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5年生6月
テトリちゃんと学校へ(上)
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「気を付けてな」
「2人とも、行ってらっしゃい」
「テトリ。よろしくね」
そうおじいちゃん、おばあちゃん、お母さんが温かく声をかけてくれます。
そんな声に見送られて、わたしはテトリちゃんと一緒に学校へ出掛けます。
「はーい。行ってきまーす」
こうやってテトリちゃんと学校へ行くのは、もちろん今日が初めてです。
おしゃれもしてるし、特別な今日に、わたしはうきうき気分です。
そんなわたし達はいつものように、真樹子おばさん家の前を通りかかりました。
すると庭にいた真樹子おばさんが、あいさつをしてくれます。
「ああ。みかんちゃん、テトリちゃんも。おはよう」
わたしとテトリちゃんも、立ち止まってあいさつをします。
「おはようございます」
真樹子おばさんはこうやって、よくご近所の人に声をかけてくれます。
特にわたしのような子どもを気にかけてくれているよ。
わたしは4歳の時にお引っ越ししてきた時からずっと、いろいろとお世話になっています。
その真樹子おばさんには、大学生の息子さんがいます。
そのお兄さんは、学校も帰りが遅くて、よくお出掛けもしています。
だからわたしは、時々見かけるくらいです。
そうお付き合いの長い真樹子おばさんは、わたしの事情も知っています。
いつもとは違うわたし達に不思議な顔もせずに、テトリちゃんに聞きました。
「今日から6月だものね。
テトリちゃんも一緒に行くの?」
テトリちゃんはしっかり答えます。
「はい。みかんちゃんも色々と大変だと思うので、私もお手伝いするんです」
その言葉に、真樹子おばさんはにっこり笑っていいました。
「そう。テトリちゃんはしっかりしていて頼もしいから、安心ね」
それからわたしにも、温かい言葉をかけてくれました。
「いちごちゃんの方が頼りになるだろうけど、困ったことがあったら、私もいつでも相談にのるからね」
そういってもらって心強いです。
でも心配って思われないように、わたしは元気にいいます。
「ありがとうございます。
今年はテトリちゃんもいてくれるし、元気にがんばります」
そんなわたしに、真樹子おばさんは安心した顔をしてうなずきました。
それから話題を変えます。
「そうそう今年も、一昨日かられもんさんと椎さんが来ていたわね」
そうおばあちゃん達が毎年来ていることも、真樹子おばさんは知っています。
おばあちゃん達、ごあいさつしているみたいだし。
おばあちゃん達といえば、昨日のことを真樹子おばさんにもお話しよう!
わたしはそう思い出しました。
でも学校に行く前だから、簡単にお話します。
「はい。昨日はおじいちゃんとおばあちゃんに、サンタさんの家に連れて行ってもらったんだよ」
そう突然サンタさんといったので、真樹子おばさんは驚いたみたいでした。
だけどすぐに、いつものように落ち着いて聞きました。
「あら、サンタさんに?
サンタさんはやっぱり、白いお髭の優しいおじいさんだった?」
サンタさんのイメージはみんな同じだね。
そう思いながら、わたしはうなずきます。
「はい。いろいろなお話を聞かせてもらったよ」
そのこともお話したいけど、時間がかかるから今度にしよう。
そう思うわたしの後に、テトリちゃんがもう1つ付け加えました。
「サンタさんの家には、トナカイさんもいましたよ」
そうだね。それもとっても大切なことです。
そんなわたし達を交互に見て、真樹子おばさんは微笑みました。
「そうなの。サンタさんは本当に聞いていた通りなのね。
2人とも、とっても楽しかったみたいね」
「はい!」
わたし達は元気にうなずきます。
それから真樹子おばさんが時計を見てあわてました。
「あ!大分引き留めちゃったね。
みかんちゃん、テトリちゃん、いってらっしゃい」
「行ってきまーす」
わたし達は手を振って、学校へと歩きます。
時間に余裕を持って出て来たから、まだ急がなくても大丈夫です。
そうそうテトリちゃんには、最初から汚れない魔法がかけられています。
地面を歩いたり、水がかかってもきれいなままなんだよ。
この魔法は、魔法使いが生き物に変えた物には大抵かけるそうです。
生きていても、体は本物の猫になったわけじゃないもんね。
あんまり洗うと、毛がごわごわになっちゃいます。
でも、あれ?テトリちゃんって、ご飯は一緒に食べるよね。
ぬいぐるみのままのところと、生き物らしいところがあるみたいです。
そんなテトリちゃんと、のんびり町並みを眺めながら向かいます。
歩くと、空を飛んでいた時にはわからない発見がたくさんあります。
