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日本編
第17話 戦域を射抜くエリシオンの瞳(ジト目)と、戦場に咲く一輪のヴァリシオン:見島牛の家賃と、全てを浄化するプラズマの焔(ほむら)
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「折原様~、あまり根を詰めすぎると脳のパフォーマンスが落ちますよぉ」
不意に背後から、緊張感の欠片もない声が掛けられた。
振り返ると、そこには湯気の立つマグカップを両手に持ったヴァリシオンが立っていた。
「はい、折原様には生姜湯です。エリシオンお姉様にはホットミルクを」
「あら、ありがとう。気が利くわね。」
エリシオンは当然のように受け取り、優雅に口をつけた。一口飲んで、彼女は少し意外そうに目を丸くする。
「あら……これは絞りたてね?とても新鮮だわ。」
殺伐とした戦場のど真ん中で、どこから調達したのかも不明な「新鮮な牛乳」。そのシュールな光景に、折原の戦慄はどこかへ吹き飛んでしまった。
「……ヴァリシオン。この牛乳、まさか…?」
折原の問いに、ヴァリシオンは心外だと言わんばかりに首を振った。
「先ほど山頂で心細そうにしていた牛を保護し、ついでに『家賃代わり』として提供していただいたまでです」
(うそつけ!……保護という名のカツアゲだろ!)
と折原は内心で笑いつつツッコんだが、ヴァリシオンのどこまでも無垢な(ふりをした)可愛らしさを前にしては、怒るに怒れなかった。
隣のエリシオンは折原をジト目で見ながらも、ヴァリシオンから受け取った手元のカップを一口飲み、満足げに目を閉じた。
彼女の網膜投影ディスプレイには、今まさに摂取した液体の解析データが濁流のように流れ込んでいる。
舌に備わった味覚センサーが数万種類の分子構造を瞬時に特定し、データベースにある山口県の家畜情報と照合——。コンマ数秒後、彼女は目を開き、淡々と分析結果を口にした。
「この牛乳……希少な『見島牛(みしまうし)』の血統、あるいはそれに準ずる山口の在来種のものね。栄養成分が市販のホルスタイン種とは比較にならないわ。特にオレイン酸の含有率が極めて高く、脳細胞の活性化と抗酸化作用に特化している。折原様、今のあなたに必要なのはこれかもしれないわね」
折原は「ははは……」と力なく笑った
「てか、ヴァリシオン。お前、佐世保にいたんじゃないのか?」 折原の問いに、ヴァリシオンは事もなげに、ボディについた土の汚れを軽く払いながら答えた。
「この件に関しては抜かりはございませんわ。お姉様の配下ロボに、『高橋紹運(たかはし じょううん)』の人格OSをインストールし、『不退転の守護(デッドライン・シールド)』を最優先命令として上書きして参りましたわ。 かつて岩屋城の戦いで、5万の大軍をわずか数百人で迎え撃ち、壮絶な時間を稼ぎ出した防衛の天才です。九州の要塞群を任せるなら、彼女以上の適任はいません。たとえ装甲が砕け散ろうとも、彼女は折原様の背中を預かる『不落の盾』として立ち続けるでしょう。今、留守を任せている軽装ロボは数体ほど修復完了済みですが、あと数時間もすれば増産、修復対応で、30体そして、九州制圧戦で失われた180体の軽装ロボが戦場に復帰できるでしょう。」
