唯一の魔法使い3

u2death

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別れ

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災厄は去った。
王国は復活し、魔法を信じる者以外には見えなくなった。

「悪い。。ね?」
疑念は飛ぶべき行先を失った。
暫くすると、消えていく。
大して意味のある意志ではないのだ。

王国が魔力を回復し、こうこうと魔力の光をたたえ始めた。
それを目印に、世界にちりぢりになった精霊たちが次々と集まって来た。
新しい国を作るために。

「こんなにいたの?」
見つめるしおりとかおり。
丸い光の円が、次々と彼女らの顔を照らす。

夢ノ川「すごい。。」
あっけにとられる。
とられまくりだ。
ああ、クリスマスのイルミネーションみたい。

愛甲石田「やったね!かおりん!」
サムアップ✨

夢ノ川「ほええ。。」

ふたり「やったー!」
-----

王宮は復活したが、王様がいない。
そう言えば、その辺りはどうなっているのか。
王様、王族の強力な魔力が王国を支えていた。

ざわめきがわき起った。
「王様はどこだ」
「王様がいない!」

「駄目だ、これでは魔法の国は不完全だ。。」
「また疑念に飲まれてしまう。。」

「王様、王妃さまはどこへ行かれてしまったのだ!
我々は見捨てられたのか!」

「折角王宮が復活したと言うのに。。」

レタス「何を言っているんだか。。」
猫が歩み出た。

レタス「国は復活したんだ!
俺たちだけでやっていくんだ!」

キタロー「そうだ、これだけ妖精がいれば魔法の国は完全だ。
何が足りないと言うのか!
人間の夢、幸福の夢を支えていこう」

「俺たちだけでできるのだろうか。。」

インフィニティ「あんたたちが権利放棄するならあたしがそれ、使ってあげるけど?
くれるの?」

「。。いや、自分でどうにかします」

誰が、何を担うのか、妖精たちの会議は続いた。

---

謎のふたり「いやー、やっとここまできましたね」
謎の、青と黄色の小さな妖精のふたり。

レタス「大変なのはこれからだけどな!
ってお前らって
結局、誰なんだっけ?」

謎「僕らの事なんか知らなくていいんですよ!
知らなくていい世界が始まるんですよ!」

レタス「ん?どう言うこと?」
さっさと、謎の二人は手を振って、去っていった。

---
会議を終えて、妖精達が部屋から出てきた。
かおり達は会議所の前で待っていた。

まりあが神妙な面持ちで従っている。
何かに耐えている。
はて。

キタロー「終わったな。では、」
不自然な仕草で、レタスに目配せをしたキタロー。

キタロー「そろそろいいか、猫よ。」

レタス「あ、ちょ。。!
待ってくれよ。。」

おかしな雰囲気。
なんだろう。
焦りぎみに、キタローを静止するレタス。
様子が変だ。

レタス「かおり!ありがとう!
お前は最高の魔法使いだったぜ!」

夢ノ川「へへへ。。」
愛甲石田「なんだよー、レタス。改まっちゃって。」

夢ノ川「レタスがお礼言ってるー(笑)
変なのー✨」

レタス「悪いか!
それからしおり!お前もな!」

愛甲石田「あたしはなんにもしてないよー。
魔法使ったのはカオリンだし。」

レタス「いや、お前も最高の魔法使いだった!
お前らの魔法は確かに唯一の魔法だった!
ありがとう、しおり!」

愛甲石田「てへ、照れるぜ✨
それほどでも、、あるよ✨」

レタスは、何故かとても悲しそうだった。
二人の姿を、忘れないようにしっかりと目に焼き付けると、
レタスは背を向けた。

それが別れであることを、かおりたちは知る由もなかった。

キタロー「さあ、原初の魔法を使う時だ、女神マリアよ」
夢ノ川「!何をするの?!」

愛甲石田の額を指差した、まりあ。
魔法の光。

呆然として、マリアの指を見つめる愛甲石田。

見ちゃいけない!
夢ノ川「止めて!みなとみらいさん!」

気を失い倒れた、愛甲石田。
夢ノ川「しおりちゃん!」

まりあ「ありがとう、かおり。
みなとみらいまりあなんて女の子はいない」
マリアの指が光る。

ああ、
見てはいけない、と思いつつ、かおりも「まりあ」の指を見てしまう。
気が遠くなる。

駄目だ。
何が何だか。。わからなく。。

かおりは気を失った。

ふたりは気を失って倒れた。
名残惜しそうに、ふたりを見つめるレタス。

キタロー「本当にこれでよかったのか?猫よ」

レタス「これ以上、この町の人たちに迷惑はかけられない。
最初からこの魔法で決まっていた事だ。
彼女たちの時間に返してやらなければ。」

レタス「一つ目よ、今後も俺の事はレタスと呼んでくれ。
この名前だけはずっと使っていく。
かおりがくれた名前だからな。。」

レタス「始めてくれ、女神マリア」

まりあ「原初の魔法を開始します。」
緑色の光が溢れ出す。

マリアはこれが役割であった。

最初に起動した原初魔法、
それは「魔法少女の時間」の開始だった。

種の保有者の力を育てて発動させ、魔法少女の時間を作り出す。
目的は果たされ、お話の力で魔法の国は復活した。

世界の時間と記憶を、あるべき原初へ戻す必要がある。
物語の開始と終了をつかさどる魔法、それこそがマリアの原初魔法だ。

湊未来「ありがとう、かおりん。
のあ。
そして、しおり。
私の記憶も消えるけど、忘れない!
優しくて強い女の子たち」

魔法の中で、湊未来聖愛としての自身の記憶が消えて行く。
役割が、終わったのだ。

安土市の全住人の記憶と時間が、
あるべき状態へ戻って行く。

世界は最初のページへ戻されていく。

猫は感謝している。
ありがとう、かおり。
またいつか会おう。

レタス「さあ、やる事が山程ある。」
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