悪役令嬢になんてさせません。

タツミ

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新生児

敵がいました

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廊下に出たのはいいが、予想以上に部屋数があって困惑してしまう。
ゲームでは移動が自動だったから、貴族の屋敷を侮っていた。
だからと言って闇雲に動いたら、屋敷内で迷子・・・遭難してしまいそうだ。まあ、泣けば助け出されるだろうが、大きくなってかからかわれるような黒歴史は避けたい。
[さてどうしよう]
ノーマが部屋を出てから体感的な時間は10分くらいだ。そろそろ戻ってきてもいいころだが、せっかく脱出したのだから、ある程度の屋敷の構造はしりたい。
特に書斎の位置は必須条件。
オールハッピーエンドを目指す私には、知識が必要なのだから、何せ最初の分岐点が3年後にやってくる。
疫病の流行だからぐずぐずしてはいられない。
まずは医学書で考えられる病気をピックアップして、環境整備と薬草の生産。でも医者でも薬剤師でもない私ができることは少ない。大学時代に学んだ栄養学や病理学がせいぜいだ
問題は物語の中で治療方法が【ユニコーンの角】だけしかないと言われるくらいだから難病には間違いない
[ウ~~ン]
私は幼児だ。動いてくれる大人も必要になる。
これはこれで問題だが、まずは書斎を見つけて役に立ちそうな本を物色しよう
[書斎を探す方法か・・・ないわけではないけど]
私の頭に浮かぶのは【探索】の魔法
魔法スキルはあるが、生まれる前から魔法なんぞ使ったことのない私。肉体はチートでも頭はさすがに無理かもしれない
[悩むより産むがやすしってね。ようはイメージ。本の主人公もそうだし]
本が沢山ある部屋。図書館みたいな感じ・・・よし!
「探索!対象書斎]
目の前に現れた地図。
おそらく領地のものなのだろう、緑の点が所狭しと動いており、その中心に青の点滅と黄色の点滅があった。
[で・でたよ・・・うん、ここだねってあほか!]
折り重なる二つの点に思わず私は突っ込んでしまった。
[縮小!]
出たのは街の地図だろうが、三つ黄色の点滅があった。つまり、図書館か書店がこの町にあるということで、嬉しい情報だ。しかしながらそこに行くのは先のこと。
[もうちょい・・・]
更に縮めて、重なっている地図を広げると五つの平面詳細図。
私は部屋は三階の中央よりで書斎は下の階の階段の隣、それ程離れてはいなかった。
階段は右手、そろりそろりと近づいて覗けば天井まで続く大きな吹抜けがみえた、階下ではせわしく動くメイドたちの姿。
今日は書斎にいくのは難しいかなっと思っていたら、ノーマが階段を上がってきてるのに気が付いて、慌てて私は部屋に戻った。
ベットに戻るとき柵を折ってしまったけど、ノーマが部屋に入ってきたときには、何事もなかったかのように、寝たふりをすることに成功した。
ノーマさんが天井の穴や手すりの割れを見て悲鳴を上げながら、外に飛び出して行ったのには罪悪感はあったけど、私が開けたなんて誰も信じないだろうから、許してもらおう。次は割らないようにするからね
それより私には気になるものがあった
出しっぱなしにしている地図の下のほうに赤く点滅する点が一つ
赤い点滅は私に敵意を抱いている証拠
青い点滅ばかりの中に異質に光るそれに、私はただ見つめるしかなかった
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