何かということについてでも話しましょう。
 魔王とは、魔界で最も優れたものがなるものとされていますが、実際は幹部の十二人の中でジャンケンに負けた者がやることになっています。

「どうでしょうか? これはなかなか面白くないでしょうか」

「おい、カルロ! それだから魔界一の堅物なんて言われるんだよ、まあ安心しろ、私が面白くしてやるから」

 後方から何かが急接近していることには気づいていましたが、それのことなのでしょうか。

「魔王様、危な…」

 ケルベロスが跡形もなく吹き飛びました。

「何やってんですか! ケルベロスが木っ端微塵ですよ」

「え?まじか、お前の脳髄吹き飛ばす気で投げたのにケロちゃんに止められるとは…ぐぬぬ」

「ぐぬぬ…じゃないですよ! それやっちゃダメですよ、魔物全員人間界に進軍しますよそれじゃ」

 ナノ様って普段から大分、子供っぽい感じですが、勇者といる時もそうなんですかね。
 まあ、今回はこんな感じで終了です。

「笑いなしだったな、魔王」

「やかましいです」
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