唯一の魔法使い3

u2death

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約束の土地、不思議界、或いは魔法の王国

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強い絶望。
強い不信。
夢が減ったと言うよりは、疑いが増えすぎた。
それが王国崩壊の原因だった。
美しく、小さな夢。
人々はそれを信じることができなくなった。

魔力の最も強い王様、王妃さまは最初に消えた。
最初に形を保てなくなった。
絵にすれば酷い地獄だ。

「それをつぶさに見る必要はない。
人は死に引き付けられるが、醜悪な姿に、
大して意味はない」

王国は滅んだ。
魔法は終わったのだ。。

---

「起きて、起きてください」
夢の中で、誰かに呼ばれた。

レタス(。。なんだ?。。俺は。。寝てる?)

「あ、嘘。目を覚ましちゃ駄目です。
寝たまま答えてください」

なんか難しい事言ってるな。。

ふたりの謎の声がかさなって、歌のように聞こえて来る。
「これから大きな戦いが始まり、
その後であなたは決断をする事になります。
魔法の国をどう言う国として復活させるのか。
大事な決断です。

あなたの決めた形で、魔法の国は復活します。

それを今、決めなければなりません。
今が重要な分岐点なのです。
よく考えてください」
重なり合うふたつの声。

急に言われても。

レタスは選ばなければならない。
魔法の国をどんな国にするのか。

俺の決断は。。

ぐらり。

時空が揺れた気がする。
俺の決定が、世界の針路を大きく変えた気がする。
果たして、鬼と出るか、蛇と出るか?
方向は決定された。

目が覚めた。
朝だ。

さあ、とにかく先ずは
魔法の国を復活させる為に戦わねば。

---
一方、安土市前園の西谷叶愛の邸宅。
清々しい冬の朝が来た。
柔らかい日差し。
今日は天気が良さそうだ。

インフィニティ「あー、よく寝たわー。」
妖精が、小さな木のベッドで目を覚ました。
可愛らしい色鮮やかな絵の具で彩られている。

嬉しそうに妖精を眺める西谷叶愛。
インフィニティが戻ってきた。

嬉しいんだけど、

嬉しいんだけど、涙が溢れてくるわったら!
嬉しいのに!

西谷「なんで、なんでなのよう!」

うわーん!

インフ「あー、よしよし。
あなたって本当に寂しがりやさんなんだから。。
ごめんね、心配かけて。」

涙を拭いて。

そう、そうだわ!
私に涙なんて似合わない!

西谷「おかえり、インフ!
さあ、行くわよ!」
インフ「おー!」

素直にいつもこう言う顔をしたら、
みんな叶愛の事を好きになっちゃうでしょうに。

その方が可愛いわよ、
とインフは思ったが、言うのをやめた。
これは私の宝物。
悪いけれど、みんなにわけ与える必要なんて、ないもの。

---
夢ノ川「今日はあっちに行かない?」

いつもの学校の近くの三角公園ではなく、
近所の神社、子之社に集まった魔法使いたち。

前園団地の住宅街はそもそも丘陵地帯に作られている。
その小高い丘の上の神社へ。
長い階段を登って。

レタス「今度と言う今度は思いだしたぜ。。」

レタス「まりあ、本当にお前なんかしてたんじゃないのか?
ちょっと俺達、大事な事を忘れすぎじゃないか?」

まりあの使い魔、キタローも元気になった。

まりあ「してない。
魔法の規程どおり。」

青い鮮やかな冬の空。
たなびく雲。
今日は富士山は見えないが、
丹沢山の稜線がはっきりと、美しく見える。

階段を登りきり、境内に。
特段他に人は居ない。

夢ノ川「やろうよ、レタス!」

夢ノ川「魔法の国を復活しよう!
私たちの夢を取り戻す!
そして大人たちとの悲しい戦いは終わらせる。
そうしようよ!」

魔法の国は他人  ひとの国。
でも使い魔たちは大事な友だち。
今までは使い魔たちがやってきた物語だった。

ここからは彼女らの意志でつむぐ物語だ。
自分にできる事を。

レタス「かおりの固有魔法のパワーのお陰か。
ベクレイテル  ともだち。。」

愛甲石田「ともだち。。」
西谷「わたくしが『かおり』たちと出会って、」
湊未来「私も『かおり』に引き寄せられた」
夢ノ川「みんな、なかよし、だね!」

世界を変えるための唯一の魔法!

---

再び、満月の夜が訪れた。
しおりも含めて四人が集まった。

三人の魔法書が宙に浮かびあがる。
蓄えられた幸せの魔法の魔力が解放される。

まりあが起動の為の手順を行う。
魔法の国の再建魔法が再起動された。

今度こそ、疑念の総意たちとの最後の戦いが始まった。

魔法の国が安土市上空に浮かび上がる。
世界中から「悪いね!」が飛んできた。
この前と同じだ。

---

魔法の国が完全復活すれば、
国自身を隠す魔法が発動される。

そうなると、疑念の攻撃を全く受け付けなくなる。
魔法を信じる子供にしか見えなくなる。

復活まで、時間を稼がなければならない。

「悪いね」
「悪いね」

しおり「うりゃー」

しおりは飛来する疑念を杖で迎撃して行く。
かおりを護る。

かおり「ありがとう!しおりちゃん!」
サムアップ、しおり。

まりあは原初の魔法の弾を杖から放つ。

まりあ「疑念は元々は愛や喜び。
それが腐って疑念になった」

愛あればこそ、王宮の鍵を疑念たちは持っている。
彼らもかつては王宮に入り、魔法を喜び、
信じて、笑っていた。
だが今は憎しみ、破壊する為に王宮を目指している。

まりあ「私の魔法は状態を原初に引き戻す。
あいつらを愛や喜びに戻す」

愛甲石田「凄いじゃん!まさに浄化じゃん!」

まりあの放った弾が疑念に命中した。

「わるい。。ね。。」
あまり威力は強くない。
疑念の動きを弱める程度。

まりあ「ただし愛には時間が必要」
愛甲石田「くッ、一発では倒せないか!」

それでも、効果はある。
地面に落ちた疑念は、時間が経てば消える。

そもそも感情的なもので、
真剣に考えて疑っている訳ではないからだ。

ファイエル  全体魔法
炎があふれる。

疑念「ギニャー!」

夢ノ川「のあちゃん!」
西谷「炎でも一撃必殺とはいかないみたいね。。
何度かやらないと倒せないみたい」

だが、動きを止める程度で十分だ。
打ち砕く必要は無い。

だがそれらが段々と集まって固まっていく。
疑念の総意になる。

レタス「まずい、固まりやがった!」

のあ「ファイエル!」
まりあ「原初!」
夢ノ川「えーい」
愛甲石田「とりゃー」

総攻撃をかけるが、巨大な塊となった疑念の総意は攻撃を受け付けない。

キタロー「まずい!」
レタス「バリアが破れるぞ!」

魔法の国のバリアが破れ、疑念の総意は王国への侵入を果たした。
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