唯一の魔法使い3

u2death

文字の大きさ
7 / 11

疑念たちとの戦いの果て

しおりを挟む
王国の庭に降り立つ疑念の総意。
かつては喜んで遊んでいた魔法の庭。
今はただ、憎悪を込めて破壊するのみだ。

王国の庭に入った疑念の総意は5、6体に分離した。
それぞれが人の形を取り始める。

スポーツマン体型の若者であったり、
エリート会社員であったり、
屈強なスポーツ選手であったり、
ニート気取りの社畜であったり。
女性っぽいのもいる。

キタロー「くそっ、どうする?!猫?」

レタス「王国の復活に反対して、
奴らは世界中からどんどん飛んでくる。
なんとかバリアを修復できないか?
入口が開いていては幾ら倒してもきりがない!」

インフィニティ「任せて!そっちは私がやってみる!」
キタロー「私も手伝う!」

かおり「レタスたちはそっちをお願い!」
レタス「任せとけ!」

愛甲石田「スポーツマンタイプは、あたしにお任せ!」
しおりが飛び出る。
スポーツマン「子供の癖に!」

西谷「じゃあわたくしは、えーっと。。」
エリート「あなたのお相手はわたくしですよ」
西谷「はあ。。しょうがないわねえ。。
エリート『気取り』サラリーマン?
エリートの癖に子供の夢が憎いの?
何をお勉強してきたのやら!」

女性型の疑念の総意が獲物を見つけて身体をくねらせる。
女性「あたしはこっちの弱そうな子をやるわ。。
なぜなら弱そうだから。。」

意地の悪そうな笑顔。
夢ノ川「ほえええーー、怖いよー!」

湊未来「ええと。わたしは。。」

湊未来「なんか、他にもいっぱいいる。。」

屈強「ぐぬぬぬ」
ニート「クククク」

湊未来「とりあえずやり過ごす!原初!」
残りはまりあが、一旦受け取り時間を稼ぐ。
とにかく、時間を稼がなければ。

夢ノ川「ほええ、ほええ!」
押されている夢ノ川。

かおりの魔法はあまり強くない。
人魂  ひとだまを薙ぎ払うのが精一杯だ。

女性「あはは!弱っちいわ!
全然弱いわ、この子!」

別の個体「おおい、俺にもやらせろよ」
被虐的な別の個体。
弱いものをいたぶるのが好きでたまらない悪だ。

女性「えーやだー。
今息の根を止めるのにー」

夢ノ川「ほええ!」
止められちゃう!

愛甲石田「かおりん!」
音速を超える打撃が女性型をとらえた。
顔の形が歪む。

スポーツマン型をやり過ごしたしおりが、
飛び込んできた。

女性「。。ちょっとあんた、、痛いじゃないのよ。。」

女性「私の美しい顔になんて事してくれるのよ。。!」

愛甲石田「どう?魔法じゃなくても結構きくでしょ?」
女性「ガキが!」

愛甲石田はうまく敵を誘導して、かおりから敵を引き剥がした。

引き剥がしたけど。。!
どうやって倒そう。。
倒すと言っても中々倒せない!

ひたすら打撃を受け流しつつ。。
『のあ』か『まりあ』に倒して貰おう!
その作戦で行く!

別個体男「おーっとよそ見をするな?」
いかにも悪役が言いそうな陳腐なセリフを、別個体は唱えた。
夢ノ川「ほええ!」

別個体「ぞくぞくするほど弱いなあ、お前。
ゆっくりいたぶってやるぜえ。。」
絵に描いたような悪い奴。
なんて悪いんだろう!

かおりは小魔法の魔法弾を打ちつつ、とにかく敵の攻撃をやり過ごす。
敵と味方が入り乱れる。
何が何やらわからないが、とても疲れてきた。

「倒す」のはとても困難だ。

「倒せない」!
彼らを力でねじふせて、消滅させる事はできない!

ああ、悲しい!
どうして、夢を愛する気持ちや、喜びが。

幸福がこんなものになってしまったの!
みんな、しあわせを信じられなくなっちゃったの?!

