とりあえずのとりあえず

syu-innonne

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「大戦中ならまだしも、
 大戦が終わって十数年しか経ってません。
 その必要性はありませんとオレは思います」

カミトは冷静に返した。

「まぁ、少なくとも
 オレと兄さんと言う例外はいるけど。
 余分な戦力は争いの元だよね、さえずりさん~」

焼けた数枚の肉を頬張りながら黒髪の少年は言った。

「でも、やっぱりいつぞやの襲撃みたいなことは確かにあってもおかしくはない。その気持ちは理解してあげて」

「・・・・さえずりさん」


メルフィーアはさえずりを見つめた。

カミトは冷静に言葉を紡いだ。

「さえずりさんの言う通りですね。
 大戦直後に退役された人達も銃を握ったって
 言いますから気持ちはわかりますよ」


さえずりは優しく言い放った。

「で・も!無茶は駄目!勇者様、勇者様は一人しかいないんだから」

「さえずりさん、無理はしない。まぁ、あの時は消耗し過ぎたんだ。一気に使ったから」

メルフィーアは焼けた肉を大量に皿に取り
そして肉を焼き始めた。

「体力をつけるためにガンガン食うぞ~~!!」

「追加、頼んでいいですか?」

「あぁ、好きなだけ頼むといい」

「やっほー!!兄さんももっと頼みな」

「ではハンバーグとウィンナー、ミノをいただこうかしら」

楽しそうに肉を焼いて食べている
メルフィーアたちの横でカミトは思った。

ーーーー何を一気に使ったんだ?

カミトは冷静に我に返り、改めて思った。


ーーーーそもそも、あのクリムゾンドラゴンの動力源は一体何なんだ?

ただ、疑問がひたすら頭に過る。

ーーーーあの剣は何なんだ?
    隕石から出てきたとか言っていたな
    そして彼女は一体何者なんだろうか?

カミトはスッキリはしないものの、
それを言ったら自分たちのことも聞かれるだろう。

と考え、疑問を焼けた肉と共に押し込んだ。

「すみません。オレはタレ付きチーズカルビで」

「あっ!!!オレも!!オレも!!」

「もう~。アラト、どんだけ食べざかりなのよ」

「違いますよ。オレはお肉食べたい盛りですぅ」

アラトはさえずりのツッコミに目を光らせて応えた。
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