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プロローグ
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ーここはどこ…。
僕はこれからどうなっちゃうの!!!
✩*゚
僕の名前は冠偉。男子校に通ってる、まだ高校2年生。僕は自分の名前に自信が持てない。だって、冠に偉いって書くんだもの。僕はちびだし、ちょっとした事でもすぐ傷ついちゃう。僕は弱いんだ。顔もカッコよくないと思う。
それに僕は学校の子達をいやらしい目で見てしまう。僕に少し触れた子のことを一時意識してしまうんだ。妄想まで発展しちゃうこともある。
だから僕は学校の子達と距離をとっている。そして孤立を選んだ。
僕は自覚している。僕は腐男子だと。
✩*゚
「冠偉おはよー!おーい起きてるかー」
と腕に突っ伏して座って、妄想している僕に言うのは唯一友達の蓮だった。蓮は1人でいようとする僕に優しく声を掛けてくれた。『1人でいても楽しくないだろ』と。僕は嬉しかった。そして、僕は蓮と学校を共にしている。僕といてくれる蓮のことを意識したけれど、気持ちを抑えた。友達だから。友情と恋を結び付けちゃいけないんだ。それと蓮にこんな僕を知られたくない。
僕は恥ずかしながらひょこっと顔を上げて、はにかみながら、
「起きてるよー、蓮。おはょ」
と言った。最後のよが小さくなってしまった。僕は蓮に赤くなった顔を見られまいとまた腕に突っ伏した。
そんな僕を蓮はハハッと軽やかに笑って、僕の頭をわしゃわしゃと触る。そんな蓮が僕はやっぱり好きだと思ってしまった。それに蓮はこんな僕を褒めてくれる。
「冠偉は俺の素敵な友達だ!だから、冠偉はもっと自信持てよ。カッコイイんだからさ!」
と言う。
僕は蓮に褒められると心の奥がくすぐったい気持ちになる。蓮のこと好き…だな。と実感してしまう。
僕の性格とは打って変わって明るくてクラスのリーダー的存在の子。蓮は顔までカッコよくて。僕はそんな蓮がどうしようもなく、好き。僕が女の子だったら蓮に告白しても引かれずに受け入れてくれるだろうか。
蓮との学校生活がもっと続けばなって僕は心底思った。こんな僕を誰も知らずに、知られてはいけない。知られたくない…。
だが、こんな僕の願いは通らなかった。そんな事が起こるとは僕は予想していなかった。
·.・゜+‘☆
いつもの帰り道の今日。たくさんの街頭の灯る街を歩いていた。そして、僕は近所のお兄さんを見かけた。僕はハッとした。だって、そのお兄さんは僕の初恋の人だから。お兄さんは僕よりも5つ上の人。小さかった僕は、恥ずかしがらず、好きってお兄さんに言っては抱きついていた。お兄さんはきらきらと優しい輝きを放っているようにいつも見えていた。顔はとても凛々しい。名前は容姿に似合う優愛と言う名前。
小学生に上がった頃、僕はお兄さんにお似合いな女の人を連れている姿を見た。その時、僕はとてもお兄さんの隣にいる女の人に嫉妬した。僕は自分の抱いた気持ちを恐れた。これ以上お兄さんとはいられない。そう思ったんだ。それから、ずっと僕はお兄さんへの気持ちを心に閉まっていた。そして、同性への恋心ばかりを抱くようになったということだ。
僕はお兄さんに僕と気づかれぬようにいつもの道とは反対に遠回りしようと決めた。
そして家に着く手前の坂まで来た。僕はホッと安堵して坂を登っていた。
本当、僕は腐っている。そんなことを考えていたら、いつも開いて遊んでいるアプリの更新音がなった。僕のスマホのアプリはどれも腐男子、腐女子が喜ぶであろう、ボーイズラブ物語ばかり。
僕が1番気に入っているのは、魔法の世界で立派なある宮殿に住んでいる王子様が主体に物語が進んでいく。そして、王子様に駆け寄る執事や他国の王子様、戦士達と繰り広げる恋愛ゲーム。物語の内容はとても濃いと思う。話しの内容が良すぎて、僕は自分の部屋で抱き枕に顔を押し付けて泣いたこともあるくらいに。
本当に泣けるんだから。…にしてもこの物語の王子様はとてもずるいな。どんな人も惚れさせてしまうんだから。性格は僕と似ている気がするけれど、積極的に動いてく姿勢は僕と違う。うーん、やっぱり僕に似ていないか。僕は閉じこもっちゃうから。王子様はとても聡明で優しいから、家来が増えていく。
そんな主人公の王子様で物語を進めているのはこの僕なのだけれど…。
僕もこんな王子様みたいになれたらいいのに。こんな王子様のように躊躇わずに動けたら…。そしたら、僕はこんな暗い気持ちにならなくていいのかな。
そうこう考えているうちに僕は坂を登り切った。あと少しだ。あと少しで家に着く。キレイな青空の広がる空。今日も僕の1日を終える時間が来る。家に帰れば、大好きなお母さん、お父さんが待ってる。今日も学校楽しかったよって伝えないと…。
次の瞬間、
ーガコンッ
と大きな音ともに僕はガードレールを通り越していた。えっと思った瞬間僕はものすごいスピードで落下していた。
ーーー「うわあぁぁぁーーーー!」
僕は叫んだ。どうして、僕は落ちてるのー!?