夢ノ川「やめようよ!夢を責めないで!
笑顔を奪って、喜べるの?
全然しあわせじゃないよ!
悲しくなるだけだよ!」

別個体「うざいからだ!
うざい存在は許せない!」

夢ノ川「なんでうざいか、わからないの?
あなたたちが大人になったからだよ!」

大人と言う単語は疑念たちの嫌う単語だった。
動きが止まる。

別個体「違う!俺たちは大人だが、大人じゃない。。
何も責任なんて持ちたくない。。!」

会社員型「ハタチ過ぎたからって、何も変わらない!
大人なんか世の中にはいない!」

西谷「見苦しいわ。。ったら。情けないわね。。」
愛甲石田「大人なら、大人らしく子供を見守りなさいよ!」
西谷「大人のする事か!」

---

レタス「まずいな、また世界中から疑念が集まってきている。」

インフィニティ「バリアを修復したけど。。また破られるわよ!」
キタロー「なんとか倒せないのか?!」

少しして。

女性「はあはあ。。」
追加の疑念の力を得られない総意たちに、疲れが見えてきた。
攻撃の手が止まりがちになってきた。
かおりの固有魔法、「ともだち」は強い魔法ではないが常時発動している。
それが、少しづつ総意達に効き始める。


ともだち、ともだちか。
卒業したら居なくなったわねー。
学生時代はうざい付き合いばかりだったけど。
みんなが笑うので笑って、
みんなが悪口を言うので一緒に悪口を言ってた。
いい顔ばかりして、他人の顔色をうかがっていた。
全然本心じゃなかった。
ただ一人になりたくなかっただけ。
居なくなってせいせいしたわ。


でも笑っていた事もあった。
付き合いだけじゃなくて、楽しい事や、
真剣な事も幾つかあった。

何?わたし弱気になっているの?
この弱っちい小娘の魔法のせい?
弱っちい魔法のくせに!

ともだち。

この子にはいるのかしら、ともだち。

ともだちなんて、くだらない。。


女性「。。やめたわ」
やっていられない。
女性型は攻撃の手を止めた。

夢ノ川「ほえ?!」

女性「もう、いい。
戻って、彼と仲直りするわ。」

女性「時間がもったいない。
子供のころの夢を攻撃しても仕方がないわ!
そんなに私たち暇じゃないの!」

女性「こんなところに居る意味はないわ。
あんたらガキんちょの相手なんかしていられない。
鍵渡すわ!誰が受け取るの?!」

王国の鍵を差し出す、女性型。
鍵は夢の国へのパスポート。

女性「もう卒業ね。
ここへ来る事は二度とないわ。」

夢ノ川「ほえ。。」
かおりが鍵を受け取った。

別の疑念の個体に話しかける女性型。
女性型「あんたはどうなの?
もう充分お世話になったでしょ。
まだやるの?」

女性型「子供の夢を、子供だ、子供だって。
帰ったらどうなのよ?
あんたよっぽど暇なのね。」

「俺は。
帰ったところで、友だちも恋人もいないし」

女性「で?
まだ暴れるの?
ここでクダを巻くの?
子供たちの夢をぶち壊して?」

女性「あたしは、帰るわ。
今までありがとう、魔法の国。
楽しかったわ」

まりあが女性型の額に手をあてた。
疑念の総意の一部は、満足そうに帰った。

「。。俺も帰る。
ここで暴れてもしょうがない。
ここはもう、今の俺にはつまらないし。」

鍵を返し、また一体帰って行った。

そうか!
そうだったのか!