折原の脳内で、絶望的だった九州の防衛ラインが「勝利」の色に塗り替えられた。目の前がパッと明るくなるような感覚。……しかし、その完璧な戦略説明の中に、一つだけ無視できない違和感が混ざる。 「……いや待て。紹運は確か、戦国時代の男性武将の名だったはずだが。彼女って、お前……」
「ええ。ですがお姉様の配下ロボは女性型ですので……。人格データと機体特性を馴染ませるのに少々苦労しましたが、今頃は九州の留守を完璧に預かっているはずですわ。」
ヴァリシオンはそう言って、悪びれもせずに持っていたマグカップを折原の手に握らせた。
(……俺のマグカップまでしっかり持ち込んでたのか)
「それよりも折原様、特製のミルク生姜湯が冷めてしまいますわ。あなたが地獄へ行くなら、その道中に温かい飲み物を用意するのが私の義務ですもの。私のいない戦場など、弾丸の入っていない銃と同じ。私の代わりは、この世界に一人もいないわよ!」とフンス顔のヴァリシオン。
呆れ果てながらも、折原は白い生姜湯を口に含んだ。 (……うま……) 喉を通った瞬間、脳の奥に溜まっていた焦燥感がスッと引いていく。
その瞬間、再び腹の底に響くような砲声が轟いた。
「敵先遣隊、先頭集団が電磁フェンス第一ラインに接触!」
エリシオンの鋭い声が響くと同時に、彼女は右手を宙に一振りした。 何もない空間に、いくつもの半透明なホログラムウィンドウが瞬時に展開される。
竜王山の展望台から肉眼で見えるのは、遥か地平付近で青白く明滅する火花に過ぎない。しかし、エリシオンが投影したモニターには、上空のドローンが捉えた鮮明な熱源映像(サーマル・ビュー)が映し出されていた。
「敵先遣隊、先頭集団がここより17キロ前方、電磁フェンス第一ラインに接触!」
モニターの中では、ケイジの砲撃を潜り抜けたゾンビの先頭が、青白い火花を散らす巨大なフェンスへと押し寄せ、次々と「炭」に変わっていく光景がリアルタイムで映し出されている。 激しく発火し、炭化して崩れ落ちるゾンビ。だが、後続の黒い波は、その灰すら踏み越えて機械的に突き進んでくる。
「……イエヤス、フェンスの出力はどうだ」
折原は映し出された電圧グラフを睨みながら通信を入れた。すぐに低く落ち着いた声が返ってくる。
『問題ありません。だが折原様、このペースで死骸が積み重なれば、フェンスが物理的に埋まってしまいます。死体の山が“橋”になれば電磁障壁の意味がなくなります。ケイジに少し掃除させましょう。』
エリシオンは視線をモニターに固定したまま、氷のような冷徹さで、だが折原を導くように告げた。
「折原様、戦術の要諦は『計算可能な領域』を広げることにあります。今の電磁フェンスに重なる死骸は、私たちの演算(ロジック)を狂わせるノイズでしかありません。」
彼女の指先が、空間に浮かぶ複雑な弾道グラフを一本に収束させる。
「ケイジ、イエヤス。敵の『死』という質量が私たちの『盾』を埋め尽くす前に、戦域の定義を書き換えなさい。……今この瞬間から、防衛ライン前方の1.2キロメートルは、生物が存在して良い空間ではなくなります。」
「……定義の書き換え?」
折原の呟きに応えるように、エリシオンの瞳の中で『プラズマ焼却弾:射撃諸元完了』の文字が青白く発光した。
「左様です。蹂躙されるのを待つ『防御』ではなく、敵の存在そのものを因数分解し、『無』に帰すという『浄化』。これこそが、私が導き出したこの局面の唯一の最適解ですわ。……ケイジ、掃射開始準備よ。」
ケイジは冷徹な思考速度に身を任せ、後ろにある武器庫の「ある一点」を指差した。