目の前に広がる街中の景色。
それからの記憶はなかった。
僕はこれからどうなっちゃうの!!!
✩*゚
僕の名前は冠偉。男子校に通ってる、まだ高校2年生。僕は自分の名前に自信が持てない。だって、冠に偉いって書くんだもの。僕はちびだし、ちょっとした事でもすぐ傷ついちゃう。僕は弱いんだ。顔もカッコよくないと思う。
それに僕は学校の子達をいやらしい目で見てしまう。僕に少し触れた子のことを一時意識してしまうんだ。妄想まで発展しちゃうこともある。
だから僕は学校の子達と距離をとっている。そして孤立を選んだ。
僕は自覚している。僕は腐男子だと。
✩*゚
「冠偉おはよー!おーい起きてるかー」
と腕に突っ伏して座って、妄想している僕に言うのは唯一友達の蓮だった。蓮は1人でいようとする僕に優しく声を掛けてくれた。『1人でいても楽しくないだろ』と。僕は嬉しかった。そして、僕は蓮と学校を共にしている。僕といてくれる蓮のことを意識したけれど、気持ちを抑えた。友達だから。友情と恋を結び付けちゃいけないんだ。それと蓮にこんな僕を知られたくない。
僕は恥ずかしながらひょこっと顔を上げて、はにかみながら、
「起きてるよー、蓮。おはょ」
と言った。最後のよが小さくなってしまった。僕は蓮に赤くなった顔を見られまいとまた腕に突っ伏した。
そんな僕を蓮はハハッと軽やかに笑って、僕の頭をわしゃわしゃと触る。そんな蓮が僕はやっぱり好きだと思ってしまった。それに蓮はこんな僕を褒めてくれる。
「冠偉は俺の素敵な友達だ!だから、冠偉はもっと自信持てよ。カッコイイんだからさ!」
と言う。
僕は蓮に褒められると心の奥がくすぐったい気持ちになる。蓮のこと好き…だな。と実感してしまう。
僕の性格とは打って変わって明るくてクラスのリーダー的存在の子。蓮は顔までカッコよくて。僕はそんな蓮がどうしようもなく、好き。僕が女の子だったら蓮に告白しても引かれずに受け入れてくれるだろうか。
蓮との学校生活がもっと続けばなって僕は心底思った。こんな僕を誰も知らずに、知られてはいけない。知られたくない…。
だが、こんな僕の願いは通らなかった。そんな事が起こるとは僕は予想していなかった。
·.・゜+‘☆
いつもの帰り道の今日。たくさんの街頭の灯る街を歩いていた。そして、僕は近所のお兄さんを見かけた。僕はハッとした。だって、そのお兄さんは僕の初恋の人だから。お兄さんは僕よりも5つ上の人。小さかった僕は、恥ずかしがらず、好きってお兄さんに言っては抱きついていた。お兄さんはきらきらと優しい輝きを放っているようにいつも見えていた。顔はとても凛々しい。名前は容姿に似合う優愛と言う名前。
小学生に上がった頃、僕はお兄さんにお似合いな女の人を連れている姿を見た。その時、僕はとてもお兄さんの隣にいる女の人に嫉妬した。僕は自分の抱いた気持ちを恐れた。これ以上お兄さんとはいられない。そう思ったんだ。それから、ずっと僕はお兄さんへの気持ちを心に閉まっていた。そして、同性への恋心ばかりを抱くようになったということだ。
僕はお兄さんに僕と気づかれぬようにいつもの道とは反対に遠回りしようと決めた。
そして家に着く手前の坂まで来た。僕はホッと安堵して坂を登っていた。
本当、僕は腐っている。そんなことを考えていたら、いつも開いて遊んでいるアプリの更新音がなった。僕のスマホのアプリはどれも腐男子、腐女子が喜ぶであろう、ボーイズラブ物語ばかり。
僕が1番気に入っているのは、魔法の世界で立派なある宮殿に住んでいる王子様が主体に物語が進んでいく。そして、王子様に駆け寄る執事や他国の王子様、戦士達と繰り広げる恋愛ゲーム。物語の内容はとても濃いと思う。話しの内容が良すぎて、僕は自分の部屋で抱き枕に顔を押し付けて泣いたこともあるくらいに。
本当に泣けるんだから。…にしてもこの物語の王子様はとてもずるいな。どんな人も惚れさせてしまうんだから。性格は僕と似ている気がするけれど、積極的に動いてく姿勢は僕と違う。うーん、やっぱり僕に似ていないか。僕は閉じこもっちゃうから。王子様はとても聡明で優しいから、家来が増えていく。
そんな主人公の王子様で物語を進めているのはこの僕なのだけれど…。
僕もこんな王子様みたいになれたらいいのに。こんな王子様のように躊躇わずに動けたら…。そしたら、僕はこんな暗い気持ちにならなくていいのかな。
そうこう考えているうちに僕は坂を登り切った。あと少しだ。あと少しで家に着く。キレイな青空の広がる空。今日も僕の1日を終える時間が来る。家に帰れば、大好きなお母さん、お父さんが待ってる。今日も学校楽しかったよって伝えないと…。
次の瞬間、
ーガコンッ
と大きな音ともに僕はガードレールを通り越していた。えっと思った瞬間僕はものすごいスピードで落下していた。
ーーー「うわあぁぁぁーーーー!」
僕は叫んだ。どうして、僕は落ちてるのー!?
目の前に広がる街中の景色。
それからの記憶はなかった。
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