前に見た時にはつぼみだったお花が咲いていたりね。
テトリちゃんとこの道を通るのも初めてなので、いろいろ教えてあげました。
学校に着くと、テトリちゃんにはカバンの中に入ってもらいました。
それからわたしは元気良く、教室のドアを開けます。
「おはよーっ」
「おはよー。あれ?みかんちゃん。
今日は晴れてるのに、ほうきを持ってないね」
そう不思議そうに美穂ちゃんが聞きます。
そして龍太郎くんが、ポンと思い出しました。
「ああ、そうか。6月だもんな」
クラスのみんなにも去年話したので、そう知っています。
美穂ちゃんも、その言葉で思い出したようでした。
「うん!だから今月は、テトリちゃんも一緒に学校に来てくれることになったの」
そういって、わたしはカバンを開けます。
そしてテトリちゃんが顔を出しました。
「おはようございます!」
そんなテトリちゃんを見て、みんなは喜びました。
「わあっ。テトリちゃんだ」
もうテトリちゃんには、1度会っている子が多いんです。
その中、秋子ちゃんが確認しました。
「でも…、学校にテトリちゃんを連れて来ていいって許可はもらってないんだよね?」
わたしは正直にうなずきます。
「うん。昨日急に決まったことだし、さすがにテトリちゃんまでは許してもらえないかなあと思って、いってないの。
だから先生に見つからないように、授業中はカバンの中にいてもらうことになってるんだ」
これが、昨日わたしが気になっていたことです。
テトリちゃんが学校に来ているのは、先生達には秘密。
テトリちゃんはいい子だし、来たことで何か問題が起きたりはしないんじゃないのかな?
それでもいけないことなんだけどね。
そのわたしの言葉に、秋子ちゃんはうなずきました。
「そっか。テトリちゃんなら大人しくしていられるし、大丈夫だよね」
そうわたしとテトリちゃんを心配して聞いてくれたみたいです。
「テトリちゃん、45分もじっとしてるなんて平気?」
そう優香里ちゃんも心配そうに聞きます。
テトリちゃんは、自信を持って答えました。
「大丈夫です。私は元々ぬいぐるみですから。
じっとしていようと思えば、ずっと動かないままでもいられます」
そうなんだ!
そのことはわたしも初めて聞きました。
そうテトリちゃんの良く出来ているところに感心します。
「2人とも、行ってらっしゃい」
「テトリ。よろしくね」
そうおじいちゃん、おばあちゃん、お母さんが温かく声をかけてくれます。
そんな声に見送られて、わたしはテトリちゃんと一緒に学校へ出掛けます。
「はーい。行ってきまーす」
こうやってテトリちゃんと学校へ行くのは、もちろん今日が初めてです。
おしゃれもしてるし、特別な今日に、わたしはうきうき気分です。
そんなわたし達はいつものように、真樹子おばさん家の前を通りかかりました。
すると庭にいた真樹子おばさんが、あいさつをしてくれます。
「ああ。みかんちゃん、テトリちゃんも。おはよう」
わたしとテトリちゃんも、立ち止まってあいさつをします。
「おはようございます」
真樹子おばさんはこうやって、よくご近所の人に声をかけてくれます。
特にわたしのような子どもを気にかけてくれているよ。
わたしは4歳の時にお引っ越ししてきた時からずっと、いろいろとお世話になっています。
その真樹子おばさんには、大学生の息子さんがいます。
そのお兄さんは、学校も帰りが遅くて、よくお出掛けもしています。
だからわたしは、時々見かけるくらいです。
そうお付き合いの長い真樹子おばさんは、わたしの事情も知っています。
いつもとは違うわたし達に不思議な顔もせずに、テトリちゃんに聞きました。
「今日から6月だものね。
テトリちゃんも一緒に行くの?」
テトリちゃんはしっかり答えます。
「はい。みかんちゃんも色々と大変だと思うので、私もお手伝いするんです」
その言葉に、真樹子おばさんはにっこり笑っていいました。
「そう。テトリちゃんはしっかりしていて頼もしいから、安心ね」
それからわたしにも、温かい言葉をかけてくれました。
「いちごちゃんの方が頼りになるだろうけど、困ったことがあったら、私もいつでも相談にのるからね」
そういってもらって心強いです。
でも心配って思われないように、わたしは元気にいいます。
「ありがとうございます。
今年はテトリちゃんもいてくれるし、元気にがんばります」
そんなわたしに、真樹子おばさんは安心した顔をしてうなずきました。
それから話題を変えます。
「そうそう今年も、一昨日かられもんさんと椎さんが来ていたわね」
そうおばあちゃん達が毎年来ていることも、真樹子おばさんは知っています。
おばあちゃん達、ごあいさつしているみたいだし。
おばあちゃん達といえば、昨日のことを真樹子おばさんにもお話しよう!
