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第一章
11話僕たちとお兄様
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翌日僕はお父さんに聞いた。
「お父さん、どうして魔法書じゃなくて、偉人書渡したの」
すると、お父さんは頭を掻いて言った。
「お父さん、チーロが自ら、学ぶことは誇りに思っている。だが、お前にはまだ甘えて来てもらいたいな」
「え…。う、うん。分かった。お父さん」
お父さんはどこか悲しげに見えたから、僕はぎこちなく、応えた。甘えて来てほしい…。か。そうだよね。僕、2歳だもんね。ってことは、もっとお父さんに…。ハグついたりしていいって事か。
何だか、僕はやっぱり変わってないな。前世でもそうだ。親には格好付けて、1人で黙々と勉強してた。頭の中では簡単に甘えられるんだけど。
でも、極たまに、急に抱きついちゃうことはあるけれど…。それだけじゃあ、お父さんは寂しいってことか。
じゃあ、もっと子供でいよう。
•*¨*•.¸¸☆*・゚
「チーロ、こっち、こっち」
ティモシーに呼ばれ、僕は走る。そう今日はティモシー達と外で遊ぶ日だ。
そう、赤ちゃんの僕の元へ来たあのメンバー。
わぁーと皆んなしてはしゃいで走り回る。やっと、この子達と走り回れるようになったんだなって思うと、すごく嬉しくて。
あの時はまだ3歳だった子もいる。
「チーくん、大丈夫~?」
と心配する子があの時の子、グイリオ。薄く儚そうな色素の緑色の髪に瞳。思った通り、綺麗な子。それに、とても気の利く優しいお兄ちゃんって感じだ。
僕は、コクッと頷いて、笑顔で駆け回る。ティモシーに追いつきたい。けど、僕の小さな足でじゃあ、距離が縮まらない。
と木陰からもう一人、男の子が現れた。
「何走ってんだよ。俺まで呼ばれたじゃないか。こんな遊びなら、来るんじゃなかった。あいつが、もう魔力を使えるようになって、魔力で争う遊びかと思ってたのによ」
そう、ルッカだった。ルッカは気に食わなそうな目付きで僕を見やる。そして、周りの子の足が止まった。ティモシーが手に力を入れて言った。
「僕はルッカも呼べとは言っていないはずだ。なんで来た!」
二人はお互いを睨#にら#み、喧嘩が始まりそうな気配が漂った。
すると、グイリオが僕の後ろに来て僕の体を覆って、抱きしめる。
すると、ルッカの右手灰色の雲みたいなのが出て剣が出てきた。
ティモシーの右手からも薄黄色の綿菓子みたいなのが出て剣が出た。
君主剣かな…。でも、手から出てくるなんて。操れるのかな。もしかして、僕の手からも…。と僕は思いながら自分の右手を見た。
と、それに気付いた、グイリオは僕の右手をギュッとして降ろした。グイリオに顔を向けるとふいふいとダメと言うように顔を振る。
他の子達は目を白目にして驚いてる子、やれやれと肩を下ろしている子、あわあわと目に手で覆ってる子がいる。
何だか、やばそうな事が起こるのかと思い始めた。
ティモシーとルッカが剣で争い始めた。
2人の剣はまだ6歳にしては長い、日本で言う脇差しくらいある。
2人の剣がぶつかり合いカンッカンッと音を鳴らす。
ーすると
「ちび共の争いかよ。ティモシー、剣を下ろせよ。ルッカも」
と2人の間に11歳くらいの男の子が来た。ティモシーとルッカの肩に手を置いて、突き放した。2人は尻もちついて争いが終えた。
「ハー兄。どうして、ここに来たの?」
とティモシーが腰に手を擦りながら声掛けた。ハー兄?
「そうだよ、どうしてハーヴィー様、来たんだ?」
とルッカも聞く。ハーヴィー様?名前、かっこ良い。見た目も少し活発そうなチャラそうな見た目。僕はキョトンとその人を見ていると、グイリオが僕の耳元で囁いた。
「ティモシーのお兄様だよ。2代目王子の」
と教えてくれた。あれがティモシーの2代目王子のお兄ちゃんなんだ~。
僕は思わず、
「かっこ良い…」
と言ってしまった。すると、グイリオはクスッと笑って応えた。
「ハーヴィー様かっこ良いよね。僕も分かる」
と言った。え、グイリオ分かるの。グイリオも腐男子…なんて。
「ハーヴィー、俺はどうすれば良い?」
とハーヴィーの後ろに濃い紫色のスカーフで頭を隠している男の子がいた。
「ごめんな、アロンツォ。俺のちび共が暴れててさ。俺、面倒見るのきちぃわ」
とハーヴィーは笑いながらその人に言って、頭を掻く。
「アロンツォのお目当ての子はあの子だよ。な、チーロくん」
とハーヴィーが僕の方へ来て、膝に手を乗せて屈んで来た。
「僕……」
と僕は人差し指で顔に指差して言った。
「その子がチーロ様か。大きくなったな、あの時よりも…」
と言って青のスカーフの男の子も僕の方へと来た。
青のスカーフの男の子とパチッと目が合う。漆黒の綺麗な紫色の目だった。
「私は君の護衛の騎士となった、アロンツォです。これから、よろしくお願いします」
とアロンツォは言って、左手を僕に差し出し、ぺこんとお辞儀した。
