兄のお嫁さんに嫌がらせをされるので、全てを暴露しようと思います

きんもくせい

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第9話・波乱

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「もう良いですか?それでは、2枚目の紙についてご説明致します」

両家の間に流れていた感動的な雰囲気に割って入ったレオンは、冷めた物言いで話を進め始める。

「レオンっ、いい加減に…」
「皆さんの紙に書かれた糸の購入履歴は、ソフィアお姉様が贔屓にしているレノヴァーラ手芸店にてご購入されたものです。3枚目の紙に記されたものは、これもまた、お姉様が購入なされた東国のシルク布の購入履歴です。このシルクには特殊な加工が施されており、光に透かすと金色に光り輝きます。加工の難しさとその希少さから、購入をするには半年以上前からの申し出が必須です」
「……何が言いたいんだ、レオン」
「兄様、ナタリーから頂いたハンカチはまだ持っておられますか」
「…ああ」
「今持っておいでですか」
「ああ」
「それを、光に透かして頂けますか」

スッと目を細めたレオンに、アルフレッドは強張った顔で言い返した。

「まだそんな疑いをナタリーにかけていたのかい、レオン」
「いいから、光に透かしてみてください」
「……僕はナタリーを信じている。レオンに言われた通りにハンカチを太陽の元翳すことは、僕の想いに背くことになる」
「ですから、その想いを証明するためにもハンカチを翳せといっているのです。信じているならば、それを疑いの証拠としてではなく潔白の象徴として光の下誓えばいい。その行為は単なる確認作業に済みません」

レオンが睨みを聞かせながら兄を説得すると、アルフレッドは多少の抵抗は残るようだが納得し、ハンカチを取り出すと窓際に向かう。

「あ、あの。申し訳ありません、どうして突然ハンカチの話に……?」

が、まるで事の概要を分かっていないナタリーの両親は、話について行けず、目を白黒させていた。

「嗚呼、実は、ナタリー嬢が刺繍までして自作したハンカチをソフィアが自分が作ったものだと偽ったことがありまして。…本当に、お恥ずかしいことです」

娘の非礼を詫びるように目を伏せたリルベール侯爵に、ナタリーの両親は目を丸くさせた。アルフレッドも、自慢をする様に手の中のハンカチを義両親に見せる。

「見事でしょう、菫とカナリアの刺繍です」

親としても、これほどの刺繍の腕を娘が持っているのなら誇らしいだろう、とアルフレッドが微笑むと、ナタリーの両親は困惑しきりな様子で、頬を青く染めた。


「待ってください、ナタリーは昔から刺繍なんてできたことがありません。こんな見事な刺繍、家族の誰も見たことありませんわ!」

「……え?」


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