みかんちゃんの魔法日和〜平和な世界で暮らす、魔法使いの日常

香橙ぽぷり

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5年生6月

テトリちゃんと学校へ(下)

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そう話をしていたら、わたしはまた思い出しました。
昨日のあの疑問です。
それをみんなにもいってみます。
「そういえばわたしが会ったサンタさんは、プレゼントを配っているのはサンタさんの国だけなんだって。
わたし達には違うサンタさんがいるっていっていたんだけど、どういう人なのかな?」
「えっ、そうなの?」
わたしの言葉に、柾紀くんと麻緒ちゃんも驚きます。
すると健治くんが何かいいかけました。
「あっ。それはさ、おれ達の…」
でも龍太郎くんに口を抑えられます。
「健治!そういうことはいうな!」
そして美穂ちゃんと正くんも続けます。
「そうだよ。
本当に健治くんって、何でもしゃべろうとするんだから」
「全く大人気ないよ」
そんなみんなを見て、疑問いっぱいのわたし達。
???健治くん達は何か知っているの?
健治くんを静かにしてから、龍太郎くんはわたし達に向き直りました。
そして人差し指を立てていいます。
「確かにおれ達のサンタ・クロースは、そのおじいさんじゃない。
でもおれ達のために考えて、プレゼントを届けてくれる優しい人だ」
そう説明をする龍太郎くんも、サンタさんを知っているみたいです。
だから麻緒ちゃんは聞きました。
「龍太郎くんは、そのサンタさんに会ったことがあるの?」
すると龍太郎くんは困った顔になりました。
それから少し考えます。
そしていつものように落ち着いて、わたし達にいいました。
「いや…、ないけどさ。
でも毎年届くプレゼントを見たら感じるだろ?
みかんも麻緒も柾紀も。
なんたって、魔法使いや精霊がいる世界なんだからな。
実際会ったことがなくたって、そういう人がいるって、ちゃんと信じられるだろ?」
そう龍太郎くんのいうことを聞いたら、なんだか心が落ち着きました。
わたしのサンタさんは別の人って聞いてから今まで、その人について気になっていました。
でもそう色々考えるよりも、今まで通り素直に、わたし達にもサンタさんがいてくれることを大事に思えばいいんだね。
わたしは魔法使いなのに、大切なことを忘れていました。
誰よりも、信じる心を持っていないといけないのにね。
「うん、そうだね」
麻緒ちゃんと柾紀くんも納得して、3人でうなずきます。
そう一件落着しました。
するとそう解決させてくれた龍太郎くんを、彩ちゃんがほめます。
「龍太郎くん、かっこいい!どこでそういうやり方を覚えたの?」
龍太郎くんは、少し首をひねってから答えます。
「うーん。美紅がいるから、いつの間にか…」
美紅ちゃんは、幼稚園に通っている、龍太郎くんの妹です。
美紅ちゃんに聞かれたことも、こうやって答えているのかな?
そんな場面を想像すると、とってもいいお兄ちゃんだなあと思います。
あんなふうに人に教えてあげられるって凄いなあ。
そう龍太郎くんに感心します。
それからわたしは、麻緒ちゃん達に向き直ります。
おばあちゃんからいわれたことを、麻緒ちゃん達にも伝えなくちゃって思って。
わたしは一生懸命いいます。
「わたしが昨日会ったサンタさんはね、そのわたし達のサンタさんもお手本にしている人なんだって。
だからわたし達のところに来てくれている人じゃなくても…」
そうわたしがいいたいことを、麻緒ちゃんと柾紀くんはちゃんとわかってくれました。
2人とも元気にうなずきます。
「うん!やっぱりわたしは、そのサンタさんにお手紙書くよ。
わたし達のサンタさんの住所がわからないからっていうのもあるけど、最初のサンタさんなんだもんね。
だからどっちも、感謝しているサンタさんだよ」
そうしっかりいう麻緒ちゃんに続いて、柾紀くんも自信を持った顔でいいます。
「ぼくもお手紙を書いて良かったよ。
ぼく達の憧れているサンタさんに変わりはないもんね」
そんな2人の返事に、わたしはうれしくなりました。
「そうだよね。サンタさんはどこの国でも、子ども達を喜ばせてくれるステキな人だよ」
そう話がまとまったら、ちょうど朝のチャイムが鳴りました。
カラーンコローン♪
「あっ。席に着かなきゃ」
急いでテトリちゃんには、カバンの中に入ってもらいます。
そして今のお話のおかげで、ほんわかした気分で席に着きました。
それから隣の席なので、さっきの高志くんのことを思い出しました。
わたしはちょっと緊張して聞いてみます。
「ねえ、高志くん。まだ怒ってる?」
すると高志くんは普通に答えてくれました。
「いや、みかんには怒ってないよ。
健治がおれのことをからかったりするから、あいつに怒っただけ」
そういわれて、わたしは安心しました。
「良かった。ついわたしも調子にのっちゃったから」
そんなわたしに、高志くんはいつも通りにいいました。
「それよりも、サンタクロースに会えて良かったな」
「うん!とってもうれしかったよ」
そうつられてわたしも、いつもの笑顔で答えます。
そうみんな解決すると、友子先生が入ってきました。
「みんな、おはようございます」
「おはようございまーす」
わたし達も、今日も元気にあいさつをします。
テトリちゃんもいるし、とってもいい始まりだね。
そんなうれしい気分で、6月が始まりました。

2004年5月制作
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