勇者様より私ががんばってます

空沙樹

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番外編

2.魔王城の紹介

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 どうも、前回の不人気から巻き返そうと頑張る魔王ことカルロです。
 今回は魔王城にいる仲間を紹介したいと思います。

「にゃっはー! 堅物カルロよー、用があるっつわれたから来てやったぞ」

 彼女はアカネ、猫又の一族の族長兼魔界の十二幹部の一人だ。

「私一人では面白いことを言えないから、なんか面白いこと言ってくれ」

「おいおい、なかなかの無茶振りだにゃ~他にも幹部いるし、そいつらを紹介してみたらどうだ」

 そういう意味で面白いことを言ってくれと言ったわけではないが、それも面白そうだな。
 これはすぐに実行しよう。

「なぜついてくる」

「面白そうだからに決まってるにゃ」

「なんか無理してそうなキャラだよな」

「テメーキャラとか言ってんじゃねえぞ、魔界のスターに殺されたか? おどれは」

 彼女は魔界では人気があり、人間界の踊り子的なものもやっているらしい。
 実際性格はかなり悪いが、まあそれは置いておこう。

「性格悪いってさー!アカネ」

 どこからともなく現れたこいつはクロウトだ。
 心を読む能力を持っていて、キマイラをつくる時に血を借りた奴だ。

「おい、カルロ! 実力は同じなのに偉くなったもんだにゃー」

「じゃ、俺はそろそろ行くよ」

 クロウトの奴、この場を引っ掻き回して帰っていったぞ。
 信じられないやつだ。

「まあ、アカネのボディはその口から出るワガママよりすごいからプラマイゼロだよね、それに比べて私なんか」

 この卑屈な奴が、シイラだ。
 悪魔の一族で、鎌を使わせたら右に出るものはいないと言われている。

 本人的には十二幹部にいる資格なんてないと言っていたが、幹部の中ではかなり上の実力だ。

「まだ成長期だし気にするなよ。お前はこいつと違って謙虚さがある」

「ははっ、私は体まで謙虚ですからね。マイナスのマイナスでマイナスの二乗ですよ」

 この性格さえなければ本当にいい子なのに。

「おいおい、可愛い女子おなごがそんなこと言っちゃ大なしだぞ」

 こいつは幹部の中では一番個性的なや奴だ。
 名前は、デュランダル。
 ゾンビで妖刀と聖剣を使う、という意味のわからない設定がある。
 生前は聖騎士だったらしいが、妖刀に興味を持ち、ヘマをこいて呪い殺されたらしい。
 性格は穏やかでとても紳士な男(死体)だ。

「猫に性格の悪い妖怪、それに謙虚な悪魔と紳士なゾンビとはまあ、なんと面妖な幹部なんだろうな」

「そんにゃこと言ったら呪いを専門とする一族の化け物と呼ばれていて、そのくせ超美少女のあんたも大概だにゃ」

「それは同感だねー」

「私なんかが言っていいのかわかりませんが、私も同感です」

「拙者も同感だ」

 今言っておくと、妖刀の影響でデュランダルは侍?という一族のような言葉遣いになってしまっている。
 あと私は可愛くはない、絶対にだ。

「確かにカルロと初めて出会った時、なにこの美少女、と思った」

「やめてください、ナノ様!」
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