僕はグイリオと目を合わせて伺い、そっとアロンツォと名乗る人の手を取った。
「お父さん、どうして魔法書じゃなくて、偉人書渡したの」
すると、お父さんは頭を掻いて言った。
「お父さん、チーロが自ら、学ぶことは誇りに思っている。だが、お前にはまだ甘えて来てもらいたいな」
「え…。う、うん。分かった。お父さん」
お父さんはどこか悲しげに見えたから、僕はぎこちなく、応えた。甘えて来てほしい…。か。そうだよね。僕、2歳だもんね。ってことは、もっとお父さんに…。ハグついたりしていいって事か。
何だか、僕はやっぱり変わってないな。前世でもそうだ。親には格好付けて、1人で黙々と勉強してた。頭の中では簡単に甘えられるんだけど。
でも、極たまに、急に抱きついちゃうことはあるけれど…。それだけじゃあ、お父さんは寂しいってことか。
じゃあ、もっと子供でいよう。
•*¨*•.¸¸☆*・゚
「チーロ、こっち、こっち」
ティモシーに呼ばれ、僕は走る。そう今日はティモシー達と外で遊ぶ日だ。
そう、赤ちゃんの僕の元へ来たあのメンバー。
わぁーと皆んなしてはしゃいで走り回る。やっと、この子達と走り回れるようになったんだなって思うと、すごく嬉しくて。
あの時はまだ3歳だった子もいる。
「チーくん、大丈夫~?」
と心配する子があの時の子、グイリオ。薄く儚そうな色素の緑色の髪に瞳。思った通り、綺麗な子。それに、とても気の利く優しいお兄ちゃんって感じだ。
僕は、コクッと頷いて、笑顔で駆け回る。ティモシーに追いつきたい。けど、僕の小さな足でじゃあ、距離が縮まらない。
と木陰からもう一人、男の子が現れた。
「何走ってんだよ。俺まで呼ばれたじゃないか。こんな遊びなら、来るんじゃなかった。あいつが、もう魔力を使えるようになって、魔力で争う遊びかと思ってたのによ」
そう、ルッカだった。ルッカは気に食わなそうな目付きで僕を見やる。そして、周りの子の足が止まった。ティモシーが手に力を入れて言った。
「僕はルッカも呼べとは言っていないはずだ。なんで来た!」
二人はお互いを睨#にら#み、喧嘩が始まりそうな気配が漂った。
すると、グイリオが僕の後ろに来て僕の体を覆って、抱きしめる。
すると、ルッカの右手灰色の雲みたいなのが出て剣が出てきた。
ティモシーの右手からも薄黄色の綿菓子みたいなのが出て剣が出た。
君主剣かな…。でも、手から出てくるなんて。操れるのかな。もしかして、僕の手からも…。と僕は思いながら自分の右手を見た。
と、それに気付いた、グイリオは僕の右手をギュッとして降ろした。グイリオに顔を向けるとふいふいとダメと言うように顔を振る。
他の子達は目を白目にして驚いてる子、やれやれと肩を下ろしている子、あわあわと目に手で覆ってる子がいる。
何だか、やばそうな事が起こるのかと思い始めた。
ティモシーとルッカが剣で争い始めた。
2人の剣はまだ6歳にしては長い、日本で言う脇差しくらいある。
2人の剣がぶつかり合いカンッカンッと音を鳴らす。
ーすると
「ちび共の争いかよ。ティモシー、剣を下ろせよ。ルッカも」
と2人の間に11歳くらいの男の子が来た。ティモシーとルッカの肩に手を置いて、突き放した。2人は尻もちついて争いが終えた。
「ハー兄。どうして、ここに来たの?」
とティモシーが腰に手を擦りながら声掛けた。ハー兄?
「そうだよ、どうしてハーヴィー様、来たんだ?」
とルッカも聞く。ハーヴィー様?名前、かっこ良い。見た目も少し活発そうなチャラそうな見た目。僕はキョトンとその人を見ていると、グイリオが僕の耳元で囁いた。
「ティモシーのお兄様だよ。2代目王子の」
と教えてくれた。あれがティモシーの2代目王子のお兄ちゃんなんだ~。
僕は思わず、
「かっこ良い…」
と言ってしまった。すると、グイリオはクスッと笑って応えた。
「ハーヴィー様かっこ良いよね。僕も分かる」
と言った。え、グイリオ分かるの。グイリオも腐男子…なんて。
「ハーヴィー、俺はどうすれば良い?」
とハーヴィーの後ろに濃い紫色のスカーフで頭を隠している男の子がいた。
「ごめんな、アロンツォ。俺のちび共が暴れててさ。俺、面倒見るのきちぃわ」
とハーヴィーは笑いながらその人に言って、頭を掻く。
「アロンツォのお目当ての子はあの子だよ。な、チーロくん」
とハーヴィーが僕の方へ来て、膝に手を乗せて屈んで来た。
「僕……」
と僕は人差し指で顔に指差して言った。
「その子がチーロ様か。大きくなったな、あの時よりも…」
と言って青のスカーフの男の子も僕の方へと来た。
青のスカーフの男の子とパチッと目が合う。漆黒の綺麗な紫色の目だった。
「私は君の護衛の騎士となった、アロンツォです。これから、よろしくお願いします」
とアロンツォは言って、左手を僕に差し出し、ぺこんとお辞儀した。
僕はグイリオと目を合わせて伺い、そっとアロンツォと名乗る人の手を取った。
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