わたしはそう思い出しました。
でも学校に行く前だから、簡単にお話します。
「はい。昨日はおじいちゃんとおばあちゃんに、サンタさんの家に連れて行ってもらったんだよ」
そう突然サンタさんといったので、真樹子おばさんは驚いたみたいでした。
だけどすぐに、いつものように落ち着いて聞きました。
「あら、サンタさんに?
サンタさんはやっぱり、白いお髭の優しいおじいさんだった?」
サンタさんのイメージはみんな同じだね。
そう思いながら、わたしはうなずきます。
「はい。いろいろなお話を聞かせてもらったよ」
そのこともお話したいけど、時間がかかるから今度にしよう。
そう思うわたしの後に、テトリちゃんがもう1つ付け加えました。
「サンタさんの家には、トナカイさんもいましたよ」
そうだね。それもとっても大切なことです。
そんなわたし達を交互に見て、真樹子おばさんは微笑みました。
「そうなの。サンタさんは本当に聞いていた通りなのね。
2人とも、とっても楽しかったみたいね」
「はい!」
わたし達は元気にうなずきます。
それから真樹子おばさんが時計を見てあわてました。
「あ!大分引き留めちゃったね。
みかんちゃん、テトリちゃん、いってらっしゃい」
「行ってきまーす」
わたし達は手を振って、学校へと歩きます。
時間に余裕を持って出て来たから、まだ急がなくても大丈夫です。
そうそうテトリちゃんには、最初から汚れない魔法がかけられています。
地面を歩いたり、水がかかってもきれいなままなんだよ。
この魔法は、魔法使いが生き物に変えた物には大抵かけるそうです。
生きていても、体は本物の猫になったわけじゃないもんね。
あんまり洗うと、毛がごわごわになっちゃいます。
でも、あれ?テトリちゃんって、ご飯は一緒に食べるよね。
ぬいぐるみのままのところと、生き物らしいところがあるみたいです。
そんなテトリちゃんと、のんびり町並みを眺めながら向かいます。
歩くと、空を飛んでいた時にはわからない発見がたくさんあります。
前に見た時にはつぼみだったお花が咲いていたりね。
テトリちゃんとこの道を通るのも初めてなので、いろいろ教えてあげました。
学校に着くと、テトリちゃんにはカバンの中に入ってもらいました。
それからわたしは元気良く、教室のドアを開けます。
「おはよーっ」
「おはよー。あれ?みかんちゃん。
今日は晴れてるのに、ほうきを持ってないね」
そう不思議そうに美穂ちゃんが聞きます。
そして龍太郎くんが、ポンと思い出しました。
「ああ、そうか。6月だもんな」
クラスのみんなにも去年話したので、そう知っています。
美穂ちゃんも、その言葉で思い出したようでした。
「うん!だから今月は、テトリちゃんも一緒に学校に来てくれることになったの」
そういって、わたしはカバンを開けます。
そしてテトリちゃんが顔を出しました。
「おはようございます!」
そんなテトリちゃんを見て、みんなは喜びました。
「わあっ。テトリちゃんだ」
もうテトリちゃんには、1度会っている子が多いんです。
その中、秋子ちゃんが確認しました。
「でも…、学校にテトリちゃんを連れて来ていいって許可はもらってないんだよね?」
わたしは正直にうなずきます。
「うん。昨日急に決まったことだし、さすがにテトリちゃんまでは許してもらえないかなあと思って、いってないの。
だから先生に見つからないように、授業中はカバンの中にいてもらうことになってるんだ」
これが、昨日わたしが気になっていたことです。
テトリちゃんが学校に来ているのは、先生達には秘密。
テトリちゃんはいい子だし、来たことで何か問題が起きたりはしないんじゃないのかな?
それでもいけないことなんだけどね。
そのわたしの言葉に、秋子ちゃんはうなずきました。
「そっか。テトリちゃんなら大人しくしていられるし、大丈夫だよね」
そうわたしとテトリちゃんを心配して聞いてくれたみたいです。
「テトリちゃん、45分もじっとしてるなんて平気?」
そう優香里ちゃんも心配そうに聞きます。
テトリちゃんは、自信を持って答えました。
「大丈夫です。私は元々ぬいぐるみですから。
じっとしていようと思えば、ずっと動かないままでもいられます」
そうなんだ!
そのことはわたしも初めて聞きました。
そうテトリちゃんの良く出来ているところに感心します。
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