時間と恋

冬上幸

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学校へ

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夏「はぁ…どうしてこうなったんだ…」
俺は懐かしい母校への道を歩きながらため息を吐いていた。今この状況をいまいち理解できていない。まぁとりあえずここまでを整理しよう。
俺は25歳のサラリーマンである日引越しの準備をしてから寝て起きたら高校時代に戻っていた。
うん、整理しても意味が分からん。
そんなことを考えながら歩いていると後ろから二人の人物に声をかけられた。
?「どうしたんだよ、そんな深刻そうな顔して」
?「なにか悩みでもあるの?」
懐かしい声が聞こえてきた。
そう、こいつらは小さい頃から仲が良い二人だ。
夏「よう春人、千冬、久しぶりだな」
春「何言ってんだ、昨日も会っただろ」
こいつは細川春人、俺の幼馴染みだ。幼稚園からの付き合いだ、ちなみにイケメンだ。
千「なんか今日の夏樹変だよ」
もう一人は井上千冬、もう一人の幼馴染みだ。こいつも幼稚園からの付き合いで小さい頃はこの三人でよく遊んでいた。
こいつも可愛い方だと思う。この二人に挟まれると俺の立場がない。
夏「そういえばそうか。確かにこいつらは昨日も俺に会ってるもんな。」
春「なにか言ったか?」
夏「いやなんでもない、こっちの話だ」
千「なんでよー、教えてくれたっていいじゃん」
夏「笑わず聞いてくれるか?」
春「おう」千「うん」
夏「俺未来から来たんだ。」
春千「プッ、アハハハハッ!」
夏「なっ、笑わないって言っただろ!」
千「だって~突然未来から来たって言われて笑うなって言う方が無理じゃん~」
春「夏樹、お前頭どっか打ったのか?」
夏「はぁ~、まぁそうなるよなー、まあいいよ」
千「あーあ夏樹が拗ねちゃった。」
夏「別に拗ねてねーよ!」
こんな風にこいつらと話をするのも久しぶりだな、やっぱりこの時が一番楽しかったな。
そんな感じで俺達は学校についた。
夏「やっぱり懐かしいな」
千「夏樹、まだそのキャラで行くのー?」
夏「だからキャラとかじゃねーって」
春「夏樹、お前まだ言ってるのか」
夏「春人まで言うのかよ!」
そして三人とも同じクラスなので行き先はみんな同じである。そう、2年1組の教室だ。たくさんの思い出が詰まった所に久しぶりにきた。これを言うとまた二人がうるさいから心の中にしまう。
そして周りの風景を懐かしみながら俺は記憶にある自分の席に座る。そして隣の人物に挨拶をする。
夏「おはよう、小山さん」
小「おはよう、佐藤くん」
この隣の小山秋花こそこの学校の高嶺の花であり、俺の初恋の相手なのだ。
俺は久しぶりのこの高嶺の花オーラに圧倒されていた。それもそのはず相手からすればいつものことだが、俺にとっては8年ぶりなのだ。やっぱり落ち着かない。そんな気持ちでいながら俺は一限目の準備をしていた。さてこれからどうなることやら。
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