所詮異世界いっても引きこもりは変わらない

空沙樹

文字の大きさ
2 / 6

2.俺の異世界は四畳半

しおりを挟む
 異世界に来て、16年が経ちましたよっと。
 結論から言うと、異世界でも引きこもってます。
 理由、理由なんてそりゃ、外に出るとデバフ食らうからですよ。

 異世界生活5年目にその事実に気づいた。
 転生ということなので、5歳の俺は楽しく遊ぼうと外に出た。
 悲劇はそこで起きた。

 ステータス異常発生
 *毒
 *鈍化
 *混乱
 *暗闇
 *体力低下

 4歳までは痛覚とやらがなかったのか、体力1のまま楽しそうに遊んでいたようだ。

 この日から俺は引きこもりライフを送っているわけだ。
 こんなのライフがいくらあっても足りねえぜ。
 神様のダジャレが少しうつったのは放っておこう。

 新しい母と父は、俺を憐れんで沢山のおもちゃを買ってきてくれた。
 人形、裁縫セット、お料理おもちゃセット、可愛い服、よし、そろそろ気づいたでしょう。
 もう一つの悲劇、転生したら女になったんだが、それは。

 現在はあのインチキ神様に文句を言うための、神託を作っているところだ。
 残りは、神々の宝珠を真ん中の窪みに入れて、完成。
 【誰でも作れる神託キッド】の製作が完了した。

 魔力を込め、神様との連絡を試みる。

「もしもーし神様ですか」

 しばらくたっても返事はなく、諦めかけていたその時。

「お、…ぬし ……よ…で……たのう」

 回線がうまく繋がっていないようだ。
 付属のアンテナみたいなものを指してみることにした。

「おお! おぬしか? 聞こえておるか、10年ぶりくらいか」

 まさか、こんな簡単に神様と連絡が取れるとは思わなかったが、何はともあれ、文句を言ってやる。

「おぬしの標準値にも満たない前世のすてーたすのせいじゃろうが」
 
 心を読まれて、先に答えられてしまった。
 だが、もう一つ文句がある。

「ふぁんたじーの世界の勇者は女じゃいかんのか?」

 文句を言う前に、正論で全て論破されてしまう。

「ぐぅ…マジレス乙!」

「低脳乙」

 すぐに返事が返ってきた。
 あの野郎、現代社会に慣れてきてやがる。
 まさか、俺と対等に話をするとわ。

「まあ良いではないか。おぬしは神託の声を聞き、魔力を込めたもの全てが神具となる能力を持っておる」

 確かに、遊んでいた人形は自我を持ち喋り、洋服には意味のわからない魔法が付与され、裁縫セットに限っては、石を切ったり、縫ったりすることさえ可能だった。

「やっぱりあれは」

「うむ、勇者補正じゃな」

 これで外にさえ出れれば、俺は無双勇者確定だったというわけか。
 確かにファンタジー世界で無双勇者にはなれたが、家から出れないというのはなんとも。

「それよりおぬし、過去の回想短かくないかのう? 周りに呪われた聖女ってよばれたり、魔女扱いされたりしたことは話さんのか」

 デジャヴって怖いですよね。
 メタい発言をしているあなたに言いたい、それはあなたより偉い神様がまだネタを考えていないんだと。
 番外編みたいので尺を稼ごうとしているのだと。

「唯一神のわしより偉いものなどいるか」

 神様は軽快に笑った。
 とりあえずこれからの方針は神様に助けてもらって、デバフを解除する。

「次回 超絶イケメン彼氏登場!」

「どちらかというと百合展開のが可能性あるじゃろうが」

 マジで神様、地球の排気ガスにやられて過ぎてますよ。
 16年前の純粋な神様はどこへ行ったのやら。 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。

灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。 彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。 タイトル通りのおっさんコメディーです。

【完結】モブ令嬢のわたしが、なぜか公爵閣下に目をつけられています

きゅちゃん
ファンタジー
男爵家の三女エリーゼは、前世の記憶を持つ元社畜OL。社交界デビューの夜、壁際でひとりジュースを飲んでいたところを、王国随一の権力者・ヴァルナ公爵カイルにスカウトされる。魔法省の研究員として採用されたエリーゼは、三年間誰も気づかなかった計算の誤りを着任三日で発見。着々と存在感を示していく。一方、公爵の婚約候補と噂されるクロード侯爵令嬢セラフィーヌは、エリーゼを目障りに思い妨害を仕掛けてくるが...

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜+おまけSS

himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。 えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。 ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ! アルファポリス恋愛ランキング入りしました! 読んでくれた皆様ありがとうございます。 *他サイトでも公開中 なろう日間総合ランキング2位に入りました!

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

処理中です...