「耕作者(ティラー)の弾種を『プラズマ焼却弾』に切り替えろ。……全機、電磁防壁(EMシールド)最大展開! 回路をバッファモードへ移行しろ! 景気づけの花火で自機を焼くんじゃねえぞ!」
その咆哮に応え、前線のロボたちが一斉に装甲から青白い放電を放った。
それは強力な磁気膜(マグネティック・ヴェール)となって機体を包み込む。
数万度のプラズマが放つ電磁干渉(ノイズ)を力技でねじ伏せるための『電子の鎧』だ。
もしこの鎧がなければ、プラズマが炸裂した瞬間に発生する超高出力の電磁パルスにより、味方ロボの電子頭脳は一瞬で焼き切れ、ただの鉄の塊へと成り果ててしまうだろう。
ケイジの肩のコンソールで、赤いアラートと共に『試作段階・使用制限解除』の文字が点滅した。
新兵器:プラズマ焼却弾。
ケイジの視界(メインモニタ)には、阿蘇山戦でのログが忌々しく赤く点滅していた。
ゾンビが吐き出した「アシッドライト」によって、戦闘AIロボの超硬質合金装甲がドロドロに溶かされ、火花を散らした屈辱の記録。あの時、AIロボ軍団は「防御」という受動的な計算にリソースを割かれ、進軍を許してしまったのだ。
ケイジの内部で、新型の弾丸がチャンバーへ送り込まれる。鈍い赤色に塗装されたその弾体こそ、ヴァリシオンが持ち込んだ最新の戦術データに基づき、この防衛戦のために突貫で製造された新兵器――『プラズマ焼却弾』だ。
「隊長、俺は九州制圧戦での教訓はすべてこの弾丸に詰め込んでいる。アシッドライト……『腐敗した強酸性の汚液(おえき)』などという不純物は、分子の結合ごと焼き切れば無害な元素に還るぜ!」
折原の許可を待たず、イエヤスが冷静に補足した。
「左様。データを読み込む限り、九州戦での装甲損傷率24.8%という醜態を繰り返さぬよう、エリシオン軍師殿が導き出した答えは『非接触・完全分解』。触れられる前に、この世から消し去れば良い・・・ということです」
その弾体内部には超高圧で圧縮されたプラズマ・ペレットが封入されており、着弾と同時に周囲を「無」に帰すほどの超高温を発生させる。あまりのエネルギー密度の高さに、発射側の砲身や電子機器への負荷が凄まじく、本来なら実戦投入は見送られる代物だった。だが、この「死体の橋」を消し去るには、これ以上の選択肢はない。
ケイジが肩のコンソールを叩くと、巨大な戦車のような砲身から徹甲弾マガジンが排出され、配下ロボによりプラズマ焼却弾が次々と装填されていく。
不意に背後から、緊張感の欠片もない声が掛けられた。
振り返ると、そこには湯気の立つマグカップを両手に持ったヴァリシオンが立っていた。
「はい、折原様には生姜湯です。エリシオンお姉様にはホットミルクを」
「あら、ありがとう。気が利くわね。」
エリシオンは当然のように受け取り、優雅に口をつけた。一口飲んで、彼女は少し意外そうに目を丸くする。
「あら……これは絞りたてね?とても新鮮だわ。」
殺伐とした戦場のど真ん中で、どこから調達したのかも不明な「新鮮な牛乳」。そのシュールな光景に、折原の戦慄はどこかへ吹き飛んでしまった。
「……ヴァリシオン。この牛乳、まさか…?」
折原の問いに、ヴァリシオンは心外だと言わんばかりに首を振った。
「先ほど山頂で心細そうにしていた牛を保護し、ついでに『家賃代わり』として提供していただいたまでです」
(うそつけ!……保護という名のカツアゲだろ!)
