とりあえずのとりあえず

syu-innonne

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「クリムゾンドラゴンっていうんですか?」

「そうだ」

堂々と応えるメルフィーアと対し、カミトは戸惑いを覚えた。

「あの巨大ロボット、クリムゾンドラゴンって言ってましたよね?どうやって出したんですか?」

「・・・・気が付いたら呼び出していた」

メルフィーアは少し考え込んだ後、静かに答えた。

「え??」


「実を言うとだな、わたし自身もわからないのだ」

メルフィーアはハハハハっと豪快に笑った。

「・・・そうですか」


カミトはうつむいた。

「なんだ?あれは?」

メルフィーアは学校の裏山の方を指差した。

そこには高層ビルと同じサイズの巨大なトカゲがいた。
トカゲといえばトカゲだ。
サイの形に似ている変な色のトカゲだ。

「・・・・・・・トカゲにしてはデカすぎじゃないですか?」

カミトは呟いた。

「おーい!メルフィーア!!先生が探してたぞ!!」

メルフィーアのクラスメイトの声がした。

「ドラゴーン!!!!」

メルフィーアはどこからか取り出した剣を天に掲げ、叫んだ。

「逃げろ!!バカ!!」

剣から放たれている光にメルフィーアは包まれてた。
その光景が始まった瞬間、カミトは駆け出した。
そして、屋上近くまで来ていた少年を掴んだ。



紅蓮の鎧を纏った巨大ロボット、クリムゾンドラゴンは、巨大なトカゲの前に姿を現した。
サイを彷彿とさせる奇妙なトカゲだ。


「カミト、見ろよ!!トリケラトプスだ!!」

カミトが連れて行った少年が叫んだ。

「トリケラトプスって恐竜の!?」

言われて見れば角が三本ある。
口もオウムっぽい感じだ。
トリケラトプスの本来の大きさは、
博物館に収まる程度だが、今ここにいるそれは
あまりにも巨大で過ぎると言えよう。

「博物館で見たのと色が違うような気が・・・・?」

「だって、あれは想像上だろ?」

カミトは少年の言葉になにか返そうとしたが
少し考えてやめた。

ーーーー確かにそうだ。その通りだ。
しかし、蒼く光る黒い皮膚と黄金色に輝く角は目立ち過ぎるとしか言えない。

ーーーー本当にそれはトリケラトプスなのか?

カミトはひたすらその言葉を抑えた。



「ジェネシス。行くぞ」

メルフィーアはコクピットに座り、スイッチを押した後、レバーを強く握った。
メルフィーアが身に纏っているのはブレザーの制服ではない、赤を基調としたパイロットスーツだ。

「・・・メルフィーア、無理ヲスルナ」

「わかっているよ」

メルフィーアはフフッと笑いながら返した。
彼女は嬉しいのだ。また、懐かしい日の友人と話できるのが、そして紅の騎士になることが。
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