みかんちゃんの魔法日和〜平和な世界で暮らす、魔法使いの日常

香橙ぽぷり

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5年生5月

おじいちゃん、おばあちゃんがやってくる(下)

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みんなでほうきを持って、外に出ます。
すっかり暗くなった空には、お星様が瞬いていました。
お母さんに教えてもらったり、星座盤と比べながら、わたしはよくこんな星空を見ています。
だからどの星が何ていう名前で、どの星座なのかも結構わかるんだよ。
「見て!テトリちゃん。今日も獅子座がキレイだよ」
わたしが指を差して教えると、テトリちゃんはレグルスのことをいいました。
「あの星はいつもピカピカですね」
そういうテトリちゃんの瞳もキラキラしています。
「では、出発するよ!」
そのおじいちゃんの声で、わたしとテトリちゃんもほうきに乗りました。
そうみんなが準備できると、飛び立ちます。
どんどん上がっていくおばあちゃん達に付いていくと、いつもよりずっと高いところに来ました。
建物の高さでいうと5階くらい。普通の家がずっと下です。
すごいと思うけど、この高さは結構怖いです。
ここまでの高さには、普通来ないもんね。
でもこれもほうきの練習だよね。がんばらなくちゃ!
そうわたしは気持ちを奮い立たせます。
この様子に、わたしのすぐ側にいるテトリちゃんは、すぐに気が付きました。
「みかんちゃんは、こんなに高いところ大丈夫ですか?
いつもの倍の高さだから、私は緊張してます」
そうテトリちゃんも同じ気持ちのようです。
それにテトリちゃんは何回かしか飛んだことがないから、飛び慣れているわたしよりずっとドキドキするよね。
「うん。わたしもそうなの」
わたしはそう正直に答えます。
そして「やっぱりそうだよね」って、2人で苦笑いしました。
おばあちゃんが、そんなわたし達に気付いていいます。
「あら。これはみかんちゃんには高かったわね。
つい張り切って、いつもの調子で上昇しちゃったわ」
その言葉にお母さんが答えます。
「みかんが飛び慣れているのは、この高さの半分くらいだものね。
もう少し下、そう4階くらいの高さなら飛べるかしら?」
そう聞くと、おばあちゃんはうなずきました。
「そうね…それじゃあ今日は、その高さを飛びましょう。
それでも、夜景は充分キレイに見えるわ」
その言葉にわたしもうなずきます。
「はーい」
そうみんなで少し下りてから、お散歩に出発しました。

わー。本当にキレーイ。
そう夜景をとっても楽しんでいるわたしです。
毎年回る順番は違うけど、こうやって市内を一周しています。
少しずつ高い位置を飛んでいるから、前とは違って見えるんだよ。
おばあちゃんのいった通りだね。
わたし達は、大体横1列になって飛んでいます。
そしておばあちゃんがちょっと前、おじいちゃんがちょっと後ろにいます。
わたしから見て、右におじいちゃん、左隣にお母さん、そしてその隣がおばあちゃんだよ。
おばあちゃんは張り切って飛んでいて、おじいちゃんはそんなわたし達を見守ってくれているみたいです。
「もう少し行くと、果樹園だったな」
そして時々、さっきの地図から覚えたことをいいます。
「うん。りんご園があるんだよ」
そうわたしが答えると、おじいちゃんは笑いました。
そしてそれについてのお話を、少しずつ教えてくれます。
お母さんはキレイな物などを見つけると張り切って、すぐにわたしに教えてくれました。
「みかん、ほら見て!
あの木、クリスマスツリーみたいに光ってるわよ」
「わー。本当」
思わず、てっぺんに星を付けたくなるくらいです。
でも今はクリスマスじゃないもんね。
それにほうきに乗りながら魔法を使ったりできないので、我慢です。
わたしは、テトリちゃんに今まで教えていなかった、知っているところを紹介しました。
おばあちゃんは、そんなわたし達4人の話に時々混ざります。
5月の終わりのちょうどよい暖かさの中を飛んでいるのは、気持ちがいいです。
夜景はとってもキレイだし、みんなでお話するのは楽しいし、最高のお散歩でした。

長くお散歩を楽しんだ後、家に帰ったら、もう寝る時間です。
今日はおばあちゃん達と一緒なので、4枚の布団を敷きます。
でもお母さんは、今は寝ません。
いつもはわたしが寝るまで、お母さんがこの部屋にいてくれます。
でもおばあちゃん達がいる時は寂しくないので、お母さんはすぐに行ってしまいます。
いつもやっているお仕事の準備などを、早めに始めるようです。
だからおじいちゃん、おばあちゃん、テトリちゃんと4人で寝ます。
テトリちゃんは毎日、バスケットの中で寝ています。
お母さんが魔法で出してくれた物で、いつもわたしの枕元に置いています。
明日からしばらく魔法は使えなくなるけれど、今年もがんばろう!
楽しかったお散歩のことを思い出しながら、わたしはそう気合いを入れました。

2003年10月制作



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