と折原は内心で笑いつつツッコんだが、ヴァリシオンのどこまでも無垢な(ふりをした)可愛らしさを前にしては、怒るに怒れなかった。
隣のエリシオンは折原をジト目で見ながらも、ヴァリシオンから受け取った手元のカップを一口飲み、満足げに目を閉じた。
彼女の網膜投影ディスプレイには、今まさに摂取した液体の解析データが濁流のように流れ込んでいる。
舌に備わった味覚センサーが数万種類の分子構造を瞬時に特定し、データベースにある山口県の家畜情報と照合——。コンマ数秒後、彼女は目を開き、淡々と分析結果を口にした。
「この牛乳……希少な『見島牛(みしまうし)』の血統、あるいはそれに準ずる山口の在来種のものね。栄養成分が市販のホルスタイン種とは比較にならないわ。特にオレイン酸の含有率が極めて高く、脳細胞の活性化と抗酸化作用に特化している。折原様、今のあなたに必要なのはこれかもしれないわね」
折原は「ははは……」と力なく笑った
「てか、ヴァリシオン。お前、佐世保にいたんじゃないのか?」 折原の問いに、ヴァリシオンは事もなげに、ボディについた土の汚れを軽く払いながら答えた。
「この件に関しては抜かりはございませんわ。お姉様の配下ロボに、『高橋紹運(たかはし じょううん)』の人格OSをインストールし、『不退転の守護(デッドライン・シールド)』を最優先命令として上書きして参りましたわ。 かつて岩屋城の戦いで、5万の大軍をわずか数百人で迎え撃ち、壮絶な時間を稼ぎ出した防衛の天才です。九州の要塞群を任せるなら、彼女以上の適任はいません。たとえ装甲が砕け散ろうとも、彼女は折原様の背中を預かる『不落の盾』として立ち続けるでしょう。今、留守を任せている軽装ロボは数体ほど修復完了済みですが、あと数時間もすれば増産、修復対応で、30体そして、九州制圧戦で失われた180体の軽装ロボが戦場に復帰できるでしょう。」
折原の脳内で、絶望的だった九州の防衛ラインが「勝利」の色に塗り替えられた。目の前がパッと明るくなるような感覚。……しかし、その完璧な戦略説明の中に、一つだけ無視できない違和感が混ざる。 「……いや待て。紹運は確か、戦国時代の男性武将の名だったはずだが。彼女って、お前……」
「ええ。ですがお姉様の配下ロボは女性型ですので……。人格データと機体特性を馴染ませるのに少々苦労しましたが、今頃は九州の留守を完璧に預かっているはずですわ。」
ヴァリシオンはそう言って、悪びれもせずに持っていたマグカップを折原の手に握らせた。
(……俺のマグカップまでしっかり持ち込んでたのか)
「それよりも折原様、特製のミルク生姜湯が冷めてしまいますわ。あなたが地獄へ行くなら、その道中に温かい飲み物を用意するのが私の義務ですもの。私のいない戦場など、弾丸の入っていない銃と同じ。私の代わりは、この世界に一人もいないわよ!」とフンス顔のヴァリシオン。
呆れ果てながらも、折原は白い生姜湯を口に含んだ。 (……うま……) 喉を通った瞬間、脳の奥に溜まっていた焦燥感がスッと引いていく。
その瞬間、再び腹の底に響くような砲声が轟いた。
「敵先遣隊、先頭集団が電磁フェンス第一ラインに接触!」
エリシオンの鋭い声が響くと同時に、彼女は右手を宙に一振りした。 何もない空間に、いくつもの半透明なホログラムウィンドウが瞬時に展開される。
竜王山の展望台から肉眼で見えるのは、遥か地平付近で青白く明滅する火花に過ぎない。しかし、エリシオンが投影したモニターには、上空のドローンが捉えた鮮明な熱源映像(サーマル・ビュー)が映し出されていた。
「敵先遣隊、先頭集団がここより17キロ前方、電磁フェンス第一ラインに接触!」
モニターの中では、ケイジの砲撃を潜り抜けたゾンビの先頭が、青白い火花を散らす巨大なフェンスへと押し寄せ、次々と「炭」に変わっていく光景がリアルタイムで映し出されている。 激しく発火し、炭化して崩れ落ちるゾンビ。だが、後続の黒い波は、その灰すら踏み越えて機械的に突き進んでくる。