夢ノ川「みんな、よく話してみて!
ちゃんと話せばわかってくれるよ!
みんな大人だよ!」

戦意を失って行く疑念のカタマリ。
西谷の前のエリート、屈強な男たちも自分がやっていることの愚かさに嫌気がさす。
彼らは順々に鍵を返し、消滅して行く。

レタス「そうか、かおり!
固有魔法を直接相手に打ち込むんだ!」

かおり「ベクレイテル?友だちの魔法を?」

レタス「受け入れる心がある者は、それで浄化できるはずだ!」

かおり「わかった!」

かおり「みんな、もうやめよう!
自分の世界に帰ろう!
子供の夢を壊さないで!」

言葉を受け入れた個体たちが、鍵を返していく。
かおり「ベクレイテル!」

一方で、かたくなな連中は後退していく。
説得ができない個体たちだ。

再び結集し、巨体を作り直した。

愛甲石田「また、大きくなっちゃった。。」

巨人となって、魔法使いたちに襲いかかる。
強固に抵抗を続ける。

かおりが魔法を放ったが、弾いてしまう。
全く受け付けない。

「夢は、こんなもんじゃない!
こんなんじゃ騙されない!
楽しめない!」

「ガキっぽい夢は破壊しなければならない!
なぜならガキっぽいからだ!」

かおり「やめよう!鍵を返して!
帰りなさい!」

「リアルじゃない!
リアリティがない!」

その時、王国の鐘が一斉になった。

レタス「まずい、時間がない!」
キタロー「起動通路の内門がしまってしまう!」

インフィニティ「早く扉を開かないと!」
レタス「王国が起動できなくなるぞ!」



「ああ、もうしょうがないわね!」
終末の魔法使い。
時が来た、と西谷叶愛は悟った。

どうやら、「やるべき時」が来てしまったようだ。

西谷「行きなさい、かおり!しおり!まりあ!
王宮の奥へ!
こいつの鍵は、わたくしが倒して必ず持って行くわ!」

夢ノ川「のあちゃん!」

湊未来「死亡フラグがはっきりと見える」
西谷「やかましい!」

西谷の手の中で、炎が燃え上がる。

西谷「わたくし、、
わたくしは自分の使命を確信したわ!

終わらせる!
あなたを倒して、疑念の循環に
終末をもたらすわったら、
もたらすわ!

わたくしは、誇り高き終末の魔術師!
西谷叶愛よ!
さあ、行くわよ!インフ!!」

インフィニティ「しょおにんッ!」
西谷「喰らえ!これで終わりよ!」

西谷「ファイエル  究極魔法ッ!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

物置部屋に追いやられた伯爵令嬢ですが、公爵様に見初められて人生逆転しました〜妹の引き立て役だったのに、今では社交界の花と呼ばれています〜

丸顔ちゃん。
恋愛
伯爵家の令嬢セレナは、実母の死後、継母と義妹に虐げられて育った。 与えられた部屋は使用人以下の物置、食事は残飯、服はボロ。 専属侍女も与えられず、家の運営や帳簿管理まで押し付けられ、 失敗すれば鞭打ち――それが彼女の日常だった。 そんなある日、世間体のためだけに同行させられた夜会で、 セレナは公爵家の跡取りレオンと出会う。 「あなたの瞳は、こんな場所に閉じ込めていいものではない」 彼はセレナの知性と静かな強さに一瞬で心を奪われ、 彼女の境遇を知ると激怒し、家族の前で堂々と求婚する。 嫁ぎ先の公爵家で、セレナは初めて“人として扱われ”、 広い部屋、美味しい食事、優しい侍女たちに囲まれ、 独学で身につけた知識を活かして家の運営でも大活躍。 栄養と愛情を取り戻したセレナは、 誰もが振り返るほどの美しさを開花させ、 社交界で注目される存在となる。 一方、セレナを失った伯爵家は、 彼女の能力なしでは立ち行かず、 ゆっくりと没落していくのだった――。 虐げられた令嬢が、公爵の愛と自分の才能で幸せを掴む逆転物語。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます

黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!

商人の男と貴族の女~婚約破棄から始まる成り上がり~

葉月奈津・男
恋愛
「あなたとの婚約、破棄させていただきます!」 王立学院の舞踏会。 全校生徒が見守る中、商家の三男カロスタークは、貴族令嬢セザールから一方的に婚約破棄を突きつけられる。 努力も誠意も、すべて「退屈だった」の一言で切り捨てられ、彼女は王子様気取りの子爵家の三男と新たな婚約を宣言する。 だが、カロスタークは折れなかった。 「商人の子せがれにだって、意地はあるんだ!」 怒りと屈辱を胸に、彼は商人としての才覚を武器に、静かなる反撃を開始する。 舞踏会の翌日、元婚約者の実家に突如として訪れる債権者たち。 差し押さえ、債権買収、そして“後ろ盾”の意味を思い知らせる逆襲劇が幕を開ける! これは、貴族社会の常識を覆す、ひとりの青年の成り上がりの物語。 誇りを踏みにじられた男が、金と知恵で世界を変える――!

処理中です...