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ヴァルキュリア隊を再建しよう その9
しおりを挟む最速で凱旋を果たしたおっさんは執務室に駆け込むとストレイジア様に任務の遂行を報告する。口上とかなんでもいいからとりあえず開放して欲しい。
「ご苦労だったな。流石は私が見込んだだけのことはある」
ストレイジア様はすでにしっかり軍服を着ている。食堂のイベントは終わったから別に不自然ではないか・・おっさんの暗示が緩んでいる可能性もあるが。
「いやぁ務めを果たしたまでのことで・・と言うことで薬の調合の手助けに行きたいと思いますが・・」
ここは暗示が効いているのか試すべきだろうか・・。
「いいだろう。衛生長のガブリエラ中尉には話は通してある。挨拶に行って来るといい。救護室はそこの階段を下りて真っすぐいけばわかるだろう」
ここは素直に通ったか・・なんでおっさんがこんなにビクビクしないといけないのやら・・。
「はっ・・はい!それではいってきます」
せっかく許可が下りたんだ。藪をつついて蛇でもでたらマズイからここは素直にこの流れに乗るとするか・・。薬さえ掌握すれば巻き返せるかもしれんし。
「ああっ・・それから今は空き部屋がない。救護室にはベッドがあるからしばらくはそこを使うといい」
「はっ・・では・・」
ふぅ・・ベッドの使用許可が出ただけマシなのか。
・・・・・
・・・
・・
えーっと・・ここか・・救護室と表記されているし間違いないだろう。
コンコン!
ノックをしてから中に入る。白い壁に仕切りのベッドが4台ほど置かれている。人の気配がないので留守みたいだ。
「・・・・少し待つか」
コンコン!
ベッドに腰をかけようとしたときノックの音がなる。
「すいませーん・・ちょっと調子が悪いんですけど・・」
入ってきたのは金髪ツインテールの隊員だった。まだ若い10代中頃だろうか、スレンダーな体形ではあるが胸はやはり大きい。ここにいるのは貴族が多いからか胸が豊満な娘が多い。栄養が豊富な環境にいるからなのかよく育っている。それともストレイジア様の趣味で選ばれているからか・・だとすればありがたいことである。
「えっ!あんたは・・・・」
「ああっ・・やぁ、おじさんは・・」
「知ってる!なんかよく知らないおっさん!」
やや敵意を感じるな。初対面ではただのおっさんにしか見えないか。
「ああっ・・でもおじさんは一応少将扱いだから・・」
「でも平民なんでしょう?」
「それはそうなんだけど・・」
「じゃあ無理。私は貴族だから私のほうが偉いから!私は名誉あるヴァーミリオン家の末姫、ホワイトスノー伍長よ。これからは私の命令を聞くように。靴磨きならさせてあげるけど」
ヴァーミリオン家は確かに名門だな。しかしなんとまぁ・・純粋貴族培養されたような娘だな。仮初ではあっても一応少将なんだけど。しかも伍長って、もしかしたこの船では下っ端ではないのか・・よく胸を張って宣言できるな。逆にここまでいけば面白いけど。しかしなぜ伍長なのか・・あの家名ならもっと上にしてくれそうではあるが。
「なるほど・・それはそれとしてなぜ救護室へ?衛生兵なのかい?」
そんな雰囲気ではないからたぶん違うだろう。
「私がそんな野暮ったい兵科につくわけないでしょ!私はもちろん花形!薬を貰いに来ただけなんだけど・・あっ・・」
なんだかしきりに腰をくねくねさせている。もしかして媚薬の効果なのだろうか。
「薬かい?」
「そう。ちょっと前にもらったやつ・・ちょっと落ち着いたらまたぶりかえして・・」
薬とは例のアレのことか。まさかもう全員に行き渡ってしまったのだろうか。時間がかかるとか言って気もしたけど・・でも薄めるとも・・。
「ああっ・・んんっ・・」
マジマジと揺れる体を見ていると睨み返される。
「なにジロジロ見てるのよスケベおやじ!平民風情が!穢れるから出て行って頂戴!」
やや高慢ではあるがなかなか元気もいいし面白い娘だな。いい機会だしとりあえずおっさんの実験台になってもらおろうか。
「ホイ!」
「えっ?」
手を目の前で叩くとスノーちゃんの目が虚ろになる。どうやら催眠の暗示は生きているようだな。これなら問題ない。まだ薬の効果が薄いからか関係ないのかはわからんが。
「それじゃあ・・基本情報から聞いてと・・ふんふん・・なるほど・・」
確かにヴァーミリオン家だが本家ではなく分家筋らしい。末姫なのかもしれんが母親の身分は貴族でもそこまで高くないのでここに入隊して箔をつけたいようだ。もしかしたらやや苦労人なのかもしれんな。少しでも誇張しないと軽く見られる世界なのか・・。
兵科は珍しい、銃兵らしいのだ。銃も最近普及している兵器だがまだ重く取り回しが難しい。弾込めにも時間がかかるしな。今後軽量化され性能が上がれば恐ろしい兵器になるかもしれんが。この船にも数丁積んであったはず。
そしてなんとスノーちゃんは経験アリだと。なんと相手はアルフレード・バリストファンと言う貴族らしい。どこかで聞いたことがあると思ったがレベッカちゃんの許婚の相手だった男ではないか。スノーちゃんに手を出していたとはとんだスケコマシ貴族だ。なんだか無性に悔しいな。そんなやつにはスノーちゃんはやれん。おっさんが本当の真実の愛を教えてやらんと。
「じゃあ今から言うことを・・・・」
暗示をかけ終わると誰かが入ってこないように部屋の鍵を閉めた。愛と性欲のためにスノーちゃんを覚醒させるのだった。
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