「……イエヤス、フェンスの出力はどうだ」
折原は映し出された電圧グラフを睨みながら通信を入れた。すぐに低く落ち着いた声が返ってくる。
『問題ありません。だが折原様、このペースで死骸が積み重なれば、フェンスが物理的に埋まってしまいます。死体の山が“橋”になれば電磁障壁の意味がなくなります。ケイジに少し掃除させましょう。』
エリシオンは視線をモニターに固定したまま、氷のような冷徹さで、だが折原を導くように告げた。
「折原様、戦術の要諦は『計算可能な領域』を広げることにあります。今の電磁フェンスに重なる死骸は、私たちの演算(ロジック)を狂わせるノイズでしかありません。」
彼女の指先が、空間に浮かぶ複雑な弾道グラフを一本に収束させる。
「ケイジ、イエヤス。敵の『死』という質量が私たちの『盾』を埋め尽くす前に、戦域の定義を書き換えなさい。……今この瞬間から、防衛ライン前方の1.2キロメートルは、生物が存在して良い空間ではなくなります。」
「……定義の書き換え?」
折原の呟きに応えるように、エリシオンの瞳の中で『プラズマ焼却弾:射撃諸元完了』の文字が青白く発光した。
「左様です。蹂躙されるのを待つ『防御』ではなく、敵の存在そのものを因数分解し、『無』に帰すという『浄化』。これこそが、私が導き出したこの局面の唯一の最適解ですわ。……ケイジ、掃射開始準備よ。」
ケイジは冷徹な思考速度に身を任せ、後ろにある武器庫の「ある一点」を指差した。
「耕作者(ティラー)の弾種を『プラズマ焼却弾』に切り替えろ。……全機、電磁防壁(EMシールド)最大展開! 回路をバッファモードへ移行しろ! 景気づけの花火で自機を焼くんじゃねえぞ!」
その咆哮に応え、前線のロボたちが一斉に装甲から青白い放電を放った。
それは強力な磁気膜(マグネティック・ヴェール)となって機体を包み込む。
数万度のプラズマが放つ電磁干渉(ノイズ)を力技でねじ伏せるための『電子の鎧』だ。
もしこの鎧がなければ、プラズマが炸裂した瞬間に発生する超高出力の電磁パルスにより、味方ロボの電子頭脳は一瞬で焼き切れ、ただの鉄の塊へと成り果ててしまうだろう。
ケイジの肩のコンソールで、赤いアラートと共に『試作段階・使用制限解除』の文字が点滅した。
新兵器:プラズマ焼却弾。
ケイジの視界(メインモニタ)には、阿蘇山戦でのログが忌々しく赤く点滅していた。
ゾンビが吐き出した「アシッドライト」によって、戦闘AIロボの超硬質合金装甲がドロドロに溶かされ、火花を散らした屈辱の記録。あの時、AIロボ軍団は「防御」という受動的な計算にリソースを割かれ、進軍を許してしまったのだ。
ケイジの内部で、新型の弾丸がチャンバーへ送り込まれる。鈍い赤色に塗装されたその弾体こそ、ヴァリシオンが持ち込んだ最新の戦術データに基づき、この防衛戦のために突貫で製造された新兵器――『プラズマ焼却弾』だ。
「隊長、俺は九州制圧戦での教訓はすべてこの弾丸に詰め込んでいる。アシッドライト……『腐敗した強酸性の汚液(おえき)』などという不純物は、分子の結合ごと焼き切れば無害な元素に還るぜ!」
折原の許可を待たず、イエヤスが冷静に補足した。
「左様。データを読み込む限り、九州戦での装甲損傷率24.8%という醜態を繰り返さぬよう、エリシオン軍師殿が導き出した答えは『非接触・完全分解』。触れられる前に、この世から消し去れば良い・・・ということです」
その弾体内部には超高圧で圧縮されたプラズマ・ペレットが封入されており、着弾と同時に周囲を「無」に帰すほどの超高温を発生させる。あまりのエネルギー密度の高さに、発射側の砲身や電子機器への負荷が凄まじく、本来なら実戦投入は見送られる代物だった。だが、この「死体の橋」を消し去るには、これ以上の選択肢はない。
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