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5年生6月
サンタさんのトナカイさん(下)
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帰り道を向くと、わたしは今日のことを振り返り始めました。
本当に、サンタさんとトナカイさんに会いに来て良かったです。
サンタさん達のことがよくわかったし、とっても楽しかったよ。
そう満足した気持ちです。
そしてサンタさん達は、もうイメージの中の人じゃありません。
お知り合いになったんだもんね。
今度来る時は、トナカイさん達とも直接お話ができるので、楽しみです。
どんな声をしているのかな?
今日通訳をしてくれたテトリちゃんも、とってもにこにこ顔になっています。
さっきもいっていたように、トナカイさんに会えたことがとっても感動的だったみたいです。
お話したり、背中にも乗せてもらって、仲良くなれたもんね。
「私、今日はとってもうれしかったので、記念日にします」
そうテトリちゃんが元気にいいました。
その言葉に、わたしは最近のことを思い出して答えます。
「じゃあテトリちゃんにとって、2つ目の記念日だね」
1つ目はもちろん、テトリちゃんが生まれた5月26日です。
28日にわたしとお母さんの記念日もありました。
それはおいておくとしても、すぐに記念日ができたんだね。
そう指折り数えてみて、気が付きました。
今日はテトリちゃんが来て、ちょうど1週間なんです。
まだそれしか経ってないんだね。
もっと前から一緒にいたような気分です。
───サンタさんが住む国。
サンタさんのお家を見ただけだから、今度はどんな国なのかも知りたいです。
また来る前に、図書館で本を借りてみよう。
そうやってみたいことが増えました。
さっき移動してきた場所に着くと、おばあちゃんが大きな杖を出します。
そのおばあちゃんの周りに、みんな集まります。
それを確かめると、おばあちゃんはその杖で、トンと地面を突きました。
するともう家の庭の魔法陣の上に立っていました。
こうやって、移動してきた場所を魔法陣を描いた杖で叩くと、戻ってこられるんです。
だからその場所を忘れないように、目印を付けておきます。
帰ってきたら、魔法陣はきちんと消すのがお約束です。
おじいちゃんが魔法で水をまくことにしました。
これは自然魔法という種類になります。
風、水、火の精霊さんにお願いして手伝ってもらう魔法です。
水の精霊さんに頼んで、キレイに消してもらいました。
こうすると、普通に水をまくよりも安心です。
そうわたし達が冬服を着ていること以外は、すっかり元通りになりました。
こっちのお天気はお陽さまが元気だから、庭もすぐに乾くね。
さっきまでサンタさんの国にいたのが、なんだか夢みたいです。
でも今度は4歳の時のように、ぼんやりとした思い出にはしないよ。
ずっと覚えてて、また遊びに行きます!
その夜、わたしは明日学校へ行く準備をしていました。
するとおばあちゃんが小さな袋をくれました。
「そうそう。みかんちゃんにお土産を持ってきていたのよ」
何かな?
わくわくしながら開けてみます。
するとそれは、お星様が付いた結いゴム2個セットでした。
「わあっ。かわいい」
そうわたしは喜びます。
いつもみかん印のか、たまにリボンを付けるくらいなので、違う形のは新鮮です。
そんなわたしをよくわかっているおばあちゃんが勧めます。
「明日付けていってみたら?
お気に入りの服に合わせたら、ますますかわいくなるわね」
その提案に、わたしも張り切ってうなずきます。
「うん、そうするね」
みかん印はわたしのこだわりだけど、たまには違うのもいいよね。
わたしは6月最初の学校へ行く日は、特別お気に入りの格好で行くことにしています。
始まりが気分いいと、いつもとは違う1ヶ月も楽しく過ごせそうな気がするからだよ。
おばあちゃんはいつもこの日に家に来るから、そのことを知っています。
今年はね、さくらんぼの刺繍の入った大きな襟の白い服に、ジーンズのジャンバースカートを選びました。
そしてこんなかわいいお星様も付けていけるんだね。
おばあちゃんのお土産のおかげで、明日がもっと楽しみになりました。
用意が終わったら、おふとんに入ります。
そしておばあちゃんとおじいちゃんにいいました。
「今日は本当に楽しかったよ。
連れて行ってくれてありがとう。
サンタさんとトナカイさんに会えたこと、明日みんなにもお話するの。
明日から、ちゃんと学校でがんばってくるからね」
私はそう約束します。
するとテトリちゃんも、バスケットから顔を出して付け加えました。
「私も付いていきますから!」
そうテトリちゃんはこの6月の間、わたしと一緒に学校に行ってくれることになりました。
わたしが心配だからって、お母さんと相談して決めたそうです。
テトリちゃんと一緒に行けるなんてうれしいな。
でもちょっと問題かなあ?
そう後ろめたい気持ちもあります。
そんなわたしに気が付かずに、おじいちゃんがいいました。
「そうか。それは安心だ。
おじいちゃん達も応援しているよ」
わたしは小さな声でテトリちゃんにいいます。
「テトリちゃん、明日から学校でも一緒だね。
クラスのお友達も、テトリちゃんが来てくれたら喜ぶよ」
「私も楽しみです。
学校ってどんなところなのか、とっても興味があったんです」
そう瞳でお話をします。
そしてそんな楽しみな明日のために、早く眠ります。
「お休みなさい」
そうみんなにいいました。
今日はサンタさんとトナカイさんに会えた、特別楽しいことがあった日でした。
だから、とっても素敵な夢が見られそうです。
2004年2~4月制作
本当に、サンタさんとトナカイさんに会いに来て良かったです。
サンタさん達のことがよくわかったし、とっても楽しかったよ。
そう満足した気持ちです。
そしてサンタさん達は、もうイメージの中の人じゃありません。
お知り合いになったんだもんね。
今度来る時は、トナカイさん達とも直接お話ができるので、楽しみです。
どんな声をしているのかな?
今日通訳をしてくれたテトリちゃんも、とってもにこにこ顔になっています。
さっきもいっていたように、トナカイさんに会えたことがとっても感動的だったみたいです。
お話したり、背中にも乗せてもらって、仲良くなれたもんね。
「私、今日はとってもうれしかったので、記念日にします」
そうテトリちゃんが元気にいいました。
その言葉に、わたしは最近のことを思い出して答えます。
「じゃあテトリちゃんにとって、2つ目の記念日だね」
1つ目はもちろん、テトリちゃんが生まれた5月26日です。
28日にわたしとお母さんの記念日もありました。
それはおいておくとしても、すぐに記念日ができたんだね。
そう指折り数えてみて、気が付きました。
今日はテトリちゃんが来て、ちょうど1週間なんです。
まだそれしか経ってないんだね。
もっと前から一緒にいたような気分です。
───サンタさんが住む国。
サンタさんのお家を見ただけだから、今度はどんな国なのかも知りたいです。
また来る前に、図書館で本を借りてみよう。
そうやってみたいことが増えました。
さっき移動してきた場所に着くと、おばあちゃんが大きな杖を出します。
そのおばあちゃんの周りに、みんな集まります。
それを確かめると、おばあちゃんはその杖で、トンと地面を突きました。
するともう家の庭の魔法陣の上に立っていました。
こうやって、移動してきた場所を魔法陣を描いた杖で叩くと、戻ってこられるんです。
だからその場所を忘れないように、目印を付けておきます。
帰ってきたら、魔法陣はきちんと消すのがお約束です。
おじいちゃんが魔法で水をまくことにしました。
これは自然魔法という種類になります。
風、水、火の精霊さんにお願いして手伝ってもらう魔法です。
水の精霊さんに頼んで、キレイに消してもらいました。
こうすると、普通に水をまくよりも安心です。
そうわたし達が冬服を着ていること以外は、すっかり元通りになりました。
こっちのお天気はお陽さまが元気だから、庭もすぐに乾くね。
さっきまでサンタさんの国にいたのが、なんだか夢みたいです。
でも今度は4歳の時のように、ぼんやりとした思い出にはしないよ。
ずっと覚えてて、また遊びに行きます!
その夜、わたしは明日学校へ行く準備をしていました。
するとおばあちゃんが小さな袋をくれました。
「そうそう。みかんちゃんにお土産を持ってきていたのよ」
何かな?
わくわくしながら開けてみます。
するとそれは、お星様が付いた結いゴム2個セットでした。
「わあっ。かわいい」
そうわたしは喜びます。
いつもみかん印のか、たまにリボンを付けるくらいなので、違う形のは新鮮です。
そんなわたしをよくわかっているおばあちゃんが勧めます。
「明日付けていってみたら?
お気に入りの服に合わせたら、ますますかわいくなるわね」
その提案に、わたしも張り切ってうなずきます。
「うん、そうするね」
みかん印はわたしのこだわりだけど、たまには違うのもいいよね。
わたしは6月最初の学校へ行く日は、特別お気に入りの格好で行くことにしています。
始まりが気分いいと、いつもとは違う1ヶ月も楽しく過ごせそうな気がするからだよ。
おばあちゃんはいつもこの日に家に来るから、そのことを知っています。
今年はね、さくらんぼの刺繍の入った大きな襟の白い服に、ジーンズのジャンバースカートを選びました。
そしてこんなかわいいお星様も付けていけるんだね。
おばあちゃんのお土産のおかげで、明日がもっと楽しみになりました。
用意が終わったら、おふとんに入ります。
そしておばあちゃんとおじいちゃんにいいました。
「今日は本当に楽しかったよ。
連れて行ってくれてありがとう。
サンタさんとトナカイさんに会えたこと、明日みんなにもお話するの。
明日から、ちゃんと学校でがんばってくるからね」
私はそう約束します。
するとテトリちゃんも、バスケットから顔を出して付け加えました。
「私も付いていきますから!」
そうテトリちゃんはこの6月の間、わたしと一緒に学校に行ってくれることになりました。
わたしが心配だからって、お母さんと相談して決めたそうです。
テトリちゃんと一緒に行けるなんてうれしいな。
でもちょっと問題かなあ?
そう後ろめたい気持ちもあります。
そんなわたしに気が付かずに、おじいちゃんがいいました。
「そうか。それは安心だ。
おじいちゃん達も応援しているよ」
わたしは小さな声でテトリちゃんにいいます。
「テトリちゃん、明日から学校でも一緒だね。
クラスのお友達も、テトリちゃんが来てくれたら喜ぶよ」
「私も楽しみです。
学校ってどんなところなのか、とっても興味があったんです」
そう瞳でお話をします。
そしてそんな楽しみな明日のために、早く眠ります。
「お休みなさい」
そうみんなにいいました。
今日はサンタさんとトナカイさんに会えた、特別楽しいことがあった日でした。
だから、とっても素敵な夢が見られそうです。
2004年2~4月制作
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